佳奈多アフター~It's a Wonderful Cross Life~ side Kanata 作:月の海
佳「理樹…」
理「佳奈多さん…」
見つめ合いキスをする。
葉留佳は今日、西園さん達に連れられウィンドウショッピングに行った。
私もどうかと誘われたが理樹と過ごしたかったので今回は断った。
久しぶりの理樹との二人っきりの時間。
毎日のようにキスしているがそれでも鼓動が高鳴り、一向に飽きるなんてことはなかった。
しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。
?「…………」
佳「?」
どこからか視線を感じ玄関の方を見ると開いているキッチンの小窓から誰かが覗いていたことが分かった。
隠れたつもりなのだろうがさっき見てしまった以上続けるわけにもいかない。
理樹から離れ玄関に向かう。
理「ど、どうしたの?」
角度的に理樹は気が付かなかったようで私の行動に動揺していた。
佳「これよ」
ガチャッと扉を開けると恐る恐るといった感じに覗いていた犯人が顔を出した。
鷹「ごめん!佳奈多姉ぇ、理樹兄ぃ!」
頭を下げるこの少年は智代さんの弟、鷹文君。
私達を理樹兄ぃ、佳奈多姉ぇと呼び慕ってくれている。
理「別に鷹文になら見られてもいいけど、覗きは感心しないよ」
鷹「覗くつもりはなかったんだって、兄ちゃんにゲームするから理樹兄ぃがいたら呼んで来いって―――って、え!?見られていいの!?」
理「うん、別に。佳奈多さんもいいでしょ?」
佳「えぇ、知らない人ならともかく、鷹文君なら構わないわ」
さっきは知らない人の可能性もあったから続けなかったが、最初から鷹文君だと分かっていれば気にせずにいただろう。
鷹「へ~、理樹兄ぃも佳奈多姉ぇも変なトコ吹っ切れてるね」
理&佳「?」
鷹「そんな何言ってるのこいつ?みたいな目で見ないでよ、僕がおかしいみたいじゃん」
理「まぁ僕達はいいけどあんまり智代さんと岡崎さんのは覗かないようにした方がいいと思うよ。智代さんちょくちょくヘコんでウチに来てるし」
鷹「どれも事故だから僕の意図じゃないんだけど」
佳「それでも気を付けるくらいは出来るでしょう?」
鷹「ん、まぁわかったよ。あんまり理樹兄ぃと佳奈多姉ぇに迷惑かけるのも悪いしね」
佳「その気遣いを数分前に発揮してくれれば尚よかったんだけど」
鷹「だから悪かったって」
まぁいじるのもこのくらいにしておこう。
鷹「それで、どうする理樹兄ぃ?やめとく?」
理「う~ん」
佳「行ってきていいわよ理樹、なんかそういう雰囲気じゃなくなっちゃったし」
少し寂しい気もするが気が乗らなくなったのも事実だった。
理「わかった」
鷹「ほんとごめん」
佳「いいのよ、楽しんできて」
理「じゃあ行って来る」
佳「いってらっしゃい」
軽くキスして見送った。
鷹「本当に僕の有無は関係ないんだね」
それだけ言い残して理樹と鷹文君はお隣へ入って行った。
智『なんでお前はいつもいつもこんなタイミングで来るんだっ!!』
どうやら鷹文君はそういう星の下に生まれたらしい。