久しぶりに早めの更新です。最近バイトで忙しかったので出来なかったんですよねぇ………あはは……
まぁ、そんなことより! これからもよろしくお願いします!
それではどうぞ!
ダンジョンは決まった階層を境にして地形と性質が変わる。
1〜4階層は薄青色の壁で構築されており、出てくるのは主にゴブリンやコボルトといった低級モンスターだらけ。種類も少ない。
4階層辺で、個体差の変動があるが、ダンジョンの上層というだけあって、初心者の冒険者にとっては攻略しやすいエリアだ。ソロでも楽に行ける。モンスター共に囲まれたりしなければどうにでもなる。
………これは、俺だけなのかな。初心者の時に一度囲まれたが、皆一掃した。ホームに帰った時に先輩達にバカ呼ばわりされたり、狂ってると呼ばれたりした。あの時は傷付いた。
閑話休題。
1〜4階層はまだまだ楽な方。しかし、5〜7階層はダンジョンが脅威の片鱗を見せる。モンスターが生れ落ちる間隔が短い。深層に行けば、それ以上のスピードで産まれては攻撃してくる。
以上のことがあるからして、駆け出しの冒険者にはまず地道な力の蓄えが求められる。
ましてや、ソロが多い冒険者となれば尚更。
だが、
「ふッ! ……ッ!」
『ギシャアアァァッ!?』
俺の目の前でキラーアントに向かって、俺が教えた短刀式ニノ型・
繰り出されたベルのニノ型・焔月は、モンスターの中心線にナイフを突き刺し、その後素早く右脚での回し蹴りをする。次に突き刺したままのナイフを斬り上げる。その行動を僅か二秒で行った。
現在位置7階層。本来ならパーティの連携が求められるこの階層で、ベルが絶賛無双中だ。一応、俺は後ろから来るモンスターを痛め付けている。殺してはいない。虐めている。
『ジギギギッ!!』
『グォオオオ!』
「よっ、と!」
「はぁ……」
『ビュギ!?」
『グボォっ!?』
ベルの上空からは『パープル・モス』という巨大な蛾が襲い、俺の方には錆びたプレートアーマを付けた『コボルト・タンク』が襲ってくる。
しかし、ベルはパープル・モスを往なして羽を切った。バランスを崩したところで《ヘスティア・ナイフ》を使って短刀式一ノ型・閃光で絶命した。俺はといえば、夜空色の斬撃を横向きに飛ばして、コボルト・タンクを真っ二つにした。
そろそろ斬撃に名前を付けようか迷っている。どうしたものか。まぁ、これは後に決めるか。面倒だし。
後ろを見てみれば、ベルの前方に何体かのモンスターが蠢いている。俺はニッ、と笑って口を開いた。
「ベルー! リリルカー! 避けろよーっ! ----はぁぁあっ!」
「え、アルさんっ!? う、うあぁぁあっ!?」
「きゃあぁぁ!?」
大上段からの振り下ろしにより、ダンジョンの通路の天井まで届く程の斬撃が俺の太刀から放たれ、何体かのモンスター共はあっけなく灰へと還した。
ギリギリで避けたベルとリリルカ・アーデは、さっきの光景を目の当たりにして、眼を剥いている。
「何するんですかー! アルさん!」
「そうですよ! アルス様!」
二人は若干涙目になって俺を責める。俺は笑いながら頭を掻いて謝った。
「あはは、ごめんごめん。結構威力は抑えたつもりだったんだが……こうなっちゃった♪」
「こうなっちゃった♪ じゃありませんよ、アルさん! 危なかったですからね!? 死ぬかと思いましたよ!?」
「そうですそうですっ! リリも死にそうになりました!!」
苦情を言われた俺は、二人に最前衛で戦うように言われた。
前衛にいるので、問答無用に斬撃を飛ばしたり刀身に夜空色の光を纏わせて斬りつけたりする。俺が通った後はモンスター共がドロップさせたアイテムと魔石だらけとなった。
「そらっ!」
光を纏わせた太刀を地面から出てきたキラーアントを掬い上げるように斬り上げた。
そのキラーアントはボトッ、と音を立てて地面に転がり、灰となった。
後ろでは、ベルが壁に埋まったキラーアントの死体から魔石を取り出そうと短刀を用いている。チラッとリリルカ・アーデのことを見ると、彼女の視線は《ヘスティア・ナイフ》に向けられている。
大丈夫かな、と不安に思ったが、次に前から来るモンスターが残り二
♠︎❤︎♣︎♦︎
俺がどんどん先に進んでいる内に、ベルとリリルカ・アーデは帰ってしまったようだ。俺は黙って帰ってしまったことに若干傷つきながらも、16階層に来ている。目的としては、ミノタウロスの百体討伐。
「はぁ、ベルの奴大丈夫かなぁ? なぁ、どう思うよ、ミノタン」
ミノタウロス相手に、まるで友人に話しかけるかのように話す俺は、狂人だろうか。まぁ、一時期言われたけども。
『ブモォォッ!!』
マルタのような腕で俺のことを殴ってくるミノタウロスを往なして、俺はその頭を撥ねた。
その後も何十体かまとめてやって来たが、地面に太刀を突き刺して夜空色の光を流し込み、地面から光が何十本もの槍がミノタウロス共を貫いた。
『『ブモアァァァッ!!??』』
ヒュンッと太刀を振って、俺は腰に吊ってある艶のある黒色の鞘に納めた。
昨日、《倶利伽羅》自体が魔剣と化したが、今思うのは、これはもう魔剣と称するべきではないと思っている。言うなれば、
「神剣がぴったりかな………」
夜空色の光も、そもそも『
「さて、後二十七体………行くぞっ!」
生れ落ちたミノタウロスや他のモンスター達に向かって、俺は地面を蹴った。
ホームに帰った俺は、ヘスティアに頼んで溜りに溜まった【ステイタス】を更新してもらった。
「あ、アル君……君、す、凄いことになってるよ……」
「ん? どれどれ…………」
ヘスティアが持つ俺の【ステイタス】が書かれた羊皮紙を眺め見た。その羊皮紙に書かれた数字と
アルス・レイカー
Lv.6
力:S 951→S 965 耐久:A 841→A 857 器用:S 904→S 915 敏捷:S 974→S 983 魔力:A 811→A 824
《発展アビリティ》
【剣士:D】【狩人:E】【耐異常:F】【神秘:H】
《魔法》
【
《スキル》
【
・早熟する。
・刀を持ち続ける限り効果持続。
・精神を研ぎ澄ませることにより効果向上。
・基本アビリティ、力を補正。
・神を殺すことが可能。
【
・敵と見なした対象を斬ることができる。
・斬った対象に水分があれば、水分を全て飛ばすことができる。
・驚異的な回復力を持つ。
・神化する神を思い浮かべることで発動。
・全基本アビリティの上限を超すことが可能。
【神化の法】。何故このようなスキルが発動したのかは大体察しがつく。あの時、どうにでもなれと思って使った力が影響しているはずだ。
おそらく、ヴリトラの『
「アル君」
【ステイタス】を見ながら、ヘスティアが長いツインテールを揺らして俺に顔を向ける。
「君、まさかだとは思うけど、ヴリトラの力を使ったなんて……」
「……使ったよ。怪物祭の時にな」
「そうかい……」
ヘスティアには、この【ファミリア】に入ることになった時に俺のスキルのことは話している。
俺が初めてヴリトラの『神の力』を使ったのは怪物祭の時に起きた騒動。モンスターが逃げ出し、何かを探していた様子を見せていた時だ。あの時、俺は強めのモンスターを屠った後、魔神級モンスターとの交戦し、勝ち目がなく賭けで使ったのだ。
「ヘスティア、これはやっぱり……」
「あぁ、君の思っている通り、『神の力』を使ったという【経験値】が影響して、こうしてスキルとなったんだとボクも思うよ」
ヘスティアも俺と同じことを思ったようだ。
そして、"斬った対象に水分があれば〜"などと書いてあるが、これはおそらくヴリトラの力が影響しているだろう。あとは"敵と見なした対象を斬ることができる"とあるが、これは……どういう意味だろうか。例えば、遠くに離れた敵--モンスターに向けて太刀を振るえば斬れる、というのか。明日、試す必要がありそうだ。
「さて、寝るとしようか」
「ん、あぁ、そうだな」
ヘスティアはベッドの上で伸びて、コロン、と寝転がる。俺は床に枕を置いて、転移で掛け布団を取り出して自分に掛けて寝る。ちなみに俺達はもう歯を磨き終えている。部屋を照らしている明かりはベッドの近くにあるのでヘスティアがやってくれる。
それと、俺の【ステイタス】更新の時はベルはスヤスヤと寝ていた。
「おやすみぃ……」
「はいはい、おやすみ駄神様」
俺は掛け布団を被って、丸まって寝たのだった。その際、何故か俺の【
神化の法、どうでしょうか? ようは人の身でありながら神になる、ということなのですが……。
ちなみに、補足すると、神を思い浮かべる〜とありますが、あれは殺した神限定です。
現在殺した神は、未まだ名前が出てきていないアル君が最初に殺した神様とヴリトラですね。
神化の法の詳しいことは、次回書きますのでお待ちください。
それでは失礼しましたっ!