新たな歩み〜英雄の力を手に入れし者〜 作:オウトモ
俺たちは、ふざけながら、朱乃の家である神社に向かっていった。
「ゴー君今日もごはん食べてってね~」
階段を上っているときに言われた。
姫島とは、迷子になっているところを案内してあげたら、懐かれた。
ただそれだけなんだが、朱璃さん(母親)が、優しくしてくれてたまに夕飯までお世話になっているんだが・・・
「さすがに、一週間に三回も食べに行くのは悪いよ」
そう。ここ最近やけに多いのだ。朱璃さんに何かあったのか聞いても、『あらあら、うふふ。朱乃のことをよろしくね?』
としか言われないのだ。
「そ、そんなこと・・・」
姫島が口ごもっていると、上から声がした。
「ダメじゃない朱乃。ゴー君にも迷惑ですよ?」
姫島が、大人になったらこんなにスタイルが良くなるのか・・・
そう思わざるを得ない最高のスタイルなのだ。しかも顔も整っていると来た。はじめて会ったときは、思わず目を奪われてしまった。
そんな朱璃さんに、挨拶を軽くする。
「おはようございます朱璃さん。今日もお邪魔します」
すると、姫島がいきなり朱璃さんのところに走って言って、こしょこしょと話をしていた。
とてつもなく気になった俺は、冗談っぽく朱璃さんに聞く。
「何話してたんですか?」
「それはね・・・」
「お母さん!言っちゃダメ」
悪そうに笑って言おうとした朱璃さんを怒る姫島。
「「ははははは」」
俺と朱璃さんは大きな声で笑うのであった。
※
「うーん・・・これだ!!あっ!ジョー・・・ゴホンゴホン。何もない」
今三人でババ抜きをしている。朱璃さんからババを取ったらしい。
「ぷぷ!姫島分かりやすすぎ」
俺が、からかうと姫島は頬をプクーっと膨らませて次はゴー君の番!とばかりにカードを突き出してくる。
スッ
俺は姫島から取ったカードと、持っていたカードを照らし合わせて確認する。
「よし。あーがり」
手札がなくなった。
その後、顔に出てしまう姫島と大人げない朱璃さんのババ抜きを眺めている俺なのであった。
※
「じゃぁ、俺はこれで」
ドアを開け家を出ようとしたとき、
「お邪魔しまし「いたぞ」・・・した?」
大人の男の声が聞こえた。
「忌まわしき堕天使の血を継し姫島の汚点よ」
先頭に立つ男が鈴を鳴らして俺の目の前に立つ。
「貴様は何者だ・・・まぁいい。朱璃よ。貴様とこうして合うのは貴様が姫島家を捨てたあの日以来か?」
「おいおい、無視してくれんなよ。御託はいいから、さっさと要件言えやこら」
『忌まわしき堕天使の血を継し姫島の汚点よ』そう言われたのがなんとなく姫島のものだと思いきれる俺。
「おい小僧調子に乗るなよ。まぁいい。我々の目的はそこの娘を殺すことだ」
笑いながら、余裕だ。当たり前だ。と言わんばかりに言い張る。
が、それは間違いだった。
「誰を殺すって?誰が?ダレヲ?ダレニキョカヲエタ?シヌッテコトヲワカッテイッテンノカ?フザケルナヨ?フザッケルナァァァァァ」
「「ゴー君?」」
この時俺の意識は加速し、心の中で誰かに話しかけられていた。
『守りてぇか?』
「お前は誰だ」
『そんなこと今はけんけぇねーだろぉー』
「そうか、あぁ、守りたい」
『そーか。じゃぁ、おらが力を貸してやる。がんばれ!』
「あぁ」
「最後に確認だ。お前等の目的は?」
正気を取り戻した俺は目の前の男に聞く。
「姫島朱乃の、抹殺だ」
「そうか、俺は、俺は怒ったぞぉぉぉぉ!!」
バヒュン
と、大きな音が鳴り、俺の体を白い炎のようなものが包む。
「『おめぇらは、もうゆるさねぇ!』」
俺の声が何かとかぶる。そして、その威圧で俺の目の前の男以外の者が、気絶した。
その瞬間俺の頭に何かが流れこんでくる。
腰に手持っていき、感覚のままに形を作り叫ぶ。
「『かぁ~めぇ~はぁ~めぇ~はぁ!!』」
その瞬間青い気の塊のようなものが、出て目の前の奴らを吹き飛ばした。
その時、目の前の奴の返り血が、俺の肩と手、後ろの朱璃さんの胸にかかる。
そして、
ヒュン
何かが飛翔してきて俺のお腹に突き刺さる。
「ごはぁ」
血が噴き出す。俺は足も手も使いその場から離れた。
※
ザ―――――――
雨が降っている。俺はお腹の怪我のせいでそろそろ意識が危うくなってきた。
その時、俺の視界になにかが目に入った。
俺はそれが濡れてはいけないものと思ったのか、それらを手に取り、雨に濡れないように身体で守り、その安心からか意識を失った。
あぁ、死ぬのか。
まぁ、もう死んでいたんだ。
これは罰だ。そうなんだ。
それでも、最後に何かを救えたかもしれない。
それだけで勝手に満足していた。