十代がカイザーこと丸藤亮とデュエルする決意をした少し後十代と別れた天上院は俺を引きずり何故かブルー女子寮に。おい、俺をどうするつもりだ。
「鮎川先生には話してあるわ。私のデッキ調整を手伝いなさい。あの部屋にあったケースは私の部屋にあるわ」
「今思い返すと片付けてないのにケースが無かったがお前何軽く人の物運んでるんだ?窃盗で訴えていいか?」
「後で運ぶと時間がかかるからジュンコ達に手伝って貰ったの。調整が終わったら返すわ」
いや、『調整が終わったら』って言っても……
「カードが返ってこないだろ?その辺のところわかって言ってるのか?それともカード買い取るつもりか?阿保みたいな値段になると思うんだが」
「そ、それは…………なんとかするわ」
絶対なんとかできないだろ…………このカード1枚の価格が頭おかしい世界で一学生が俺のカード達を買えるとは思えない。
引きずられたままだというのと、女子寮に男子がいるのとですれ違う女子達にすんごい見られてる。助けを求めようにもカードは回収したいのでもう色々諦めて達観し始めると天上院の部屋に着いたらしい。
「あ、明日香さん!……アンタも来たのね」
「俺のカードはどこだ。回収したら帰る」
「調整終わったら返すって言ったじゃない」
だから調整の為に俺のカードを使ったら帰ってこないだろ……ケースあくまで『この形を目指せ』と見せる為に用意しただけだ。
「とりあえず今のデッキはこういう構成なのよ」
「俺の事情は一切無視か。…………わかった。手伝ってやるから俺の肩に手を置くのはやめろ」
天上院の右手からドス黒いオーラが出てて恐怖する今日この頃だ。
早く帰る為にデッキと思われるカード達が机に並べられている。
…………
……………………?
………………………………!?
「十代よりはマシ……なのか?いや、それでも……えー……」
儀式と融合を使うデッキ……これどっちかにした方が良くね?とか、融合モンスター3枚に対して【融合】3枚って腐らねえ?とか、儀式モンスターを召喚できる組み合わせが狭すぎるだろ?とかどこから突っ込むべきかわからない。
とりあえず天井を見上げて一言。
「…………実質1VS3のデュエルになりそうだなぁ……」
「それどういう意味!?」
「どうもこうも……なんかツッコミどころ多くてパートナーというよりも敵としてカウントした方が楽だと思っただけだ」
「そ、そんなに多いの?」
「まず、
融合と儀式、どっちかの方が戦い易いだろ。
融合モンスター3枚なのに【融合】3枚って邪魔だろ。
儀式モンスター召喚するための組み合わせが狭すぎる。
儀式モンスター3種6枚なのに儀式魔法が専用儀式魔法3枚だけって何故だ。【高等儀式術】は無いのか。
最大攻撃力が2700の【
「も、もう十分よ……」
なんか天上院が落ち込んでいた。
とりあえず、
「で、お前のカードプールはどこだ?」
「…………そこよ」
「ん。勝手に使うぞー」
【激昂のミノタウロス】……
【
なんだこれ……見辛い……
「えーっと……とりあえずデッキ片付けて……枕田、浜口。どっちか手伝え。残りは天上院と大人しくしてろ」
「わ、わかりました」
浜口か。どっちでもいいけどな。まぁコイツの方が使いやすいか。
「そのカードプールからカードを全部出せ。終わったらそうだな……種族、属性毎に分けろ。魔法・罠も種別で分けるんだ」
「え、ええ!?」
「まずはそうだな……戦士族だけ抜き出せ。そこから属性毎に分けるから」
地、地、地、闇、地、地、地、地、水、風、地、地…………ん?…………【終末の騎士】…………なんか凄いのいた。何故コイツがプールに……闇属性使ってなかったな。地、地、地……今【切り込み隊長】が3連続で来たな。そんなことを繰り返し途中枕田が参加したことで2時間程で整理が終わった。ここからデッキ作りか……
「とりあえず儀式系は全部抜く」
「えぇ!?ちょ、ちょっと待って!」
「こうすると戦士族で縛られてるな……とすると【結束】入れて……【連合軍】はどうする?いや、展開力ないからそこまでのパワーライン確保ができないだろうから【結束】だけでいいや。【ドゥーブルパッセ】……こんなの使うなら【
「無視!?それに【魔法の筒】なんてレアカード持ってないわよ!」
…………無い。【結束】も【魔法の筒】も無い。
俺のケースにあるかな…………ん…………デッキ入れてる普通のケース発見。
「誰だデッキケース入れるケース持ってきたやつ」
「ケース入れるケースって何よ……」
「文字通り。俺は複数のデッキを使うからな。それを管理するためにデッキケースごと保管するためのケースだ。まぁいいや。で……罠のケースは……あったあった。えーっと……あった、これが3枚か……また必要になったら面倒だし持っていくか」
あとは魔法か……あ、通常魔法しか無い……え、取りに行くの?
「な、なんですのその『うわ面倒臭い』って顔は」
「……んどくせぇ……はぁ……誰か寮にある俺のケース持ってくる気ないか?」
全員目を逸らしやがった。
…………つかもう夕飯じゃねえか!
「飯の時間なんで帰っていいか?明日俺の部屋に来い。また樺山先生には話つけとく」
連日異性を部屋に連れ込むのは良くないんだが仕方ない。作りかけで放置するのはスッキリしないから明日俺の部屋で作ろう。
…………あ、そもそもコイツらもうやること無い……
「もしくは、俺にそのデッキの残骸を渡して翌日受け取るかの2択だ」
「『私が調整する』っていう選択肢は無いのね……」
何使ったのかわからないからな。それに必要そうなカードは俺の部屋にあるから調整といってもたかが知れてる。
「で、どうする?明日は俺からデッキを借りて実技の授業を受けるか、どんな内容かも把握しきれないまま渡された新デッキで授業を受けるか。選べ」
「そ、そういえば、明日は実技の授業があったわね……はぁ、わかった。デッキを貸してちょうだい。それで明日は過ごすわ」
「了解」
何がいいかな?
今ケースの中にはっと…………
「そ、それ全部デッキ?」
「ああ。全部デッキだ」
ん、これって………………よし、これにしよう。
「コレ使え」
「…………【魔導書の神判】?」
「使い方を見せてやる。枕田、デッキを出してくれ。お前自身のデッキを」
「……わかった」
渋々といった感じだが枕田はデッキを構えた。今回はテーブルでのデュエルだ簡単でいい。
「「デュエル!」」
宮田龍斗
LP4000
VS
枕田ジュンコ
LP4000
「先攻はもらう。ドロー。あとテーブルでのデュエルだからフェイズの確認もするぞ。スタンバイ、メインフェイズ」
手札を軽くシャッフルして内容の確認をする。うん。見事に【神判】引かねえ。
「【一時休戦】発動。互いに1枚ドローして、次の相手ターンのエンドフェイズまで互いが受ける全てのダメージは0になる。ドロー」
「なんでそんなカードが?ドロー」
枕田ジュンコ
手札5枚→6枚
【強欲な壺】だと手札が溢れる可能性が高いんだよなぁ……試してないからわからんが。
で、まだ引かない。
「【成金ゴブリン】1枚ドローして、相手のライフが1000回復」
枕田ジュンコ
LP4000→5000
やっと引いた。ちょっとこのデッキには嫌われてるかなぁ……
「お待ちかね【魔導書の神判】引いたんで発動。これは墓地に行く」
「…………それだけ?」
「それだけ」
「効果は?」
「エンドフェイズに処理するからそれまで待て」
さて、残りの処理するか。
「【グリモの魔導書】発動。【グリモの魔導書】は1ターンに1度しか発動できないが、デッキから【グリモ】以外の【魔導書】と名のつくカードを手札に加える。【魔導書士 バテル】を手札に」
「モンスターをサーチするカード……」
「正確な答えではないな。あくまで【魔導書】カードをサーチするんだ。魔法・罠でも【魔導書】と書いてあればサーチできる」
今回みたいに【バテル】でもいいし、【セフェル】とか必要な魔法・罠でもいい。まず1枚。
「スマン。エンドフェイズの処理のためにカードを置かせてもらう。1枚目」
「?いいけど……」
「次、今手札に加えた【バテル】を召喚」
【魔導書士 バテル】
攻撃表示
ATK500/DEF400
「随分貧弱なステータスね」
「効果発動。召喚・リバースしたらデッキから【魔導書】の魔法・罠を手札に加える。【セフェルの魔導書】を手札に加えて発動」
「今度は何?」
枕田は早くもうんざりしている。
うんざりするのはこれからだぞ。
「【セフェル】は1ターンに1度しか発動できない。これは俺のフィールドに魔法使い族がいるときに【セフェル】以外の【魔導書】カードを見せて発動。【ゲーテの魔導書】を見せる。墓地の【魔導書】の通常魔法を選択してその効果になる。【グリモ】を選択する」
「ちょっと待って!【グリモの魔導書】は1ターンに1度じゃないの!?」
「発動はな。効果は他のカードでコピーすれば何度でも使えるんだ。続けるぞ。【グリモ】をコピーした【セフェル】の効果で【魔導書院ラメイソン】を手札に加える」
「さっきから手札が減ってませんわ……」
浜口。そのセリフはエンドフェイズに言うべきじゃ…………寧ろ増えるか。
「とりあえず2枚目。フィールド魔法【魔導書院ラメイソン】発動。3枚目。2枚セット。エンドフェイズに【魔導書の神判】の効果で、このカードの後に発動した魔法カードの枚数までデッキから【神判】以外の【魔導書】の魔法カードを手札に加える。発動したのは3枚だ。【ネクロの魔導書】、【ヒュグロの魔導書】、【アルマの魔導書】を手札に加える」
宮田龍斗
手札2枚→5枚
カウントのために用意した3枚を元の位置に戻す。
「で、その後ーーー」
「まだあるの!?」
「ある。この効果で手札に加えた数以下のレベルを持つ魔法使い族モンスターを特殊召喚できる。【魔導教士 システィ】を特殊召喚」
【魔導教士 システィ】
攻撃表示
ATK1600/DEF800
「で、【神判】の効果終了なんだが」
「やっとあたしのターンね」
「いや、【システィ】の効果があるんだ」
「…………え?」
「【システィ】は【魔導書】の魔法を発動したターンのエンドフェイズに自身を除外して発動する」
「【システィ】はフィールドにいなかったのに効果を使えるのね……」
「ああ。で、【システィ】の効果で、デッキから光または闇属性の魔法使い族で、レベル5以上のモンスターと【魔導書】の魔法カードを手札に加える。光属性レベル7で魔法使い族の【魔導法士 ジュノン】と【魔導書の神判】を手札に加える」
宮田龍斗
手札5枚→7枚
「で、効果処理終了。手札が7枚なので1枚捨てる。【成金ゴブリン】を捨てる。ターンエンド」
「1ターン目に手札が7枚を超えるなんて初めて見ましたわ……」
「そ、そうね……」
宮田龍斗
LP4000
モンスター
【魔導書士 バテル】:攻
ATK500
魔・罠
伏せ2枚
フィールド
【魔導書院ラメイソン】
手札6枚
「あたしのターン、ドロー!【ハーピィ・レディ1】を召喚!効果で攻撃力300ポイントアップ!」
【ハーピィ・レディ1】
攻撃表示
ATK1300/DEF1400→ATK1600
「バトル!【ハーピィ・レディ1】で【魔導書士 バテル】を攻撃!」
「通す。だが、【一時休戦】の効果でダメージは0だ」
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
枕田ジュンコ
LP5000
モンスター
【ハーピィ・レディ1】:攻
ATK1600
魔・罠
伏せ1枚
手札4枚
「ドロー。スタンバイフェイズにフィールド魔法【魔導書院ラメイソン】の効果で墓地の【魔導書】魔法カードをデッキに戻して1枚ドロー。【神判】を戻して1枚ドロー」
宮田龍斗
手札7枚→8枚
「メインフェイズ。手札の【魔導法士 ジュノン】の効果発動」
「手札から効果!?」
「手札の【魔導書】の魔法カード3枚を見せてこのカードを特殊召喚する。【ネクロ】、【ヒュグロ】、【アルマ】を見せて特殊召喚」
【魔導法士 ジュノン】
攻撃表示
ATK2500/DEF2100
「攻撃力2500がこんなにアッサリ出てくるなんて……」
「特殊召喚時何かあるか?」
「無いわよ……」
無い……セットされてるのは【ヒステリック・パーティー】か?
もしくは攻撃反応型か……
「【神判】発動。リバースカード【ゲーテの魔導書】。墓地の【魔導書】魔法カード……【グリモ】を除外して発動。そのセットカードを手札に戻す」
「【ミラーフォース】が……」
後者だったか……
「【神判】のエンドフェイズ処理の為にカードを置くぞ。1枚目。次に【アルマの魔導書】発動。除外されている【グリモ】回収して発動。2枚目。【バテル】サーチして召喚。効果発動。【セフェル】サーチ。【ヒュグロの魔導書】発動。対象【ジュノン】で攻撃力1000ポイントアップ。3枚目」
【魔導法士 ジュノン】
ATK2500→ATK3500
「な、なんか1人でデッキを回してるわね……」
「龍斗さんが偶に言う『ソリティア』というやつが理解できた気がしますわ……」
「【セフェル】を【ネクロ】見せて発動。【ヒュグロ】コピー。対象【ジュノン】」
【魔導法士 ジュノン】
ATK3500→ATK4500
「【ジュノン】効果。墓地の【グリモ】除外して【ハーピィ・レディ1】破壊」
「淡々とあたしのカード破壊しないでよ!」
そういう効果だ。
「バトル。【バテル】と【ジュノン】でダイレクトアタック……なんかあるか?」
「無いわよ!あたしの負けよ!」
枕田ジュンコ
LP5000→4500→0
「ありがとうございました……こんな感じだ」
「私にこれを明日使えと言うの?」
無言で頷く。すると天上院は、
「……もうちょっと優しいというか、そんなデッキが……」
「探すの面倒……いや、あのケースを持ってきたお前らが悪い」
あのケースは他にも【征竜】とか【六武】とか所謂ガチデッキがメインのケースだからどれも色々酷いデッキで優しいやつだとネタデッキになってしまう。ネタデッキなんて渡すわけにはいかない。
「あのケースは色々酷いデッキばかりだからどれも変わらん。もしくはネタデッキだ。ネタデッキは他人に渡すつもりはない。あきらめろ」
「……わかったわ」
天上院は渋々了承。そして浜口、枕田が
「……私、明日の授業で明日香様とデュエルするのは遠慮しますわ……」
「あたしも……」
天上院とデュエルすることを拒否した。
次回はカイザーVS.十代です。