衝動のままに決闘する   作:アルス@大罪

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先日のARCーVにて、遊矢がスケール3とスケール10でペンデュラム召喚しましたが、何故レベル2のチューナーが紛れていやがったのか……【EM】で【オッドアイズ】で【シンクロン】なチューナー……サポート範囲広すぎないでしょうか?

ともかく本編へどうぞ。


ネオス 十代VS.エド

「ふいーん……ういーん」

 

夜。

よくわからない声、というより音を発するゆまの頬を伸ばして遊びながら、明日香の部屋でテレビを見る。見るのはプロデュエルだ。

エドに負けて以来、戦績が芳しくなかったカイザーが、どこかで吹っ切れたのか【インフィニティ】のカードを躊躇無く使い出した。ただ、ヘルカイザーとしては活動していない。トップリーグで活躍を続けているからだろう。

 

「今日もカイザーの勝ちか。【インフィニティ】使ってるし、現環境ならおかしくはないけどな」

「皆、ちょっと来てほしいザウルス!」

 

先程十代と丸藤の部屋に戻った剣山が部屋に戻ってきた。何やら慌てている様子。

部屋を出ると、寮の前に昼間には無かった看板が立てられていた。

看板には、翌朝レッド寮の存続をかけたデュエルをして、学園側の代表が勝った場合、レッド寮を即刻潰すというような内容が書かれていた。

 

「強行手段に来たな。ナポレオンもクロノスも本気で潰しにきている」

「龍斗、どうするの?」

 

看板を見ながら呟く俺に、明日香が真剣な面持ちで聞いてくる。

どうするって言われても……

 

「【メタポワンキル】……【Xーセイバーハンデスループ】か【ゼンマイ】……最悪【ウィジャ盤】かエクゾディ---」

「龍斗先輩、不吉な名前しか言ってないドン」

「正面から立ち向かうという発想は無いのかしら?」

 

どのデッキで戦うか、あるいは戦わせるかを考えていると、剣山と明日香に呆れたような視線を向けられた。

 

「よし、全員で相手の代表とバトルロイヤル方式でデュエルしよう。そうすれば勝てる」

「最悪な答えがやってきたザウルス……」

「お兄ちゃん、多分クロノス先生達が『それはダメっ!』っていうかも」

 

剣山に呆れを通り越して侮蔑ともとれそうな視線を向けられ、ゆまに提案を却下された。

仕方ない。正面から叩くか。

 

「それじゃあ、俺が行こう。大丈夫。ちゃんと正面から叩くから」

「さっきからの発言から不安しかないのだけど……」

 

明日香に心配されながら、デッキを決めるためにブルー寮に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、霧が出ていて、朝日も登りきっていないような時間。

 

「お兄ちゃん起きて!」

「がふっ!」

 

テンション高めのゆまにダイブで起こされた。

不機嫌全開で何故こんなことをしたのか聞くと、

 

「負けちゃいけないデュエルだよ!無理矢理にでも起こせって明日香さんに昨日言われたの!」

 

善意100%の笑みのゆま。

明日香め……ゆまに余計なこと吹き込みやがって……しかしそれを実行するゆまもゆまだ。

 

「とりあえず、起こしてくれたのはありがとう。でもな……やり方ってもんがあるだろ!」

「ふにゃあぁ!?」

 

俺の上に乗ったままのゆまを倒し、上下の立場を逆転させ、ゆまの上に馬乗りに。そのまま頬を引っ張る。

 

「ふにーん!」

「今度あんな起こし方したらマジで怒るからな!わかったら返事!」

「ふぁい!ふぁい〜!」

 

腕をパタパタと振るが、ほぼ無抵抗のゆま。小さな仕返しをしていると、突如ガチャッという音がドアから聞こえた。

 

「…………」

「…………」

「……ふいーん」

 

ドアの方にゆまと一緒に視線を向けると、雪乃が目を丸くしてこちらを見ていた。

 

「…………事案ね」

 

それだけ言って静かにドアを閉める雪乃。不穏なことを言って逃がすバカはいないだろう。

 

「待て雪乃!」

 

急いで雪乃を追いかける。誤解を解くのに10分かかった。

 

「…………疲れた」

 

急に起こされ、誤解を解いてと朝からバタバタしすぎだ。もう疲れた。

ゆまと雪乃に両腕を拘束され、『離れろ』と抗議しながら校舎に行くと、既に明日香と剣山、丸藤、ジュンコ、ももえ、ディレがいた。

 

「朝から爆破されろッス」

「もげればいいドン」

 

予想通りやってきたイエロー2人からの呪詛を聞き流し、クロノスとナポレオン、そして対戦相手が来るのを待つ。

 

「雪乃、ゆま。いい加減離れろ」

「ふふ……イ・ヤ・よ」

「も、もうちょっとだけ」

 

雪乃とゆまに離れてもらおうとするもあっさり却下される。

 

「……すまない明日香、ジュンコ、ももえ、ディレ。2人を俺から引き剥がしてくれ」

 

女子陣に雪乃とゆまを引き剥がすように頼む。

 

「自分でどうにかすれば」

「もうちょっと眺めさせてください」

「2人が満足するまで待てばいいんじゃない?」

「自分でなんとかしなさい」

 

ディレ、ももえ、ジュンコ、明日香の順で拒否される。特にももえは欲望100%で拒否しやがった。

残るは剣山、丸藤だが、この2人がやると絵面的に拙いので却下。

両腕にやってくる柔らかい感触に危ない気持ちになりながらも、諦めてため息を吐いたところで、怪しげな笑い声が聞こえた。

 

「今日でレッド寮が潰れるというのに、お気楽なのでアール」

 

校舎側の霧の向こうからやってきたのは、ナポレオンとクロノス。

ナポレオンはニヤニヤと笑みを浮かべていて、自信が伺える。

クロノスはどこか不安げな様子。誰が来るのかわからない。もしくは呼んだ人物が本当に来るのかわからないようだ。

 

「俺が相手をします。俺の相手は誰ですか?」

 

腕から離れない雪乃とゆまを意識しないようにしながら、俺が代表としてデュエルすることを主張する。

俺の対戦相手は背後から現れた。

 

「僕だ」

 

やってきたのはプロデュエリスト、エド・フェニックス。

思いもよらぬ人物の登場に、俺とナポレオン以外の連中が驚いていた。

 

「僕が、君の相手をする」

「…………」

 

周囲の驚愕を無視して俺の目の前に立つ。

俺はプロとのデュエルに笑みを隠しきれずにいた。

ナポレオンに促され、校舎内のデュエルフィールドに向かう。

道中、ゆまや剣山、丸藤に心配されたが、俺としては【インフィニティ】を使わなかったとはいえ、カイザーに勝ったデュエリストとのデュエルを楽しまずにはいられそうもなかった。

デュエルフィールドに立ち、デュエルディスクを構える。

エドはそれをきっかけにスイッチを切り替えたのか、プレッシャーとも言えそうな気迫が伝わってきた。

デッキをセットして、いざデュエルの宣言をしようと息を吸った瞬間、

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

フィールドに響いた声で、デュエルが始まることは無かった。

聞き慣れた、しかしここ数日聞くことが無かった声に、全員が声がした方に視線を向ける。息を切らして、頭や肩に葉を載せた十代が、エドの背後にあるフィールドの出入口にいた。

十代が俺達の方に走ってきて、観客席に行った明日香達も最前列まで駆け降りてくる。

 

「今までどこ行ってたんスか?」

 

丸藤の最もな質問に、十代は『ボートで海を彷徨っていたら新しい【HERO】デッキに出会った』と答えた。宇宙からの光がどうのと、言葉だけで聞いたらよく……いや、まったくわからない内容だが、おそらく【ネオス】や【N(ネオスペーシアン)】に出会ったのだろう。

丸藤や剣山は、十代がカードが見えるようになったことに喜んでいた。

そして、完成したデッキをエドに見てほしいと思っていたらしく、俺とチェンジを要求してきた。

 

「前にセブンスターズとデュエルしたとき、譲ってやったから良いだろ!」

 

と言われて無理矢理チェンジさせられた。それを言われると強く言えないので、諦めてデュエルディスクを渡す。

ナポレオンが渋っていたが、いつの間にかフィールドに来ていた三沢に、

 

「このデュエルはオシリス・レッドの存続をかけたデュエル。オシリス・レッドの十代に代わるのならば、問題は無いはず」

 

と言われてほぼ無理矢理了承させる。

剣山を中心に、いつもの連中に引っ張り上げてもらい観客席にショートカットで移動する。

そして中央付近の段に2列で座る。

前の列に丸藤、剣山、明日香が座る。

後ろに雪乃、俺、ゆま、ディレ。

ももえとジュンコは十代とエドが同時に見れる場所にいた。前も似た位置にいたらしい。自分に正直だな。

 

「行くぞ、エド!」

「何度やっても同じだ!」

「「デュエル!」」

 

エド・フェニックス

LP4000

 

VS

 

遊城十代

LP4000

 

「僕の先攻だ!カモン【DーHERO ダイヤモンドガイ】!」

 

【DーHERO ダイヤモンドガイ】

攻撃表示

ATK1400/DEF1600

 

背中、手脚からダイヤモンドを生やしたような【HERO】が現れる。

 

「お兄ちゃん、あれがエド・フェニックスさんの【DーHERO】だよ。十代さんはあの【HERO】達に負けちゃったの」

 

ゆまが前回いなかった俺に説明してくれる。知ってるけどな。

 

「【ダイヤモンドガイ】、エフェクト発動!デッキの一番上を確認し、それが魔法カードだった場合、セメタリーに送って、次の僕のターンにエフェクトが発動する!僕が引いたのは魔法カード【デステニー・ドロー】」

 

当たり前のように通常魔法を墓地に送るエド。そういうデッキだとしても、相当な運だと思うのだが……

 

「明日香、前回のデュエルでエドが【ダイヤモンドガイ】の効果で魔法以外が出たことはあるか?」

「え?無かったけど」

「…………そうか」

 

明日香の即答に、その豪運を俺とゆまに分けてくれと思わずにはいられなかった。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

エド・フェニックス

LP4000

モンスター

【DーHERO ダイヤモンドガイ】:攻

ATK1400

魔・罠

伏せ1枚

手札3枚

 

「俺のターン、ドロー!」

 

十代の新デッキの初動、どう動く?

 

「エド、これが俺の新しい仲間だ!現れろ!【N・アクア・ドルフィン】を攻撃表示で召喚!」

 

【N・アクア・ドルフィン】

攻撃表示

ATK600/DEF800

 

イルカの頭と人の首からしたを組み合わせたモンスターが現れた。

 

「…………言っちゃいけないんだろうけど、キモいな」

「お、お兄ちゃんっ!」

 

内心同じことを思っているのか、ゆまが注意するも、あまり口調が強くない。

 

「龍斗聞こえてるぞー!!キモいってなんだよキモいってー!」

 

小さな声で言ったつもりだったのだが、聞こえていたらしい。だったら言わせてもらおう。

 

「十代、イルカはイルカだから良いんだ。イルカの頭と人を合体させた見た目は絶対認めん!」

「そこまで言うか!?」

 

『絶対』を強調していうと、十代と【アクア・ドルフィン】がショックを受けていた。

 

「くっそー……絶対龍斗に認めさせてやる!魔法カード【融合】!手札の【フェザーマン】と【バーストレディ】を融合!現れろ!マイフェイバリットカード【フレイム・ウィングマン】!」

 

【E・HERO フレイム・ウィングマン】

攻撃表示

ATK2100/DEF1200

 

【フレイム・ウィングマン】……まためちゃくちゃなデッキ構成みたいだな。

 

「【アクア・ドルフィン】の効果発動!手札を1枚捨て、相手の手札からモンスターを1枚選ぶ。エコー・ロケーション!」

 

【アクア・ドルフィン】の口から音波が発生し、エドの手札からモンスターを選ばせる。出てきたのは身長ほどもある大きな盾のような物を両腕に1つずつ持つ、長いオレンジの髪の上半身裸の男。

 

「【ダイハードガイ】!?」

「そして、俺のフィールドに選んだモンスターの攻撃力より高いモンスターが存在している場合、選んだモンスターを破壊し、500ポイントのダメージを与える!」

「【ダイハードガイ】の攻撃力は800……」

「そして、俺のフィールドには攻撃力2100の【フレイム・ウィングマン】がいる!よって、【ダイハードガイ】を破壊し、500ポイントのダメージだ!パルス・バースト!」

 

再びの【アクア・ドルフィン】からの音波により、【ダイハードガイ】が爆破され、衝撃がエドを襲う。自分のフィールドに高攻撃力のモンスターがいれば、使えそうな効果だが、手札を5枚も消費して500ダメージと相手の手札1枚破壊という現状は割に合わないと思う。

 

エド・フェニックス

LP4000→3500

手札3枚→2枚

 

「バトル!【フレイム・ウィングマン】で【ダイヤモンドガイ】を攻撃!フレイム・シュート!」

 

【フレイム・ウィングマン】の右腕の龍の頭が炎を吐き、【ダイヤモンドガイ】を焼き尽くす。

 

エド・フェニックス

LP3500→2800

 

「そして、【フレイム・ウィングマン】の効果で【ダイヤモンドガイ】の攻撃力分のダメージを与える!」

「ただではやられない!罠発動【デステニー・シグナル】!」

 

エドが発動した罠から光が伸び、十代の頭上へ。光は天井で『D』の文字を影で描いていた。

 

「僕のモンスターがバトルで破壊されたとき、デッキから【DーHERO】を特殊召喚する!カモン!【DーHERO ディフェンドガイ】!」

 

【DーHERO ディフェンドガイ】

攻撃表示

ATK100/DEF2700

 

全身が石のブロックでできているようなモンスターが現れ、【デステニー・シグナル】の処理が終わると【フレイム・ウィングマン】がエドの前に飛び移り、先程と同じ攻撃をエドに行った。

 

「ぐぅっ……!」

 

エド・フェニックス

LP2800→1400

 

「守備力2700……【アクア・ドルフィン】じゃ破壊できないか……」

 

攻撃力600じゃあ、多くのモンスターを破壊できないだろう。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊城十代

LP4000

モンスター

【E・HERO フレイム・ウィングマン】:攻

ATK2100

【N・アクア・ドルフィン】:攻

ATK600

魔・罠

伏せ1枚

手札0枚

 

早くも手札0……どうやってリカバリーするつもりだ?

 

「僕のターン、ドロー!メインフェイズにエフェクト発動!【デステニー・ドロー】!手札の【DーHERO】1枚を捨て、カードを2枚ドローするのが本来のエフェクトだが、【ダイヤモンドガイ】のエフェクトでの発動にはコストはなくなる!よって2枚のドローのみ!」

 

エド・フェニックス

手札3枚→5枚

 

コスト無しで手札が2枚増えた……本当に豪運だな。

 

「あの豪運があれば、宝くじ買うだけで生計立てれそうだな」

「駄人間まっしぐらじゃない」

 

俺の呟きに、ディレから棘のあるツッコミが返ってきた。俺がやるわけじゃないんだから俺を睨むな。そんな意思を持ってゆまを盾にする。

 

「お兄ちゃん、最近私の扱いが酷くない!?」

「そんなことないぞー」

「龍斗、棒読みがすごいわよ」

 

雪乃に突っ込まれながらもゆまを盾にしてディレの視線から免れ、十代のデュエルに意識を向ける。

 

「カモン【DーHERO ダンクガイ】!」

 

【DーHERO ダンクガイ】

攻撃表示

ATK1200/DEF1700

 

ドレッドヘアにグレーの装甲をつけたモンスターが現れる。

 

「また新しい【DーHERO】……!」

 

目を輝かせる十代を無視して、エドは手札のカードを取り、十代に見せつける。

 

「魔法カード【死者蘇生】を発動!蘇れ!【ダイヤモンドガイ】!」

 

【DーHERO ダイヤモンドガイ】

攻撃表示

ATK1400/DEF1600

 

「【ダイヤモンドガイ】のエフェクト発動!デッキの一番上のカードは……魔法カード【ギャラクシー・サイクロン】!エフェクト確定!」

 

また通常魔法……てか最新カード……たしかに【ダイヤモンドガイ】の効果を考えると、【サイクロン】よりは相性が良いかもしれないが……それを当たり前のように手に入れて、当たり前のように効果で的中させるとは……

 

「さらにフィールド魔法【ダーク・シティ】を発動!」

 

エドと十代の周囲が影で真っ黒に染まった街並みに変わる。

 

「バトル!【ダイヤモンドガイ】で【フレイム・ウィングマン】を攻撃!」

「攻撃力が低いモンスターで攻撃!?」

 

エドの攻撃宣言に丸藤が驚くが、おそらくフィールド魔法の効果か、手札に攻撃力を変化させるカードがあるのだろう。

 

「この瞬間、【ダーク・シティ】のエフェクト発動!【DーHERO】が相手モンスターを攻撃したとき、相手モンスターの攻撃力がこちらより高い場合、【DーHERO】の攻撃力が1000ポイントアップする!」

「アニキの使う【スカイスクレイパー】の【DーHERO】版ザウルス!?」

 

【DーHERO ダイヤモンドガイ】

ATK1400→ATK2400

 

力を増した【ダイヤモンドガイ】が【フレイム・ウィングマン】の腹に拳を入れた。

【フレイム・ウィングマン】は膝から崩れ落ち、倒れたあと爆発した。爆発する要素教えろ。

 

「【フレイム・ウィングマン】……!」

 

遊城十代

LP4000→3700

 

「まだだ!【ダンクガイ】で【アクア・ドルフィン】を攻撃!」

 

【ダンクガイ】の右手にバスケットボール程の大きさの光球が現れ、【アクア・ドルフィン】の頭にダンクシュートした。エグい。

 

「【アクア・ドルフィン】!」

 

遊城十代

LP3700→3100

 

「【ダンクガイ】のエフェクト発動!手札の【DーHERO】を捨て、500ポイントのダメージを与える!」

 

今度は先程より少し小さい光球が現れ、十代に投げ飛ばす。

 

「くっ!」

 

遊城十代

LP3100→2600

 

「ターンエンド!」

 

エド・フェニックス

LP1400

モンスター

【DーHERO ダイヤモンドガイ】:攻

ATK1400

【DーHERO ダンクガイ】:攻

ATK1200

【DーHERO ディフェンドガイ】:守

DEF2700

魔・罠

フィールド

【ダーク・シティ】

手札2枚

 

1ターンで逆転されたな。十代の手札は0。フィールドはリバースカード1枚のみ。とてもデュエルが始まって1ターンしかプレイしていないとは思えない状況だ。

 

「俺のターン、ドロー!」

「スタンバイフェイズに【ディフェンドガイ】のエフェクト発動!十代、1枚ドローしろ」

「いいのか?」

「エフェクトなのだから仕方ない」

 

相手にドローさせる効果か。この状況では助かる効果だな。十代は『ラッキー』と言いながらカードを引いた。

 

遊城十代

手札1枚→2枚

 

「墓地の【ネクロダークマン】の効果発動!墓地にいるときに1度だけ、手札の【E・HERO】をリリース無しで召喚できる!これが俺の新たな【E・HERO】だ!来い、【ネオス】!」

 

【E・HERO ネオス】

攻撃表示

ATK2500/DEF2000

 

全身が銀色で胸に青い球が1つある人型モンスターが現れる。前世で子供の頃に見たテレビ番組を思い出す。

 

「僕の知らない【E・HERO】だと!?」

 

新たな【HERO】の登場に驚くエド。隣でゆまが『新しい【HERO】さん!』と目を輝かせている。もっと近くで見ようと身体を前にもっていくが、危ないので制服の上を掴んで阻止する。しかしそれでも前に行こうとして、前に座る剣山の頭に上半身が乗る形に。

 

「み、見えないけど、柔らかい膨らみが頭に……」

 

…………ゆま、マジで落ち着け。

 

「バトル!【ネオス】で【ダンクガイ】を攻撃!ラス・オブ・ネオス!」

 

ゆまが【ネオス】をより近くで見ようとしている間に、十代がバトルフェイズに移行して攻撃宣言していた。【ネオス】が飛び上がり、落下する力も加えた手刀で【ダンクガイ】を切り裂く。

 

「【ダンクガイ】……!」

 

エド・フェニックス

LP1400→100

 

残りライフ100。あと一歩で十代の勝ちなんだが、この100がどう響くのか……

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊城十代

LP2600

モンスター

【E・HERO ネオス】:攻

ATK2500

魔・罠

伏せ2枚

手札0枚

 

対する十代も手札0。【ディフェンドガイ】のおかげで次のターンには2枚まで回復するが、融合召喚を基本とする十代のデッキでは厳しい。

あ、でもたしか【ネオス】は【融合】いらないんだったな。じゃあいけるか。

 

「僕のターン、ドロー!メインフェイズにエフェクト発動!【ギャラクシー・サイクロン】!フィールドにセットされた魔法・罠を1枚破壊する!前のターンにセットしたカードを破壊!」

 

エドの墓地から竜巻が発生し、十代のセットした【ミラー・フォース】を破壊した。

こういう場面でも破壊されるあたり、呪いか何かかけられているのかとも思える。

 

「【DーHERO ディスクガイ】を召喚!」

 

【DーHERO ディスクガイ】

攻撃表示

ATK300/DEF300

 

頭に被ったヘルメットから伸びたコードで繋がった背中のバックパックと、両手首、腰に銀色の円盤……CDをつけた青とグレーの全身タイツの男が現れる。

何故かあのモンスターから【ヒグルミ】や【プトレマイオス】と同じ雰囲気を感じる。

 

「そして、【ディスクガイ】、【ダイヤモンドガイ】、【ディフェンドガイ】の3体をリリース!」

「3体の【DーHERO】を!?」

 

十代が驚く中、3体の【DーHERO】が粒子となり1つに集まる。

 

「現れろ!【DーHERO ドグマガイ】!」

 

【DーHERO ドグマガイ】

攻撃表示

ATK3400/DEF2400

 

粒子と粒子が固まり、悪魔のような姿の【HERO】となった。

 

「バトル!【ドグマガイ】で【ネオス】を攻撃!デス・クロニクル!」

 

【ドグマガイ】の胸から黒い光線が【ネオス】に放たれ、【ネオス】は飲み込まれて爆発した。

 

「【ネオス】!」

 

遊城十代

LP2600→1700

 

「あぁ!新しい【HERO】さんが……」

 

前のめりになっていたゆまが、悲しそうに下を向いて戻ってきた。あとで十代に見せてもらえばいいのに……

 

「ターンエンド!いくら新しい【HERO】を手に入れても、【DーHERO】はその上を行く!」

 

……何故か無性にゆまとデュエルをさせたくなった。【M・HERO】を見たらどんな反応するだろう……?

 

エド・フェニックス

LP100

モンスター

【DーHERO ドグマガイ】:攻

ATK3400

魔・罠

フィールド

【ダーク・シティ】

手札1枚

 

ライフを回復することなくターンを終えたか。

しかし十代の手札は0。エドのフィールドにいた【ディフェンドガイ】も消えて手札の回復が厳しくなった。

 

「俺のターン、ドロー!」

「この瞬間、【ドグマガイ】のエフェクト発動!」

 

エドの効果発動宣言の直後、【ドグマガイ】と十代を紫の光が包んだ。

 

「うわぁぁぁああ!!」

 

遊城十代

LP1700→850

 

直後、叫び声とともに十代のライフが半分になった。紫の光か消えると、十代は体制が崩れた状態で立っていた。

 

「【ドグマガイ】は相手のスタンバイフェイズに、相手のライフを半分にするエフェクトがある!」

 

エドの説明のあと、ゆっくりと体制を戻し、引いたカードを確認してエドに見せつけた。

 

「……魔法カード【貪欲な壺】!墓地の【アクア・ドルフィン】

【フェザーマン】

【バーストレディ】

【ネクロダークマン】

【フレイム・ウィングマン】の5枚をデッキに戻し、カードを2枚ドロー!」

 

遊城十代

手札0枚→2枚

 

ここでドローソースを引いたか。だが、【ドグマガイ】の攻撃力を2枚のカードで超えるのは難しい。【火の粉】は無いのか?

 

「…………永続罠【リビングデッドの呼び声】!蘇れ!【ネオス】!」

 

【E・HERO ネオス】

攻撃表示

ATK2500/DEF2000

 

最初のターンに伏せていたのは【リビングデッドの呼び声】だったのか。

 

「そして【N・フレア・スカラベ】を召喚!」

 

【N・フレア・スカラベ】

攻撃表示

ATK500/DEF500

 

人より少し大きい炎が飛び出し、炎が弾けるとカブトムシを擬人化したようなモンスターが現れた。

……たしか『スカラベ』って『フンコロガシ』だよな。じゃあ、あれはフンコロガシの擬人化なのか。

 

「これが【ネオス】と【N】の力だ!フィールドの【ネオス】と【フレア・スカラベ】をデッキに戻し、コンタクト融合!」

 

【ネオス】と【フレア・スカラベ】が天井に向かって飛び上がり、1つになる。

 

「コンタクト融合!?」

「【ネオス】と【N】の融合には、【融合】のカードを必要としない!

現れろ!炎の【ネオス】!【E・HERO フレア・ネオス】!」

 

【E・HERO フレア・ネオス】

攻撃表示

ATK2500/DEF2000

 

フィールドにクワガタを擬人化したようなモンスターが現れるが、融合素材を考えると、やっぱりフンコロガシの擬人化なのだろうか……

【ネオス】の面影はステータスくらいか?

 

「【融合】を必要としない融合……だが、【ドグマガイ】の方が攻撃力は上だ!」

「それはどうかな?」

「なんだと!?」

「【フレア・ネオス】は、フィールドの魔法・罠1枚につき、攻撃力が400ポイントアップする!俺のフィールドには【リビングデッドの呼び声】。エドのフィールドには、フィールド魔法の【ダーク・シティ】がある。よって攻撃力は800ポイントアップ!」

 

【E・HERO フレア・ネオス】

ATK2500→ATK3300

 

「さらに!魔法カード【Hーヒートハート】!これにより、【フレア・ネオス】の攻撃力が500ポイントアップ!」

 

【E・HERO フレア・ネオス】

ATK3300→ATK3800

 

「バトル!【フレア・ネオス】で【ドグマガイ】を攻撃!バーン・ツー・アッシュ!」

 

【フレア・ネオス】が浮き上がり、身体を炎に包む。

 

「この光……」

 

エドが【フレア・ネオス】を見ながら『光』がどうのと言っているが、【フレア・ネオス】からは炎は見えても光は見えない。エドにしか向けられていないのか?

炎に包まれた【フレア・ネオス】はそのまま突進し、【ドグマガイ】を貫いた。

 

エド・フェニックス

LP100→-300

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ〜……」

 

デュエルが終わり、レッド寮の明日香の部屋にて、ゆまが十代に【ネオス】のカードを見せてもらっている。破るなよ頼むから。

丸藤と剣山は十代が戻ってきたことに喜びっぱなし。ジュンコとももえ、ディレは女子寮に帰った。雪乃は俺の右腕に絡んでいる。左腕で剥がそうとするが、どうしても剥げない。明日香は助けてくれなかった。

 

「これで、ナポレオン教頭とクロノス臨時校長も、迂闊にレッド寮を潰せなくなったわね」

「そうだな。海馬さんに連絡せずに済みそうでなによりだ」

 

エドとのデュエルに勝利したことで、レッド寮の存続は一先ず安心ということになった。1度だけとはいえ、プロデュエリストに勝利した十代という戦力の増強は、ナポレオンとクロノスにとってはこちらを攻めにくくなったはずだ。あとはどうやって諦めさせるかだが……




次回は【ネオス】の弱点的な話だったり、クロノスがレッド寮廃止に反対したりな話です。
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