寄生獣 on the Magic World   作:なまびーる

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遅くなってェェェ…申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!!!
いや、私生活の方でばたばたとしてしまいまして各余裕があまり(以下言い訳)

これからもあまり落ち着かなさそうです…(泣)

こんな亀更新のわたくし目ですが、これからも、よろしくお願いします。
では、本編をどぞ!


第5話 I don't know

 『…市は、一連の事件において終息するまでの集団登下校、及び保護者教師同伴の上での外出を呼びかけ…』

 

「すごいことになってるわねー。」

 

朝のコーヒー牛乳をぐびぐびと飲みながら、シンイチの母――――小泉 七瀬(こいずみ ななせ)はさも他人事のようにつぶやいた。

 

それをしり目に無言で白飯を掻きこんでいるのはシンイチ…今日は母が目の前にいるのでミギーにはおとなしくしてもらっている。

 

「珍しいね、母さん。今日はお休みなの?」

 

母はやれやれといった風に首を振る。

 

「例の『ミンチ殺人事件』が、うちの職場の近くで起こっちゃったのよー。んで、今日は残してきた仕事のお片付け。もうちょっとしたら休みとれるから、そん時は一緒にどこか行こうねー。」

 

「うん。大丈夫だよ。」

 

七瀬はIT関連の仕事に就いていて、しかもかなり優秀らしくそれなりの地位にいるそうだ。

故に彼女がいないと現場が回らないことが多々あって、日夜彼女は支社の方をあっちへ行ったりこっちへ行ったりとかなり忙しい。

家をずっと空けていることも多かった。

 

 だが、シンイチはそんな七瀬のことを尊敬していた。

七瀬には親戚がいない、父がなくなってからは女手一つでシンイチを育ててきたのは言うまでもないが、シンイチがいない間に家事をこなし、朝から晩まで働きたまに帰ってくると、いつもシンイチを心配してくれる。

彼女が愚痴をこぼすところを見たことはないし、弱ったところを見たこともなかった。

 

「よくできた息子を持ててアタシャー幸せもんだね~」

 

よく軽口をこぼすところが玉にキズだが。

 

 集合場所より少し離れた交差点、七瀬は背伸びをしながら言った。

 

 「…おっし、息子よ。母はまた少し外回りに行ってくるぞよー。」

 

「うん。行ってらっしゃい…行ってきます。」

 

集団登校は憂鬱であったが、こうして母と話すことができただけよかったと思ったシンイチは、いつもより足取り軽く集合場所へと赴く。

 

「…あれが、君の母親か?」

 

いつものように服の襟から目玉だけ出てきたミギーはシンイチに問う。

 

「うん。 僕の母さん。」

 

「君とは随分と性格が違うのだな。」

 

ガクッ…とずっこけるシンイチ。そのことかい。

 

「ま、まぁ…母さんは昔からああだから。」

 

「フム…性格は、幼いころの親から影響を受けると以前読んだ小説に書いてあったが、どうも例外があるらしい。」

 

メモを取るわけではないであろうが、メモを取るかのようにつぶやくミギー。

 

「生き物なんて例外のオンパレードだよ…それより、もうすぐ着くよ。 静かにして「シンイチ!」 …いったそばから…」

 

が、いつものミギーとは違って少し様子が変であるのも事実。シンイチは訪ねる。

 

「どうしたの?」

 

一瞬、嫌な予感が頭をよぎった。

そういえば、ミギーが自分の名を鋭く叫ぶときといえば…

 

 「…仲間だ。」

 

こういうときであったのだから。

 

 

 

 

 

 背中の産毛が逆なでされたかのようであった。

まるでねとねととした巨大なベロでなめられたかのような。

凄まじい怖気と恐怖。

 

「…そ、その仲間は…どうしてるの。」

 

シンイチは訪ねる。 近いのなら、今すぐ逃げねば。

周りのヒトの命なんか知ったこっちゃない。ともかく逃げなければ。

 少なくとも、今の彼の思考の中には〝戦う″という二文字は無かった。

 

「ひとまず落ち着け。 脈拍が上がればこちらも落ち着かない…

直線距離で約二百メートル。真後ろだな。」

 

「…! ち、近いじゃないか!? どうして今まで気が付かなかったんだよ!?」

 

声を荒げてどうにもならないが、荒げずにはいられなかった。

が、ミギーは沈着冷静に、淡々と事実を告げる。

 

「わからん。 どうも妙なノイズ原のようなものがあるらしい。 それが邪魔をして、これほどまでに接近してようやく気付けた。

が、安心しろ、シンイチ。」

 

「何をどう安心しろっていうんだよ!?」

 

「…奴は今、車に乗っている。 時速約50Kmから60Km。時間帯と、奴の動きからして、どうやらバスだな。」

 

「バス…!?」

 

「そうだ。おまけに、相手はまだこちらに気づいてはいない。このまま人混みに紛れて登校してしまえば、まくことも容易だろう。」

 

なんだ、よかった…と、シンイチは心底ほっとする。

ヒトというのは安心するとここまで心臓が楽になるということを実感した瞬間でもあった。 

 

 だが

 

「…ん…? ちょ、ちょっとまてミギー。」

 

シンイチは何かが引っかかった。とても大切で、決定的な何かを。

 

何かの意味はすぐに知れた。

 

そうだ、この時間帯に通るバスといえば…

 

 視線の先に、誰もいないバス停がある。

シンイチはバス停に駆け寄ると、次の時間に通るバスのダイヤを確認した。

そんなことありませんように…という祈りと、あるはずがない、と必死に否定する気持ち。

朝からここまでのごちゃ混ぜになった感情に、やや吐き気を覚えつつ、シンイチは見つけた。

 〝私立聖祥大付属小学校行″

 

その文字を。

 

「…ぁ、ぁぁ…」

 

馬鹿な、あるはずがない。

だって

その学校は、いつも見ている〝あの子″…そして、幼き頃の〝親友"が通っている学校なのだから。

 

 

 

 

 「…どうした、シンイチ?」

 

「…なんでもない。なんでもないよ。」

 

そして、集合場所に着いた。

誰もシンイチの様子に目もくれない中、その横をバスが通り過ぎた。

 

ミギーの言う通り、シンイチを襲い掛かってこなかったソレ、の乗ったバスの裏の電光掲示板には、〝聖祥大付属小学校″の文字。

 

「…シンイチ、目を合わせるなよ。」

 

そんなミギーの言葉に聞く耳を持てず、シンイチは車内を見る。

 

そこには、いつものように笑う〝あの子″と、見慣れぬもう一人…

 

車内の前方の釣り手に捕まっている、一人の女性。

茶色のウェーブのかかった髪を肩まで伸ばし、いでたちは普通の教師然としている。

だが、乾いていて、少し色の悪い唇と…そして、やや無機質、言い方を悪くするのなら、虫のような、感情のない目が

 

ギョロリ、とシンイチの方を向いた。

 

 

 

 「…おい、〝ダメイチ″。ノロノロすんなよ。行くぞ。」

 

登校班の班長が、呆けているシンイチに向かって言う。

いつもは委縮してしまうその言葉に反応も忘れて、シンイチは早口でまくしたてた。

 

「…ごめん!忘れ物した! すぐにとってくるから、先に行ってて!」

 

「ハァ? ちょ、おい待てよ!」

 

 

 班長の制止を振り切り、シンイチは駆けだした。

 

走りは苦手なくせして、息を切らせながらバスを追うシンイチ。

道路のコンクリートを蹴りながら、シンイチは駆けていった。

 

「どうしたのだ? シンイチ。」

 

走りながらミギーはシンイチに問う。

 

「…分からない。分からないよ…」

 

泣き出しそうな、今にも逃げ出したいような表情で、シンイチは続けた。

 

「でも、今逃げたら…なんだかもっと怖い目に…」

 

それが本音だった。

ただただ、このまま〝彼女(?〉″を放っておいたら、自分はもっと後悔する…そんな気がしていた。

 

 戦うことは怖いが、逃げだすことは、もっと怖い。

かといって、具体的な解決策も、これといった根拠も、シンイチには持ち合わせていなかった。

客観的に見れば、ただの子供の癇癪といわれても仕方のない、実に非論理的で、感情的で、主観的なモノの考え方。

 

 ミギーには、それがわからなかった

 

この少年はよく分からない。

彼と生活をして十数日…そろそろ彼の性格がわかってきたのは言うまでもない。

本質的には、とても臆病で、脆弱で、けっして強い個体とは言えない…いや、

彼の周りにいるヒトから見れば、彼は〝並のヒト以下″であるということは明白である。

 しかし、そういった人物にありがちな幼稚な思考…根拠のない論理というものは、彼からはあまり感じられなかった。

いや、彼は〝しっかりと考える″人物である。

だからこういった〝他者の為に命を投げ出す″という行為には縁遠い少年であり、〝根拠もないのに危険に身を投じる”人物ではない。

にも拘らず。こうして今彼は走っている。

 

 何故だろう…ミギーは考える。

だが、結局わからなかった。

なぜなら、ミギーにとって一番大事なのは自身の命に他ならない。

シンイチが死ねば、自分も死ぬ。

それだけは、今現在はっきりとした関係である。

 

「シンイチ、何をしている!? 止マレ!」

 

「嫌だ!」

 

ミギーの制止も彼は聞かなかった。

恐怖で頭がどうにかなってしまったのか、シンイチは狂ったかのように走り続ける。

 

 

 いつの間にか、道路を走る車を追い抜いていることも気づかず。

 

 角を曲がる。

道を歩くサラリーマンがぎょっとして彼を見る。

 

そんな目も気にせず、シンイチは走り、門に激突した。

 

「…!? あ、イツツツツ…」

 

背中を強く打ち、悶絶するシンイチ。

その様子を呆れたように…いや、ややさげすむかのような声色で、ミギーは言った。

 

「君は何がしたいのだ、シンイチ? あちら側には敵意がなかった。 そもそも、〝喰うため″なら、あんな人目に付くような場所でやるわけがない。それはこれまでの事件から分かるだろう?」

 

「ぅ…ぅぅ…」

 

「それにしても、先ほどの脚力はいったい何だ? シンイチ。 君は…」

 

「シンイチ? アンタこんなところで何やってるのよ。」

 

シンイチは驚いて振り向く。

それは、今朝訊いたばかりの、なじみのある、女性の声。

 

「かあ、さん…?」

 

 

 

 

 

 

校門の前には、先ほど別れた母…七瀬が立っていた。




 シンイチ(以下シと表記)「なんか、作者がサボってるうちに、いろんな人たちがこの作品を見てくれたみたいだね。」

ミギー(以下ミ)「そのようだな。それにしても作者、本当にコレ終わらせる気があるのだろうか? このプロット見る限り私は…」

シ「それ以上はネタバレになるからやめようね。」

ミ「ネタバレ? 何だそれは。」

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