やはり鋼鉄の浮遊城での奉仕部活動はまちがっている。 作:普通のオタク
あと盾の勇者の成り上がりってやつも。ついでにモンハンも
要するに俺のせい!
ゲーム開始から今日でちょうど一週間になる。
教会へと引っ越ししそれぞれの僅かな手荷物を置き終えた後、俺と雪ノ下は即座に森の秘薬クエを受ける6人と共に、舞台であるホルンカの村への移動を開始した。
由比ヶ浜は残る子供たちの監督である。調理せずにテイクアウトするように指示したが不安で仕方がない。
6人の子供たちは俺と由比ヶ浜で訓練していたシリカ、ギン、ジン、コッタ。ここに一番早く奉仕部に加わったことから比較的にレベルの高いミナ。
そして雪ノ下が選んだケインという男子。このような内訳となった。
町の入口にてアルゴと合流し、ホルンカの街までの先導をさせつつ、合計9人で外を歩く。
全員ではないが、少なくとも男勢はピクニック気分でダベりながらついてきており、女勢は逆に少し緊張した様子で俺達の後ろを歩いてきている。
「あの、ハイキーさん」
「ん、どうした。シリカ」
「今回受けるクエストって、どんな内容何ですか? えっと、昨夜も聞きましたけど。昨夜はモンスターの特徴とかが重点でしたので」
シリカの質問に、6人の視線が俺に集まる。ちゃんとやるべるべきことをやるために切り替えができるのは評価できるな。そうでなければメンバーにチョイスもしなかったが。
シリカの質問に答えていいのかアルゴに視線を向けると、アルゴは頷きで返してきた。なら遠慮無くネタバレして生存確率を高めるとしよう。
「やるのは納品クエストに分類される内容だ。クエスト名は森の秘薬。病に倒れた娘を治療するのに森で手に入る薬草を渡すって内容だ」
「なんだよー、メインは戦闘じゃねぇのかよー」
俺の説明にジンが不満気に言葉を漏らす。血気盛んなのはいいが、ちゃんと説明は最後まで聞こうな。
「薬草をドロップするのは<リトルネペント>。3レベのエネミーだ。お前らからしたら少し強い相手だが、6人のフルパーティーで挑むんだ。負けは普通はない」
「普通は……そういえば、実付きが危険、なんだよね」
ミナがその一言に食いつく。しっかりと聞き漏らさないのは助かる。生きるためには強欲で居るくらいがちょうどいいまである。
「<リトルネペント>には頭部の上に花が咲いてる奴が居てな。そいつが目的のアイテムをドロップする。ただし、花ではなく……今ミナが言ったとおり。実がなってる奴も存在する。そいつの実を壊すと、周囲の<リトルネペント>を引き寄せちまうのは、昨夜も話したな」
一昨日に一人で軽く下見をしに行った時に身付きの姿はしっかりと自分の目で確認した。注意深く動けば壊さずに倒すことは可能である。
また、もし壊してしまっても6人で連携を取れば死者なしで済ませることは可能だろう。
「攻撃方法は酸の吐出とつるのムチ。相手の動きをよく見ればどちらも対処可能だ。銅製の武器は相性悪いが……使ってる奴は居ないな。スペアの武器は持ってきてるから壊れたら言え」
以上で説明する内容は終わりか。自分で再確認して、他にないことを確認して説明を一区切りさせる。
気のせいか、なんだか他のメンバーからの視線が気になる。
「……なんだよ」
シリカが、慌てたように手をパタパタを振り、
「あ、いえ!」
アルゴがシリカの言葉に続くように口を開く。
「腐れ目が思った以上にマメだからナ。予想外過ぎて驚いたゾ」
そんな二人に、雪ノ下がクスりと笑いながら言葉を投げた。
「以外でもないわよ。そこの男はリスクリターンには敏感ですもの」
「まぁな。ぼっちが頼れる相手なんて居ない以上、自分で万全を期すのは当たり前だ」
あと、自分の尻拭いを自分でやるのも当たり前だ。
俺が胸を張りながら言ったからか、盛大なため息が周囲から聞こえた。んー、ぼっちのあり方も広めるべきだろうかこれは。
ホルンカの村まで、敵の少ないルートを通ったからか。或いは走らずに歩いてきたからか。到着した時には既に日が暮れていた。
宿を男女で二部屋取り、子供たちは翌日に供えさせた。
どうにも遠足気分なのか、男部屋の連中がまくら投げを開始した当たりで宿から俺は撤退した。あんな所で寝れるか。
とは言え、行き場もないので、夜の村をぶらぶらと歩くことにする。
俺達の他にもチラホラとプレイヤーが数人見当たる。中には協力して森へ向かっている人物も居るようで、アニールブレード狙いなのは一目瞭然だった。
明日は狩場が被らないように気をつけないとな。
そう考えていた時だ。
「キミ、少しいいかな」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
いきなり後ろから声をかけられた。ひゃってなんだよ、ひゃって……。
「ああ、ごめんごめん。驚かせるつもりはなかったんだ」
俺の奇声に声をかけてきた奴はえ、なにこいつ? 的な視線を向けることもなく、対応してみせた。ははーん。さてはリア充だな?
「俺はディアベル。森の秘薬クエストをやりに来たんだけど、ここに居るってことは君もだろ? 通常の<リトルネペント>を倒すと花持ちのポップ率が上がるんだけど、一人だと危ないからさ。手を貸してくれないかな。お互いにメリットがあると思うんだけど」
「……あー、悪い。俺は違うんだ」
ディアベルと名乗った男に俺の武器を見せる。短剣だ。
アニールブレードは片手直剣。十分な証拠になる。
「そうだったのか。すまない、勘違いだったよ」
「いや、気にするな。俺だってそっちの立場なら同じ目的だと思うだろうからな」
ただし、俺は声をかけない。いやだって、知らない人に話しかけるとかハードル高すぎじゃん?
そんなことを思っていたのだが、向こうは遠慮なく話しかける様子を見せ、俺の目の前から立ち去らない。
今度は俺がなぜここにいるのかという別の疑問が湧いたのだろう。
俺はアイテムバッグからビラを1枚取り出すとそれを渡した。
「それの一環で、ガキ共の連携練習ついでにアニールブレードを確保しようと思ってな。今日はのんびりと始まりの街からここに来たってことだ」
俺の説明になるほど、とディアベルは納得がいったかのように頷いた。
「じゃ、そういうわけでガキ共の世話に俺は戻る。手を貸せなくて悪いな」
「いや、こちらこそ時間を無駄にしてしまってすまない。君みたいな立派なプレイヤーに図々しかったよ」
「は?」
俺が立派? 唐突に何を言ってるんだこいつは。
「だって、そうだろ? 自分のことばかりじゃなく子供プレイヤーの世話をする集まりを作ったんだ。人のことを考えれるのを、俺は尊敬するよ」
その言葉に納得した。……ビラを読むだけだと、まぁそうなるか。
だが実際はそんなに立派なものではない。
俺は首を振り、ディアベルに言葉を投げた。
「違う、そんなんじゃないんだ。俺は俺のためにやってるだけに過ぎない。お前とか、他のプレイヤーとかと同じだ。自分の身を守るために力をつける。それが人か装備かの違いだけだ」
俺の否定にディアベルは……どことなく、眩しい物を見るみたいに笑い、この場を去った。
文がひどい……そのうち書きなおすかも
とりあえず投稿しようと雑になった