八幡「後輩」 いろは「先輩」   作:鴉子

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八幡「彼女な後半」 いろは「彼氏な先輩」 part2

昼休み、いろはの突然の登場により変な空気になっていた教室を出た俺たちはベストプレイスにいた

 

八幡「なあいろは、お前なんでいきなり教室きたんだ?」

 

いろは「あ、そのすみません。いやだったですか……?」

 

いろははとても不安で悲しそうな顔をしている

いや、それもそうか。俺達は付き合ってるんだし、その彼氏にそんなこと言われたら怒られていると思っちまうわな

 

八幡「いやだったわけじゃないんだが、少し驚いただけだ」

 

いろは「なら良かったです」

 

そう言ういろははとても安心したような顔をしている

 

いろはの悲しそうな顔は見たくないな。これからは言動とかしっかり考えなくちゃな

 

そう改めて思いながら俺は飯を食べようとするが、

 

八幡「あ、悪いいろは。俺まだ飯買ってきてなかったわ。」

 

いろは「え?それなら心配いりませんよ。八幡の分も私が作って来たので!」

 

え、マジで。彼女の手作り弁当とか俺人生の勝ち組じゃね?あ、いろはと付き合ってる時点で俺勝ち組だったわ

 

いろは「あれ、今朝メールで小町ちゃんに伝えておいてって頼んでおいたんですけど?」

 

八幡「あー、それなら時間なかったから言う時なかったんじゃね?今朝家出たの遅刻ギリギリだったし」

 

いろは「それで今朝は会えなかったんですね。私八幡のこと探したんですよー」

 

八幡「それは悪いことしたな」

 

いろは「本当ですよー。なので八幡にはこれから罰ゲームを受けてもらいます♪」

 

え、何罰ゲームって。

 

八幡「え、マジで?何すんの?死ねとかやめてくださいよいろはさん」

 

いろは「ちょ、なんでいきなり敬語になってるのですか!?てか、私がそんな事言うはずないじゃ無いですか!」

 

おぅ、どうやら俺の命は繋がれたようだ

 

八幡「んじゃ、罰ゲームって何やるんだ?」

 

そう聞くといろはは楽しそうに罰ゲームの内容を言った

 

いろは「それは今日のお昼ご飯を私が食べさせてあげることです!」

 

ほっ。良かったそんな事か。

ん?それってまさか?

 

八幡「食べさせるってもしかして……」

 

いろは「もちろんあーんですよ?」

 

え、あーんってマジで?そんな事したら俺恥ずかしさで死んじゃうぞ

 

いろは「嫌ですか?」ウワメヅカイ

 

ぐはっ、今のいろはの上目遣いは俺には効果抜群のようだ

今の俺にはいろはの上目遣いは可愛く見えすぎてしまう

 

八幡「わ、分かったからその上目遣いをやめろ!」///

 

いろは「あ、八幡照れてるですか!可愛いですね!」

 

八幡「おまっ!い、いいから早く食べるぞ」

 

いろは「分かりました。それじゃあ食べましょうか」

 

そう言っていろはは持って来ていた弁当箱を開けた

 

おお、これは……

 

八幡「これってお前が作ったのか?」

 

いろは「はい!そうですよ」

 

八幡「お前料理とかできたんだな。以外だな」

 

そう、いろはの作った弁当はすごく美味しそうだった

 

いろは「以外ってなんなんですか。もー」プンスカ

 

八幡「いや、普段から料理とかするのか?」

 

いろは「んー。普段はお母さんの手伝い程度しかしないですかねー」

 

八幡「そのわりには上手にできてるじゃねーか」

 

いろは「えへへ。ありがとうごさいます。でも、味だけじゃないですよー」

 

そう言うといろははあーんをしてきた

 

あ、やっぱり覚えてたか。なんとか話でごまかそうと思ったんだが

 

いろは「どうぞ八幡、あーん」

 

しかたねぇ、覚悟を決めるしかないようだな

 

そう思いいろはの作った料理を食べた

 

いろは「どうですか?」

 

八幡「おー、うまいな」

 

いろは「それは良かったです」

 

そう言っていろはも食べ始める

 

いろは「あ、そうだ今日八幡の家にいっていいですかー?」

 

八幡「ん、?どうしたんだ急に?」

 

いろは「小町ちゃんと会ってみたいですしねー。それに八幡に料理を教えて貰おうかと思いまして」

 

八幡「家に来るのは別にいいぞ。小町も会いたがっていたしな。でも料理の方は十分上手じゃねーか」

 

いろは「いえその、八幡の好みに合わせて作ってみたいなーと思ったので」///

 

八幡「そ、そうか……」///

 

って、なんて嬉しいことと言ってくれるんですかいろはさん。もう顔が赤くなっていろはの方向けなくなっちまったじゃねーか

 

 

 

 

それからいろはにあーんしたりしてもらったりしながら昼休みは過ぎていった

 

俺がいろはにあーんしなかったかって?そんなの俺ができるわけないだろ。恥ずかしすぎる。てかいろははよくできるな

 

いろは「あ、昼休みも終わりますね。それでは放課後奉仕部に遊びにいきますねー」

 

八幡「おう」

 

そう言っていろはは自分の教室へ戻って行った

さて、俺も戻ろうかな

 

 

 

そう思い、教室へ向かったのだが俺はこの時いろはと無理やり教室から出てきたことを完全に忘れていた[newpage]

俺が教室に入った瞬間クラス全員がこっちを見てきた

 

え、何これ。俺ってなんかしたっけ?

 

結衣「あ、ヒッキー」

 

やべ、思い出した。

俺、昼休み無理やり教室から出てきたんだった

 

結衣「さっきのことなんだけど……」

 

そう由比ヶ浜が聞こうとしたところでチャイムが鳴った

 

八幡「ほら由比ヶ浜、チャイムなったぞ。席につけ」

 

結衣「う、うん……」

 

ふぅ、危ないところだった。ナイスタイミングでチャイムがなってくれて助かった

 

さて今のうちにどうやって付き合ってることを説明するか考えておかなくちゃな

 

 

 

 

そんな事を考えながら時間は過ぎていきいつの間にか放課後になっていた

やっばり考え事をしていると時間が短く感じるな

 

さて、さっさと部室に行くとするか

 

由比ヶ浜は後から来るだろうし、先行くとするか

 

ー奉仕部部室ー

 

ガラガラ〜

 

八幡「よう」

 

雪乃「あら、こんにちは、比企谷君」

 

ど、どうしたんだこいつ。俺が部室に入ってくるたびに浴びせて来る罵声はどこにいった

 

八幡「お、おう。珍しいな、お前が俺の挨拶に普通に返すなんて」

 

雪乃「そうかしら。挨拶には挨拶で返す、別に当たり前の事だと思うのだけど?」

 

八幡「そ、そうか」

 

そんな以外なセリフに俺は戸惑っていると、

 

雪乃「そんな事より比企谷君、あなたに聞きたいことがあるのだけど?」ニコッ

 

雪ノ下はそう聞いてきた

うわぁ、今のこいつ雪ノ下さん(姉)と同じ顔してるよ。表面だけは笑っているという恐ろしい顔だ。さすが姉妹だな。

だがこのことを雪ノ下に言ったらどうなるか分からないから言わないでおこう

 

八幡「な、何を聞きたいんだ?」

 

雪ノ下にそう聞いたところで部室のドアがあいた

 

結衣「やっはろ〜」

 

アホの子由比ヶ浜の登場だ

てかナイスタイミングだ由比ヶ浜。今の俺には雪ノ下が怖すぎてたまらなかったんだよ

しかし雪ノ下は今のことがなかったかのように、

 

雪乃「こんにちは由比ヶ浜さん」

 

そう雪ノ下が挨拶を返し、

 

八幡「おう」

 

俺も挨拶を返した。てか俺の挨拶しょぼいな

 

結衣「あ、そうだヒッキー、聞きたいことがあるんだけど」

 

雪乃「あら奇遇ね由比ヶ浜さん。私もあることについて比企谷君に聞こうと思っていたところなの」

 

やべぇ、由比ヶ浜はナイスタイミングなどではなくバッドタイミングだったようだ

てかこいつらが聞きたいことなんてあのことについてだよな

だが俺はあえてなんのことか分からないふりをした

 

八幡「何を聞きたいんだ?」

 

結衣「ヒッキー」 雪乃「比企谷君」

 

雪乃、結衣「一色さん(いろはちゃん)とはどういう関係なのかしら(どうゆう関係なの)?」

 

やっぱりそのことか……

さすがに昼休みにあんなことが教室であれば気になるわな

 

八幡「あー、いろはとはだな……」

 

そう今から説明しようとしたところでまたも部室のドアがあいた

 

開けたのは、今現在話題に上がっている一色いろはだった

 

いろは「はちまーん、遊びに来ましたよー!」

 

うわぁぁぁ、なんてタイミングで来たんでしょうかこの子は。

 

雪乃「こんにちは一色さん。何か依頼かしら?」

 

いろは「いえ、依頼じゃありませんよー。遊びに来たっていったじゃないですかー」

 

雪乃「一色さん、ここは遊びに来る場所じゃないのよ。」

 

そう言う雪ノ下の顔はとても冷めた顔をしていた

そんな雪ノ下の表情が怖くなったのか、いろはは俺の後ろに隠れながら言ってきた

 

いろは「でも昼休みに八幡に遊びに行くって言ったので……」

 

いろはめちゃくちゃ怖がってるな。いつものあざといいろはが完全に消えてるじゃねーか

 

一瞬の沈黙が出来た後、さっきまで黙っていた由比ヶ浜が突然声を上げた

 

結衣「ちょっ、いろはちゃん。さっきからヒッキーの事名前で呼んでるけどどうして!?」

 

あ、そういえばこいつらに付き合ってること言ってなかったっけ

 

そう思い説明しようとすると、

 

いろは「それは私達が付き合っているからです!」

 

いろはは思いっきりそう言った

 

雪乃「一色さん、今なんと言ったのかしら?」

 

いろは「私達が付き合ってるって言ったんですよ!」

 

雪乃「それはどういう意味でかしら?」

 

いろは「そんなの男女交際の意味に決まってるじゃないですかー」

 

そう言ういろはは元の調子を取り戻していた

 

結衣「ほ、ほんとなのヒッキー?」

 

え?今ここで俺にふるの?

まあ正直に答えるしかねえか

 

八幡「まあな。俺といろはは付き合ってる」

 

結衣「そ、そうなんだ……」

 

八幡「あ、あぁ……」

 

え、何この空気。なんで由比ヶ浜黙っちゃうの?

てか、いろはも雪ノ下もどうして黙っちゃってるの?

 

少ししてこの空気を壊すように由比ヶ浜は口を開いた

 

結衣「そっか。おめでとう、ヒッキー!」

 

八幡「お、おう。ありがとな」

 

雪乃「私からもおめでとうと言っておくわ、比企谷君。それに一色さん」

 

いろは「あ、ありがとうございます!」

 

いろはは驚いた顔をしている。きっと由比ヶ浜ならともかく雪ノ下まで素直に俺たちを祝ってくれるとは思っていなかったのだろう

そういう俺も思ってもなかったので驚いた顔をしているのだろう

 

結衣「それでそれで!どっちが告白したのっ?」

 

さっきまでの空気がなかったかのように由比ヶ浜は俺たちについて聞いてきた

 

八幡「それは恥ずかしいから言わな…… いろは「私が告白して、八幡が振って、八幡が告白仕返してきました!」

 

って、なんで言っちゃうんですかいろはさん!?

俺その時の事思い出すだけで恥ずかしくて顔赤くなるのだぞ!

 

結衣「へ、へー。なんだかヒッキーらしいね」

 

雪乃「本当、その捻くれようといい、彼らしいわね」

 

いろは「その時の八幡本当かっこ良かったんですよー」

 

ちょっ、何言ってんだよ///

てか俺置いて女子3人で話進めないでくださいよ。俺悲しくなってきたじゃねーか

 

それからと言うものの部活が終わるまで俺たちは雪ノ下と由比ヶ浜の2人に質問ぜめにされた

ー帰り道ー

 

俺たち2人で歩いていた。行き先は俺の家だ。まぁ、昼休みに約束していたからな。

 

いろは「はちまーん、さっきまでは大変でしたねー」

 

そう言ういろははとても楽しそうな顔をしている

てか、絶対お前楽しんでただろ

 

八幡「ああ、本当大変だったよ。ってか、お前は明らかに楽しんでただろ!」

 

いろは「えへへー、ばれましたー?」

 

おぅ、やっぱりか

 

八幡「何がそんなに楽しかったんだ?」

 

いろは「えー、だって彼氏のこといい意味でいろいろ言われるのって嬉しいじゃないですかー」

 

八幡「そ、そうか」///

 

いろは「あ、八幡照れてるんですか!可愛いですね!」

 

八幡「うるせえ」///

 

てかさっきのセリフなんか聞き覚えあるよ?デジャブュ?

 

そんなこんなで色々と話しているといつの間にか俺の家に着いていた

 

八幡「おいいろは、着いたぞ」

 

いろは「あ、本当ですか!楽しみです!」

 

八幡「そうか。ほら、早く入るぞ」

 

そう言ってドアを開けると、

 

小町「おかえりお兄ちゃん。それからいろはお義姉ちゃん、はじまして!」

 

小町が玄関で待ち構えていた。

 

八幡「おう」

 

いろは「は、始めまして小町ちゃん!」

 

いろは緊張しすぎだろ

 

八幡「いろはそんな緊張しなくていいんだぞ。どうせ今は俺と小町しかいない」

 

小町「お兄ちゃん今の小町的にポイント低いよー。それにかーくん忘れてるよ」

 

いろは「かーくん?」

 

八幡「ああ、うちの猫だ」

 

いろは「八幡猫飼ってるですかっ!?」

 

八幡「まあな。お前猫好きなのか?」

 

いろは「はいっ、大好きです!」

 

この感じだと雪ノ下と同じくらい猫好きそうだな

 

いろは「でも、八幡のことはもっと大好きですよっ」///

 

八幡「そ、そうか」///

 

くっ、油断してた。不意打ちとは卑怯だぞ

 

小町「あー、お二人さん熱々なのはいいんですがそろそろリビングへ行きません?かーくんもいますし」

 

こ、小町のこと忘れてた

やべぇ、くそ恥ずかしいじゃねーか

 

いろは「そ、そうですねっ」///

 

あ、この様子だといろはも忘れたっぽいな

すまんな小町よ

ーリビングー

 

玄関でいろいろと恥ずかしい思いをした後俺たちはリビングへ向かった

 

リビングに入ると丁度かまくらがドアの近くにおりそれを見たいろははすぐにかまくらを触り出した

 

いろは「えへへー、ふわふわー♪」

 

そう言ういろははとても幸せそうな顔をしている

 

八幡「気持ち良さそうだな」

 

いろは「はいっ!とっても気持ちいいです」

いろは「八幡は触らないんですかー?」

 

八幡「こいつは俺が触ろうとすると逃げるんだよ」

 

俺も一応飼い主なのになぁ

 

小町「あー、かーくんって本当お兄ちゃんに懐かないよね」

 

いろは「八幡は飼い猫にまで嫌われてるんですかw」

 

八幡「う、うるせーな」

 

うっ、なかなかひどいことを言ってくれるなぁ

 

いろは「でも私は大好きですから安心してください!」

 

八幡「はいはい、ありがとなー」

 

いろは「ちょっ!反応ひどくないですか!?」

 

八幡「なんか言われ慣れたんだよ。慣れってすげーなマジで」

 

小町「いろはお義姉ちゃん、ホントはお兄ちゃんはとっても照れてますよ。見てください、お兄ちゃんのアホ毛はウソをつくと動くんですよ」

 

ちょっ、何言っちゃってくれてるの小町さん?

 

いろは「あっ、ホントですね。えへへ、八幡やっぱり照れてたんですね♪」

 

八幡「うるせー」///

 

そんな感じで色々と話していると、突然俺の腹がなった

 

小町「あっ、そろそろご飯にしよっか」

 

八幡「小町、もう飯は出来てるのか?」

 

小町「ううん、ごめんねー。これから作るとこ」

 

おお、それなら丁度いい

 

八幡「なら今日は俺が作るぞ」

 

小町「えっ、どうしたのお兄ちゃん?」

 

八幡「いや、今日はいろはに料理を教えるのが家に来た目的のひとつだからな」

 

いろは「八幡、覚えてたんですね」

 

八幡「いや、そりゃあ今日の出来事だからな」

 

さすがに忘れないだろう

 

小町「それならお任せするねお兄ちゃん」

 

八幡「ああ。ほら、いろはついてこい」

 

そう言って俺たちは台所に向かう

 

八幡「いろはなんか食べたい物あるか?」

 

いろは「私はなんでもいいですよー。特に嫌いな食べ物もないですし。そういえば八幡は何か嫌いな食べ物とかありますか?」

 

 

八幡「俺はトマトが嫌いだ。俺はトマトが食べ物だとは認めてない」

 

あれは食べ物じゃねーだろ

 

いろは「な、なんかすごい言いようですね」

 

八幡「まあな。トマトだけは嫌いだ」

 

いろは「それじゃあ明日からのお弁当にはトマト入れないでおきますねー」

 

八幡「おお、助かる。てか明日も作ってくれるのか?」

 

いろは「もちろんですよ。これから毎日作りますよー」

 

八幡「そうか、ありがとな」

 

いろは「どういたしましてですよー」

 

小町「お二人さーん、楽しいところ悪いんですがそろそろご飯作り始めませんか?」

 

あ、忘れてた。

いろはと話してると色々と忘れちまうな

 

八幡「ん、そうだな。じゃあ唐揚げでも作るか」

 

いろは「八幡は唐揚げが好きなんですか?」

 

八幡「まあな」

 

いろは「覚えておきますねー」

 

さてそろそろ作り始めるとするか。

また小町になんか言われそうだし

 

 

ー数十分後ー

 

いろは「八幡、とっても美味しいです!」

 

八幡「おお、ありがとな」

 

小町「ホントお兄ちゃんって料理上手だよねー」

 

八幡「まあ、俺の将来は専業主婦って決めてるからな」

 

専業主婦、マジで最強

 

いろは「え、八幡専業主婦になるんですか?」

 

小町「はぁー、まだそんなこと言ってるのゴミィちゃんは。なんだかんだいってお兄ちゃんは働く方が向いてると思うよ」

 

それは言わないでくれよ。マジで最近社畜人生に向かってるんじゃないかと思ってるんだから

 

そんなどうでもいいことを話しながら俺たち3人は晩飯を食べ続けた

 

 

 

ー数時間後ー

 

八幡「いろは、お前そろそろ帰った方がいいんじゃねーか?」

 

話し込んでいたらいつの間にか時間は結構経っていた

 

いろは「あ、ホントですねー」

 

そう言っていろはは残念そうな顔をする

 

八幡「はー、そんな顔すんな。別にうちならいつでも来ていいから」

 

いろは「ホントですか?」

 

八幡「ああ」

 

小町「おー、お兄ちゃんが気を使ってるよ」

 

八幡「うるせー小町。俺だって気ぐらいはつかえるわ。ただ使う相手が少ないだけだ」

 

小町「はいはい。ほら早くいろはお義姉ちゃん送ってかなくていいの?」

 

八幡「ん、そうだな。ほら、行くか、いろは」

 

いろは「はいっ!」

 

そう言って俺たちは玄関に向かう

 

小町「また来てくださいねー、いろはお義姉ちゃん」

 

いろは「うんっ、ありがとねー、小町ちゃん」

 

八幡「んじゃ、行って来る」

 

俺たちは玄関から出た

 

 

ー帰り道ー

 

いろは「小町ちゃん、いい子ですねー」

 

八幡「まあな、ホントに俺の妹なのかって思う時があるよ」

 

だっていい奴すぎるからな

 

いろは「なんですかそれー?」

 

八幡「いや、俺と違って社交性あっていい奴だからな」

 

いろは「八幡もいい人ですよ」ニコッ

 

そう言っていろははこっちを見ながら微笑む

 

いろは「手、つないでいいですかー?」

 

八幡「ああ」

 

なんかいろはと手をつなぐと安心するな

そんな事を思っているといろはが突然言ってきた

 

いろは「なんか八幡と手をつないでいると安心できるんですよねー」

 

こいつ俺と同じことを。

 

いろは「八幡はどこにも行きませんよね?」

 

八幡「なんだよそれ」

 

なんでこいつはこんな辛気臭い顔してるんだ?

 

いろは「いえ、八幡はいつかどこかに行ってしまうんではないかと思いまして……」

 

八幡「はぁ、何言ってんだよ」

 

そう言って俺は足を止め空いている手でいろはの頭を撫でる

 

八幡「俺はお前をおいてどこにも行ったりはしないぞ」

 

やっと見つけた俺にとっての『本物』だしな

 

いろは「ホントですか?」

 

八幡「ああ、ホントだ」

 

いろは「えへへ、なら良かったです」

 

そう言っていろはは俺の手を強く握る

 

いろは「大好きですよっ」

 

八幡「あぁ、俺もだよ」

 

そう言う俺も手を握り返す。

いろはの小さな手を。




これにてそのシリーズは終わりにさせていただきます
ありがとうございました

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