佳奈多アフター~It's a Wonderful Cross Life~ side Kanata 作:月の海
看病の甲斐もあってか理樹の風邪もすっかり良くなった。
理樹は井ノ原が風邪を引いたことを聞き、男子寮に向かった。
理樹から聞いた話によると井ノ原が風邪を引いたのは出会ってから初めてのことだそうだ。
きっと気付いてないだけだと思うけど。
そういうわけで今日は葉留佳と二人での買い物だ。
葉「それにしてもお姉ちゃんと二人でお出かけって久しぶりですネ」
佳「そうだったかしら?」
葉「そうですヨ。お姉ちゃん理樹君にべったりだし」
佳「仕方ないわよ、好きな人と一緒に暮らしてるんですもの」
葉「自然に惚気ますなぁ~」
葉留佳がニヤニヤ言ってくるのでちょっとムッとする。
佳「何よ?」
葉「お姉ちゃん変わったよね」
佳「…たしかにそうね」
葉「理樹君とのこともそうだけどさ、こうして並んで歩いてるのも半年前には思いもしなかったですヨ」
佳「えぇ」
葉「だからさ、毎日楽しいんだ。お姉ちゃん達と一緒に過ごすの」
佳「…………」
葉「でもさ、私、お姉ちゃん達の邪魔になってないかな?もしもそうなんだったら私は両親ズの家に帰っても―」
佳「葉留佳」
葉留佳が言い終わる前に遮った。
葉「…………」
佳「一緒に暮らしてる好きな人の中にはあなたも含まれているのよ。だから邪魔なんて思ったことはないわ」
葉「お姉ちゃああぁぁぁんっ!!」
葉留佳はいきなり私に抱きついてきた。
佳「ちょっと葉留佳!?」
葉「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」
連呼しながらすり寄せる葉留佳。
何事かと私達を見る視線がとても恥ずかしかった。
佳「『このニート働け』とは時々思うわ」
半分くらいもう諦めてるけど。
葉「うぐっ……」
佳「まぁ、いいわ。あなたの好きなようにしなさい」
葉「うん」
「ありがとう」と葉留佳。
お礼を言うべきなのは私の方なのに。
葉「ねぇねぇお姉ちゃん見て見て。もうクリスマス一色ですヨ」
もう話を切り上げようとしたのか、天然なのか分からないが葉留佳は商店街を指差して言った。
佳「もうクリスマスは明日だもの。当然よ」
樹にはイルミネーション用の飾りが取り付けられ色とりどりに輝いていた。
店頭にはケーキの注文募集のポスターが貼られていたり、リースが飾られていたりといかにもクリスマスといった様子だった。
葉「もうプレゼントの準備は出来てる?」
佳「当たり前じゃない」
明日はリトルバスターズの面々とクリスマスパーティーをすることになっている。
そこでプレゼント交換をするとのことだ。
葉「さすがお姉ちゃんですね」
佳「あなたまさか」
葉「やはは、今日中に買いますよ」
佳「はぁ…」
葉「ちなみに何買ったんですか?」
佳「明日のお楽しみよ」
葉「それもそうだね」
私が買ったのはマグカップだ。
面白みがないと言われるかもしれないが、男性陣に渡っても大丈夫なものが思いつかなかったので無難なマグカップにしたのだった。
もちろん柄は理樹の好みに合いそうなものを買った。
佳「とりあえず今日の分の買い物済ませたら小物屋に行きましょうか。そこなら何かあるでしょ」
葉「それじゃあ、れっつごー!」
買い物を済ませた後、私達は予定通り小物屋に入った。
葉留佳が物色している間、私は別行動で店内を見て回った。
あるものが目についた。
私はそれを手に取った。
葉「お姉ちゃん~」
葉留佳は綺麗に包装された箱を持ってやってきた。
佳「欲しいものは見つかった?」
葉「ばっちりですヨ。お姉ちゃんそれ買うの?」
私の手にあるものを見ながら聞いてきた。
佳「えぇ」
店員「ありがとうございました~」
それぞれ買ったものを持ち店を出る。
葉「理樹君も喜んでくれると思いますヨ」
佳「そうだといいけど」
葉「だいじょぶじょぶ」
理樹、喜んでくれるかしら?