衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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今回限定(の予定)のゲストキャラです。
今作はマスタールール4には非対応の予定です。10期のカードは一部使うかもですが……
デュエルディスクの機構考えたり、作品内での変更が大変なので。


別のアイドル VS.嶺開花

十代が行方不明になったのは、明日香のアイドル化をかけた兄妹デュエルから2日程経った頃。

丸藤、剣山、明日香、ジュンコ、ももえ、吹雪先輩、万丈目、雪乃、ディレ、ゆま、俺の11人で島中を探したが、結局見つかることは無かった。しかも途中、万丈目と連絡が取れなくなり、捜索対象が増えて寮に帰ったのは夜遅く。

今朝には戻ってきたらしいが、どこで何をしていたのか問い正そうとレッド寮の食堂に10人で行くと、真っ黒だった制服が真っ白になり、『光の結社』や『斎王』といった単語を並べだした。

 

「…………変な宗教団体に入信したのか」

「お兄ちゃん、デュエルアカデミアにしゅーきょー団体なんてあるの?」

 

吹雪先輩が俺の代わりにゆまの質問に『そんなのは無かったと思うけどなぁ……』と言っていた。

とりあえず、ゆまには『万丈目には近づくな』と言って俺の背中に隠れさせる。

 

「……とりあえず、万丈目は使えそうもないから、部屋に行こう」

 

万丈目の部屋を住処にしている明日香に促して、今後の話をすることに。

 

「十代が行方不明で万丈目が宗教団体に入信。戦力を失ったとなると、クロノスとえっと…………あの……ちんちくりんの……」

「ナポレオン教頭です」

 

ももえの指摘に『それだ』と言ってももえを指差す。

とにかくあの2人はこっちに攻めやすくなった。明日香のときより更に状況が悪化したと言っていい。

ゆまと丸藤、剣山は少し不安そうに下を向く。

 

「まぁ、切り札が無いわけじゃ無いけどな」

「ホントザウルス!?」

 

俺の呟きに剣山が瞬時に反応。ここまでの反応をされるとは思わず、驚いてしまった。

 

「デュエルアカデミアのオーナーはKC社の海馬瀬人。オーナーの権力を使えばレッド寮は守れる…………と思う」

「お、思うって……」

 

『思う』の一言に丸藤は再び不安そうに下を向く。実際、あの人が動いてくれれば、この問題は一瞬で片付くだろう。極論、海馬さんがクロノスとナポレオンに『クビ』と言ってしまえばいいのだから。言うかどうかはともかく。

 

「あの人に頼むのは嫌なんだよ。俺の雇い主の1人だし、あの人の頭のキレには追いつけないから、言い包められる可能性もある」

「たしかに、海馬瀬人と真正面から対峙するのはちょっとね……」

 

夏休みに体験した明日香が苦笑しながら、同意してくれる。ジュンコとももえも同意見らしい。無言で頷いてる。

 

「そして俺達は『レッド寮を守る』側の集団だ。『レッド寮を潰す意味』を消さないとならないが、レッド寮の存続の鍵を握ると言っていい十代が行方不明な以上、俺達にできることはほとんど無い。やってくるクロノスとナポレオンを逐一追い払うくらいだ」

「どうしてアニキがレッド寮存続の鍵を握ってるんスか?」

「学園、つまりクロノス臨時校長とナポレオン教頭は、天上院君のアイドル化のように、学園から有力なデュエリストを輩出し、学園の知名度を上げることが目的。ラー・イエローやオベリスク・ブルーの生徒からプロに行くが、オベリスク・ブルーの生徒に匹敵する実力を持った十代がプロに行けば、レッド寮の存続意義を持てる。だが、十代が行方不明な以上、レッドからプロに行ける生徒は万丈目くらいだが、万丈目はブルーへの昇格も目指しているから、事実上十代が鍵を握っていると、龍斗は思っているんだ」

 

丸藤の疑問に、三沢が答える。

三沢、お前いつの間に……

 

「最初からいた!」

 

顔に出ていたのか、何も言っていないのに大声で言われた。

しかし、三沢以外の全員が『本当に?』と言いたげに三沢を見る。

 

「お兄ちゃん、三沢さんって最初からいた?」

 

ゆまが小声で聞いてくる。ゆまにまで存在を忘れられる三沢……

 

「……ともかく、俺は三沢の存在感とか、レッド寮存続の為の何かを話すためにこっちに来たんじゃない」

「じゃあ、なんでここに?」

 

話題を切り替えようとして、雪乃に問われる。応える前に明日香に指差して、

 

「明日香が仕事に関係ないカードを持ち出したことに文句を言うためだ」

「っ!」

 

明日香は俺の発言に『面倒なことになった』というような表情を見せ、俺から顔を背ける。

 

「この前の吹雪先輩とのデュエルで使った【美朱濡】とかいうカード。夏以前に販売されなカードなら、【カステル】を除去できるテキストにはなっていない筈だ。だが、実際に【カステル】を除去できたということは、お前俺の部屋からカード借りてくとき、パクっていったろ」

「結構緊張感ある場面だったのに最後でラフになった!」

 

ゆまが何かうるさいが、『待て』と言ってゆまの額に手を当てると、躾けられた犬のように静止した。

 

「あ、後で返すつもりだったのよ」

「だとしても無断で持っていくなよ。相手が相手なら窃盗で訴えられるぞ」

 

『訴えられる』というのが効いたのか、明日香は珍しく申し訳無さそうに俯いた。

 

「別に使うのはいいとは思うが、今後は勝手に持っていくな。いいな?」

「…………ごめんなさい」

「ん。よろしい」

 

小さな声だが、謝ったのでこの件は終わりだ。もっと言うと俺の目的が終わった。

 

「じゃあ、暇だからデュエルでもしようか。誰か相手してくれ」

「では私が」

 

暇つぶしのデュエルを申し出るとももえが相手を名乗り出た。デュエルディスクを使わないテーブルデュエルだ。取りに行くの面倒だし。

 

「「デュエル!」」

 

【ウィジャ盤】

【死のメッセージ「E」】

【死のメッセージ「A」】

【死のメッセージ「T」】

【死のメッセージ「H」】

 

やばい。事故った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シニョール宮田居まスーノ?」

 

翌日早朝、クロノスが部屋にやってきた。先日の明日香アイドル化の事はまだ終わっていないらしい。

明日香は見た目、デュエルの実力ともにアイドル養成コースの筆頭候補だったらしいが、明日香だけがアイドル候補では無かったらしい。デュエルの実力は明日香には劣るものの、それでも見た目がいい女子は多くいるとのこと。

そしてカリキュラムの一つとして『魅せるデュエル』の実践をする相手に俺を指名してきた。

既にフィールドの設営、一般生徒への告知も済ませてあるらしい。無駄に手の込んだことをしてきやがった。

カードのテストもついでにできるし、切り札はまだ生きている……筈。特にデメリットは無いので受けることに。

 

「それで、いつやるんです?」

「今日の放課後ナノーネ」

 

かなり急だった。デッキの調整をすると言ってクロノスには部屋を出ていってもらい、使うデッキを決めて校舎に向かった。

昼休み、ゆま達にも俺がアイドル養成コースの生徒の1人とデュエルする話がいったらしく、問い詰められた。『何故デュエルするのか』とか『勝てるのか』とか聞かれたが、『今朝言われた』『負けるつもりはない』と順次応答していく。

 

「大丈夫ですっ!お兄ちゃんは負けません!」

 

ゆまだけは俺を100%信じているようで、満面の笑みを浮かべていた。

そして放課後。

デュエルフィールドの観客席には多くの男子生徒が今か今かとデュエルが始まるのを待っていた。

俺はフィールドに立ち、相手が来るのを待つ。後ろからゆまの声が聞こえるから、皆後ろにいるのだろう。ただ、ゆまから応援されると周囲の男子の視線が突き刺さるのが気になる。

やがて照明が落とされ、俺とは反対側の出入口にスポットライトが当たる。

スモークが上がり、ディレのものより赤めのピンクの髪で2つの輪を作った独特の髪の女子生徒がよくわからない歌を歌いながら現れた。

これも『魅せるデュエル』とやらの一環なのだろう。デュエル要素皆無だが。

 

「どーもー!」

 

元気よく挨拶してくる女子生徒。やたらテンション高いな。

 

「アタシの名前は嶺開花(リンカイホウ)。よろしくー!」

 

自己紹介してきた嶺という生徒に、俺も自己紹介しておく。

 

「今日はデュエルの相手をしてくれてありがとう!」

「こちらもカードのテストができるから、気にする必要はない」

「そっかー。I2とKCのテスターサンだもんね。大変そう」

 

こちらに合わせて頷く嶺。

『でも』と前置きして、

 

「アタシも夢への第一歩があるから、負けないよ!」

 

と強気にデュエルディスクを構えた。

こちらもやや遅れてデュエルディスクを展開。

 

「「デュエル!」」

 

嶺開花

LP4000

 

VS

 

宮田龍斗

LP4000

 

「先攻はアタシ!モンスターとカードを1枚ずつ伏せてターンエンド!

さぁ、アタシの伏せたカードは何かなぁ?」

 

嶺開花

LP4000

モンスター

裏守備1枚

魔・罠

伏せ1枚

手札3枚

 

モンスターを裏守備か……リバースモンスター……相手のデッキがわからない以上、迷うこともないか。

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2の【魔界劇団ーワイルド・ホープ】とスケール3の【魔界劇団ービッグ・スター】でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

俺の右後ろに髑髏とV字の独特の飾りをつけた帽子を被り、ラッパの先端をボールにつけたような形の銃を2丁腰につけた全身青のモンスター【ワイルド・ホープ】が、左後ろに全身黒尽くめの隻眼のモンスター【ビッグ・スター】が現れる。

今回のデッキは【魔界劇団】。

『魅せるデュエル』ということで、こちらもエンターテイメント感あるカテゴリーのデッキを用意した。

 

「今回はペンデュラムかー!君はいつも違うデッキだから、どんなデッキか楽しみだったんだぁ。でも、スケールが2と3だと、ペンデュラム召喚できないよ?」

「結論を出すにはまだ早いぞ。【ワイルド・ホープ】のペンデュラム効果!対となるペンデュラムゾーンの【魔界劇団】カードのスケールを、ターン終了時まで9にする!」

「ペンデュラムスケールを変える効果!?」

 

嶺が驚くなか、【ワイルド・ホープ】が【ビッグ・スター】の下に浮かぶ『3』の文字を銃で撃ち抜く。『3』の文字が横に回転し、数字が『9』に変わった。

 

「これでレベル3から8のモンスターが同時に召喚可能!

It's show time!闇の舞台の幕開けだ!ペンデュラム召喚!現れろ!レベル8【魔界劇団ーデビル・ヒール】!」

 

【魔界劇団ーデビル・ヒール】

攻撃表示

ATK3000/DEF2000

 

全身が青紫色の異形の悪魔がファイティグポーズを取りながら現れた。

 

「いきなり攻撃力3000!」

「念には念を。魔法カード【魔界台本「ファンタジー・マジック」】を【デビル・ヒール】を対象に発動!」

 

【デビル・ヒール】のもとに台本が現れ、それを読み始める。

 

「これにより、このターン【デビル・ヒール】の攻撃で破壊されなかったモンスターは、ダメージステップ終了時に手札に戻る」

 

説明を終えると、【デビル・ヒール】は台本を真ん中から引き裂いて床に叩きつけた。なんてことをしてやがる。

 

「バトル!【デビル・ヒール】で守備モンスターを攻撃!」

 

【デビル・ヒール】が両手を組んで守備モンスターに振り下ろす。

攻撃は綺麗に通り、一瞬だけ【見習い魔術師】が姿を見せた。

 

「破壊された【見習い魔術師】の効果発動!デッキからレベル2以下の魔法使い族モンスターを裏側守備表示で特殊召喚するよ!【執念深き老魔術師】を特殊召喚!」

 

【執念深き老魔術師】……除去したいが……仕方ない。

 

「【デビル・ヒール】の効果発動!このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、墓地の【魔界台本】を1冊、フィールドにセットする!さっき使った【魔界台本「ファンタジー・マジック」】をセット!」

 

床に叩きつけられた台本だった紙束を集め、その場に正座。履いているズボンからテープを取り出し、丁寧に台本に貼り付け修復。何もなかったかのように俺と【デビル・ヒール】の間に置き、裏側のカードになった。

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド!この瞬間、【ワイルド・ホープ】の効果で変更されていた【ビッグ・スター】のスケールが元に戻る」

 

宮田龍斗

LP4000

モンスター

【魔界劇団ーデビル・ヒール】:攻

ATK3000

魔・罠

伏せ2枚

ペンデュラム

【魔界劇団ーワイルド・ホープ】:スケール2

【魔界劇団ービッグ・スター】スケール3

手札1枚

 

「アタシのターン、ドロー!まずは【執念深き老魔術師】を反転召喚!」

 

【執念深き老魔術師】

攻撃表示

ATK450/DEF600

 

「【執念深き老魔術師】のリバース効果発動!【デビル・ヒール】を破壊!」

 

【執念深き老魔術師】が呪文を唱える。

 

『ボチテンシヨンタイボチライロヨンシュ……』

 

呪文が全て墓地関連でどこか聞き覚えがある。

墓地関連の呪文によって破壊される【デビル・ヒール】。墓地にはいかないが。

 

「【魔導戦士 ブレイカー】を召喚!」

 

【魔導戦士 ブレイカー】

攻撃表示

ATK1600/DEF1000

 

「【ブレイカー】は召喚に成功したとき、魔力カウンターを1つ乗せ、攻撃力が300ポイントアップ!」

 

【魔導戦士 ブレイカー】

ATK1600→ATK1900

 

「バトルだよ!【ブレイカー】でダイレクトアタック!」

 

【ブレイカー】が猛スピードで接近し、俺を袈裟斬りする。

 

「ぐっ!」

 

宮田龍斗

LP4000→2100

 

「続いて【執念深き老魔術師】でダイレクトアタック!」

 

【老魔術師】が杖を構え、黒い球体を作り俺に飛ばす。球体は俺の目の前で爆発し、衝撃波が俺を襲う。

 

「ちぃっ……!」

 

宮田龍斗

LP2100→1650

 

「メインフェイズ2!【ブレイカー】の効果発動!魔力カウンターを取り除いて、フィールドの魔法・罠を1枚破壊するよ!【ワイルド・ホープ】を破壊!」

「チェーンして永続罠【連成する振動】を発動!1ターンに1度、俺のペンデュラムゾーンのカード1枚を対象に、対象カードを破壊し、1枚ドローする!【ワイルド・ホープ】を破壊!そしてドロー」

 

宮田龍斗

手札1枚→2枚

 

「そして、【ブレイカー】の効果は対象を失ったことで不発となる」

「でも、【ワイルド・ホープ】を失ったことで、ペンデュラム召喚はできなくなったよ!」

「そいつはどうかな?」

 

自信を持って言う嶺に言ってやると、『えっ?』と目を丸くした。

 

「【ワイルド・ホープ】の効果発動!戦闘・効果で破壊された場合、デッキから【ワイルド・ホープ】以外の【魔界劇団】モンスターを手札に加える!【魔界劇団ーファンキー・コメディアン】を手札に!」

 

宮田龍斗

手札2枚→3枚

 

「【ファンキー・コメディアン】はスケール8のペンデュラムモンスター。これで、ペンデュラム召喚ができるな」

「やるね〜。アタシはカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

嶺開花

LP4000

モンスター

【執念深き老魔術師】:攻

ATK450

【魔導戦士 ブレイカー】:攻

ATK1600

魔・罠

伏せ2枚

手札2枚

 

【老魔術師】が攻撃表示のまま……誘ってるな。手札に魔法・罠除去は無い……いや、そもそも【サイクロン】とか入れてたか?

 

「……まぁいいや。俺のターン、ドロー!俺はセッティング済みの【ビッグ・スター】とスケール8の【魔界劇団ーファンキー・コメディアン】で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

 

前のターンまで【ワイルド・ホープ】がいた場所に、4本の腕を持つ黄土色の肌の太ったモンスター【ファンキー・コメディアン】が現れる。

 

「これでレベル4から7のモンスターが同時に召喚可能!

It's show time!闇の舞台、第二幕を開けよう!ペンデュラム召喚!エクストラデッキより現れろ!レベル4【魔界劇団ーワイルド・ホープ】!」

 

【魔界劇団ーワイルド・ホープ】

攻撃表示

ATK1600/DEF1200

 

「【デビル・ヒール】はレベル8だから、ペンデュラム召喚できないにしても、1体だけ?」

「その通りなんだが、第二幕は第三幕への準備ってやつだ。【ワイルド・ホープ】の効果発動!1ターンに1度、俺のフィールドの【魔界劇団】モンスター1種類につき、攻撃力が100ポイントアップする。といっても、今は1種類しかいないから、100ポイントしかアップしないけどな」

 

【魔界劇団ーワイルド・ホープ】

ATK1600→ATK1700

 

「バトル!【ワイルド・ホープ】で【執念深き老魔術師】を攻撃!」

 

【ワイルド・ホープ】の2丁の銃が【老魔術師】の身体を撃ち抜いた。

 

嶺開花

LP4000→2750

 

「カードを2枚セットして、ターンエンド!この瞬間、【ワイルド・ホープ】の攻撃力が元に戻る」

 

宮田龍斗

LP1650

モンスター

【魔界劇団ーワイルド・ホープ】:攻

ATK1600

魔・罠

伏せ3枚

【連成する振動】

ペンデュラム

【魔界劇団ービッグ・スター】:スケール3

【魔界劇団ーファンキー・コメディアン】:スケール8

手札2枚

EX

【魔界劇団ーデビル・ヒール】

 

「アタシのターン、ドロー!アタシはチューナーモンスター【氷結界の風水師】を召喚!」

 

【氷結界の風水師】

攻撃表示

ATK800/DEF1200

 

目が前髪で隠れている人型モンスターが現れる。男なんだか女なんだかパッと見わからないな。しかしチューナー……シンクロか。

 

「いっくよー!レベル4の【ブレイカー】にレベル3の【風水師】をチューニング!

聖なる魔道士、契約に従い かの者を撃ち砕かん!シンクロ召喚!レベル7【アーカナイト・マジシャン】!」

 

【アーカナイト・マジシャン】

攻撃表示

ATK400/DEF1800

 

白いローブで全身を包んだ魔法使いが音も無くフィールドに降り立つ。

 

「【アーカナイト・マジシャン】の効果発動!シンクロ召喚に成功したとき、このカードに魔力カウンターを2つ置く!」

「罠発動【激流葬】!モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功したとき、フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

天井から降り注ぐ大量の水によって押し潰される【アーカナイト・マジシャン】と【ワイルド・ホープ】。ついでに俺と嶺も水浸しになってしまった。

 

「うぇ〜〜ぐしょぐしょ〜……」

 

嶺の嘆きに内心同意しつつ、次の一手だ。

 

「破壊された【ワイルド・ホープ】の効果で、デッキから【魔界劇団ーサッシー・ルーキー】を手札に加える」

 

宮田龍斗

手札2枚→3枚

 

俺がデッキからカードを手札に加えている間に、嶺は犬のように身体を回して水を弾いた。ソリッドヴィジョンのはずなんだがなぁ……

 

「気を取り直して……永続罠【リビングデッドの呼び声】を発動!戻ってきて!【アーカナイト・マジシャン】!」

 

【アーカナイト・マジシャン】

攻撃表示

ATK400/DEF1800

 

再び現れる魔術師。『今回こそは活躍する』と意気込んでいるのか、杖を力強く握っている。攻撃力400のままだけどな。

 

「さらに罠発動!

【バスター・モード(モーーーード)】!」

 

妙にカード名を長く叫びながら発動した【バスター・モード】。前のターンにセットしたのはアレだったのか。

 

「【アーカナイト・マジシャン】をリリースして、パワーアップさせるよ!拘束術式解除!」

 

嶺の掛け声に合わせて【アーカナイト・マジシャン】の手脚に、魔法陣が展開される。魔法陣が収縮し、身体に入り込むと、【アーカナイト・マジシャン】の身体が光を放つ。

 

「【アーカナイト・マジシャン/バスター】!」

 

【アーカナイト・マジシャン/バスター】

攻撃表示

ATK900/DEF2300

 

光が消え、ローブの代わりに朱色と紺の鎧を着た【アーカナイト・マジシャン】に姿を変えた。

 

「【アーカナイト・マジシャン/バスター】の効果発動!このカードに魔力カウンターを2つ置く!」

 

【アーカナイト・マジシャン/バスター】の周囲に、緑色の光球が2つ現れ、エクシーズモンスターのORUのように漂い始めた。

 

「【アーカナイト・マジシャン/バスター】は、自身に置かれている魔力カウンター1つにつき、攻撃力が1000ポイントアップする!」

 

【アーカナイト・マジシャン/バスター】

ATK900→ATK2900

 

「バトル!【アーカナイト・マジシャン/バスター】でダイレクトアタック!」

「まだ終わらせない!罠発動【ペンデュラム・リボーン】!俺の墓地またはエクストラデッキからペンデュラムモンスターを特殊召喚する!蘇れ【デビル・ヒール】!」

 

【魔界劇団ーデビル・ヒール】

攻撃表示

ATK3000/DEF2000

 

「【デビル・ヒール】の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのモンスター、【アーカナイト・マジシャン/バスター】を対象に、ターン終了時まで俺のフィールドの【魔界劇団】モンスター1体につき、攻撃力が1000ポイントダウンする!」

 

【デビル・ヒール】が大きく息を吸い、【アーカナイト・マジシャン/バスター】に向かって吐き出す。

 

「臭っ!!なんか臭っ!!」

 

背後にいた嶺にも届いているらしく、鼻を摘んでいた。

 

【アーカナイト・マジシャン/バスター】

ATK2900→ATK1900

 

「フィールドのモンスターの数が変化したことで、巻き戻しが発生する。さぁ、どうする?」

「バトルは中止〜。メインフェイズ2で【アーカナイト・マジシャン/バスター】の効果発動!このカードの魔力カウンターを2つ取り除いて、相手フィールドのカードを全て破壊する!」

 

鼻を摘みながらとんでもないこと言いやがった。

 

「タダではやられない!【連成する振動】の効果で、【ビッグ・スター】を破壊し、カードを1枚ドロー!」

 

宮田龍斗

手札3枚→4枚

 

「いっくよー!カタストロフ・レイ!」

 

【アーカナイト・マジシャン/バスター】の周囲の魔力カウンターが静止し、収縮する。数秒間収縮したまま止まり、一気に爆発した。爆発の光に眼を閉じ、轟音が止み、ゆっくりと眼を開くと俺のフィールドのカードが全て吹き飛んでいた。

 

「破壊された【魔界台本「ファンタジー・マジック」】の効果発動!」

「破壊した魔法の効果!?」

 

一応再セットしたカードが活きてくるとは俺も思わなかった。あまりウケは良くない効果だけどな。

 

「俺のエクストラデッキに【魔界劇団】ペンデュラムモンスターが表側表示で存在し、セットされたこのカードが相手の効果で破壊された場合、相手フィールドのカード1枚を対象に発動!【アーカナイト・マジシャン/バスター】を対象に。対象カードをデッキトップに戻す」

「デッキ!?ちょっ、ちょぉっ!?」

 

日本語になっていない嶺の言葉を無視してフィールドから消える【アーカナイト・マジシャン/バスター】。そして観客席から凄まじいブーイングが。カイザーとの卒業模範デュエルを思い出すな。

 

「……カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

嶺開花

LP2750

モンスター

魔・罠

伏せ1枚

【リビングデッドの呼び声】

手札1枚

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2の【魔界劇団ーサッシー・ルーキー】とスケール8の【魔界劇団ーダンディ・バイプレイヤー】でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

手の甲にあたる位置に目玉の装飾をつけた肘まで隠す指ぬきグローブのようなものをつけ、膝にも目玉の装飾をつけたグレーのオーバーオールを着たモンスター【サッシー・ルーキー】が右後ろに、どこか支配人のような印象のある服を着た、青い肌のモンスター【ダンディ・バイプレイヤー】が左後ろに現れる。

 

「これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!

It's show time!闇の舞台、第三幕の幕を開けよう!ペンデュラム召喚!現れろ!【魔界劇団】のスター達!」

 

【サッシー・ルーキー】と【ダンディ・バイプレイヤー】の間の空間から、2体のモンスターが現れる。

 

「エクストラデッキから、【魔界劇団ーワイルド・ホープ】!」

 

【魔界劇団ーワイルド・ホープ】

攻撃表示

ATK1600/DEF1200

 

「そして【魔界劇団ービッグ・スター】!」

 

【魔界劇団ービッグ・スター】

攻撃表示

ATK2500/DEF1800

 

「バトル!【ワイルド・ホープ】、【ビッグ・スター】でダイレクトアタック!」

 

召喚時は【ビッグ・スター】の効果で魔法・罠を発動できないから良いとして、攻撃宣言時に何か来るかと思ったが、嶺は何も発動せずに2体の攻撃に飲み込まれた。

 

「ぅわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

嶺開花

LP2750→-1350

 

「これにて終幕」

 

未だ止まぬブーイングの中、頭を下げながら右手を胸に、左腕を広げるように礼をすると、【ビッグ・スター】も俺に合わせるように礼をした。

エンタメって難しい……

デュエルを終えて、嶺がセットしたカードが何か聞いてみると、【黒魔族復活の棺】だったらしい。『魅せるデュエル』において、魔法・罠による効果破壊はウケが良くないからという理由で除去系はほとんど無いと言っていた。警戒して【サッシー・ルーキー】サーチして損した気分だ。

デュエル内容に納得がいかない男子連中から逃げ、十代と丸藤の部屋に立て籠もったが、剣山によって強行突破され、バウンスはするなと明日香に説教された。だからお前に言われたくないっての……

 

「龍斗聞いてるの!?」

「聞いてるよ」




次回は十代が帰ってきてエドとデュエルです。9期【DーHERO】とかは入ってないです。
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