衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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明けましたおめでとうございます。
新年最初の投稿です。


混乱 デュエル無し

アビドスⅢ世とのデュエルから数時間、携帯が鳴り取ってみると『ペガサス・J・クロフォード』の文字が。若干慌てながら電話に出る。

 

「はい、もしもし!」

[Good morning.龍斗ボーイ]

「おはようございます」

 

朝からハイテンションなペガサス会長。

『元気にしてるか』とか『彼女はできたか』とアンタは俺の父親かと突っ込みたくなるが、それを抑えて対応した。他愛ない世間話(?)のあと、ペガサス会長は本題に入った。

 

[以前海馬ボーイからイベントについて聞いたと思いマス]

 

そういえば、夏にそんなのするって言ってたな。しかしただの発表だろ?俺に話しても仕方ないと思うんだが……

 

[そこで、龍斗ボーイを筆頭にYou達テスターにイベントに参加してもらいたいのデース]

「…………え?」

 

俺達テスター?つまり明日香達も呼べということか?

 

[But.今いるメンバーだけでは足りないのデース]

「足りない?シンクロの発表なら明日香、浜口、俺と3人もいるんですが?」

[発表はシンクロだけではありまセーン。エクシーズ、ペンデュラムも発表しマース]

 

一気に全部!?シンクロへの対応でも一般のデュエリストは混乱するだろう。それを一気に全部?混乱どころの騒ぎじゃないだろう。

 

「会長。あまり言いたくはないのですが、そんなことしたら一般のデュエリスト達は大混乱してしまいます」

[わかっていマース。But.シンクロ召喚だけ発表して他の召喚法は発表しないなんて、我慢できまセーン!早くみんなに使ってほしいのデース!]

 

我慢しろよとも言えない立場なのが辛い。

 

[そこで、龍斗ボーイ達テスターに参加させ、実演してもらいたいのデース。各召喚につき1人ずつ出てもらいたいのですが、夏休みまでにさらにメンバーを集めてほしいのデース]

「何故です?既に各召喚のテスターはいるじゃないですか」

[イベントでは各召喚につき1人が限界なのデース。つまり明日香ガールとももえガールで出演を争う形になりマース。龍斗ボーイも含めて同じように出演を争い、研鑽を積んでほしいのデース]

 

最低でも各召喚それぞれで争ってほしいらしい。つまり各召喚につき2人は必要……シンクロは問題無いとして、エクシーズで1人、ペンデュラムは2人いれば最低限ってところか。俺は最悪空いた枠に入ればいいし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、真面目にピンチだ」

「「「…………」」」

 

放課後、朝あった会話をテスター仲間である明日香、浜口、枕田に伝える。

明日香は真面目に何か考えているようだが、浜口と枕田は……

 

「ど、どどどどどうすんのよ!?」

「い、イベントとなるとテレビですよね!?ま、まだ心の準備が!」

 

非常にテンパっていた。アタフタというかオロオロというか、せわしなく動いている。漫画でしかないような慌てっぷりを目の前で見れるとは。

 

「とりあえずテスター候補である十代を勉強させろ。デッキの構築から何からな。あとは俺から三沢にも声をかけてみる。せめてあと1人、どうにか探すぞ」

 

PDAで十代に連絡しながら三沢がいるであろう寮に向かう。部屋に入ると三沢が壁に数式を書いていた。

 

「三沢」

「ん?龍斗か、どうかしたか?」

「テスターになる気はないか?」

 

三沢が数式を書いている途中で体ごと振り返ったため、数式の一行に横線が入った。

 

「今、なんと言った……?」

 

しかし三沢は気にせず聞き返してきた。もう一度同じことを言うと、今度は急にどうしたのかと聞いてくる。今朝あったことを説明すると俺の深刻な顔つきに納得がいったらしい。

 

「ただ、こちらの都合でシンクロのテスターの採用は基本的にしないが……」

「構わない!ぜひやらせてくれ!」

 

とりあえず三沢は確保。明日香達に連絡してみると、向こうも候補を見つけたらしい。流石に人手があると早いなと感心しつつ問題作成に手をつける。

翌日。

 

「明日香達の言ってた候補ってお前だったのか……」

 

朝一番に明日香達の言ってたテスター候補を連れてきてもらうよう頼んで校舎前に集合。明日香達に連れられてやってきたのは、

 

「よろしくね、龍斗」

 

藤原だった。お前儀式使いだろ?大丈夫か?……あ、【リチュア】に【グスタフ】入るよな。いやしかし……些か不安ではあるが、いないよりはマシか。ヤケになっている自覚をしつつ、次の話をしよう。

 

「明日香、枕田、浜口。これから選ぶ選択肢の中から一つ選んでくれ」

「急にどうしたの?」

 

枕田が急な話題転換に突っ込んでくるが、俺の中で藤原が候補という話は終わっているからいいんだよ。

 

「一つ、試験に使う問題の作成」

「え、アレ作るの!?」

「あの問題は龍斗さんが!?」

 

明日香と浜口が驚いてるが、俺よりディープだったり頭の回転が良いやつはもっと試験らしい問題作れるぞ。それを間違えたお前ら……不安だ……

 

「もう一つは十代と藤原の家庭教師だ。以上の選択肢の中からどちらかを2人にしてもらう。残った奴は俺と組んでもらう」

 

どう決めるかを明日香達に任せると軽くスクラムを組んで相談し始めた。

成績・実力から俺と明日香が別れるとバランス良いとは思う。俺の意見を押しつけるわけにもいかないだろうし、意外な適性があるかもしれない。

 

「龍斗、決まったわ。私とジュンコが十代達の勉強を見ることになったわ」

「了解した。なら浜口が俺と問題の作成だな」

「よろしくお願いしますね」

 

そう言いながら俺の頭に手を伸ばしてくる浜口。一歩下がってそれを避ける。

 

「くぅ……!」

「何悔しそうな顔してんだよ」

 

コイツ真面目にやる気あるのか?

遊んでる暇は無いと言って意識を切り替えさせ、図書室へ向かう。図書室にはPCが幾つか設置されていて、そのPCに浜口を座らせ、俺は椅子を借りてその横に座る。窓際の角なら誰か来てもすぐにわかる。しないとは思うが、カンニング対策だ。

 

「さて、まずは軽く前回のおさらいといこうか。問題の構成はまず各召喚の基礎を数問とカードに関する問題」

「あと詰めデュエルがありました」

 

その辺は覚えているか。

 

「その通り。今回はエクシーズ、ペンデュラムのテスターを見つけるものだから、シンクロに関連する問題を入れることができない。俺の意見として、各召喚の基礎は入れなければいけないとは思う」

「そうですわね。となると2問ほど出来上がっていることになりますね」

「あと13問前後は作るぞ」

「…………はい」

 

たかが2問だ。しかもすぐに出来上がった問題だから苦労は変わらん。

 

「基礎をしっかり理解しているかを考えるとエクシーズもペンデュラムもわりと楽だとは思うけどな」

「そうでしょうか?」

「例えば、【E・HERO アブソルートZERO】をエクシーズ素材にしたとき効果は発動するのかとか」

 

俺から出せる意見を出しつつ浜口からも意見をもらわないとな。コイツは中等部からいるんだろ?なら試験を受けた回数は多いはず。

 

「浜口、普段の試験問題はどうなっているか覚えているか?」

「試験対策に問題は保存してますわ」

 

…………思いの外優等生だった。俺なんて答え合わせしないならと速攻ゴミ箱にぶち込むというのに……

 

「なら試験問題を参考にさせてもらおう。それで大分楽に作れる」

「……龍斗さん、貴方試験問題はどうしてるんです?」

 

椅子ごと反転して視線から逃げるしかなかった。答え合わせしないなら誰だって捨てると思ってた俺が悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、出来ました……」

「…………よくやった……」

 

1週間後、ある教室で試験問題を完成させた俺達2人が崩れ落ちる。

試験用紙を見せてもらい、こちら用に内容を変えただけなのだが、こうなったのはほぼ徹夜して作った詰めデュエルが原因だ。出来ればもう詰めデュエルは作りたくない。途中ヤケになって【ガガガガール】と【ガガガマジシャン】で【マシュ=マック】1killさせる詰めデュエル(笑)を用意したくらいに追い込まれてた。

それもこれも全て明日香と枕田が会うたびに『試験はまだなの?』と言ってきたからだ。アレが妙にプレッシャーになった。

 

「…………なあ、ももえ……」

「…………なんです?」

 

この1週間で一種の絆が生まれ、『ももえ』と名前で呼ぶようになった。最初の1時間は若干気恥ずかしかったが。

 

「…………今度、明日香と枕田に問題作らせよう」

「…………賛成です」

 

被害妄想だとわかっている。だが、それでも、やらずにはいられなかった。

 

「…………でも、今はそれよりも寝たい。寝てもいいかな?」

「…………私も寝たいです」

「…………アラームつけて寝よう」

「…………はい」

 

果てしなく重い瞼を開けてPDAでアラームをセット。そのまま2人で眠った。アラーム音にも気づかず、帰ってこない俺達を心配したゆまに起こされたのは19:30だった。今から急いでいけば間に合うと今度は起き抜けに全力でそれぞれ寮に帰って夕飯を摂りすぐさま入浴。

ももえと相談して試験は今度の日曜を予定した。

翌日、朝一番に校長室に行き日曜の教室及びデュエルフィールドの使用を許可してもらう。またテスターが自分の勤める学校から出ることへの期待からかすぐに許可は下りた。

 

「おはよう、ももえ」

「おはようございます。龍斗さん」

 

教室に行くと試験用紙を持ったももえと会う(というより誤字等がないか確認したいのだろう)。

枕田と明日香とゆまが妙な視線を寄越すが無視だ。

 

「とりあえず半分くれ。俺も手伝う」

「そう言ってくれると思って用意してあります」

 

笑顔で用紙を寄越すももえに『わかってるじゃないか』と笑みで返し2人で誤字脱字が無いか確認。自分のが見終わったら相手が確認したものを確認する。特に段取りを決めたわけではないのに、視線すら必要とせずに用紙を交換する。

 

「確認終了」

「こちらもです」

「「…………終わったぁ!!」」

 

パチンと良い音を響かせてハイタッチ。

 

「お疲れ様」

「龍斗さんもお疲れ様です」

 

互いに労いの言葉をかける。するとここで枕田達が絡んできた。

 

「なんか、アンタ達妙に仲良くない?」

「それは、共に1週間を過ごした仲ですし」

「だな」

 

ももえに頭を撫でられても特に抵抗せず受け入れ返答する。

今ももえとは頭を撫でられても特に屈辱のようなものを感じないくらいに仲は良い。

 

「お、お兄ちゃんが頭撫でられて抵抗しないなんて……」

「…………」

 

ゆまには信じられないものを見たというような顔をされ、明日香が『なら自分も』と俺の頭を撫でてくる。一応俺も一種の実験として受け入れてみるが…………何故かムカついてくる。

 

「だぁぁぁっ、鬱陶しい!」

「っ!?な、なんでよ!なんでももえは良くて私はダメなの!?」

 

明日香の手を払うと明日香は抗議しながら俺の頭を撫でようと手を伸ばしてくる。また同じことになりそうなのでことごとく避ける。

 

「明日香さま、怒ってはいけません。まずは焦らず、じっくりと好感度を上げていくのが近道かと思います。急がば回れ、です」

 

なんかギャルゲー(だったか?)みたいな諭し方だった。俺とお前との絆はその程度だったのか?

 

「まぁ、そんな冗談はゲームから除外しまして。龍斗さん、予定はどうなってます?」

「あぁ、予定通り日曜に出来るよ」

 

冗談と言ってくれたことに内心ホッとしつつももえの言っていた内容を瞬時に把握。後はまた4人で日曜の内容について打ち合わせ。というところで授業が始まった。打ち合わせは昼休みにして真面目に授業を受ける。

 

「あ、そうだ。明日香、枕田。散々俺達にプレッシャーかけてくれたから試験問題お前らも作れ。一応条件は同じにしてやる」

「「はぁ!?」」

 

昼休みに飯を食いながらサラッと昨日ももえと話した内容を言ってみる。

 

「プレッシャーと感じたのは被害妄想だと重々承知している」

「ですが、それでも!」

「「2人にやらせたくて仕方ない!」」

「貴方達本当に仲良いわね!」

 

息の合ったセリフに明日香が突っ込むが、そのツッコミさえ褒め言葉のように感じる。ももえが『私達の苦しみを味わってください』と笑顔で今回使った試験用紙のコピーを明日香に渡し、俺が枕田に試験に使えそうなカードのデータを渡す。

 

「各召喚の基礎は共通して問題に出るものとして13問追加しろ」

「期限は1週間。他の人からアドバイスを受けるのは無しです」

 

反論を挟めないように俺とももえでたたみかけ、無理矢理やらせることになった。『俺達に『まだ出来てないの?』とか言ったのに出来ないなんて言わないよな?』と言ったら明日香と枕田は『やってやる』と意気込んでいた。

そして日曜日、2度目のテスター試験が始まる。




ということで次回から再びテスター試験です。
まだ対戦カードすら決まってませんが頑張ります。
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