新たな歩み〜英雄の力を手に入れし者〜 作:オウトモ
『おきろー』
意識がなくなった後、俺はさっき助けてもらった誰かに、話しかけられていた。
「なんだ?」
『おめぇ、死んだと思ったのによぉ、あの猫たちが助けてくれたおかげでいきてっぞ』
驚きを隠せないように言ってくる。後半少しうれしそうだった。
もはや驚く気量すら残っていなかった俺は冷静に聞く。
「そうなのか。で、お前は誰なんだ?」
『オラ悟空。おめぇに宿ったサイヤ人だ。詳しいことはオラにもわかんねぇから、聞くんじゃねぇぞ?』
自分でもよくわかっていないようだった。
「わかった。じゃぁ、これからもよろしくな。俺は兵藤 悟空」
これから頑張ろうな!という言葉を聞いたのを最後に、俺の意識は覚醒した。
※
「ここは?」
目が覚めた。そこはただ雨を防ぐことしかできないような場所だった。でも、ここまで俺を運ぶことをただの猫ができるはずがない。そう思った瞬間、
「起きたにゃ」
黒い猫耳の少女から声がかかった。その少女は、おそらく俺のことを手当てしてくれたんだろうが、当の本人が傷だらけだった。そして、隣の白ネコもペタンと力なく倒れていた。
「助けてくれてありがとう・・・でも今はそれどころじゃないだろ?とりあえず俺の家に行くぞ」
心配で気づいたらそう言っていた。
「でも・・・」
心配そうに言ってきた。俺のことが信用できないのだろう。
「大丈夫。今の俺じゃ君に勝てない」
実際そうなんだがこういうことでしか安心させてあげられないと思った。
「そう・・・にゃ?」
パタ
その少女は猫の姿になり力なく倒れた。
俺はその二匹を抱え、家へと走った。痛むはずのお腹が痛まなかった。
どれだけ無理をしてくれたんだ・・・
と、不安になる俺なのであった。
※
「ただいまー」
いつもより小さな力ない声で帰宅の合図を唱える。
「ゴー君遅い!」
「兄貴遅いぞ」
お母さんと、一誠に注意されるが、今は無理と手を振り風呂へと向かう。
じゃーーーー
俺は、洗い終わった猫たちについた泡を落としている。
洗うと、その猫たちは普通の汚れではなかったことが分かる。
少し傷があった。こんなのは普通にしていてできる怪我じゃなかった。
大変だったんだな。
そう思いながら、流していた。
あの後、両親にこっぴどく叱られ、疲れた俺は、皿と牛乳をもって自分の部屋に向かった。
部屋に入るとそこには、地面で寝てしまっている猫たちがいた。俺はその猫たちを抱きかかえ、ベッドに連れて一緒に入りあったかくして寝た。
※
重い。
今意識が覚醒したのだが、左腕がやけに重いそっと目を開けるとそこには、俺にしがみつく白髪の少女と、俺の左手を枕にしている黒髪の少女がいた。
「にゃー」
「にゃー」
新しいペット(家族)が増えた瞬間だった。
ね、ねむい