アンティけしかけられて数日後。
あれから特に絡まれることはなく、平和に日常を過ごしている。
「DMにはモンスターカード、魔法カード、罠カードがあり、モンスターカードは通常モンスター、効果モンスター、融合モンスター、儀式モンスターに。魔法カードは通常魔法に速攻魔法、装備魔法、儀式魔法そして永続魔法フィールド魔法に。罠カードは通常罠と永続罠、カウンター罠にそれぞれ分けることができます」
今は授業中。
天上院明日香……だったよな?がDMのカードについての問いに解答しているところだ。
「スンバラシーノーネ!パーフェクトナノーネ!」
いや、待てよ。
「足りないな」
「シニョール宮田?何が足りないノーネ?」
「召喚の仕方は知らないにしても受験してここに来た生徒も、一部の中等部上がりもあと2つ、モンスターがいることを知っているはずだ。シンクロモンスターとエクシーズモンスターのことをな」
知らない連中も知っている連中もざわつき始めた。
……本当はまだペンデュラムがあるんだけど、見せてないからな。言うのはまだだ。
「そ、それデーワ。シニョール宮田。シンクロモンスター・エクシーズモンスターについて答えるノーネ」
「……時間がないので、全ては言いません。まず、シンクロモンスターとエクシーズモンスターについてですが、これらのカードは融合モンスター同様、融合デッキ……エクストラデッキに加えて決闘します。
シンクロモンスターは、自分フィールドに存在するチューナーモンスターとそれ以外のモンスターカードを墓地に送り、墓地に送ったモンスターのレベルの合計と等しいモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できます」
…………説明長えな。『エクストラデッキ?』とか聞こえる。融合デッキの後に言い直しているんだからなんとなく察せるだろ。まぁいいや。
「エクシーズモンスターは自分フィールドに存在する同じレベルのモンスター2体以上を重ね、その上に、重ねたモンスター達のレベルと同じランクを持つエクシーズモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できます」
「ランクとはなんナノーネ?」
「…………ランクとはエクシーズモンスターにのみ与えられた概念で、既存のモンスター達のレベルのような物です。エクシーズモンスターはランクを持つ代わりに、レベルという概念を持ちません」
「なるほどナノーネ。解説感謝するノーネ」
クロノスがこちらを見て片目を閉じた。……ウィンク?やめろ気持ち悪い。俺にソッチの気はないぞ。……いや、エクシーズやシンクロを使いたいがためのアピールか?……減点1だな。
次いで丸藤がフィールド魔法についての解説を求められたが、上がり症なのか、ガチガチで答えられず、周囲の連中に嘲笑われるも、遊城が受験でクロノスを倒したことを引き合いにして笑いを誘っていた。
そういえばフィールド魔法で思い出したけど、この前ブルーの奴が使っていた【荒野】って攻守上昇だけなんだな。警戒して損した。
「…………」
「えっとコレだろ?あとコレ。あとこのカードで核はできた。で、あとは……」
夜、フルモンスターデッキを作るためにパーツを探している。これは使うか?むぅ……難しい。
「大変だ龍斗!翔が攫われた!」
「…………同性とはいえノックくらいしろよ。で、丸藤が攫われた?なんで?」
そんなイベントあったか?
「理由はわからない。だけど、返してほしかったらブルー女子寮に来いって」
「で?なんで俺まで?」
「なんとなくだ!こういうのはお前に聞けばなんとかなりそうだしな!」
「…………」
三沢にでも聞けよ……
あ、アイツイエローだったか。使えん奴め。
「……わかった。少し待ってろ」
念のため複数のデッキを持っていこう。どうせデュエルがあって巻き込まれるんだろうから。巻き込まれないにこしたことはないけど。
で、わざわざボート漕いで来たのはいいんだけど。
「……帰っていいか?」
「呆れてないで助けてよ〜!」
丸藤が女子寮の風呂を覗いたらしい。
帰りたくなった。
「そんな度胸はないとは思っていたが、考えを改める必要がありそうだ。
しかし退学……か……新しい人生頑張るがいい。餞別にそうだな……なんかエクシーズ(ランク1。丸藤のデッキでは使えない)でもやろう。達者でな」
「ボクはやってないってば〜!」
「話してるところ悪いんだけど、貴方達、私とデュエルしない?貴方達が勝ったら覗いたことは大目に見てあげる」
「だってさ。頑張れ遊城」
「お、おう!任せとけ!あ、あと十代でいいぜ!」
ここでそれ言うか?まぁいいや。面倒ごとは主人公に任せよう。
「わかったわかった。まぁ負けても丸藤の人生が変わるか終わるだけだ。気楽にな」
「関係ないとか思ってるようだけど、貴方もやるのよ?宮田龍斗君?」
「……なん……だと……?」
「貴方達と私は言ったのだけど?」
…………面倒な。
一応持ってきてよかったけど。
「…………わかった。とりあえずゆ……十代、頑張れ」
「おう!さあ、始めようぜ!」
「ええ」
「「デュエル!」」
……寝よう。
「……おい、龍斗、起きろ!」
「……終わった?」
「ああ、少し前にな。明日香が凄い顔してるぞ」
凄い顔?目を向けると、確かに凄い形相だ。『私怒ってます』という空気しかまとってない。どうした?
「……で、十代は勝ったのか?」
「ああ、後は龍斗が勝つだけだ」
「そうか」
ならのんびりやるとしよう。
気張るのはあまり好きじゃない。
「待たせたな」
「……貴方、真面目にやる気はあるの?」
「全く。俺に関わることじゃないからな。それに、俺が探している人物かどうかは長い目でみるつもりだからな。1度や2度のデュエルを見逃したところで変わらんさ」
「探している人物?」
「気にするな。ただお前はデュエルしていればいい」
コイツも違うと思うけどな。
女子はブルーしかいないから、力の差が判りづらい。シンクロ・エクシーズを渡す人物は慎重に選びたい。
海馬さんにどやされたくないし。
「デュエル!」
「デュエル」
天上院明日香
LP4000
VS
宮田龍斗
LP4000
「私のターン、ドロー!【エトワール・サイバー】を守備表示で召喚」
【エトワール・サイバー】
守備表示
ATK1200/DEF1600
「守備表示で召喚?」
「何?」
「あ、いや。なんでもない」
先攻取られたのは前も取られたからいいとして、そうか、こっちは表側守備表示で召喚できるのか。やる意義が俺には無さそうだけど。
「カードを1枚伏せ、ターンエンド」
天上院明日香
LP4000
【エトワール・サイバー】:守
DEF1600
魔・罠
伏せ1枚
手札4枚
ふむ。様子見か?
まぁやることは変わらん。
「俺のターン。ドロー。……カードを4枚伏せ、ターンエンド」
「なっ!……ふざけてるの!?」
「大真面目だ。お前のターンだ」
宮田龍斗
LP4000
モンスター
無
魔・罠
伏せ4枚
手札2枚
「私のターン、ドロー!【融合】を発動!手札の【ブレード・スケーター】とフィールドの【エトワール・サイバー】で融合!現れよ。【サイバー・ブレイダー】!」
【サイバー・ブレイダー】
攻撃表示
ATK2100/DEF800
「俺のときにも出したモンスター!」
ほう。十代のときにねぇ……アニメだとここでアイツとコイツが初対決だったか。
どんな効果だったかな?あのモンスター。まぁいいや、とりあえず回復する。
「リバースカード【非常食】。俺のフィールドのこのカード以外の魔法・罠を墓地に送り、1枚につき1000ポイント回復する。伏せてある3枚を墓地へ」
宮田龍斗
LP4000→7000
「何を考えてるのか知らないけど、バトル!【サイバー・ブレイダー】でダイレクトアタック!グリッサード・スラッシュ!」
「墓地の罠カード【
「墓地から罠ですって!?」
墓地のカードは使ってこそだろう。
驚く必要はない。驚くなら相手ターンに手札やデッキから罠とかだろう。
「相手の直接攻撃宣言時、墓地のこのカードを罠カードではなく、通常モンスターカードとして、守備表示で特殊召喚する!墓地にはこのカードが3枚。よって3体のシャドーベイルが特殊召喚される」
【幻影騎士団シャドーベイル】×3
守備表示
ATK0/DEF300
「……大したことない守備力ね。ならバトル続行!【シャドーベイル】を攻撃!」
【サイバー・ブレイダー】のスケート靴が【シャドーベイル】を簡単に切り裂いた……刃物なのかアレ……モンスターとはいえ、他人に向けるなよ……
「ターンエンドよ。【サイバー・ブレイダー】は相手フィールドのモンスターが2体なので攻撃力が倍になる。パ・ド・トロワ!」
天上院明日香
LP4000
モンスター
【サイバー・ブレイダー】:攻
ATK4200
魔・罠
伏せ1枚
手札3枚
4200か……割とカモじゃね?
「……ドロー」
【カゲトカゲ】……手札が……え、もう終わりっすか?
「……俺はレベル4の【幻影騎士団シャドーベイル】2体で、オーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。
漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う、反逆の牙!今降臨せよ!エクシーズ召喚!ランク4!【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】!」
【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】
攻撃表示
ATK2500/DEF2000
「来たわね。エクシーズモンスター!」
「更に手札から【レッド・ガジェット】を召喚。効果発動。チェーンして手札の【カゲトカゲ】の効果」
「今度は手札から!?」
「チェーンは?」
「え?あ……な、ないわ」
「ならチェーン処理だ。【カゲトカゲ】の効果で自身を特殊召喚。そして【レッド・ガジェット】の効果で【イエロー・ガジェット】を手札に加える」
デッキに手を伸ばすと、
「待ちなさい!【サイバー・ブレイダー】は相手フィールドのモンスターが3体ならカード効果を無効にする!パ・ド・カトル!」
無効化か。先に【リベリオン】使わないでよかった。
「しかし無効になるだけで、破壊はされないんだな」
「それがどうしたの?」
「わからないなら見るといい。俺はレベル4の【レッド・ガジェット】と【カゲトカゲ】で、オーバーレイ!」
「連続エクシーズ!?1ターンに1度じゃないの!?」
俺は1ターンに1度しか召喚できないとは言ってないんだがな。
「それはお前の勝手な想像だ。条件を満たしていれば何度でも呼べる。
満たされぬ魂を乗せた方舟よ、光届かぬ深淵より浮上せよ!エクシーズ召喚!ランク4【No.101
【カステル】でもいいんだけどね。こっちの方が好みってだけだ。あの伏せ次第でこっちの勝ちだし。
【No.101 S・H・Ark Knight】
攻撃表示
ATK2100/DEF1000
「【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】の効果!ORUを2つ使い、相手モンスター1体の攻撃力を半分にする!そして、その数値分、このカードの攻撃力をアップする!【サイバー・ブレイダー】の攻撃力を半分に!」
「なんですって!?【サイバー・ブレイダー】は相手フィールドのモンスターが2体だから攻撃力が倍になっている……つまり!」
「トリーズン・ディスチャージ!」
【サイバー・ブレイダー】
ATK4200→ATK2100
【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】
ATK2500→ATK4600
これでライフを削り切れる。伏せカードが攻撃反応型じゃない限り。でもまぁ、保険はかけるか。
「【S・H・Ark Knight】の効果発動!ORUを2つ使い、相手フィールドに存在する特殊召喚された攻撃表示モンスターをこのカードのORUにする!」
「それって……」
「お前のフィールドのモンスターが消えるということだ。エターナル・ソウル・アサイラム!」
【サイバー・ブレイダー】が光る球体に姿を変え、【S・H・Ark Knight】の周りを漂った。
これで伏せカード1枚でこの攻撃を防がないといけなくなった。【ミラフォ】感パネェ。まぁそれはそれでいいんだけど。
「バトル!【S・H・Ark Knight】でダイレクトアタック!ミリオン・ファントム・フラッド!」
【S・H・Ark Knight】から多量の紫線が放たれ、天上院を襲う。
罠は使うのか?
「ぐうっ!」
天上院明日香
LP4000→1900
使わない、か……ならコイツは防ぐか。でないと負けるし。
「ラストだ。【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】でダイレクトアタック!反逆の……ライトニング・ディスオベイ!」
さぁ、どんなカードを使う?
「きゃあぁぁぁぁぁ!!」
天上院明日香
LP1900→-2700
あ、あれ?伏せカード……なんだったんだろう……
「……私の負けね」
「…………そうだな。俺はいらないけど、丸藤は返して貰うぞ」
「……ええ」
丸藤を返して貰おうとすると、
「ちょっと待ちなさい!」
取巻きの1人えっと……居たはずなんだけど、名前が出てこない……いや、そもそも名前出てたか?
今回はここまでです。
次回は龍斗が別のデッキでデュエル。そしてやらかします。