ハイスクールD×G~金色の伝説~   作:ジャッキー007

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ども、作者のジャッキーです。
今回は説明回なのでけっこう短く行きます。
あと、原作2巻 戦闘校舎のフェニックスは飛ばして月光校庭のエクスカリバー編に入っていこうと思います。


魔戒

東の管轄にある私立高校…駒王学園。

悪魔グレモリーが統括するという学校の旧校舎にある【オカルト研究部】の部室。

其処に、俺…暁光牙を始めとした魔戒騎士3人と黒歌、そしてフリードが助け出した少女…アーシア・アルジェントは居た。

「改めて、私はサーゼクス・ルシファーと言う。妹達を助けて頂き、感謝するよ」

俺達に対面する様にソファーに腰をかけている紅の髪を持つ男…サーゼクス・ルシファーは俺達を見て小さく笑みを浮かべた。

其の後ろには銀髪のメイドの他、リアス・グレモリーを始めとしたグレモリー眷属が控えているが…どうも好意的な眼で見ている訳ではないようだ。

 

「其処の彼女の事も気になるが…まずは、光の騎士殿に再びあえた事を喜ぶべきか」

そう言ってルシファーは黒歌を一瞥すると、視線を俺へと移してきた。

一瞥された瞬間、恐怖からか黒歌は小さく怯えた様に震えるが、俺が手を握ると次第に落ち着きを取り戻していくのが分かった。

「光の騎士…?お兄様、先程から何を」

「リアスも一度は読んだ事がある筈だ…嘗ての大戦で冥界が闇に屈しかけた時に現れた、光の騎士の物語を」

いまいち話が理解出来ていないリアス・グレモリーがルシファーに問いかけるが、返された言葉に思い当たる節があるのか眼を見開いた。

「あの物語…お兄様の書いた創作では無いのですか?!」

「あの…私も、昔教会で読んだ事があります」

グレモリーの驚きの言葉に続き、フリードの隣に控えていた少女も俺とフリードの姿を見る。

「ザルバ、お前何か知っているのか?」

『あぁ…と言っても、思い出したのはそこの魔王の言葉で漸くだがな』

光の騎士と呼ばれても何の事か分からずザルバに問いかけると、ザルバは思い出したように言葉を紡いだ。

『小僧、お前よりも数代前の牙狼がホラーの討伐の為に魔界に向かった時、紫色の空に覆われた場所に転移した事があったが…まさか、魔王がその時の生き残りとはな』

「ほう…其の声、君の指輪かい?」

ザルバの声を聞いたルシファーは俺を…正確には、左手の中指に填められたザルバを見据えて問いかける。

 

『俺様に気付くとはな』

「指輪が喋った?!」

ザルバをルシファーに向け、やはりといった表情で眼を細める彼だが、その後ろに居た茶髪の少年がザルバを見て驚いたように大声を上げる。

少年だけじゃない。

グレモリー眷属の全員が少なからず驚愕の表情を浮かべている。

『俺様はザルバ。代々黄金騎士と共にある魔導輪だ』

「黄金騎士…それも気になるが、私が此処に来たのは他でもない」

ザルバの言葉に小さく笑みを浮かべると、俺達を見定めるとルシファーは口を開いた。

「此処最近、悪魔の中で行方不明になった者が居る…その殆どに、ヤツらが関わっている事が発覚してね」

「ヤツら…?」

「リアス、君も見ただろう?我々よりも悪魔という名が相応しい、異形の姿を」

ルシファーの言葉にグレモリーは小さく首を傾げるが、続いて聞いた言葉に微かに顔を青ざめる。

 

「私たち…いや、三大勢力の全てがヤツらについて知りたがっている。話してくれるかい?」

俺達を見て問いかけてくるルシファーの姿に、俺は師匠へ目配せをする。

「師匠…どうしますか?」

「元老院から彼らが接触してきた場合、話した方が得策だと通達があった」

「そうですか…ザルバ」

師匠の言葉を確認した俺は、ザルバを見る。

『俺様が話すのか?』

「ホラーについてはお前の方が詳しいからな」

魔法衣からスタンドを取り出し、ザルバを外し彼らに見えるように机に設置すると、仕方ないと溜息を吐いた後…ザルバは口を開いた。

『俺様が直々に話してやろう。お前達が知りたがっていることについてな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-zaruba side-

 

太古の昔から、光があるところには闇に潜んでいる。

魔獣ホラー…ヤツらは魔界に棲み、人間界に現れては人を喰らった。

人間の邪心から生まれる闇、陰我をゲートにホラーは現れ…人間の心の闇に憑依し、その人間に成り代わる。

そうしてホラーは人間を襲い、その肉体と魂を喰らう。

 

ホラーに抗う術を持たなかった人間達は、闇を恐れた。

そんななか、一部の人間はホラーと戦うため、ある存在と契約を結んだ。

大いなる力、大魔導輪ガジャリ。

人間はガジャリと契約を結び、魔界の力を操る知識と術を授かった。

それが、魔戒法師の誕生だ。

法師たちは魔導力を操り法術を編み出す事で、ホラーと戦う力を得た。

だが、法師の力でも完全にホラーを討滅させる事は叶わなかった。

 

そこで、より戦闘に特化し、ホラーを討滅させる事が出来る人間を育成する事にした。

そうして誕生したのが、魔戒騎士だ。

魔戒騎士はソウルメタルで作られた武器を操り、鎧を召喚してホラーの陰我を断ち斬る。

騎士の鎧と剣は代々一子相伝、その称号は連綿と受け継がれている。

人間の邪心がある限り、ホラーと魔戒騎士、法師の戦いは終わらない。

それこそ、人間という種が滅ぶまではな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-Knight’s side-

 

『これが、お前達が知りたがっていた事だ』

そう締めくくるザルバの言葉に、ルシファーは神妙な顔で考える素振りを見せていた。

「…そんな存在が、この街にいるなんて」

ぎり、と歯を食いしばらせてグレモリーが呟くのを聞いて、俺は口を開いた。

「…どうするつもりだ、グレモリー」

「決まっているじゃない!この地を管理する上級悪魔として、私たちもそのホラーと戦うわ」

俺の言葉に、グレモリーは強い決意を秘めたように言葉を発し、俺を見る。

よく見れば、彼女の側に控えていた眷属達も同様の目つきで俺を見ている。

…だが。

「残念だが、お前達では無理だ」

俺は、彼女達を一瞥すると冷たく言い切った。

「どうしてそう言い切れるのかしら?」

「…それは、私が説明するわ」

グレモリーは俺を睨むように問いかけてくるが、それに答えたのは…黒歌だった。

 

「…私が法師としての修行を受けていたとき、師匠と確かめたのよ。私たち悪魔でも、ホラーに太刀打ちできるかどうか」

黒歌はグレモリー達を見据えると、先程までと違い真正面から彼女達に言葉を紡ぐ。

「結果は駄目だったわ。持てる魔力の全てを込めた攻撃も、仙術も…ホラーにはかすり傷を負わせるのが精一杯だった」

「その報告を受け、何度か同じ方法を様々な状況で試した結果…ホラーを倒せるのは俺達魔戒騎士か、魔戒法師のみだという事が分かったんだ」

黒歌の言葉に続き、師匠がルシファーへと口を開いた。

「恐らく、それは堕天使や天使であっても関係はない。ヤツらに有効なのはソウルメタルで作られた武具での攻撃か、魔導力を用いた法術に限られる」

「…それでも、私たちは…」

師匠の言葉を聞いてもなお、グレモリーは未だ食い下がる。

相当、自分の立場や力に自信があるんだろう。

 

「…では、お前達は友人や大切な者を殺す覚悟があるのか?」

だが、俺の発した言葉で、グレモリー眷属達は眼を見開き、室内を静寂が支配した。

「どんなに大切な人だろうが…ホラーは僅かな心の闇をつき、憑依する。その時…お前達に、その大切な人の姿をしたホラーを討滅する覚悟はあるのか?」

「で、でも…ホラーだけを倒せば!」

俺の言葉に茶髪の少年が食いつくが…その言葉は、此れまでの話をあまり理解出来ていないように思えた。

「ザルバの話を聞いていなかったのか?ホラーに憑依された人間は、その時に肉体と魂を喰われ成り代わられる。たとえ、お前の友人や親の姿をしていようが…それはもう人間じゃない、同じ姿を真似た人食いの魔獣だ」

冷たく、非情な現実を突きつけると、少年は顔を俯かせて拳を握る。

その姿を見て、ルシファーが口を開いた。

「…嘗ての大戦で冥界にホラーが現れた時、我々は何も出来なかった」

 

 

「戦友や恋人にホラーが憑依し、戦う事を躊躇ったばかりに喰われた者達が居た…そんな彼らを、私たちは見ているしか無かった」

「超越者とさえ呼ばれた私であっても…光の騎士殿に助けられなければ、今頃ここに居なかっただろう」

ルシファーの言葉に、自分たちでは太刀打ち出来ない事を漸く理解したのか、グレモリー眷属は悔しそうに歯を食いしばる。

「ホラーが悪魔や堕天使に憑依すれば、たとえ素体であっても脅威となる。いくら強力な力を持った魔王でも、倒す事は出来ないだろう」

「…ホラーに関しては、君たちの協力を仰ぐ他ないという事だね」

師匠の言葉に、ルシファーも小さく首肯きながら返事を返す。

「…分かった、人間界に現れたホラーの対処に、我々悪魔は関与しない事としよう」

 

「さて…」

俺達の話を聞き終え、互いに確認をとり終えるとルシファーは黒歌を見た。

「ヤツら…いや、ホラーについては分かったのだが、此処からは彼女達について話をしよう」

その言葉に、此れまで沈んでいたグレモリー眷属達も顔を上げ、黒歌と少女を見る。

特に白髪の少女…黒歌の妹は、複雑な表情を浮かべて黒歌を見ていた。

「…その前に、アンタに提案がある」

「…何かな?」

ルシファーの言葉を遮った俺に、この場の全員が視線を集める。

その空気に気圧される事無く、俺は口を開いた。

「冥界に現れたホラーの討滅、その協力を申し出たい」

「…ふむ。そうして戴けるのは有り難いが、君たちに対してのメリットがないのではないか?」

俺の言葉に、ルシファーは品定めをするような眼で見てくる。

黒歌から聞いたが、悪魔とは契約を重んじる種族だ。

「あぁ…だから、俺はアンタと契約を結ぶ」

「光牙?!」

ルシファーに掛けた言葉に、黒歌は驚いた表情で俺を見る。

黒歌だけじゃない、フリードも俺を見て何かを考えているようだ。

唯一…師匠は、俺の意図に気付いているのか小さく首肯いて静観しているが。

「私と契約を…本気かい?」

「あぁ…対価はさっき言った通り、冥界にホラーが出現した時の討滅とゲートの封印だ」

「…それで、君の願いとは?」

互いに内に隠している思惑を見透かそうとするように見つめ合った後、俺は

 

「…黒歌に科せられたSS級はぐれ悪魔の認定、それを外してくれ」

長い間胸に秘めていた願いを口にした。

 

『な…っ?!』

室内に居た全員が、俺の口にした願いに息を呑む。

ただ二人…師匠とルシファーは分かっていたと言わんばかりに小さく笑みを浮かべている。

「その様子だと、黒歌の罪状に偽りがあった事に気付いていたようだな」

「最初から、ではないがね。彼女が嘗て属していた悪魔には後ろ暗い噂があった為に調べていてわかったのさ」

微かに笑みを浮かべているルシファーに問いかけると、彼は俺を見て此れまでの事で掴んでいた事を話してくれた。

元主であった悪魔が裏では人身売買を行っていた事、黒歌の持つ仙術に眼を付け…それを、当時幼かった妹にも目覚めさせることを強要していた事。

黒歌の口から聞いた話だったが、グレモリー達には衝撃的だったようで、話を聞いていた全員が眼を見開いている。

「それで、契約は成立するのか?」

「あぁ、契約は成立。冥界に戻り次第、黒歌のはぐれ認定は解除しよう」

ルシファーの言葉に、小さく息を吐く。

隣に立つ黒歌は、信じられないという表情で俺を見つめているが…次第に状況を飲み込めたのか、顔を綻ばせ、その眼に涙を浮かべると俺に抱きついてきた。

「光牙…!」

「…黒歌、これで君は自由だ」

 

「では、私達は冥界に戻るよ…黒歌の認定を取り消す準備があるからね」

「…待ってくれ」

全ての話を終え、ルシファーがメイドとともに魔方陣に立った時…彼を呼び止める人物が居た。

俺達の隣に控えていた銀髪の魔戒騎士…フリードだ。

「フリード君…?」

金髪の少女が心配そうに魔法衣の袖を握っているが、フリードは決意した様子でルシファーを見据えている。

「…君も、私に話があるのかい?」

「アーシアを、この学園に通わせて欲しい」

「え…っ?」

その表情から何かを感じ取ったルシファーが問いかけると、フリードは絞り出すように口を開いた。

「彼女をかい?」

「アーシアは教会に招かれてからずっと、世間にあまり触れる事無く暮らしてきた…それから解放された今、普通の女の子として生きて欲しい。それに…四六時中守れる訳じゃないからな」

「なるほど…それに関しても、私から手配しておこう」

フリードの言葉を聞き、改めて少女を見たルシファーは小さく笑みを浮かべ首肯くと冥界へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルシファーとの邂逅、そして話し合いを終えた俺達は暁邸へと帰り着いた。

「師匠、ありがとうございました」

「気にするな、6年ぶりにお前に会えた事だしそれで手打ちだ」

門の前で一礼すると、師匠は俺に背を向けて去っていく。

恐らく、元老院に今回の事を報告しにいくのだろう。

「あ、あの…」

師匠を見送っていると、後ろから声をかけられる。

その声に視線を移すと、其処にはフリードが助け出した金髪の少女…アーシア・アルジェントが立っていた。

「たしか…アーシア、だったか」

「は、はい」

俺の質問に小さく首肯き、アーシアは俺に向け深く頭を下げた。

「このたびは、助けて頂きありがとうございました」

「…礼ならフリードに言え。君がホラーに囚われていると知ってからずっと、心配していたからな」

アーシアの言葉に応えると、彼女はキョトン、としていたが暫くして顔を綻ばせ「はい」と笑みを浮かべる。

「光牙ー!」

「…さて、行くか。黒歌達が待っている」

「はい…これから、よろしくお願いします」

邸宅のドアの前から、黒歌の呼ぶ声が聞こえる。

俺は、アーシアに声を掛けると暁邸の中へと入っていった。




日夜陰我を封印する魔戒騎士と法師達。
だが、彼らが守っているものを知る事も必要だと俺様は思うぜ
次回 【日常】
世間知らずとは聞いていたが、あのシスター大丈夫か?
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