翌日。
レッド寮の前でクロノスとナポレオンがデュエルコートを構えて対峙していた。
クロノスとナポレオンとの話は平行線どころか互いの口調が気に入らないという話に脱線し、デュエルで決着をつけることに。
クロノスが勝ったらレッド寮は存続。
ナポレオンが勝ったらレッド寮は廃止。
ここまでは別に問題はない。クロノスが勝てばいいのだから。
しかし、そのデュエルを見届ける俺、十代、丸藤、剣山、明日香、ジュンコ、ももえ、ゆま、雪乃、ディレの視線はレッド寮の食堂側にあるパワーショベルと、反対側で準備運動をしているグレーの作業着を着た数人の男の人達に向いていた。
「何故パワーショベル……」
「あの人達はいったい……」
俺と丸藤の呟きに答えられる者はいなかった。
「「デュエル!」」
ナポレオン
LP4000
VS
クロノス・デ・メディチ
LP4000
そしてデュエルが始まった。
「クロノス先生、勝てるの?」
「一応こっち側に来たってことで、昨日の夜にカードは貸したが、微妙だな」
ジュンコの疑問に答えてやりたいが、断定出来ない。曖昧な答えにディレが『はっきりしなさいよ』と俺に視線を飛ばして言う。カード渡して数時間なんだが、御構い無しだった。
「吾輩の先攻!【トイ・ソルジャー】を召喚!」
【トイ・ソルジャー】
攻撃表示
ATK800/DEF300
黒いズボンと靴、赤い軍服を着た人型のおもちゃが現れる。デュエリストとモンスターのギャップが凄い。
「お兄ちゃん、あのモンスター可愛いね」
「ナポレオン教頭が召喚したっていうギャップが凄いけどな」
「ちょっ、お兄ちゃん!しーっ!しーっだよ!」
ゆまの感想に付け加えると、ゆまが慌てたように口の前で人差し指を立てた。
「カードを3枚伏せて、ターンエンドでアール!」
ナポレオン
LP4000
モンスター
【トイ・ソルジャー】:攻
ATK800
魔・罠
伏せ3枚
手札1枚
リバースカードが3枚か。攻撃反応型は【古代の機械】には無力に等しいが、それ以外が3枚なんていう状況は厄介だな。
「私のターン、ドロー!」
クロノスはドローしたカードを手札に加えて、6枚になった手札をジッと見つめ、右手を上げた。
「ちょっと待ってほしいノーネ」
俺とレッド寮のそばにいる作業員以外のやつらが転けた。
あるよな。デッキを組んだのはいいけど、効果把握してないって。
「龍斗、あんた……」
「慣れないカードを使わせるなんて……」
ディレが起き上がりながら、俺を睨み、明日香が笑顔で迫ってくる。
「仕方ないだろ。デッキ作ってまだ1日も経ってないんだから」
「だったらデュエルのあとでいいじゃない!」
「それだと遅いだろ」
今度はジュンコが突っかかってきたのでそれに対応。そしてももえは何かを発散するために俺を抱きよせて頭を撫で始めた。
「ももえさん、次は私ですっ!」
「ゆま、ももえ。デュエル見えないから」
視界は空を映し、腰がかなり反っている。かなりキツい。
「フムフム……それデーハ、
【
【古代の機械猟犬】
攻撃表示
ATK1000/DEF1000
身体が青緑色の鉄で出来ている犬が、篭った音とともに現れ、そのタイミングでももえから解放された。この低い音は鳴き声のつもりなのだろうか?
「【古代の機械猟犬】の効果発動!召喚に成功した場合、相手プレイヤーに600ポイントのダメージを与えるノーネ!」
クロノスの説明の直後、【古代の機械猟犬】が駆けだし、ナポレオンの背後へ。そして、
「ギャアァァァァァァでアール!!」
ナポレオンの頭に噛みついた。そしてナポレオンの頭に抱きつくような状態に。
ナポレオン
LP4000→3400
「バトルナノーネ!」
「罠発動【トイ・キャノン】でアール!」
クロノスがバトルフェイズに移行した瞬間にナポレオンが罠を発動。ナポレオンのフィールドに大砲と2体の【トイ・ソルジャー】が現れた。
「このカードは相手モンスターを強制的に守備表示に変更させ、相手プレイヤーに400ポイントのダメージを与えるのでアール」
大砲に弾が装填され、【トイ・ソルジャー】達によって大砲がナポレオンに向けられる。
対象モンスターがナポレオンの頭にいるからな。
「ちょっ、まっ、待つのでアール!」
ナポレオンの制止も虚しく、弾が放たれ、ナポレオンを直撃。大爆発した。
そして、何も被害を受けていないクロノスのライフが減少する。
クロノス・デ・メディチ
LP4000→3600
「ゲホッ!ゲホッ!……クロノス臨時のライフが減ったことにより、その数値分、レッド寮を破壊するのでアール」
爆煙の影響で顔が真っ黒になりながら物騒なことを言うナポレオン。
直後、パワーショベルが動き出し、レッド寮を破壊した。
その光景を見た十代達は愕然としている。
「攻撃できないノーネ……それナーラ、メインフェイズ2!【古代の機械猟犬】の効果発動!いい加減戻ってくるノーネ!」
未だナポレオンの頭に噛みついている【古代の機械猟犬】が、クロノスのフィールドに戻っていった。
「このカードは自分のメインフェイズに手札・フィールドから【アンティーク・ギア】融合モンスターによって決められたモンスターを墓地に送り、【融合】無しで融合召喚するノーネ!」
「【融合】無しで融合召喚でアルか!?」
「手札の【古代の機械巨人】とフィールドの【古代の機械猟犬】を融合!
【
【古代の機械魔神】
守備表示
ATK1000/DEF1800
ナポレオンの驚いた顔をクロノスがドヤ顔で無視して融合召喚したのは、【古代の機械猟犬】と同じ色の鉄で出来た悪魔のようなモンスター。
「……【古代の機械巨人】を使った割に貧弱なステータスでアール」
「召喚口上も無いわね。私達側なのに」
ナポレオンはニヤニヤと笑みを浮かべ、雪乃がデュエルに関係無いコメントをする。それ言ったら丸藤と剣山もディレも召喚口上無いからな。
「ステータスだけが私の【古代の機械】ではないノーネ。【古代の機械魔神】の効果発動!1ターンに1度、相手プレイヤーに1000ポイントのダメージを与えるノーネ!」
【古代の機械魔神】の腕代わりに左右に3つずつ付いている砲台をナポレオンに向け、一斉に砲撃した。
「ぬぅぅぅ!」
ナポレオン
LP3400→2400
「そして、ナポレオン教頭のライフが減ったことにより、レッド寮を修復させるノーネ!」
修復?という疑問が一瞬俺達に生まれたが、その疑問はすぐに解消された。
パワーショベルの反対側で準備運動をしていた作業員達が一斉に走り出し、破壊されたレッド寮をたちまち直していったからだ。
普通、こういうのって期間が長いものだと思っていたのだが……違うのか?
「カードを1枚伏せ、ターンエンドナノーネ!」
クロノス・デ・メディチ
LP3600
モンスター
【古代の機械魔神】:守
DEF1800
魔・罠
伏せ1枚
手札3枚
とりあえず効果で与えたダメージによってレッド寮は完全に元通り。職人の技と言えば良いのかわからんが、そんなものを感じた。
「吾輩のターン、ドロー!このスタンバイフェイズ、【トイ・ソルジャー】の効果を発動するのでアール!デッキから【トイ・ソルジャー】を任意の数特殊召喚するのでアール!」
【トイ・ソルジャー】×2
攻撃表示
ATK800/DEF300
手札を消費せずにモンスターを並べた……ちんちくりんのクセになかなかやる。
「ときにクロノス臨時。戦に必要な力が何かわかるでアールか?」
急に戦について語り出したぞ。
クロノスはナポレオンの問いに答えられず、ナポレオンがドヤ顔で『戦力、機動力、そして最も重要なのは決断力』と言い、次いで『オシリス・レッドに拘るクロノスにはその3つの力が無いと小さい身体で上から目線で見下すように胸を張った。
そしてクロノスは好き勝手言われたのが気に入らないのか、『そういうのは自分に勝ってから言え』と叫んだ。
これは『デュエル』であって『戦』ではないのだから、ナポレオンの発言に意味は無いと思うんだけどな。
「これが戦に必要な力その1、戦力でアール!吾輩はレベル3の【トイ・ソルジャー】2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築でアール!エクシーズ召喚!ランク3!【No.20 蟻岩土ブリリアント】!」
【No.20 蟻岩土ブリリアント】
攻撃表示
ATK1800/DEF1800
赤紫と銀色の身体の巨大な蟻が現れる。戦力って言う割に微妙なカードを使う……さっきの【トイ・ソルジャー】2体の攻撃力の合計よりはマシだが……
「戦に必要な力その3、決断力!魔法カード【強行軍】を発動!このターン、吾輩の全てのモンスターの攻撃力を半分にし、ダイレクトアタックを可能にするのでアール!」
この状況だと強さを感じ難いが、攻撃力やモンスターに関して特に指定がないから、【F・G・D】でもダイレクトアタックさせることができるということか。……先に全体除去すれば良いとか思うのは悪いのだろうか?
「担え、銃!」
ナポレオンの号令により【トイ・ソルジャー】が銃を肩に乗せる。
「目標、クロノス臨時!」
次の号令で足踏みを始める。
「駆け足、始め!」
そして走り出す。しかし、クロノスの前で止まった【トイ・ソルジャー】は、その場に座り込んで息を乱していた。たった数m走っただけだろ。
【トイ・ソルジャー】
ATK800→ATK400
【No.20 蟻岩土ブリリアント】
ATK1800→ATK900
【蟻岩土ブリリアント】にいたっては何もしていないのに攻撃力が半減した。妙なところで仕事しないな。
「勝利を得るために、戦力を半減させる決断力も、ときには必要なのでアール」
必要な力を半減させてまで使うのだろうか?それに攻撃力1800の【蟻岩土ブリリアント】の効果を使えば、【古代の機械魔神】を破壊できたのに……その後に別のモンスターが飛んでくるけど。
「そして、これが戦に必要な力その2、機動力でアール!魔法カード【鼓笛隊】!これにより、吾輩の攻撃力1000以下のモンスターの攻撃力を2倍にするのでアール!」
笛やドラムを演奏している【トイ・ソルジャー】が8体ほど現れ、フィールドの【トイ・ソルジャー】と【蟻岩土ブリリアント】の攻撃力をアップさせる。機動……力……?
【トイ・ソルジャー】
ATK400→ATK800
【No.20 蟻岩土ブリリアント】
ATK900→ATK1800
「【蟻岩土ブリリアント】の効果発動でアール!ORUを1つ使い、吾輩の全てのモンスターの攻撃力を300ポイントアップさせるのでアール!」
【蟻岩土ブリリアント】のORUが弾け、キシャァッ!という鳴き声をあげ、【トイ・ソルジャー】と【蟻岩土ブリリアント】の攻撃力を上げる。
【トイ・ソルジャー】
ATK800→ATK1100
【No.20 蟻岩土ブリリアント】
ATK1800→ATK2100
「【トイ・ソルジャー】!
ナポレオンの号令により、【トイ・ソルジャー】が発泡。コルクが飛び出してクロノスの股間を撃ち抜いた。……痛恨の一撃に十代、丸藤、剣山の3人は痛々しい表情になり、明日香は微妙な表情で明後日の方向を向き、ジュンコとももえは顔を赤くして視線を逸らし、雪乃は『あら』と驚くだけ。ゆまは『み、見てないよ!私、何も見てないよ!』と誰に言っているのかわからない言い訳をし、ディレは『なんでモノ見せてんのよー!!』と俺の胸倉を掴み前後に揺する。俺に文句を言わずにソリッドヴィジョンに余計な手を加えたKCの人に言え。
クロノス・デ・メディチ
LP3600→2500
クロノスは受けたダメージに思わずしゃがみ込む。目尻に涙を溜めながら、『生徒の個性を伸ばすことこそが真の教育』とか言っているが、格好と先ほどの状況から反応し難い。
「【蟻岩土ブリリアント】でダイレクトアタックでアール!」
【蟻岩土ブリリアント】が大顎をクロノスに振り下ろす。
「ヒギャァァァア!!」
クロノス・デ・メディチ
LP2500→400
急所を撃ち抜かれて動けないクロノスに大顎の一撃。思ってたより強いな。ナポレオン。そして猛烈な勢いで破壊されるレッド寮。かすかに万丈目の悲鳴が聞こえた気もする。事実なら色々まずい…………気のせいだと祈ろう。
「さらに永続罠【不平等条約】を発動!これにより、クロノス臨時がドローするたびに、クロノス臨時は100ポイントのダメージを受け、吾輩は100ポイントのライフを回復する、美しくも不平等な条約なのでアール!」
俺の祈りを知ってか知らずか、ナポレオンが追い討ちをかけにきた。数値がしょっぱいのが救いか。
「吾輩はこれでターンエンドでアール!これと同時に、吾輩のモンスターの攻撃力が元に戻るでアルが、半減した攻撃力を倍にして、実質元の数値なので、数値は変わらないでアール」
ナポレオン
LP2400
モンスター
【トイ・ソルジャー】:攻
ATK1100
【No.20 蟻岩土ブリリアント】:攻
ATK2100
魔・罠
【不平等条約】
伏せ1枚
手札0枚
「クロノス先生、ピンチッス!」
「龍斗先輩、どうにかできないザウルス!?」
「ドロー次第じゃないか?」
剣山の危機感がある問いに、我ながら呑気に返答する。ディレが俺を睨んできたが、この状況で俺にもディレにもできることがないとわかっているからか、何も言わなかった。
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、【不平等条約】の効果により、クロノス臨時に100ポイントのダメージを与え、吾輩のライフを100回復するのでアール!」
クロノス・デ・メディチ
LP400→300
ナポレオン
LP2400→2500
ナポレオンの発動した永続罠により2人のライフが変動。それによってレッド寮も破壊される。
「永続魔法【
クロノスの背後に、歯車のような形の建造物が集まった要塞が現れる。
「このカードがある限り、【アンティーク・ギア】モンスターは召喚・特殊召喚されたターン、相手の効果の対象にならず、相手の効果で破壊されなくなっターリ、【アンティーク・ギア】カードの効果の発動に対し、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できなくなるという、シニョール宮田からもらった、インチキ臭いカードの1つナノーネ!」
確かにあげたけどその言い分はあんまりだと思う。効果を聞いて同じ意見になったのか、丸藤や剣山、ゆまは苦笑いしながら俺を見ていた。その間、ナポレオンは一瞬リバースカードを見て、悔しそうな顔をしていた。
「さらに、【
【古代の機械飛竜】
攻撃表示
ATK1700/DEF1200
青緑色の鉄でできた竜が現れる。さっきからクロノスのフィールドに出てくるモンスターが同じ色ばっかりなんだが……
「【古代の機械飛竜】の効果発動!デッキから、同名カード以外の【アンティーク・ギア】カードを手札に加えるノーネ!【古代の機械猟犬】を手札に!」
クロノス・デ・メディチ
手札3枚→4枚
手札に加えた【古代の機械猟犬】を見て嫌そうな顔をするナポレオン。さっき噛みつかれたからな。
「【古代の機械魔神】の効果発動!ナポレオン教頭に1000ポイントのダメージナノーネ!」
【古代の機械魔神】でダメージを与えるクロノス。このままバーンダメージで押し切れるか……?
「ぬぅぅぅぅ!」
ナポレオン
LP2500→1500
「そして、レッド寮が修復されるノーネ!」
パワーショベルの痕跡すら残すまいと、作業員達が急ピッチでレッド寮を修復していく。しかし、クロノスが受けたダメージが大きいからか、修復しきれていない。
「バトルナノーネ!【古代の機械飛竜】で【トイ・ソルジャー】を攻撃ナノーネ!」
【古代の機械飛竜】が【トイ・ソルジャー】を上空から踏みつけた。
「ぬぅ……クロノス臨時のクセに小癪な!」
ナポレオン
LP1500→900
そして、ナポレオンのライフが減ったことで、再びレッド寮が修復される。
「私はこれでターンエンドナノーネ!」
クロノス・デ・メディチ
LP300
モンスター
【古代の機械魔神】:守
DEF1800
【古代の機械飛竜】:攻
ATK1700
魔・罠
【古代の機械要塞】
伏せ1枚
手札4枚
「クロノス臨時、【トイ・ソルジャー】を破壊したけど、【蟻岩土ブリリアント】がいるから、このままじゃ負けるドン!」
「でも、伏せカードがあるわよ。それできっと」
「さっき使わなかったからきっとブラフザウルス!」
剣山の発言にジュンコが希望を述べるが、それもすぐに否定される。
あのデッキの罠って……何入れてた?
「吾輩のターン、ドロー!このままバトルでアール!」
「バトルフェイズに罠発動!【マジカルシルクハット】!デッキから2枚の魔法・罠カードを攻撃力、守備力共に0の通常モンスターとして、フィールドのモンスター1体と合わせて裏側守備表示でセットするノーネ!デッキから【
空中に黄色い『?』がついた黒いシルクハットが3つ現れ、そのうちの1つが【古代の機械飛竜】を隠し、3つのシルクハットが重なったり3つに分かれたりを数回繰り返し、フィールドに置かれた。
これでクロノスが戦闘ダメージを受けることは無くなった。
「ぬぅ……無駄な足掻きを……【蟻岩土ブリリアント】で【古代の機械魔神】を攻撃でアール!」
大顎に挟まれて爆散する【古代の機械魔神】。これでバーンダメージによるジャストキルは無くなった。
「この瞬間、【古代の機械魔神】の効果が発動するノーネ!戦闘で破壊され、墓地へ送られた場合、デッキの【アンティーク・ギア】モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚するノーネ!」
「召喚条件を無視でアルか!?」
「出るノーネ!【古代の機械巨人】!」
【古代の機械巨人】
攻撃表示
ATK3000/DEF3000
「来たぜ!クロノス先生の切り札!」
十代がクロノスの勝ちを確信したかのようにガッツポーズを取り、ナポレオンは悔しそうにリバースカードを見る。
「そして、バトルフェイズ終了と同時に、【マジカルシルクハット】の効果でセットされていた2枚の【歯車街】は破壊されるノーネ!」
フィールドに置かれた真ん中と左のシルクハットが破壊された。
「そして、【歯車街】が破壊されたことにより、【歯車街】の効果を発動するノーネ!このカードが破壊され、墓地に送られたトーキ、手札・デッキ・墓地から【アンティーク・ギア】モンスターを特殊召喚できるノーネ!私の新たなる切り札の登場ナノーネ!デッキから
【
【古代の機械熱核竜】
攻撃表示
ATK3000/DEF3000
青緑色の身体に黄色いカバーで覆ったコアを露出した竜が2体現れる。
たしか、あのモンスターが攻撃する場合、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できなかったはず。あのリバースカードがフリーチェーンならまだ可能性がありそうだが、あの様子ではその可能性も無さそうだ。
「ぬ、ぬぅぅ……ターンエンドでアール……」
ナポレオン
LP900
モンスター
【No.20 蟻岩土ブリリアント】:攻
ATK2100
魔・罠
【不平等条約】
伏せ1枚
手札1枚
「私のターン、ドロー!」
「永続罠【不平等条約】の効果でクロノス臨時に100ポイントのダメージを与え、吾輩のライフを回復するのでアール!」
クロノス・デ・メディチ
LP300→200
ナポレオン
LP900→1000
「構わないノーネ!バトル!【古代の機械熱核竜】で【蟻岩土ブリリアント】を攻撃するノーネ!」
【古代の機械熱核竜】が尻尾を振り、先端を【蟻岩土ブリリアント】に突き刺した。
ナポレオン
LP1000→100
「これでラストナノーネ!【古代の機械巨人】!アルティメット・パウンド!」
【古代の機械巨人】の拳圧がナポレオンに向かい、直撃した。
ナポレオン
LP100→-2900
「あり得ないでアール……吾輩の辞書に『敗北』などという文字は……」
「それなら、これを機にしかと刻んでおくノーネ」
その場に座りこんで呟くナポレオンにクロノスがそう返す。しかし、その背後で作業員達がレッド寮を元通りにする工事をしていて、その音が邪魔している。
デュエルの最中もそうだったが、締まらない人だ。
兎にも角にも、レッド寮は元通りになり、オシリス・レッドとレッド寮は無事存続することになったので良しとしよう。
次回はオリジナル回です。
主に龍斗と雪乃、ゆまの3人しか出ません。