衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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だんだんストックがなくなってきました。なるべく早く投稿できるように頑張ります。


忘れ物 ほぼデュエルなし。

♪〜♪〜♪♪〜♪〜

カイザーとデュエルした翌日。

前世で聴いていた音楽を聴きながら2つのデッキを作っている。1つは儀式を使うデッキ。もう1つは融合を使うデッキ。両方とも今度のデュエル用のデッキだ。

天上院のデッキは融合型と儀式型の2つにわけてあるが、融合型は素材が固定されてるし、儀式もレベル6か8の2択と限定されている。もう少し幅が欲しい。サポートに専念するのもアリだが……ん?この2つのデッキ、シンクロもエクシーズもないな……ふむ……よし、このデッキはぶっ壊そう。んーと……お、このカードは……じゃあアレとアレも入れて、このカードとこのカード……いや、こっちは使わないか?でこっちを……これってワンチャンあのカードが使えるか?……【ディアボリック・ガイ】が欲しいかなあ……でも無いもんな……【THE トリッキー】入れて……デッキ作りに集中しているとトントンと肩を叩かれ、振り向くと三沢がいた。まあコイツは同室だから当然といえば当然なんだが。イヤホンを外すと、

 

「龍斗、客だ」

「客?天上院?それとも枕田?浜口?いや、十代か?」

 

………女子率高くないか?

 

「すぐそこに来てる。行けばわかるさ」

「何を勿体つけてるんだ?……まぁいいや。行ってくる」

 

三沢が部屋のドアを指差すのでドアまで行き開けると、前田を中心にして十代と丸藤がいた。

 

「前田?それに十代に丸藤。どうかしたのか?とりあえず上がれ」

 

部屋に前田達を入れてここに来た理由を聞くと、前田の父親が来て前田を退学させると言ってきたらしい。十代と丸藤(といっても話していたのは十代だけだったみたいだが)がそれを抗議。それに対して前田の父親は『自分とデュエルして勝ったらこの話は無かったことにしてやる』と言ったらしい。

…………この話って前田の家族の問題であって十代達関係無いんだが……さすがデュエル脳達の住むせか……俺も今はこの世界の住人か。話が逸れた。

で、俺の持つカードを貸して欲しいとのこと。

 

「…………前田。俺の持つカードの多くはまだ一般には出回ってないカード達だ。ある意味反則と言っていい力を持っている。そのカード達の力を使ってまで、父親に勝ちたいのか?」

「勝ちたい!俺、やっと真剣にデュエルしたい、デュエリストになりたいと思ったんだなあ。それなのに急にこんなことになって…………俺、反則級のカードを使ってでも、父ちゃんに勝ちたいんだなあ!」

 

前田の目は真剣だ。

ふむ……確かデュエルは明朝だったな。明日には返してもらえばいいか。

 

「…………いいだろう。俺の持つカードを貸してやる」

「あ、ありがとうなんだなあ!」

「そこで、お前には選択肢がある」

「選択肢?」

「選択肢は2つ。

1つは、お前のカードと俺のカードを混ぜ合わせてデッキを作る選択肢。お前のデッキを改造するということだ。

もう1つは、お前のカードを1枚も使わずに、俺のデッキを使う選択肢。十代と丸藤は見たかもしれないが、一昨日の実技で天上院が【魔導書】のカード達でブルーの生徒を片っ端からぶちのめしていただろ?あんな感じにするってことだ」

「そ、そんなに酷かったのか十代、翔?」

 

十代と丸藤は少し目を逸らして肯定していた。十代もあのときの天上院には近寄りたくなかったのかもしれない。

俺も近寄りたくなかったからな。

 

「で、どうする?早く決めろ。デッキを改造するか、手っ取り早くデッキを受け取って回すか」

「……デッキを……俺のデッキを強くしてくれ!」

「わかった。ならデッキを渡せ」

 

前田からデッキを受け取り机にカードを並べる。

…………【コアラの行進】ってなんだよ。えーっと……墓地の【コアラ】モンスター……【コアラ】ってカテゴリーなんだな。まぁいいや。えっと、【コアラ】モンスターを特殊召喚して、手札の同名モンスターを特殊召喚する、か……【コアラ】……【デス・コアラ】……【猫シンクロ】……うん、【猫シンクロ】だろ。前田のカードを使いつつ一昨日の天上院のようになって勝つ。完璧だな。

 

「よし、まずは【デス・コアラ】採用して、あとは【レスキューキャット】とチューナー入れて……」

「ちょ、ちょっと待つッス!隼人君はシンクロ召喚を知らないッスよ!」

 

んなもん些細なことだ。後で教えればいい。

で、【サモプリ】と【コアラッコ】持ってきて……あとなんだったかな……

ああ、あのカードも持ってきて……

 

「隼人君のデッキが魔改造されていくッス……」

 

…………あれ?そもそも俺、【猫シンクロ】作らなかったか?

 

「………………………………」

 

ケースを片っ端から探す。

……あれ?無い。ガチデッキのケースが無い。

 

「………………………………?」

 

もしかして、と思いPDAを取り出して電話する。

 

[もしもし?どうかした?]

「あ、枕田か?そっちに俺のケース無いか?」

 

相手は枕田。天上院にはデッキに慣れて貰うために暫く色んな奴とデュエルさせている。浜口でも良かったがなんとなく枕田に。

 

[ケース?たくさんあるけど]

 

…………なんで?

 

「…………ケースにタグ付けてあるんだが、なんて書いてある?一部で良いから言ってくれ」

[えっと……『通常罠1』とか『通常魔法3』。あと『ガチデッキ&ネタデッキ』って書いてあるわよ]

 

…………『通常罠1』…………『通常魔法3』…………『ガチデッキ&ネタデッキ』…………これって天上院達に運ばれたケース達か?持って帰るのを忘れたのか…………

 

「了解した。すまないがそのケースは明日取りにいく。で、『ガチデッキ』のケースの中を開いてくれるか?」

[?わかった。ちょっと待ってて…………しょっと。開けたわよ]

「その中のケースにもタグがあるんだが、その中に【猫シンクロ】ってのが無いか探してくれ」

[こ、このケースの中を探すの?]

「ああ、頼む」

 

少し時間を置いて枕田が、

 

[あったわよ、【猫シンクロ】ってやつ]

「あ、あったのか。了解した」

 

やはり作っていたか。

 

[用件はそれだけ?なら切るわよ]

「ああ、手間かけたな」

[そう思うなら今度何かカードを寄越しなさいよ]

 

…………なんでこういうときはちゃっかりしてるのだろう。

 

「わかったわかった。とりあえずケースは明日取りに行って、休みになったら連絡寄越せ。そのときにカードを渡す」

[わかった。じゃあね]

 

電話を切る。そして振り向くと、三沢の顔が、どアップであった。

 

「…………近い」

「枕田とは確か天上院明日香君の友人だったな。なんで女子と電話をしている。ケースを取りに行く?女子の部屋に君の私物があるのは何故だ?」

「アイツらが勝手に持っていったのを回収し忘れただけだ。…………しまったな、レシピを聞いとくべきだった。まぁいいや。デッキ作成再開だ」

 

んー……【猫シンクロ】だから基本は獣族だろ?あとは【サイドラ】とか特殊召喚可能なモンスター。魔法・罠は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「できた」

「……【コアラ】が少ないんだなあ」

 

【コアラ】はカテゴリーじゃないぞ。

ペガサス会長がカテゴリー認定してるから強く言えないけど、【コアラ】はカテゴリーじゃないと俺は思ってる。

 

「入ってるだけありがたいと思え。【コアラ】って名前がついていて、比較的使えそうなこのカード達が入ったデッキがコレってだけだ。別に【コアラ】無しでいいなら別のデッキを渡す」

「こ、これで!これでいいんだなあ!」

 

前田は慌てた様子でデッキを受け取る。

これ以上コアラを減らしたくないのか。

 

「ん。なら次にそのデッキのキーカードだが残念ながらコアラは関係ないぞ」

「そ、そうなのか?」

「ああ。デッキ名が【猫シンクロ】だからな。猫とは……」

 

前田のデッキから【レスキューキャット】を受け取って見せつける。

 

「この【レスキューキャット】のことだ」

「でも【レスキューキャット】の効果で召喚したカードはターン終了時に破壊されちゃうんじゃ……」

「チューナーとそれ以外を特殊召喚して、シンクロ召喚またはエクシーズ召喚すれば……あ、エクストラ忘れてた。あっぶな!早速作ろう」

 

15枚……【ナチュル・ビースト】に【ナチュル・パルキオン】……【パルキオン】入ったっけ?まぁいいや。【ディサイシブ・アームズ】……【ミスト・ウォーム】……あ、【ブリューナク】もか。それと……

 

「こんなもんか」

「これがシンクロ召喚のデッキ……」

「そんな興味深そうに見ても普通のデッキだぞ」

「いや、今までシンクロ召喚やエクシーズ召喚なんてものが無かったから、これは興味深いよ」

 

シンクロが出た頃は【猫シンクロ】は強かったな。【レスキューキャット】は禁止になったけど。

 

「で、【レスキューキャット】についてだったな。【レスキューキャット】の効果でこのカード、チューナーモンスター【Xーセイバー エアベルン】と【デス・コアラ】か【コアラッコ】を特殊召喚。【コアラッコ】を特殊召喚したら、【コアラッコ】の効果を使って相手モンスターの攻撃力を0にしてから【カタストル】か【ナチュル・ビースト】をシンクロ召喚って感じだな。これで手札消費1枚でシンクロできる」

 

他にもチューナーを【魔轟神獣ケルベラル】にするとか、【サイドラ】特殊召喚→【ジャンクロン】召喚→効果で【コアラッコ】特殊召喚→【ディサイシブ・アームズ】シンクロ召喚とかもアリだしな。

…………【コアラッコ】が過労死するか?いや、あくまで一例だ。過労死するのは【レスキューキャット】の筈。

 

「しかし【レスキューキャット】を引かない可能性が」

「【サモンプリースト】で魔法捨てて【レスキューキャット】を呼べる。他のカードを使ってシンクロ召喚もできるから戦えないことはない」

「……なるほど、だから【レスキューキャット】で特殊召喚できないモンスターが入っているのか」

 

【レスキューキャット】を使い切ったら【貪欲な壺】で回収してまたシンクロ召喚すればいい……そんなギリギリにはならないと思うけどな。

 

「とりあえず明日のデュエルまで練習しろ」

「れ、練習?デュエルモンスターズに練習があるのか?……キツいのは嫌なんだなあ」

 

さっき反則級のカード使ってでも父親に勝ちたいとか言ったのは誰だよ。

 

「シンクロ召喚できなければまともな勝負はできないのがそのデッキだ」

 

【猫シンクロ】だけじゃなく色んなデッキもそうだがな。俺が組んでる途中のデッキとか。

 

「【レスキューキャット】からのシンクロ召喚。それ以外のシンクロ召喚もできるから、その研究をしろと言ってるんだ」

「わ、わかったんだなあ」

「わかったらさっさと帰れ。俺だってデッキ組んでる途中だったんだ」

「わ、わかった。デッキ、ありがとうなんだなあ」

 

ほぼ追い返すように前田達を部屋から出す。

さて、俺のデッキ作成再開。

十代や丸藤、前田同様負けられない勝負になる。いや、いつもそうか。テスターとして、負けられない。だがあのカード達は使うから、エクストラのスペースに他のカードを入れるか。まずはメインを固めて、そこから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

体育館付近にある武道場で前田と前田の父親、前田熊蔵氏によるデュエルをするらしく、朝早くに来た十代に拉致られ見学に来ている。激しく眠い。

 

「では、これより前田隼人君の退学をかけたデュエルを行いますにゃ。僭越ながら私大徳寺がこのデュエルの立会人を務めさせていただきますにゃ」

 

大徳寺先生が立会人ね……いるのか?いや、いるか。

 

「熊蔵さん。もし貴方が負けたら隼人君がこの学校に留まることを許していただけますかにゃ?」

「良か。男に二言は無いでごわす」

 

ごわすって……前田どこの出身なんだよ……体格も性格も喋り方も似てないぞ。似てるのが鼻と髪型くらいか?

 

「隼人君。もし君が負けたら、潔くこの学校を退学して国に戻り、ご実家の造り酒屋の家業を継ぐ。いいかにゃ?」

「俺は、構わないんだなあ」

 

前田がシンクロ召喚できればまず負けることはないと思うけどな。理想は初手で【ナチュル・ビースト】か【A・O・J カタストル】を召喚かな。それで大体止まるし。罠使うなら【ナチュル・パルキオン】でも可だ。

 

「では両者とも悔いの無いデュエルをしてくださいにゃ」

「デュエル!」

「いざデュエル!」

 

前田隼人

LP4000

 

VS

 

前田熊蔵

LP4000

 

「俺のターン!……コイツで攻撃だ!【デス・コアラ】を召喚!」

 

は!?おい、ちょっ、待て!!

 

【デス・コアラ】

攻撃表示

ATK1100/DEF1800

 

【デス・コアラ】が姿を現わす。

い、いや、姿を現わすじゃなくて、何やってくれちゃってんだアイツ!本当に勝つ気があるのか!?




次回はこの続きです。
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