衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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今回は5000字行きませんでした……それもこれも明日香が……


薔薇 タイタンVS.明日香

「俺のターン、ドロー!【強欲な壺】!カードを2枚ドローする!俺はスケール3の【相克の魔術師】とスケール8の【相生の魔術師】でペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル4から7のモンスターが同時に召喚可能!」

 

三沢と同部屋、さらに同じ召喚を扱うこともあり、暇さえあればデュエル。現在36戦19勝17敗。

 

「エクシーズ召喚!ランク7!【覇王黒龍オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン】!」

 

【覇王黒龍オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン】

攻撃表示

ATK3000/DEF2500

 

最初は【EM】、【妖仙獣】が回らず苦戦したが、【WE】と【魔術師】が勝ちを俺にくれた。今は調整も終わった【EM+魔術師】でデュエルだ。たまに何かの意思を感じるのは何故だろう?こうやって、枠が余ったからと入れてみた【相生】が【相克】とセットでやってきたり……

 

「バトル!【覇王黒龍オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン】でダイレクトアタック!」

「…………負けたよ」

 

三沢大地

LP0

 

デュエルが終わったころ、PDAに連絡が入った。なんでも、明日香がタイタンに拉致されたらしい。ふむ……タイタン…………?あいつ、生きてたんだっけ?まぁいいや。とにかく、急ごう。あいつが勝てば、セブンスターズが残り……えっと……ダークネス……カミューラ……三沢が惚れたやつ……黒蠍盗賊団……アビドス…………今2人だからあと1人になるのか。そして明日香が負ければ…………あの右手から一時的に解放される!

…………いや、止めよう。言ってて辛くなってきた。それに仲間の敗北は喜べない。そう考えながら十代に言われた廃寮へ。十代は万丈目、丸藤、前田、カイザー、クロノス、そして明日香の兄、吹雪先輩がいた。そのままひたすら走って以前デュエルした場所へ。

そこではちょうど明日香とタイタンのデュエルが始まったところだった。

 

「私の先攻、ドロー!私は儀式魔法【マタドール降臨の儀式 ダーク・パセオ】を発動!手札の【デーモンの召喚】を生贄に、【デーモンズ・マタドール】を儀式召喚!」

 

【デーモンズ・マタドール】

攻撃表示

ATK0/DEF0

 

攻守0……それを攻撃表示……【デーモン】なんてほとんど使わないからか効果を把握してないが……まぁ、明日香ならなんとかなるだろう。シンクロを使う明日香なら【ブリューナク】か【トリシューラ】で除去できるだろうし。

 

「更にフィールド魔法【ダーク・アリーナ】を発動!」

 

タイタンが魔法カードを召喚したことで、明日香とタイタンが闇に包まれた。

 

「何も見えんぞ!」

「これはアレかな。自分が処刑されるのを察してこんなことしたのかな」

「しょ、処刑?」

 

俺の不穏な一言に、丸藤が声をかすかに裏がえした。

 

「まぁ、必要無いとは思うけど、先輩、明日香に声をかけてやれ」

 

先輩は声は出さないが『えっ』と俺を見る。なんで俺がこんな真似をしなきゃならん……今度何か奢らせよう。

 

「俺は知らんが、大切な誰かに応援されれば力が湧くものなんだろう?記憶を戻したいなら、自力で動け。何から何まで妹に甘えるな」

 

ようやく先輩は前を、明日香を包む闇を見つめ、少しずつ、かすかに、やがてはっきりと、

 

「明日香!」

 

明日香の名を叫んだ。

直後、俺達のいる場所に突風が巻き起こった。

フィールドの闇はかき消され、余裕そうな顔の明日香と、動揺しているようなタイタンがいた。

 

タイタン

LP4000

モンスター

【デーモンズ・マタドール】:攻

ATK0

魔・罠

手札0枚

 

VS

 

天上院明日香

LP4000

モンスター

魔・罠

手札5枚

 

「【ローンファイア・ブロッサム】を召喚!」

 

いつの間にか明日香のターンになっていたらしい。フィールドが消え、奴の手札が0ということは、全て伏せたにもかかわらず、明日香の【大嵐】を防げなかったのか。で、今回の明日香のデッキは【植物族】……かな?一昨日【植物族ビート】について聞いてきたし。明日香はイベントに向けて様々なシンクロ主体のデッキを試しているらしく、なんかいろいろカードをパクられた。俺のカード…………

 

【ローンファイア・ブロッサム】

攻撃表示

ATK500/DEF1400

 

「【ローンファイア・ブロッサム】の効果発動!このモンスターをリリースして、デッキから植物族モンスターを特殊召喚する!2体目の【ローンファイア・ブロッサム】を特殊召喚!2体目の効果を発動して3体目の効果で【ギガプラント】を特殊召喚!」

 

【ギガプラント】

攻撃表示

ATK2400/DEF1200

 

「いきなり攻撃力2400のモンスターを召喚だとぉ!?」

 

いきなりじゃねぇよ。ちゃんと【ロンファ】3体使ったろ?

 

「【ローンファイア・ブロッサム】の効果で召喚できるモンスターは、植物族であればレベルも、攻撃力も関係ないの!」

「でもなんで同じモンスターを3枚も墓地に……?」

 

微妙にドヤ顔している明日香の説明に丸藤が小さく呟く。

 

「第一に墓地肥やしだな。同じカードでも、あのデッキにとって墓地はアドが稼げる場所だからな。

第二に、ムダなことをしたい趣味なんだ」

 

まだ記憶の混乱があるのか、先輩からすら突っ込みは来なかった。

 

「装備魔法【スーペルヴィス】を【ギガプラント】に装備!これで【ギガプラント】は再召喚扱いになった!」

「再召喚?聞いたこともないぞ」

「【ギガプラント】のような一部のモンスターは『デュアルモンスター』といって、『フィールドと墓地では通常モンスターとして扱う』共通効果がある。フィールドにいるときに再召喚することで効果モンスターとなり、効果を発動できるようになるんだ」

 

長ったらしいセリフに十代と先輩以外が『なるほど』と言うような表情になった。しかし万丈目が『すぐに効果を発動できず、1ターンに1度しかできない通常召喚を放棄しなきゃならないモンスター』と中々辛辣なコメント。

結構強いんだけどなぁ……デュアル。

 

「【ギガプラント】の効果発動!手札・墓地から植物族・昆虫族モンスターを特殊召喚する!蘇りなさい!【ローンファイア・ブロッサム】!そしてリリース!」

 

もう姿を完全に表す前にリリースされた【ロンファ】。少し同情してしまう。

 

「【グローアップ・バルブ】を特殊召喚!」

 

【グローアップ・バルブ】

攻撃表示

ATK100/DEF100

 

「攻撃力100ぅ!?私をなめているのか!?」

 

全然。それどころか抹殺にかかってるよ。

 

「レベル6の【ギガプラント】にレベル1の【グローアップ・バルブ】をチューニング!」

「チューニングぅ!?あの小僧のように、謎の召喚を……!」

 

『小僧』って俺か?『謎の召喚』ってエクシーズのことか?

 

「清廉なる花園に芽吹き孤高の薔薇よ、青き月の雫を得てここに開花せよ!シンクロ召喚!出でよレベル7!【月華竜 ブラック・ローズ】!」

 

【月華竜 ブラック・ローズ】

攻撃表示

ATK2400/DEF1800

 

「墓地の【スーペルヴィス】の効果!チェーンして【月華竜 ブラック・ローズ】の効果発動!このモンスターの特殊召喚、または相手フィールドにレベル5以上のモンスターが特殊召喚されたとき、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを手札に戻す!戻すのは当然、【デーモンズ・マタドール】!」

 

問答無用といった感じで棘だらけの蔓で【デーモンズ・マタドール】を捉え、投げ捨てた。

 

「そして【スーペルヴィス】の効果。フィールドに表側表示で存在するこのカードが墓地に送られたとき、墓地の通常モンスターを特殊召喚する!」

「でも、明日香さんの墓地に通常モンスターはいないんじゃ……」

「丸藤、俺言ったよな?『デュアルモンスターは墓地では通常モンスター扱いになる』って」

 

コイツ俺の話聞いてたか?俺の心情を察したのか、カイザーがほんの少しだけ申しわけなさそうな顔をした。

 

「蘇れ!【ギガプラント】!」

 

【ギガプラント】

攻撃表示

ATK2400/DEF1200

 

「墓地の【グローアップ・バルブ】は、デッキの一番上のカードを1枚墓地に送ることで、デュエル中1度だけ特殊召喚できる!」

 

【グローアップ・バルブ】

攻撃表示

ATK100/DEF100

 

「レベル6の【ギガプラント】にレベル1の【グローアップ・バルブ】をチューニング!冷たい炎が世界の全てを包みこむ。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ!レベル7!【ブラック・ローズ・ドラゴン】!」

 

【ブラック・ローズ・ドラゴン】

攻撃表示

ATK2400/DEF1800

 

ダブル【ブラック・ローズ】のそろい踏み。圧巻だな。

 

「バトル!2体の【ブラック・ローズ】でダイレクトアタック!ツインローズ・ストーム!」

 

辺りをむせ返るような薔薇の花弁が突風に乗って舞う。

タイタンの叫びは、花弁同士が擦れる音と風の音でかき消された。

 

タイタン

LP4000→-800

 

薔薇の嵐が止むと、どこかの殺人現場のようにタイタンの周りは薔薇の花弁の山が作られ、タイタンの口は薔薇でいっぱいだった。

しかし薔薇はソリッドヴィジョンが消えると消滅した。

直後、タイタンの周りに以前見た灰色のスライムが。

タイタンはもがき、俺達に助けを求めるが俺達が動く暇すらなく仮面を残してスライムに飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃寮の前にて、明日香と先輩が感動の再会として抱きしめあっている。これで俺へやってくる右手の恐怖がなくなることを、空気読まずに内心祈る。切に。

 

「でも兄さん。どうして闇のデュエルの世界に……?」

「自ら望んで入ったわけじゃない。僕達は、この寮で特別授業を受けていた」

 

そしてある日、デュエルリングでテストデュエルの最中、闇の世界に取り込まれたと言う。

 

「そこは、悪夢のような世界……そこで、この世のものとは思えないデュエルの修業を続けてきた」

 

デュエルの修業?あれか。崖から落ちて軽傷で済ませるトレーニング。『この世のものとは思えない』ってことはそれの超ハード版。絶対受けたくないな。そんなトレーニング。

明日香は誰がそんな世界に取り込ませたのかと尋ねるが、先輩は今でもわからないと首を振る。

 

「だがあの日、僕を呼び出し、テストデュエルをしていたのは……大徳寺先生だった」

 

その言葉に全員が驚愕する。

直後、この場にいる全員で大徳寺先生の元へ押しかける(俺は帰ろうとするが、丸藤と前田に拉致された。こんな大人数要らないだろ)。

しかし大徳寺先生の部屋には、猫のファラオがいるだけで大徳寺先生の姿はない。

クロノス先生を職員室に行かせるが、やはり姿はなかったらしい。

俺達は思いつく限り、大徳寺先生のいそうな場所を探すが、どこにも大徳寺先生の姿はなかった。




次回は学園祭です。
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