佳奈多アフター~It's a Wonderful Cross Life~ side Kanata 作:月の海
全「「メリークリスマス!!」」
パンッパンパンパンッ
掛け声と同時に皆が一斉にクラッカーのひもを引く。
恭「じゃんじゃん食ってじゃんじゃん飲んで今日は楽しもうぜ!」
智「私達が参加してもよかったのだろうか?」
恭「もちろんだ。一緒に遊んだからにはもう仲間だからな」
智「仲間、か。そうだな、私達は仲間だ」
納得したらしい。
既に井ノ原はフライドチキンにがっついている。
真「肉うめぇーー!!」
謙「もう少し落ち着いて食え。他のやつらの分がなくなるだろ」
真「だってよ、目の前に肉があるのに食わない方がヤゴってもんだろ?」
ヤゴ?あぁ野暮ね。
葉「お馬鹿だね、真人君」
真「何だと!?」
葉「ヤゴじゃなくてヤドですヨ」
…葉留佳、どっちも馬鹿よ。
「そうだったのか」と唸る井ノ原。
「ふふん」と胸を張る葉留佳。
敢えて誰も間違いを指摘しなかった。
岡崎さんは笑いを堪えるのに必死で震えている。
河南子は訳が分からないという顔だった。
河南子もか。
小「あ、あはは…」
神北さんは苦笑いを浮かべていた。
魚「この三人でクイズ大会でもすれば面白そうですね」
恭「面白そうだな、それ採用」
西園さんの思いつきに棗先輩が食いついた。
恭「第一回お馬鹿は誰だ?クイズ大会~」
タイトルがもう三人に喧嘩を売ってる気しかしないのだけど。
恭「これから俺達でクイズを出していく。真人、三枝、河南子はそれに答えていけ。合ってたら+1ポイント間違えたら-1ポイント、お手つきはないが一人が答えたら正解にしろ不正解にしろ次の問題な」
真「やってやるぜ!」
葉「負けませんヨ」
河「まぁ負けはないっしょ」
三者三様の答えで参加の意思を示した。
恭「それじゃあ理樹、トップバッターはお前だ」
理「えぇ僕!?うーん、じゃあ平成の前は?」
流石に簡単すぎじゃないかしら?
真「はいっ!」
真っ先に井ノ原が手を上げる。
他二人は少し出遅れた。
恭「真人」
真「江戸!!」
恭「不正解」
真「うおぉぉぉー!!」
最初からエンジン全開だった。
恭「次、西園」
魚「力の限りを尽くすことを骨という漢字を使って何というでしょう?」
河「はい」
恭「河南子」
河「粉砕骨折♪」
恭「はずれだ」
河「…まじっすか」
恭「マジだ」
魚「正解は粉骨砕身です。惜しいと言えば惜しいですね」
恭「次、来ヶ谷」
唯「うむ、『What in the world did you do?』を訳せ」
ク「えーっと、えーっと」
横でクドリャフカも一緒に悩んでいた。
葉「はい!」
恭「三枝」
葉「お前は世界に何をしたんだっ!?」
朋「ぶはっ」
遂に岡崎さんは堪えきれずに噴いた。
恭「間違いだ」
葉「え~」
その後も珍解答は続き、結果、-3ポイントずつで同率首位となった。
この先、この子達は本当に大丈夫なんだろうか?
恭「余興も終わったところでいよいよお待ちかねのプレゼント交換だ」
それぞれ買ったものを出した。
恭「準備はいいな。曲が止まったところで終了だ。それじゃあスタート」
軽快な音楽と共にプレゼント交換が始まった。
何周かしたところで曲が止まった。
恭「ここでストップだ」
私の元に回ってきたのは小さい箱だった。
恭「じゃあそれぞれ開けるぞ」
皆が渡ったプレゼントを開ける。
私も箱を開けてみた。
佳「何これ?」
中に入っていたのはある缶詰だった。
唯「佳奈多君に渡ってしまったか」
どうやら来ヶ谷さんの差し金だったらしい。
というか来ヶ谷さん以外に考えられないけど。
唯「どういうものかは佳奈多君は知っているだろう?」
佳「えぇ」
唯「男共の誰かに渡したかったところだが仕方ないな」
佳「タチが悪いですよ」
唯「はっはっは、ちょっとしたジョークだよ」
来ヶ谷さんが用意したこの缶詰、シュールストレミング。
通称、世界一臭い缶詰だ。
こんなところで開けたら地獄絵図になるだろう。
渡ったのが私だったのでよかったが井ノ原あたりに渡っていたら大惨事になっていただろう。
理樹に渡ったのは智代さんの選んだ白くまのぬいぐるみだった。
今度ともと三人で遊ぶ約束をしていた。
小「ほわぁっ!?」
神北さんが突然大きな声を出して倒れた。
葉「こまりんに渡ったんですネ」
神北さんが持っていたのはびっくり箱だった。
佳「まったくあなたは」
葉「やはは、ここまで驚いてもらえるとは思わなかったですヨ」
佳「神北さん動いてないわよ」
葉「え?こまり~ん?」
小「きゅ~……」
佳「気絶してるわ」
葉「あちゃ~」
プレゼント交換も終わり、食べるものも食べ終えたところでお開きとなった。
家路に着くまで三人で並んで歩く。
葉「楽しかったね」
理「うん」
佳「えぇ」
葉「こんなに楽しいクリスマスは初めてだよ」
私達は今までこんな風にクリスマスを過ごしたことがなかった。
理「これからは毎年出来るよ」
佳「でも、理樹と二人きりでのクリスマスも捨てがたいわ」
理「それは僕もかな」
葉「私もいるんですけど」
いつものように葉留佳がツッコむ。
葉「ねぇお姉ちゃん、あれ、もう理樹君に見せたら?」
佳「そうね」
理「?」
葉留佳に促され、私は昨日買ったものを取り出した。
佳「はい、私からのクリスマスプレゼントよ」
理樹に渡したそれは写真立て付きのカレンダーだった。
佳「これからも一緒に過ごしていくから記念日を増やしていきましょう」
理「あははは」
理樹が突然笑い出した。
私も葉留佳もわけがわからずきょとんとした。
理「ごめんごめん、考えることは同じだなって」
そう言って理樹が取り出したのは同じく写真立て付きカレンダー。
理「小物屋で見つけて買ったんだよ」
可笑しさがこみあげてきて私達も一緒になって笑った。
葉「似たものカップルですネ」
その通りだと思う。
理「明日写真を撮ろうよ」
佳「えぇ、撮影は智代さん達に頼みましょう」
葉「えっと」
佳「もちろんあなたも入るのよ?」
葉「!うんっ!」
今、私達の家のテーブルの上には二つのカレンダーが並んで置いてある。