【習作・ネタ】狂気無双   作:モーリン

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17話

 

 

 

江陵から二日かけて街へ帰った徐晃を待っていたのは、曹操が寄越した予定通りの伝令兵であった。

この街へ向かう前に楽進の武具が直っているのかを覗きに行ったら既に修復を終えていたのだ。

料金を鍛冶師へと送り、閻王を受け取り街へと急いだ。

 

到着した街は徐晃から見た感じ、かなり修復してきており曹操軍の兵と町民が合わさってせっせと修復をしていた。

 

伝令兵から聞いた話ではここより東北の30里の所にて陣を展開しており、既にその拠点は落ちているそうだ。

だが伝令の報告の中で見知った名前を聞いた

 

「その義勇兵を引き連れているのは劉備で間違いないの?」

「は!相違ありません」

「へぇ」

 

興味深そうに徐晃はにやりと笑う。

 

「それで、将の皆さんはどちらへ?」

「全員陣におります」

「なるほど、では私も向かいますか」

 

そうして馬を新しく借りてその陣へと駆けていこうとしたとき、見知った顔が街から走ってきた。

 

李典と楽進である

 

「ちょちょちょーっとまちぃや!」

「徐晃様!」

 

楽進は怪我が殆ど治り既に健康状態だが、今回出陣を見送られた為、町での復興作業の指揮をしていた。

また李典は欠損した部品などの補修や必要な部品の作成などを行っていた為、まだ街に残っていたのだ。

しかし、それも昨日の夜中に既に町民だけでも大丈夫と判断し、曹操の伝令からも陣へと来るよう達しが着たので

朝一に出発しようと準備をしていたのだ。

 

「楽進に李典。戦は?」

「わたしらは町の復興の指揮とお手伝いですわ。で、今から陣へいこうとおもうとったとこや」

 

成る程、と頷き、楽進へと視線を向け背に背負っている袋から修理が完了した閻王を取り出した

 

「はい、楽進。凄腕の鍛冶師だね。たったの四日で修理するとは」

「ありがとうございます」

 

そうして武器を受け取った楽進は早速装備して気の循環などの感触を軽く確かめ、頷く。

 

「完璧ですね」

「おおーおめっとさん」

 

その感想を聞いて、何故か少し嬉しくなる徐晃

 

「さて、じゃあお二人も行きますか」

「はい」

「ほいさ、馬は……」

 

そうして李典が伝令兵の方を見ると

 

「は!此方へ用意いたしますので、少しお待ちください」

 

その視線だけで意図を理解した兵は、急いで馬小屋へと向かっていった。

その兵は実は元義勇兵であったためその意図に気付き、すぐさま行動できたのだ。

 

そして全員の馬が用意されてすぐさま彼女達は出立したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、徐晃が宿から出て街へと向かおうとしている時

 

その時丁度曹操軍が出陣するべく、その準備や確認に将兵が走り回っていた。

不足は許されない。不備も許されない。それは将兵の命に関わるものであるからだ。

 

「桂花、あと一刻で出陣するわ」

「は!準備はもう直ぐ終わります」

「流石ね…さて、将を集めなさい。軍儀を始めるわ」

「はは!」

 

そうして陣から荀彧が出て行き、曹操はそれを見送る。

 

今回は黄巾賊全体の弱体化、及び解体の切っ掛けとなる大切な戦である。

その為曹操もかなり慎重に軍を準備し、日時も全員に周知しそれに対して動いてきたのだ。

 

「華琳様、将全員が参られました」

「そう、ご苦労様。桂花」

 

そうして礼をして入ってくる将たち。荀彧を筆頭に夏候惇、夏候淵、許緒、楽進、于禁、李典の顔ぶれ。

全員が位置につき、荀彧が曹操の隣へと立つ。

全員既に今回の集まりの趣旨を理解しているのだろう。その面持ちは真剣である。

 

「さて、全員集まったわね。いよいよ黄巾賊の重要拠点に攻撃を仕掛けるわ、桂花。今回の戦について概要を述べなさい」

 

全員集まったことを確認して辺りを見回す曹操。楽進と于禁、李典は始めての軍議だからか、かちこちに固まっていた。

しかし今は気にする時間も惜しいし、何よりこういった場は慣れなのだ。今はまだ雛鳥。大目に見る曹操であった。

 

「は!今回は我が軍が12000。黄巾賊は数を増やしていき、今は20000に上る数です」

 

一歩前へ出た荀彧が並んでいる彼女達を見ながら口を開く

 

「今回出陣するのは華琳様の隊、参軍には私、荀文若が付きます。数は4000です。次に夏候惇隊、参軍には于禁を数は5000」

 

于禁という言葉が出た瞬間に于禁の体がびく!と動き、正しい姿勢がさらに伸ばされた。

 

「は、はいなのー!」

「…于禁。あまり緊張するな……なぁに大丈夫さ。この夏候元譲が付いている。お前はしっかりと今回の戦で学び、楽進と李典にも伝えてやるのが仕事だ」

 

胸を張りながら夏候惇が于禁に向かってそう諭す。

そう、今回の于禁の参軍は決定事項である。楽進は武器もないし、体もまだ完治していない。よって今回の戦からの除外。

李典は街の修復に欠かせない存在であったため、これも除外。残るのは于禁である。

 

彼女は兵の統率に関して光るものがあると曹操、夏候惇は見ている。

調練に参加し、実際に兵士に調練を施している様を見てそう直感的に思ったのだ。

事実、調練に関しては三人の中で于禁が一番巧みに兵を動かしている。

 

よって于禁なのだ。そして今回曹操軍としての参軍で学ぶことが多々ある。

兵の感情、質、行軍速度、他の将兵との連携。そして策の成就。他にも財や国同士のやり取り等の様々な要素が動くのだ。

義勇軍では感じられない正式な軍でのしがらみ。それらを学び、楽進、李典に伝えて欲しいのが今回の戦だ。

 

死ぬかもしれない。だが、その可能性を限りなく少なくする為に今回の作戦は入念に準備をしたわけである。

 

そして曹操軍の誰もが彼女を死なすつもりは毛頭無い。

 

「はいなのー!」

 

夏候惇の思いが伝わったのか、余計な力が抜けてびしっと礼を決めた。

その様子を満足そうに曹操は見つめて荀彧に視線を飛ばす。その視線を受け止めて荀彧は頷き、続きを説明する。

 

「…次に夏候淵隊、参軍には許緒を。数は3000。そして今回の策ですが」

 

そうしてテーブルの上にこの街から黄巾賊の拠点があるところまでの地図を広げる。

色つきの石で部隊を分けて、色が付いていない石で黄巾賊の塊を表す。

 

「この平原に黄巾賊の陣が構えております。無陣形で何処からでも攻撃は可能ですが、数では此方が圧倒的に不利です」

 

そう、戦いは数である。これは常識だ。仕事をするにしても何かをするにしても数が揃っていれば時間短縮が可能になるのだ。

……徐晃は殺人に関しては恐るべきスピードで敵を蹂躙していくがそれはこの軍議では割愛している。本人も不参加だからだ。

 

「確かに。このままだと余計な労力と消費が強いられそうね。それで、敵を一網打尽にする策はあるのかしら?」

 

目が細められて荀彧を試す視線を流す。普段悪戯している目線と同じだが、込めている覇気はまるで違う。

 

「は!簡潔に説明すれば春蘭の隊と秋蘭の隊が敵をおびき寄せ秋蘭隊の方へ華琳様の隊が奇襲を掛け殲滅。春蘭の隊と挟み撃ちで残りの隊を殲滅いたします」

 

地図の上に載っている石を動かして形でも分かるように説明しながら動かす。

賊は平原に陣を構えているが、そこは確かに平原である。だが、その周りは道が出来ておりその道は小高い丘に囲まれている。

そう、交通の要に陣を張っているのだ。流通の妨げになっているが、黄巾賊からしたら他の黄巾賊に物資を送るには丁度いい箇所である。

 

だからこそその地形を利用しない手は無い。

 

荀彧が練った策は簡単である。夏候惇隊に旗印を多く持たせ、数を誤認させる。しかし、それだけだと陣から出ずに一丸となって抵抗するはずである。

よって夏候淵隊が火矢で敵をあぶり出し、そのタイミングで夏候惇隊が顔を出し敵を分散。数が多いほうへと必然的に多く流れるのは必須。

流れる数が荀彧の読みだと3対1で夏候惇隊の方へと流れるはずである。詳細に表せば15000と5000である。

 

夏候惇隊は数での苦戦を強いられる…ということは無い。

地形を省みるとそう。小高い丘にある一筋の道。丘と言っても森林が生い茂っており、団体での行軍には向かない。

よって、迫り来る正面の道に対して専念すればいいのだ。そこで数の利が覆される。

 

夏候淵隊のほうへ5000の兵士が来たとして、夏候淵隊だけでも十分に撃破可能である。さらに曹操隊を投入して短期殲滅を図る。

そこから、陣を落とし神速をもって挟み撃ちを行うという策である。

夏候淵隊を賊の視界の壁とし、部隊を左右の丘に全て登らせるように割る。その先に曹操隊が待ち受けており、攻撃。

 

夏候淵隊は彼女と許緒の指揮で弓を敵に浴びせ続けるということだ。

 

「成る程…数が逆転した場合はどうするのかしら?」

「はい、その場合は春蘭の隊の役割を華琳様の隊が持ち、春蘭隊が神速で敵を挟み撃ちにします」

 

そう、その場合は曹操を矢面に立たせる。が、まず負けることはないだろうと荀彧は思っている。

緊急時には参軍である許緒を曹操の傍へと早急に立たせる事も可能である。

 

なにより総大将がいるのだ。周りの兵士の士気は高い。更に夏候淵隊の援護。例え10000でも押し切ることは可能。

しかもその間に夏候惇隊が必ず突き破ってくる。彼女の隊の突破力は曹操軍の中でも随一なのだ。

 

「何れにせよ挟み撃ちは可能ということね…分かったわ!その策見事成就させてみよ!」

「はは!お任せください!華琳様!」

 

曹操に跪き、自信の程を見せる荀彧。曹操もこの策で問題ないと感じている。逆になったとしても時間が掛かるが完全に賊を殲滅でき、尚且つ陣を占領できる。

占領すれば賊の士気は確実に落ちる。そこからの挟み撃ちであればまず間違いなく負けることは無い。

街道も適度に大きいが周りの丘が丁度良く障害物となり正面から我慢比べをすればいいだけの話である。

 

策はなるべくシンプルの方がいい。

 

それは兵士全員の動きを統一する為。何よりころころと命令を変えればそれこそ部隊が混乱してしまう。

ただ、曹操、夏候惇、夏候淵が率いていれば、ほぼ混乱することはあり得ないだろうと荀彧は思うが、今回は此れでいいのだ。

 

「何か意見がある者はいるかしら?……無いようね。では各将は部隊を纏めなさい。半刻後に出陣するわよ」

「「「「「はは!!」」」」」

 

曹操に礼を取りながら各々が退室をしていき、最後の荀彧が退室しようかと一歩踏み出した。その時

 

「桂花」

 

曹操から自分を呼ぶ声があがり、その声に感銘を受けながらもすぐさま曹操のほうへ振り向く。

それと同時に跪こうとしたが、それを手でやんわりと止められた。

 

「如何なさいましたか?華琳様」

 

簡易な礼をとって曹操を見る。

 

「この作戦、徐晃がいたらどのような策になったのか教えてくれるかしら?」

 

そう、曹操は徐晃を賊以外の実践投入をした場合の策がどうなるのか、興味があった。

これからの戦は確実に徐晃の力を投入する。それは曹操の中では彼女を仲間にしてからの決定事項であり、約束でもある。

一騎当于の彼女を軍師である荀彧がどう使っていくか、興味があったのだ。

 

「あいつですか。…そうですね……今は部隊を持っていないので一人で動く形で進めます」

 

猫耳フードの位置を修正しながら考え、そう口にする。曹操はその視線で続きを促した。

 

「部隊はこのままで策もそのままで進めます。この地形を活かさない手はありません。徐晃には拠点を占領してもらい、二つの賊軍の士気をさげ軍の力を下げます」

「拠点に兵士が残っていたら?」

「その場合でも彼女が賊に負けることは無いでしょう。拠点の物を巧く使い殲滅を図ることは、彼女の経歴から見てもそう判断できます」

 

確かにと曹操は頷く。徐晃の単身の力は4000から5000の賊を相手に出来ること。正規軍でも数は下がるが恐らく殆ど同じ戦果を上げるであろうと曹操は予測している。

また彼女はゲリラ戦のプロフェッショナルでもあり、相手の物を利用することには長けている。

そして荀彧の策で残ったとしても陣を維持する為の最低限の人数1000から5000と予測できる。

 

といっても5000も残すほど相手はそこまで賢くないと悟っている。

仮に5000残っていたとしたら、夏候淵隊か夏候惇隊に挑む人数が少なくなり、徐晃が奮戦途中でも途中で援護できる。

何れにせよ拠点は確実に落とせるのだ。荀彧は徐晃の事を軍事的にはそれほどまで信頼している。

 

「なるほどね。確かに徐晃ならその程度容易く実行してしまうわね」

「はい。平原での戦闘であそこまで戦果を上げるのは凄まじいの一言です。よって障害物があるのであれば容易く行えると思われます」

 

荀彧の予想は正しい。しかしそれは徐晃を巧く使いこなせたらの話である。

彼女は殺人快楽者。そこをどう巧く使うか。しかし、大丈夫だろうと荀彧は睨んでいる。

 

最初の戦闘で曹操軍と賊軍が混戦になったときに彼女はちゃんと切り上げてきて此方に被害を出さなかった実績がある。

よって殺人快楽の性癖自体は彼女の理性である程度抑えられることは間違いないのである。

ただ、事前に知らせておかねばならない。しかしそれは簡単なことだし、曹操軍の兵士の装備も特徴的だ。だからこそ大丈夫だろうと思っているのだ。

 

「しかし何故徐晃に部隊をつけるのでしょうか?」

 

おずおずと曹操へ尋ねる荀彧。そう、徐晃はその素早さでの奇襲と、撤退の速さで敵を混乱に落としいれ、そこから本体の攻撃力で叩き潰す。

理想の運用方法がそれだと荀彧は思っている。徐晃の速さであれば確実に相手の指揮官を潰せるか、怪我を負わせることが出来る

すなわち、部隊の弱体化を図れるということだ。

 

だが部隊をつけるとそうは行かない。

 

まずその素早さを殺すことになっている。ただ、最前線で戦い相手の士気を落として自軍の士気を高めるという運用方法は出来る。

しかし、決定打を与えられるかといえば、首を傾げる。奇襲の速度、撤退の速度も数が多いとその素早さを落とす。

そして徐晃自身にも問題がある。殺人快楽者という所だ。味方はおそらく斬らないで戦えるだろうが、その間に指揮が出来るかといわれれば…出来ないだろうと荀彧は考える。

 

だからこそ疑問に感じたのだ。

 

「そうね、確かに徐晃は単体で投入すれば物凄い戦果を上げるわ。それは認める。でも」

 

そこで一旦止まり、徐晃がいるであろう江陵の方向へと目を向けた

 

「それだと徐晃が討たれる可能性が出てくるわ。彼女は秋蘭が話したとおり、純粋な子供だと私も感じたわ。……約束は守るもの。自分が宣言した事は必ず自分で実行するもの、と」

 

今まで徐晃が命令に違反したかといえばそれは無いと断言できる。最初に会ったときも夏候淵の言葉を汲んでか、味方を殺す前に自制した。

さらに今回の戦いでの傷。それは夏候淵の言葉を間違いなく実行しようと動いたからとも考えられる。

徐晃は客将であそこまでやる義理なぞ何も無い。だが徐晃はそれを最後までやり遂げたのだ。死にそうになりながらも

 

楽進との約束も曹操を目の前にしても忘れることは無かった。

 

荀彧も思い当たる節が多々あった。確かに、彼女が裏切る事は決してなかった。皮肉を返してくるが、こちらの意見は大体通ったし、何かあれば理由をつけて反論をしてくる。

許緒もきちんと守ってくれたのだ。

 

「確かにそれは基本で一番大事。たとえそこに性癖という理由が入ったとしてもね。でも、人間としてそれだけでは駄目よ。

 道は一つではない……そう、徐晃は人を頼らなさ過ぎる」

「!!」

 

荀彧は曹操の言葉で漸く気付いた。

思い返せば、あの強さに隠れて余り気にしていなかったが、彼女は確かに人に頼っていない。調練も荀彧からの提案があったからこそである。基本受身なのだ。

ただ、受けたことはきちんとこなす。それは間違いなかった。

 

「徐晃のその癖を直さないと今後の戦では……必ず討たれるわ。そして我々は同じ軍。彼女には人に頼るという事を学ばせなければならない」

「…」

 

世間とは持ちつ持たれつの関係なのだ。何処へ行ってもそれは同じ。一人で生きていける人間何て誰もいない。

どんな人間でも出来ないことは沢山あるからだ。食事を作る。その為には野菜を育てないといけない。その為には土を耕さないといけない。

その為には土地を手に入れないといけない。何処まで一人で出来る?衣服は?家屋は?それらの材料は?

 

そう、誰しもが誰かを頼って生きているのだ。

 

「そしてそれを学んだ徐晃は必ずや我が覇道を切り開く槍となる」

 

爛々と輝く曹操の瞳。その先に思い描く果てには何を描いているのか。

王佐の才と呼ばれる荀彧ですら、その果ての詳細は想像できない。だが、青写真を描くことは可能だ。

そしてその果てをこの主と共に見てみたいという思いを、改めて胸に刻み込んだ。

 

「…この荀文若。華琳様が描いている果てを、我が知でも切り開いて御覧に入れましょう」

 

曹操に対して臣下の礼をとり、胸中に燻った思いを宣誓する。

そう、そうだ。この人しかいないのだ。荀彧にはこの主しかいないのだ。

 

「ふふ…期待しているわよ……我が子房よ」

「は!!」

 

空間を埋め尽くすほど噴出した覇気に感動し、体を興奮で震わせながら荀彧は返事をしたのであった。

 

 

 

 

 

 

曹操軍はきっかり半刻後に街の外へと布陣し、曹操が兵士を鼓舞するため一番前へ歩み出た。

その姿は正に覇王。周りに居る将より圧倒的に存在感を放つ曹操を目にして兵士達は自然と背筋が伸びる。

 

「我が精鋭の兵達よ!後ろの街を見よ!先の賊襲撃の為に被害を被ったあの街を!門は傷だらけになり、賊の汚らわしい血はいまだその門に付着している

 未だ苦しんでいる我が兵も存在している!死して英雄となった者もいる!しかし!我らは街の平和を守れたのだ!今、街の民には笑顔が溢れている

 平和を謳歌できている!それは貴方達の活躍があったからこそ!我が兵士だったからこそである!恐れるな!背にする平和を、笑顔を二度と奪わせるな!

 平和を奪う獣に、その手に持っている刃を突き立てなさい!全軍、出撃!!!」

「「「「「「「おおおおおおおおおおおおーーーー!!!」」」」」」」」

 

溢れ出る覇気。曹操の鼓舞に呼応して天が地が揺れんばかりの咆哮が軍の兵士から上がった。

 

部隊は三つ。その先頭に曹操。隣に荀彧が馬を駆り敵陣へと向けて走る。

士気は今までにない以上に高ぶっている。負けはない。

 

この広大な大地に地を這う龍が現れた瞬間であった。

 

 

 

 

 




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