衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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龍斗が昼寝する話です。


デッキ選び デュエル無し

代表決定戦3日目。

今頃十代と三沢のデュエルで盛り上がってることだろう。

何故『今頃』や『だろう』という言葉を使ったのかというと、俺が会場にいないからだ。交流試合に向けてデッキを作ろうと思うのだが、何を使うのか迷っている。この問題を解決する時間が少しでもほしいのでこうして寮に籠っているわけだ。

まず、シンクロ・エクシーズ・ペンデュラムを使っていいのかどうか。俺のテスターとしての仕事はデュエルアカデミアにシンクロ・エクシーズ・ペンデュラムを浸透させ、さらなるテスター及びプロ候補の生徒に渡していくこと。交流試合の相手はデュエルアカデミアノース校の生徒。同じデュエルアカデミアだから問題無いといえば問題無いのだが、いつ発表されるかもわからない召喚法を見せていいのか?という疑問が出てきている。

海馬さんやペガサス会長に相談するくらいならいっそのこと儀式や融合で戦ったほうがいいような気もしている。

仮にこの問題が解決しても次にどのデッキを作るか。という問題が出てくる。最初の問題で仮にシンクロ等を使っても問題無いのならそれはそれで選択肢が圧倒的に増えてしまうのでそれも困る。逆に使わないにしても選択肢はそれなりにあるのでやはり悩んでしまう。

 

「…………気分転換でもするか」

 

iPodで音楽を聴きながら昼寝することにした。

しかし起きたのはなんと夕方。軽く寝るつもりが爆睡してしまいせっかくもらった時間を無駄にしてしまった。デッキテーマ決定してデッキを作成、回してみて調整とやることを考えるとマジで1日も無駄にできなくなってきた。どうする?シンクロやエクシーズを使うか?それとも向こうに合わせて融合・儀式でいくか?

 

「龍斗、デッキは決まったのか?」

 

ベッドの上で考えていると三沢が帰ってきた。

 

「いや、思考をリセットするために軽く昼寝しようとしたら起きたのがついさっきだ。代表決定戦はどうなった?」

「残念ながら負けたよ。あと1歩といったところだったんだが、逆転負けしてしまった」

「そうか。残念だったな」

「なに、まだ来年もある。気にする必要はないさ」

 

とは言いつつ若干悔しさを隠せてない。でも逆転負けということは、そこまで追い詰め……逆転?…………あ。

 

「そうか。使えるかどうかじゃなく使ってから決めればいいのか」

「龍斗?」

「ありがとう三沢。とりあえず1歩前進しそうだ」

「あ、ああ……どういたしまして」

 

まずはシンクロから決めよう。今までどんなデッキを使ってたのかまとめてみよう。

 

【DDD】一応シンクロも入っているから

【ヒーローグングニール】

【ジャンクとジャンドの境界線】…………なんだこの名前。

【極神】

【サイキック】負けたけど

【レモン】同じく負けたけど

【ドラグニティ】

【インフェルニティ】etc……

 

んー…………あ、【超重武者】使ってみようかな。よし、シンクロは決定。次にエクシーズだ。エクシーズは……

 

【DDD】上記同様

【ワーム】

【ランク4】

【聖刻】

【シャドール】【DDD】と同じ理由で

【サイバー】

【ヴェルズ】

【RR】etc……

 

シンクロより使ってるデッキが多い気がするな……ふむ。【セイクリッド】に期待しよう。頼んだぜ【プレアデス】。

次、ペンデュラム。

 

【DDD】もうこのデッキにコメントは書かない。

【EMと魔術師】ただし魔法は無い

【クリフォート】

【セフィラ】

 

思いの外少ない。んー…………よし、【妖仙獣】にしよう。エンタメだ。

……何故だ、一瞬『かませ犬』ってワードが頭に浮かんだんだが……まぁいいや。

あとは融合か。融合は少ないよな。

 

【DDD】お前なんでもアリだな……あ、書いてしまった。

【シャドール】

【サイバー】

【デストーイ】

【ジェムナイト】

 

あとは【セフィラ】とか【ヒーローグングニール】くらいか。融合……【剣闘獣】?まぁこれにしてみるか。儀式は【セフィラ】で【ブリューナクの影霊衣】を召喚したくらいだ……このさいだし【影霊衣】でいってみるのもアリか。

 

「よし。とりあえずテーマは決定した」

「どんなデッキを使うのか決まったのか?」

「とりあえず5つに絞って、前日までにデュエルを何回かして決めることにした」

「そうか。ところで龍斗、相談があるんだが……」

「相談?」

 

珍しいな。三沢が相談なんて。普段は壁に数式書いて解決してるのに。……他人が見たら怪しさ満点だな。慣れたからいいけど。

 

「ああ、交流試合で使うデッキに俺の【ウォーター・ドラゴン】をいれてほしいんだが……」

 

【ウォーター・ドラゴン】……?使うなら【ハイドロゲドン】に【オキシゲドン】、【ボンディングーH2O】がいるな。

【超重武者】……魔法入るからダメ。

いや、というよりなんでそんなピンポイントに使いにくいカードを選んだ?

 

「残念だがどのデッキにも入りそうもないな」

 

【ランク4】のデッキなら【ハイドロゲドン】くらいは入るんだが、【ウォーター・ドラゴン】はキツい。そして今回エクシーズで使うのは【セイクリッド】だし。

 

「そ、そうか……」

「扱いが難しいからな。今回使うデッキには入りそうもない。すまない」

「あ、いや。気にしないでくれ。まだアテはある」

 

十代か。せめて【ハイドロゲドン】にしてやれ。戦線維持に役立つ。

 

「さて、デッキ作りといこう」

「手伝うよ」

「ありがとう。じゃあまずモンスターのケースから……」

 

三沢が手伝ってくれたおかげで早くデッキ作りを終わらせることができた。隙あらば【ウォーター・ドラゴン】をいれようとしていたが……【影霊衣】に【ウォーター・ドラゴン】って……

そして【影霊衣】使うならエクストラの用意が必要なんじゃ……とか思ったので【リチュア(エクストラ抜き)】も作ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これを入れるとこっちがいらないし、でもこっちを入れるならこれがいらない……あーもーどうすればいいんだー!!」

 

交流試合が近づいても授業はある。授業を終えても寮に戻らず、俺と十代は教室でデッキ調整をしていた。

といっても俺は枕田や浜口、そしてゆまに相手してもらってデッキを回しているだけで、デッキ調整に悩んでいるのは十代だけだ。

 

「十代【ウォーター・ドラゴン】はどうだ?炎属性のモンスターには相性抜群だ」

「入れるなら【エトワール・サイバー】よ。ダイレクトアタックの爆発力が違うわ」

「アニキ、【パワー・ボンド】入れようよ!」

「【デス・コアラ】もオススメなんだなあ」

 

十代の周りには丸藤、前田、三沢、明日香が『自分のカードを使え』と邪魔している。

 

「とりあえず……【スサノーO】で【パルキオン】攻撃」

「…………負けましたわ」

 

浜口ももえ

LP1000→-300

 

「ふむ。【超重武者】はそれなりに動けるか」

「よくモンスターだけで動けますわね」

「墓地に魔法・罠が無いことを前提にしたカードで、慣れてないと一瞬『事故った』と思うけどな」

 

3回くらい連続で回してようやく慣れたと思うが、別のデッキに切り替えてしばらく回すとまた『事故った』と思ってしまう。

 

「【プレアデス】の効果発動。リバース選択、チェーンして【安全地帯】で【RRーライズファルコン】選択。チェーンは?」

「……無いわよ」

「じゃあチェーン2で【ライズファルコン】に【安全地帯】が適用され、チェーン1で【安全地帯】バウンス。【安全地帯】の効果で【ライズファルコン】破壊」

「あーもうムカつくわね!気持ちよくデュエルさせなさいよ!」

 

枕田は頭を激しく掻いた後こちらに怒鳴りつけてきた。

 

「そんなの対策してないお前が悪い。【ヴェーラー】くらい入れとけ」

 

もしくは【うさぎ】。【聖杯】でも可。

 

「俺は俺のためにデュエルするんだー!!」

 

枕田と口論のようなやりとりをしていると十代が急に叫んでどこかに走っていった。おそらくしつこい三沢達に怒ったのだろう。

 

「ドロー……スタンバイ……メインフェイズ……」

 

三沢達が十代を追うところを枕田と浜口が呆然と見送るなか、1人でターンを進めようとするが、チェーン確認のために仕方なく猫だましして意識をこちらに向けさせた。デュエルを終えると枕田と浜口は『明日香さんを追う』と言って走っていこうとするが、

 

「明日香の居場所わかってんのか?」

「「…………」」

 

お前ら考えて行動しろ。

 

「はぁ……アイツの居場所に心当たりがあるからその辺から探すぞ」

 

とりあえず校舎内で十代のサボりスポットは……上か。3人を引き連れてある場所に向かうと、そこでは大の字で寝ている前田となんか『もけもけ』言ってる明日香、丸藤、三沢の3人。そして十代と…………誰だ?ボロボロのオベリスク・ブルーの制服を着た男子生徒がいた。

 

「明日香さん、何してるんですか?」

「ん〜?十代のデュエルをの〜んびり見学してるのよ〜」

 

いつもの覇気が全く感じられない。なんというか、気が緩みまくってる。しかし十代がデュエル……状況は……

 

男子生徒

LP4100

モンスター

【はにわ】:守

DEF500

魔・罠

【怒れるもけもけ】

【人海戦術】

伏せ1枚

手札3枚

 

VS

 

遊城十代

LP3100

モンスター

【E・HERO スパークマン】:攻

ATK1600

魔・罠

手札2枚

 

…………何があった?何があったら【はにわ】が召喚されるんだ?てか【はにわ】ってなんだ?

 

「もけけのけーナノーネー!」

 

おかしなセリフとともに柱の上からクロノスが飛び降りた……自殺?しかし直前に着ていた謎のスーツからスラスターを噴出。そのまま滑らかに移動した。

クロノス曰く、彼の名は『茂木もけ夫』。3年前、学園の誇るナンバー1デュエリストだったらしい。3年前……なんでいるんだ?もう卒業してるはずだろ。とにかく彼は相手の戦術やリバースカードの読みと全てが天才的だったらしい。しかしある日を境に彼とデュエルしたデュエリストはやる気を無くし、島を去っていったらしい。……今の明日香達みたいになったのか。

茂木本人曰く『【もけもけ】と出会ってから皆こうなった』らしい。

そして彼の力に気付いた学園の人間は彼を専用の寮に隔離することを決定した。

海馬さんはこのことを知ってるのか?コレって……

 

「監禁なんじゃ…………?」

「ノンノンノン!彼も彼の家族も合意してるノーネ!」

 

あ、合意してるんだ。じゃあいいや。しかし何故今彼は外に?と十代が問うと茂木本人はクロノスから十代のことを聞いたらしい。そして同じDMの精霊を扱えるという予感がしたらしい。そしてその精霊をデュエルから解放したいらしい。のほほんとしていた方が精霊は幸せだからと彼は言う。しかし十代の精霊である【ハネクリボー】はこのデュエルしてることが楽しいと言っているらしい。そんなことより

 

「俺のターン、ドロー!」

「なぁゆま。枕田達を明日香のところに連れてきたから帰っていいか?」

 

非常に帰りたい。なんか明日香達が寝始めたから非常に面倒な予感がしてる。

 

「人のデュエルを見るのも勉強だよお兄ちゃん!」

「先客の明日香達が寝てるんだが」

「え!?ちょ、皆さーん!?」

 

……帰ろう。とりあえずゆまに帰ることだけ伝えると慌てて俺についてきた。

 

「お兄ちゃん、人からタクティクスを学ぶのもデュエリストだよ!」

「さっきの話を聞く限り俺もゆまも寝てしまう恐れがある。そうなればタクティクスを学べなくなるだけじゃなく起きてる十代に迷惑をかけるから帰るのがベストだ」

 

個人的にはどうやったら【はにわ】なんてカードを採用することになるのか聞きたいが、やる気無くなって云々が本当なら仕事に支障がでてしまう。そうなればクビの可能性もある。それは避けたい。

 

「そっか。私はてっきり面倒なだけかと……」

 

…………ちょいちょい俺の性格を把握してるな。

 

「それも理由の1つではある」

「あ、やっぱり」

「…………」

 

…………何故だろう。今ゆま相手にプトレノヴァインフィニティ〜ダーク・ロウのハンデスを添えて〜とかやっても良いかなと思ってる。もしくは徹底的なメタデッキとか。

やってくる衝動を抑えゆまと校舎を出る。しかし、やけに暗い。別に夜だとか曇ってるわけでもないのに何故?そう思い上を見ると……

 

キングもけもけ〜〜〜

 

…………重低音を響かせているモンスターがいた。

 

「…………ゆま、アレはなんだ?」

「わ、私知らないよ。でもでも、『もけもけ』って言ってたよ」

 

『もけもけ』……じゃあコイツが【もけもけ】なのか……コイツに出会ってから茂木もけ夫のデュエルが変わり、相手やギャラリーに影響を与えたのか……呪いか何かだろうか?

【もけもけ】は島全体に響きそうな大音量で音を出し、直後大爆発した。

十代が何かしたのか。

 

「とりあえず、寮に戻ろう」

 

うろ覚えでもいいから十代からデュエルの展開を聞けばいい。たぶん聞かないと思うけど、そう思い寮へ戻る。




何故三沢は【ウォーター・ドラゴン】単品を渡すのか……
次回は龍斗が社長に怒られる話です。
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