衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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カミューラ戦?そんなものはなかった。
何故なら龍斗は一般人だから。


温泉 VS.キサラ

結果だけ言う。カミューラは十代が倒したらしい。

【E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン】で【ヴァンパイアジェネシス】を破壊して勝利。そして人形にされたクロノスとカイザーが無事に帰ってきてめでたしめでたしとなったらしい。

『らしい』というのも俺は対策を練りつつデッキを選んでいたものの体調は戻らず、ゆまと藤原に無理矢理寝かしつけられ『抜け出すかもしれないから』と言って両腕をホールドされ十代のデュエルを見ることができなかった。そしてデュエルの結果を十代本人から聞いたからだ。せっかく【ゼンマイハンデス〜やるならドローカードさえも〜】を用意したというのに……

ここ数日気分が沈むことがあったので島にある温泉施設に行くことに。何も考えずのんびり温泉に浮かんでいれば気分が変わるかもしれないと思ったからだ。……というより、それくらいしかこの島でできることが無いってだけなんだが……

 

「しかしお前達までいるとは……」

「龍斗君も泳ごうよ!」

 

温泉で泳ぐな。

服を脱いで温泉に入ろうとすると十代に丸藤、前田に万丈目がはしゃいでいた。正確にいうと十代以外の3人がはしゃいでいるんだが、いつもなら騒がしいくらいに元気なはずの十代が割と大人しい。

 

「十代、どうかしたか?」

 

妙な気持ち悪さがあるので十代に話しかけてみる。なんでも、クロノスやカイザーが一時的とはいえ人形になり、カミューラは【幻魔】に魂を奪われたのを見て、追い討ちをするかのように自分がセブンスターズの1人に負け、魂を奪われる夢を見たらしい。

 

「デュエルって楽しいものだと思ってた。でもセブンスターズとの戦いで、俺は間違ってるのかもって……」

「…………そんなことを考えていたら、お前が見た夢の通りになるだろう。迷ったら負けるなんてのは本とかでもあるパターンだと思う。迷って動きが、判断力が鈍り負ける」

 

だいたいそういう負け方するのはライバルキャラとかだと思うんだけどな。

 

「全てが全て同じ見方ができるわけじゃない。お前にとってデュエルは楽しいものでも、別の誰かからしたらそうじゃない場合だってある。お前が正しいと思ってれば、それでいいだろ」

 

あー……なんで俺こんな厨二っぽいこと言ってるんだろう。恥ずかしくなってきた。十代は俺の思ってることなど知る由もなく『そっか』と言って温泉に浮かんだ。数分もしないうちに十代が起き上がった。

 

「【ハネクリボー】?」

 

十代が急にどこかへ歩いて行った。岩の影から十代の声が聞こえたと思ったら少し遅れて前田、丸藤、万丈目の声が聞こえ、俺以外の連中の姿が消えた。…………とりあえず浮かぼうとしたら腰を何かに捕まれ、引っ張られる感覚と共に温泉の中に沈んだ。

 

「ぎゃふっ!!」

 

異常に長い落下感の後、砂地に腰から着地した。こ、腰……!砂地でも痛ぇ……!

 

「大丈夫龍斗君?凄い声出てたッスよ」

「あ、あまり大丈夫じゃない……」

 

俺以外にも十代達4人がいたらしく、丸藤に心配された。しかし丸藤達が服を着ている。俺も確認してみると俺も服を着ていた。何がどうなったらこうなる?それにデュエルディスクを使ってないのに、【デス・コアラ】や【おジャマ・イエロー】といったモンスターが複数いる。

 

「精霊達に導かれたデュエリストというのは貴様らか」

 

ふと聞き覚えのある、緊張を強いる声がして前方を見ると、

 

「………………」

 

妙な被り物をした海馬さんがいた。そんなバカなと思い眼をこすりもう一度見るが、やはり妙な被り物をした海馬さんがいた。

 

「か、海馬さん……?」

 

恐る恐る話しかけてみると、

 

「海馬?なんのことだ?俺の名は【カイバーマン】。海馬などという名前ではない」

 

やはり緊張を強いる声で、しかし海馬さんなら絶対言わない冗談を言ってきた。いや、しかし……

 

「いえ、しかし……」

「【カイバーマン】だ」

「いえ、その声は……」

「【カイバーマン】だ。それ以上でもそれ以下でも無い!」

「…………」

 

……これはダメだ。海馬さんから時折感じる鉄の意志を感じた。こういうときは触れない方がいい。……というか、海馬さんって『精霊』とか言う人じゃ無かったと思うんだが……まさか本当に別人……?

 

「アンタがここのリーダーか?なんで俺達をこんな所に呼んだんだ?ちゃんと帰す気はあるのか?それとも、お前もセブンスターズ……!」

「ふぅん。質問が多いぞ貴様。デュエルをすれば全てわかると常々ほざいているらしいではないか」

 

十代が【カイバーマン】に問いかけるが、【カイバーマン】は腕のデュエルディスクを展開して十代にデュエルを挑んだ。この微妙に話を飛ばす感じ……やはり海馬さん……?

 

「貴方の相手は私がしましょう」

 

十代もデュエルディスクを展開したところで【カイバーマン】の背後から青い目と青みがかった白い髪、民族衣装のような服装の女が現れた。

 

「私の名はキサラ。貴方の相手は私です」

 

俺を指差して【カイバーマン】と同じデュエルディスクを展開したキサラという女。しかし俺は現在デュエルディスクを……と思っていたら、左腕にデュエルディスクとデッキが。思うことはあるが、まずはデュエルだ。俺もデュエルディスクを展開して構える。【カイバーマン】から『恥を知れ』だの『己が頂点を目指すというのなら、この俺を乗り越えていけ』だのと海馬さんなら言いそうなセリフが聞こえたが無視だ。丸藤達は十代のデュエルを見るらしく、こちらに視線を向ける者はいなかった。

 

「「デュエル!」」

 

キサラ

LP4000

 

VS

 

宮田龍斗

LP4000

 

「私の先攻、ドロー。手札の【伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)】を捨て、魔法カード【ワン・フォー・ワン】を発動。手札・デッキからレベル1のモンスターを特殊召喚」

 

【伝説の白石】……チューナーだと?いや、【カイバーマン】は『精霊』と言っていた。もし、ここが精霊の住む場所なのだとしたら、存在はしている【伝説の白石】があっても不思議ではないとは思う。そしてあのカードを使ったのなら、あのデッキは【青眼】デッキか。

 

「デッキから【青き眼の乙女】を特殊召喚」

 

【青き眼の乙女】

攻撃表示

ATK0/DEF0

 

出てきたのはキサラとそっくりの女性型モンスター。丸藤が何かを察知したのかこちらに振り向き『綺麗』とかなんとか言いだした。万丈目は『攻守ともに0?何を考えている?』とかなんとか考察。前田は微かに頬を赤くしてボーッとしている。

 

「【伝説の白石】の効果発動。このカードが墓地に送られたとき、デッキから【青眼の白龍】を手札に加える」

 

キサラ

手札4枚→5枚

 

キサラが手札に加えた【青眼】に丸藤達が『こっちでも【青眼】』とざわめく。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

キサラ

LP4000

モンスター

【青き眼の乙女】:攻

ATK0

魔・罠

伏せ1枚

手札4枚

 

「俺のターン、ドロー!」

 

さて、今回使うデッキはなんだ?今回のは勝手に装着されてたからなぁ。

 

【超戦士カオス・ソルジャー】

【超戦士の魂】

【エフェクト・ヴェーラー】

【大嵐】

【転生の超戦士】

【超戦士の盾】←ドローカード

 

…………よりによって思いつきで作った調整中のデッキかよ。そして事故った…………いや、次のターンを凌げればあるいは……

 

「……モンスターをセット。カードを2枚セットして、ターンエンド」

 

宮田龍斗

LP4000

モンスター

裏守備1枚

魔・罠

伏せ2枚

手札3枚

 

「私のターン、ドロー。装備魔法【ワンダー・ワンド】を発動。【青き眼の乙女】に装備」

 

【青き眼の乙女】の目の前に先端に緑色の球体を付けた杖が現れるが、それを見た【青き眼の乙女】から青白い光が見えた。

 

「チェーンして【青き眼の乙女】の効果を「チェーン【ヴェーラー】」発動……」

「【青眼】は召喚させないぞ。手札から【エフェクト・ヴェーラー】の効果発動。相手モンスターの効果を無効にする」

 

【青き眼の乙女】を【エフェクト・ヴェーラー】が背後から抱きしめると、【青き眼の乙女】は顔を赤らめ光が収まった。

 

【青き眼の乙女】

攻撃表示

ATK0→ATK500

 

「……【ワンダー・ワンド】の効果で【青き眼の乙女】の攻撃力は500ポイントアップします。私はこれでターンエンド」

 

キサラ

LP4000

モンスター

【青き眼の乙女】:攻

ATK500

魔・罠

【ワンダー・ワンド】:《青き眼の乙女》

伏せ1枚

手札4枚

 

【ワンダー・ワンド】を使わない……?ならそのドロー効果を俺にくれ。切実に。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

頼む、動けそうなカードを……

 

【開闢の騎士】

 

ピン挿しカード引いた……枚数増やすか?でも枠が……いや、それよりもデュエルに集中しよう。【開闢の騎士】の攻撃力は500。セットしてある【超戦士の魂】と【転生の超戦士】を使って……返しのターンがキツいか……

 

「モンスターをセットしてターンエンド」

 

宮田龍斗

LP4000

モンスター

裏守備2枚

魔・罠

伏せ2枚

手札2枚

 

「私のターン、ドロー。魔法カード【竜の霊廟】を発動。デッキからドラゴン族モンスターを墓地に送ります。デッキから【青眼の白龍】を墓地に。【竜の霊廟】の効果で墓地に送ったのが通常モンスターなら、更に1枚ドラゴン族モンスターを墓地に送ることができます。【伝説の白石】を墓地に。更に【伝説の白石】の効果でデッキから【青眼の白龍】を手札に加えます」

 

手札5枚中2枚が【青眼】……いやな予感がする。

 

「【ワンダー・ワンド】の効果で【青き眼の乙女】とこのカードを墓地に送り2枚ドロー」

 

キサラ

手札5枚→7枚

 

「【死者蘇生】を発動。墓地より出でよ、【青眼の白龍】!」

 

【青眼の白龍】

攻撃表示

ATK3000/DEF2500

 

ててててーん、ててててーん……脳内にあのテーマが流れた。そんなことなど知る由もない丸藤達は【青眼】の姿に呆然としていた。

 

「更に魔法カード【融合】!」

 

【融合】!?条件は満たしているが、召喚するのか!?…………もしかして、引いてたりするのか?

 

「フィールドの【青眼】と手札の2枚の【青眼】を融合!現れろ【青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)】!!」

 

【青眼の究極竜】

攻撃表示

ATK4500/DEF3800

 

「こ、攻撃力4500!?」

 

丸藤が【究極竜】の攻撃力に驚いているが、お前の兄は攻撃力8000とか召喚してくるからな。

 

「更に魔法カード【龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)】発動!」

 

わ……【ワイアーム】が来るのか……

 

「墓地の【青眼】3体を除外し、2体目の【青眼の究極竜】を召喚!」

 

ですよねー……どっちにしても面倒だけどそういう頭ですよねー……耐性とか気にしないですよねー……【融合解除】引かれてなくて良かった。

 

【青眼の究極竜】

攻撃表示

ATK4500/DEF3800

 

「バトル!【青眼の究極竜】2体で2体の守備モンスターを攻撃!アルティメット・バースト!」

 

6つの首から放たれるブレス攻撃に俺のモンスターは跡形も無く消し飛んだ。そろそろ後がないか……次のターンでせめて1体は除去しないと……

 

「これが、私の怒りです」

「は?」

 

この状況を打破する手段を記憶しているデッキの中身から考えていると、キサラが突如意味不明なことを言いだした。『怒り』?俺、なんか怒られるようなことしたか?初対面だからそんなことはしてないはずなんだが……

 

「『何のことかわからない』といった表情(かお)ですね」

「……そうだな。何か気に入らないことでもしたか?」

 

指摘してくれたら謝るんだが……

 

「いいでしょう。なら教えてあげましょう、私の怒りを」

 

そう言ってキサラは語りだした。

…………長くなりそうだなぁ……

 

「気がつくと私は、私自身のカードは、あるアタッシュケースの中にいました。何故ここにいるのかもわからず、アタッシュケースの外を探索していると、貴方とDMの生みの親ペガサス・J・クロフォードが会話している光景が目に入りました。貴方がどういう存在なのか、そして私が、私達が何故ここにいるのか知ったのです」

 

…………話から察するに、キサラって俺の持ってるカードから生まれた精霊だということか?

 

「カードを通して精霊界に行くと、突如として生まれた精霊達によって精霊界は大混乱し、中には同じ一族で争う者達までいました。私は急いで貴方に救いを求めましたが、あろうことか貴方は私を無視したのです」

 

…………あれ?なんか話ズレてきた。

 

「自分勝手にカードを生み出し、私達の意思を、今まで生きてきた精霊達の意思を無視した貴方を私は決して許しません!」

 

……これで話は終わり……だよな?

 

「…………1つ、間違いがある」

「間違い?私の何が間違っているとーーー」

「俺はお前の言葉を無視したと言っていたが、前提が間違っている」

「前提?何が違ってーーー」

「俺は、精霊が見えないし、声を聞くこともできない」

 

食ってかかるキサラに俺ははっきりと、大きめの声で言った。すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………えっ?」

 

キサラは心底意外といった表情を見せた。




たまには影ながらでも十代に活躍の機会を与えないと!ね!?ね!?だから私は悪くありませんよね!?
……すみません文才とか人に必要な何かがいろいろ欠けてる私が悪かったですハイ……
次回は続きです。
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