佳奈多アフター~It's a Wonderful Cross Life~ side Kanata   作:月の海

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私は友達が多い(仮)

佳「手伝ってもらえて助かるわ」

 

恭「お安い御用さ」

 

真「この筋肉にまかしときな」

 

そう言って軽々と引き出しを出すことなくタンスを持ち上げる井ノ原。

 

いつもは圧迫感と暑苦しさしか感じられないこの筋肉も今日この日ばかりは頼もしい。

 

今日は12月31日大晦日、皆に手伝ってもらい大掃除をしている最中だ。

 

元々荷物自体は少ないのであまり作業という作業もないのだけれどこの機会に隅々まで掃除してしまおうと彼らに協力を仰いだのだった。

 

どうしても理樹や私達の力ではどうしても時間がかかってしまう。

 

快諾してくれた彼らのおかげでスムーズに事が進んでいた。

 

理「佳奈多、これはここでいいかな?」

 

佳「えぇ、そこに置いておいて」

 

理樹も自分の出来る範囲で働いている。

 

来ヶ谷さんはそれを見てニヤニヤしていた。

 

佳「何をニヤニヤしてるんですか」

 

唯「いやなに、理樹君もすっかり佳奈多君を呼び捨てにするようになったのものだと思ってな」

 

佳「そ、それは恋人同士なのですからファーストネームで呼び合うのは当然です」

 

唯「うむ、仲良きことは美しきことかな。それで式の日取りは決まったか?仲人としてははっきり決めてもらいたいものだが」

 

理&佳「「ぶっ!」」

 

思わず吹き出してしまった。

 

唯「レディとして、そういう反応は感心しないぞ」

 

佳「すみません、っていうか式って……というより来ヶ谷さんが仲人って決めてませんよ」

 

唯「なん…だと……」

 

まるで騙されたような反応をする来ヶ谷さん。

 

唯「君の√ではいいタイミングで登場してやったではないか」

 

佳「?」

 

何を言っているのだろう?

 

佳「とりあえず、まだそんな余裕はありません。本当に式を決める時に仲人は考えます」

 

唯「結婚は決まっているのだな」

 

佳「なっ!?」

 

唯「はっはっはっは」

 

来ヶ谷さんはしてやったりという感じだった。

 

いつか仕返しをしてやると心に決め、掃除を再開した。

 

 

 

佳「お疲れ様、お茶をどうぞ」

 

恭「ありがとさん」

 

謙「働いた後の一杯はいいものだ」

 

真「筋肉に染み渡るぜ」

 

葉「たっだいま~」

 

掃除が終わったので男達にお茶を振る舞っていると葉留佳達残りの女子メンバーがちょうどよく帰ってきた。

 

佳「おかえりなさい、寒かったでしょ?今お茶入れるわ」

 

小「かなちゃんありがと~」

 

ク「ありがとうございます~」

 

この二人のぽわぽわオーラは癒されるわね。

 

魚「とりあえずメモにあったものは買ってきました。後で確認お願いします」

 

佳「ありがとう」

 

鈴「掃除は終わったのか」

 

理「うん、さっき終わったよ」

 

鈴「それじゃあ一緒に遊ぼう。すごろく持ってきたんだ」

 

理「いいけどまずは準備が終わってからね」

 

理樹の言う準備というのは年越しパーティーの準備のことだ。

 

手伝ってもらう代わりに場所を提供することになっていたのだ。

 

鈴「わかった今すぐ準備するぞ」

 

そんなにやりたいのね、すごろく。

 

佳「帰って来たばかりでなんだけど手伝ってもらっていいかしら?」

 

小「うん、鈴ちゃんもやる気満々だしいいよ~」

 

ク「パニャートナ(了解です)!」

 

魚「冷え症なので少し温まってから参加させていただきます」

 

唯「では私と温めあおうか?」

 

魚「やっぱり働くことにします」

 

唯「つれないな」

 

葉「姉御姉御、私のここ開いてますよ」

 

唯「さて私もたまには動こうじゃないか」

 

来ヶ谷さんは葉留佳を無視して台所に来た。

 

葉「ひどっ!?」

 

佳「葉留佳は飾り付け頑張ってちょうだい。あなたにしかできない仕事よ」

 

葉「やはは、お姉ちゃんがそこまで言うなら頑張りますヨ」

 

葉留佳は張り切って飾り付けを始める。

 

その様子を見て来ヶ谷さんが小声で話しかけてきた。

 

唯「葉留佳君の扇動、うまいじゃないか」

 

佳「何年あの子の姉をやって来てると思ってるの?」

 

唯「それもそうだな」

 

はっはっはと笑う来ヶ谷さん。

 

唯「まぁ葉留佳君よりも問題はこっちだな」

 

来ヶ谷さんの視線は台所に向いていた。

 

小「クーちゃんちょっとそっち詰めて~」

 

ク「限界です~」

 

鈴「めちゃくちゃ狭いな。いやもうくちゃくちゃ狭い…」

 

魚「全員では無理そうですね」

 

棗さんの言う通り台所が狭すぎてぎゅうぎゅう詰めになっているのだ。

 

佳「時間はかかるけど人数減らしてやるしかないでしょう」

 

唯「賢明だな」

 

佳「ちょっと皆―」

 

智「佳奈多、差し入れに来た」

 

皆に指示しようとした矢先に智代さんが現れた。

 

佳「そうだわ、ねぇ智代さん。台所借りてもいいかしら?」

 

智「あぁ、構わないぞ」

 

佳「それじゃあ二手に分かれて準備しましょう」

 

 

 

智代さん達も加入してくれたおかげで作業効率もだいぶ上げることができ、日が暮れる前に全ての準備が整った。

 

恭「今年は我らリトルバスターズのメンバーが揃った記念すべき年だ。これからのバスターズの発展と―」

 

鈴「乾杯」

 

全「「乾杯!」」

 

恭「鈴……」

 

棗さんに乾杯の音頭を取られた先輩は悲しそうだった。

 

まぁパーティーの前の話なんて誰も聞きたくないでしょうし、皆棗さんGJと思っているだろう。

 

真「食うぜ~超食うぜ~」

 

謙「毎度のことながら変わらんな」

 

葉「あー真人君取りすぎ!」

 

河「すげぇ食いっぷりだな」

 

井ノ原は例のごとく肉を食い漁っている。

 

小「鈴ちゃんの作ったこれおいしいよ」

 

鈴「こ、これは小毬ちゃんも手伝ってくれたから…」

 

智「うん、これはいい出来だと思う」

 

ク「おいしいのです」

 

と「おねぇちゃんのりょうりすごくおいしいー」

 

鈴「////////」

 

棗さんは料理を褒められて照れている。

 

鷹「やっぱりこうなるんだね」

 

魚「パーティーらしくていいじゃないですか」

 

鷹「まぁね。美魚姉ぇは入って行かないの?」

 

魚「あの中に入るのは酷く苦労しそうですし」

 

朋「西園はこいつらの中では珍しく落ち着いてるな」

 

魚「元々独りでしたから」

 

朋「なら楽しいだろ、こういう空気も」

 

魚「まぁ」

 

テーブルから少し離れたところでは三人が話している。

 

それが合わさってわいわいがやがやとした喧騒になっていた。

 

佳「まったく騒がしいわね、あなた達が揃うと」

 

理「あはは、そうだね。でも」

 

唯「それがいい。こうして馬鹿やれる仲間がいるというのは何よりの宝だよ」

 

佳「そうですね」

 

理「佳奈多だってもう僕らの仲間だよ」

 

佳「ありがとう、理樹」

 

もう輪の外から見守らなくていいんだ。

 

そう理樹は言ってくれた。

 

だから私はこれからも歩んでいく。

 

この愛すべき馬鹿な友達達と共に。




今年ももう後何分もない。

クドリャフカや棗さんは遅くまで起きていることに慣れていないようで既に寝てしまっている。

佳「神北さんは眠てないのは意外だったわ」

読書が趣味の西園さんはともかく神北さんがこんな時間まで起きられるとは思わなかった。

小「たまに星を見に行ったりしてるからだいじょ~ぶなのです」

佳「天体観測もたまにはいいものね。今度一緒に連れてってもらえるかしら?」

小「う、うん、い、いいよ~」

何故か苦笑いの神北さん。

どうかしたのかしら?

恭「さぁ秒読みだ」

棗先輩の声掛けと共に秒読みを開始した。

真「10」

謙「9」

朋「8」

鷹「7」

智「6」

魚「5」

唯「4」

葉「3」

佳「2」

理「1」

全「「あけましておめでとう!!」」ク「わふっ!?」鈴「なんだっ!?」

全員の声に一度は驚いて起きた二人だったが眠気の方が勝ったらしくまた眠りについた。

その様子を見て皆で声を殺して笑いあった。

きっとこれからもこうして笑いあっていくのだろうと私は漠然に思っていた。
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