衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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右足が中破したアルス@大罪です。
オリジナル……いや、閑話的な感じです。


わんこ 雪乃VS.ゆま

カチャ……

 

ドアが微かに閉まる音が聞こえて、意識が浮上する。しかしまだ眠いので目を閉じたまま再び眠ろうとする。ゆっくりと俺の脚に何かが乗っかった。鬱陶しいので退けたいが脚に乗ってるのでどうしようもない。仕方ないので目を開けると

 

「あら、起きたのね。おはよう」

 

藤原がいた。

…………そんなバカな。ここは男子寮だぞ。ここに同室の奴、百歩譲って同寮の奴、千歩譲って他の寮の男子がいるならまだしも、他の寮の異性がいる……だと……?どうやら寝ぼけているらしい。もしくは夢だな。よし、寝よう。

 

「二度寝すると遅刻するわよ?まぁ私は別に構わないけれど」

 

夢の中の藤原を無視して眠りにつく。多分そのうち起きるだろう。

 

「な、何しているんだ君は!?」

 

っ!三沢が朝っぱらから大きな声をあげた。

 

「……うるさいぞみさ……」

「おはよう。2回目だけど」

 

体を起こすと目の前に藤原がいた。夢の中で見た光景だ。

 

「……三沢、何故藤原がここにいるんだ?」

「俺が聞きたい!」

「じゃあ藤原、何故ここにいるんだ?」

 

そして何故俺の上にいるんだ?

 

「ボウヤ……いえ、龍斗に逢いに来たのよ。ついでに寝顔を拝みに」

「ここは男子寮だぞ」

「そうね」

 

『そうね』って…………無駄な気がしつつも『特別な用事がない限り異性の寮に来ることは禁止されてる』と言ってみたら

 

「規則なんかに縛られるのはイヤなの」

 

やっぱり無駄だった。こういうタイプの奴は相手しないのがベストだと思う。

三沢に『とりあえず無視』と伝えつつ藤原を部屋から蹴り出してから着替え、食堂で朝食をとって授業へ。

食堂は食堂で藤原が自由人してたが全力で無視した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん、なんで藤原さんがいるの?」

 

朝ゆまに会うと開口一番にそんなことを言われるハメになった。しかも妙に暗い目で。明日香の右手以外で女子に恐怖を憶える日が来ようとは……それはさておき放課後。

 

「お兄ちゃんから離れてください!」

「『お兄ちゃんお兄ちゃん』って、兄離れしたらどうかしら、お嬢ちゃん?」

 

現在目の前で修羅場ってる。内容が内容だし、ゆまが関わるとなると放置はできない。

 

「ゆま落ち着け」

「お兄ちゃん、でも!」

「『でも』じゃない。深呼吸でもして落ち着け」

 

ゆまは言われた通り深呼吸を数回した。まるで犬……いや、ちょっと表現がアレだな……『わんこ』……うむ。わんこに決定。

 

「すー……はー……で、藤原さん!お兄ちゃんに近づかないでください!」

「龍斗が誰と関わろうが龍斗の自由でしょ?」

「よ、呼び捨て!?」

「だから落ち着け」

 

ゆまの頭をコツンと小突く。ゆまは『あうっ!』と小さな悲鳴(?)をあげた。

 

「ゆま、なんでお前は藤原が俺にくっついてくるのが嫌なんだ?」

「そ、それは……そのぉ……」

 

俺の質問にゆまは頬を微かに赤らめて口ごもった。

 

「藤原、お前もお前だ。他人との接し方にとやかく言いたくないが、厳しすぎる。人の接し方にアレコレ言うな」

「…………」

 

藤原は藤原で不機嫌そうな顔をする。

んー……とりあえず、

 

「ゆま、藤原。デュエルだ」

「ふぇ?」

「デュエルすれば相手の人となりがわかるって誰かが言ってた」

 

ような気がする。ゆまは誰が言ったのかとか気にせず納得し、藤原も了承。

とりあえず意識を別方向に向けることに成功。あとはこれを機に仲良くなってくれればベストだ。

 

「「デュエル!」」

 

藤原雪乃

LP4000

 

VS

 

宮田ゆま

LP4000

 

「私の先攻、ドロー。【マンジュ・ゴッド】を召喚」

 

【マンジュ・ゴッド】

攻撃表示

ATK1400/DEF1000

 

「【マンジュ・ゴッド】の効果でデッキから【終焉の王デミス】を手札に加えるわね。カードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

藤原雪乃

LP4000

モンスター

【マンジュ・ゴッド】:攻

ATK1400

魔・罠

伏せ1枚

手札5枚

 

藤原の初ターンは準備で終わるか。ただ【高等儀式術】を加えなかったってことは既に握っている……?

 

「私のターン、ドロー!魔法カード【融合】を発動!」

 

対するゆまは速攻か。

 

「手札の【E・HERO シャドー・ミスト】と【E・HERO オーシャン】を融合!

影に潜むヒーロー。母なる水のヒーローと力を合わせて、私とともに戦ってください!融合召喚!氷のヒーロー!【E・HERO アブソルートZERO】!」

 

【E・HERO アブソルートZERO】

攻撃表示

ATK2500/DEF2000

 

うん。以前のように噛むことはなかったな。良かった良かった。

 

「普通に召喚すればいいのに何故長ったらしいセリフを言うのかしら?」

「お前召喚口上バカにすんじゃねぇよ」

 

口上考えんの大変なんだぞ。

前世でやったゲームの記憶から引っ張ってきたやつも多々あるけど。

俺が絡んできたのが以外なのか藤原が目を丸くしてこちらを見たがすぐに謝ってきたのでとりあえず良しとする。

 

「続けますね。【シャドー・ミスト】の効果発動!このカードが墓地に送られたら、デッキから【シャドー・ミスト】以外の【HERO】を手札に加えます!【E・HERO エアーマン】を手札に!」

 

宮田ゆま

手札3枚→4枚

 

なるべく手札を減らさないようにしてるな。それに【アブソルートZERO】……【デミス】対策か?

 

「更に【E・HERO エアーマン】を召喚!」

 

【E・HERO エアーマン】

攻撃表示

ATK1800/DEF300

 

「【エアーマン】の効果発動!召喚に成功したとき、デッキから【ブレイズマン】を手札に加えます!そしてバトルです!【エアーマン】で【マンジュ・ゴッド】を攻撃!ファン・ブレード!」

 

【エアーマン】が自身の翼に付いているファンを2つ取り出し【マンジュ・ゴッド】に投げる。ファンは【マンジュ・ゴッド】に突き刺さり【マンジュ・ゴッド】が爆発した。……しかし【エアーマン】のファンも粉々になり、【エアーマン】がショックを受けている。替えくらい用意しとけよ。

 

「ぁっ!」

 

藤原雪乃

LP4000→3600

 

「【アブソルートZERO】でダイレクトアタックです!」

 

【アブソルートZERO】が藤原に向けて氷の塊を複数放つ。

 

「罠発動【魔法の筒】。相手モンスターの攻撃を無効にして、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える」

 

しかし、突如現れた2つの筒の1つに吸い込まれ、もう片方の筒から細かく砕かれた氷がマシンガンのようにゆまの額を襲う。

 

「いたたたたたたたた!」

 

宮田ゆま

LP4000→1500

 

この後、ゆまは微妙に赤くなった額を気にしつつもターンエンドした。

 

宮田ゆま

LP1500

モンスター

【E・HERO アブソルートZERO】:攻

ATK2500

【E・HERO エアーマン】:攻

ATK1800

魔・罠

無

手札4枚

 

「私のターン、ドロー。……【高等儀式術】を発動。デッキから【甲虫装甲騎士】を墓地に送り【終焉の王デミス】を召喚」

 

【終焉の王デミス】

攻撃表示

ATK2400/DEF2000

 

なんか安定して【デミス】召喚するなぁ……どんな構築してるんだろ……?

 

「【デミス】の効果発動。ライフ2000を払い、フィールドにあるこのカード以外のカードを全て破壊する」

 

赤黒いオーラを纏い出す【デミス】。そして藤原が

 

「ぁあっ!んぁあ」

 

藤原雪乃

LP3600→1600

 

妙な声をあげた。そして【デミス】が斧でゆまのモンスターを薙ぎ払う。

 

「【アブソルートZERO】の効果発動!フィールドを離れたとき、相手フィールドのモンスターを破壊します!」

「あら」

 

ゆまの効果説明に藤原が少し驚きを見せた。

 

「ブリザード・ブレイク!」

 

【デミス】が凍結し、砕け散った。

 

「なら……【マンジュ・ゴッド】を召喚」

 

【マンジュ・ゴッド】

攻撃表示

ATK1400/DEF1000

 

「【マンジュ・ゴッド】の効果でデッキから【終焉の王デミス】を手札に加えるわね」

 

藤原雪乃

手札4枚→5枚

 

「バトル。【マンジュ・ゴッド】でダイレクトアタック」

 

【マンジュ・ゴッド】がゆまに近づいて沢山の腕でゆまをくすぐった。

 

「あはははははは!ま、待って!ははは!ほ、本当にムリ……」

 

宮田ゆま

LP1500→100

 

くすぐってライフ減るのか……アレか。酸欠か。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

藤原雪乃

LP1600

モンスター

【マンジュ・ゴッド】:攻

ATK1400

魔・罠

伏せ1枚

手札4枚

 

「はぁ……はぁ……今の攻撃は効きました……」

 

『攻撃』というより、『くすぐり』だけどな。

 

「でも、負けません!私のターン、ドロー!【強欲な壺】を発動!カードを2枚ドローします!」

 

宮田ゆま

手札4枚→6枚

 

【ブレイズマン】召喚して【融合】サーチしてからの方が良かったと思うんだが……まぁいいや。

 

「【ヒーローアライブ】を発動!私のフィールドに表側のモンスターがいないとき、ライフを半分にしてデッキからレベル4以下の【E・HERO】を特殊召喚します!【E・HERO バブルマン】を特殊召喚します!」

 

宮田ゆま

LP100→50

 

【E・HERO バブルマン】

守備表示

ATK800/DEF1200

 

【強欲なバブルマン】……そしてゆまのライフが僅か50に……

 

「【バブルマン】の効果発動!私のフィールドに他のカードが無いので2枚ドローします!」

 

宮田ゆま

手札5枚→7枚

 

「【死者蘇生】を発動!墓地から【E・HERO シャドー・ミスト】を特殊召喚!」

 

【E・HERO シャドー・ミスト】

守備表示

ATK1000/DEF1500

 

「【シャドー・ミスト】の効果発動!特殊召喚に成功した場合、デッキから【チェンジ】速攻魔法……【マスク・チェンジ】を手札に加えます!」

 

ゆまの手札が減ってねぇ……

 

「【融合】を発動!フィールドの【バブルマン】と手札の【ブレイズマン】を融合!

母なる水のヒーロー。燃え盛るヒーロー。今一つになりて、私に新しい力をください!融合召喚!お願い!【E・HERO ノヴァマスター】!」

 

【E・HERO ノヴァマスター】

攻撃表示

ATK2600/DEF2100

 

「バトル!【ノヴァマスター】で【マンジュ・ゴッド】を攻撃!ファイヤー・ボール!」

 

【ノヴァマスター】の頭上に3つの火球が出現し、【マンジュ・ゴッド】に向かう。

 

「罠発動【ドレイン・シールド】。モンスターの攻撃を無効にしてその攻撃力分のライフを得るわ」

 

藤原雪乃

LP1600→4200

 

しかし火球は突如現れた盾に阻まれ、盾の裏から光が出て藤原のライフを回復させた。

 

「速攻魔法【マスク・チェンジ】!フィールドの【HERO】を墓地に送って、そのモンスターと同じ属性の【M・HERO】を融合デッキから特殊召喚します!【E・HERO シャドー・ミスト】を墓地に送って、【M・HERO ダーク・ロウ】を特殊召喚!」

 

【M・HERO ダーク・ロウ】

攻撃表示

ATK2400/DEF1800

 

「【ダーク・ロウ】で攻撃!ダーク・ディメンション!」

 

なんかアレな技名の割に飛び蹴りだった。

 

「ぁあんっ!」

 

藤原雪乃

LP4200→3200

 

「【ダーク・ロウ】の効果で相手のカードは墓地に送られず除外されます!」

「っ!?……こちらのカードだけ除外するのね。酷い娘」

「そ、そういう効果なんだから仕方ないじゃないですか!それに、このデッキのほとんどはお兄ちゃんが組んでくれたんです!酷いのはお兄ちゃんです!」

 

なんか責任転嫁された。いや、確かにそのデッキの8割は俺が組んだけど。

 

「…………」

 

藤原が目つきを鋭くしてこちらを見ている。

 

「藤原、どうかしたか?」

「もし、『私のデッキを組んで』と言ったら、組んでくれるかしら?」

 

藤原のデッキを?いや、そこまで安定して【デミス】を召喚できるならそれで充分だろ。

 

「難しいな。そのデッキ以上に安定した儀式デッキとなると、思いっきり別のデッキになってしまう」

 

【影霊衣】とか。あとは……【影霊衣】?もしくは【リチュア】か?

 

「あら。私のデッキにそんな評価をしてくれるのね」

 

返答した途端、藤原は笑みを浮かべ、ゆまが頬を膨らませた。

今度はゆまか……

 

「ゆまは何頬を膨らませてるんだ?」

「なんでもないですぅー!カードを1枚伏せターンエンド!」

 

宮田ゆま

LP50

モンスター

【E・HERO ノヴァマスター】:攻

ATK2600

【M・HERO ダーク・ロウ】:攻

ATK2400

魔・罠

伏せ1枚

手札3枚

 

なんで急に不機嫌になるんだ?全くもって理解できない。

 

「ふふふ……私のターン、ドロー。【強欲な壺】を発動。カードを2枚ドロー」

 

藤原雪乃

手札4枚→6枚

 

藤原はカードを確認すると微かに目を細めた。

 

「手札1枚を捨て【ライトニング・ボルテックス】を発動。貴女のモンスターはこれで全滅」

 

どれだけモンスターを破壊すれば気がすむんだ。天井からの落雷でゆまのモンスターが全滅した。

 

「あう……」

 

ゆまの不貞腐れた表情からしょぼくれた表情に一転。そしてフィールドがガラ空きに……

 

「墓地の【甲虫装甲騎士】2枚を除外して【デビルドーザー】を特殊召喚」

 

【デビルドーザー】

攻撃表示

ATK2800/DEF2600

 

「あうあう…………」

「バトル。【デビルドーザー】でダイレクトアタック」

「と、罠発動!【聖なるバリア ーミラーフォースー】!これで貴女のモンスターは全滅です!」

 

【デビルドーザー】がゆまに体当たりを仕掛けるも鏡のような盾に阻まれ破壊された。

 

「あら、やるわね。モンスターを伏せてターンエンドよ」

 

藤原雪乃

LP3200

モンスター

裏守備1枚

魔・罠

無

手札2枚

 

「私のターン、ドロー!……あれ?」

「「ん?」」

 

ゆまがドローしたカードを見た後、手札とにらめっこを始めた。

 

「…………え、えへへ……」

 

その後こちらを見て苦笑した。なんだ?何があった?

 

「手札事故起こしちゃった……」

 

なんだ。事故っただけか。

 

「えっと、モンスターを伏せてターンエンドです」

 

宮田ゆま

LP50

モンスター

裏守備1枚

魔・罠

無

手札3枚

 

「ふふっ……面白い娘。私のターン、ドロー。【マンジュ・ゴッド】を召喚」

 

【マンジュ・ゴッド】

攻撃表示

ATK1400/DEF1000

 

「【マンジュ・ゴッド】の効果で3枚目の【デミス】を手札に加えるわね。更に【ネオバグ】を反転召喚」

 

【ネオバグ】

攻撃表示

ATK1800/DEF1700

 

「こ、攻撃しなくて良かったぁ……」

「攻撃力1700以下のモンスターしかいなかったのね」

「えへへ……」

 

いや、そういう情報さえなるべく晒さないほうが……

 

「バトル。【ネオバグ】で攻撃」

 

【ネオバグ】が裏守備モンスター……【オーシャン】を切り裂いた。

 

「【マンジュ・ゴッド】でダイレクトアタック」

「きゃはははは!ま、待って!く、くすぐるのははははは!」

 

宮田ゆま

LP50→-1350

 

再びくすぐられるゆま。こんな終わりで良かったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでですね、お兄ちゃんは……」

 

俺の戯言が実践されたのかデュエル以降、ゆまと藤原の仲が良い。偶に聞こえる話の内容が主に俺についてなのはどういうことなんだ?そしてゆまがサラッと藤原に俺がテスターであることをバラしていた。

 

「それで、これが前に撮った龍斗の寝顔の写真よ」

 

なんか変な写真を撮られてた。没収しようにもおそらくアレはプリントした物。データの回収は難しいだろうし、もう色々諦めた。




ゆま、【融合】サーチしないから事故るんだぞ。
それはさておき次回はなんか1万文字を超えて墓守家の皆様のところへピクニックです。
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