佳奈多アフター~It's a Wonderful Cross Life~ side Kanata   作:月の海

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鷹文くんと河南子さん 後編

智「お邪魔してもいいだろうか……?」

 

先程の叫びから間もなく智代さんがウチに来た。

 

佳「どうぞ、はい、お茶」

 

もう来ることは分かっていたので既にお茶の準備はしてあった。

 

智「…………」

 

佳「…………」

 

どちらも何も話さない。

 

何度か繰り返すうち、この形が一番いいことが分かった。

 

智代さんに必要なのは落ち着く時間なのだ。

 

もちろん話しかけられれば答えるが、とりあえずは様子見で自力で復活するのを待つのが最善だった。

 

ピンポーン

 

智代さんをこのままにしておくのも忍びないが出ないわけにもいかないので鍵を開け扉を開けた。

 

恭「よう二木」

 

いたのはバスターズの男達だった。

 

謙「相変わらず元気そうだな」

 

佳「おかげさまでね」

 

真「理樹はいるか?」

 

佳「隣でゲームしてるわ、行ってみたら?」

 

真「よっしゃあ!今すぐ行くぜ!」

 

謙「少しは落ちつけ」

 

真「だってよ、理樹だぜ?」

 

謙「そう言われると確かに……」

 

どんだけ理樹が好きなのよ?

 

…まぁ、私以上ってことはないでしょうけど。

 

二人は先に隣へ入って行った。

 

恭「ところでそこにいるのは誰なんだ?」

 

智代さんは女子メンバーは何度か会う機会があったが、今思えば、男子メンバーと会うのはこれが初めてだった。

 

佳「今ちょっとヘコんでますから、また後で紹介します」

 

棗先輩は中の智代さんの雰囲気を察したらしい。

 

恭「わかった、何でヘコんでるのかは知らんが元気づけてやれよ」

 

佳「先輩に言われなくてもそうします」

 

恭「じゃあな」

 

短くそう言うと棗先輩も隣の騒ぎに加わった。

 

 

~少しして~

 

智「ありがとう、もう大丈夫だ」

 

佳「そう、よかったわ」

 

智「毎度ながらすまない、やっぱり見られるのは恥ずかしいんだ…」

 

照れる智代さんは同性の私から見ても可愛かった。

 

智「それにしても鷹文の奴、狙ってやってるんじゃないだろうか?」

 

佳「それはないんじゃないかしら」

 

少なくともさっきは完全に偶然だった。

 

智「むぅ………」

 

コンコン

 

河「先輩います?あ、いた」

 

チャイムではなくノックをし、普通に勝手に入ってきたのは智代さんの後輩で鷹文君の元彼女でもある河南子だった。

 

呼び捨てにしてほしいとの本人の希望で私も呼び捨てで呼んでいる。

 

どことなく葉留佳に似ている気がした。

 

佳「河南子、なにさらっと入って来てるのよ」

 

河「鍵開いてたんで」

 

智「だめじゃないか、不法侵入と変わらないぞ?」

 

河「あーすいません、以後気を付けます」

 

絶対またやるわね。

 

佳「それで?どうかしたの?」

 

河「いやー鷹文で遊ぼうと思ってさっき隣に入ったんですけどなんかむさい野郎共の溜まり場になってるじゃないですか?しかもめちゃテンション高いし、怖くて逃げてきたんですよ」

 

容易に想像できる光景だった。

 

佳「理樹の親友達よ」

 

河「へぇ理樹先輩の親友ですか、ちょっと意外だなー。ああゆうアグレッシブなタイプ苦手だと思ってました」

 

佳「まぁ小学生くらいからの付き合いなのもあるんじゃないかしら。それに全員理樹に対して異様に好意的だし」

 

河「アーーーッ♂ってやつですか」

 

佳&智「??」

 

河「…ネタふる相手間違ったな…」

 

よく分からないが反省しているようだった。

 

河「とまぁそれはおいといて、あたし達も女子会しましょうよ」

 

佳「随分突然ね」

 

河「だって男達だけ楽しんでるなんて不公平じゃないですか」

 

佳「そう言われてもね」

 

智「別に楽しんでるならいいじゃないか」

 

河「え~やりましょうよ~」

 

河南子が駄々っ子モードに入った。

 

これ以上せがまれるのも面倒だ。

 

佳「……はぁ、智代さん、いいかしら」

 

智「佳奈多がいいなら私は構わない」

 

河「やたっ♪」

 

河南子は即座に跳ね起きた。

 

佳「それで、具体的には何するのよ?」

 

河「ここに○ッキーがあります。ただ食べるのもつまんないですしポッ○ーゲーム風に食べましょう」

 

智「どう食べるんだ?」

 

河「二人で両端から食べるんです」

 

智「な!それじゃあ最後にキスすることになるじゃないか!」

 

河「そこはあくまで風だから、てきとーなとこで折っちゃえばいいんです」

 

智「それなら、まぁ、いいのか?」

 

河「いいんです、いいんです」

 

智「……ふぅ、一度だけだからな?」

 

そう言って智代さんはポ○キーのチョコの方の端をこちらに向けてきた。

 

智「佳奈多、早くやって終わらせよう。私も恥ずかしい」

 

佳「仕方ないわね」

 

私は向けられた端を咥えた。

 

その時―

 

恭「いやー盛り上がるな」

 

鷹「兄ちゃん達来たときは怖い人達かと思ったけど面白いね」

 

真「へっ、ありがとよ」

 

謙「たまにはこういう遊びもいいものだ」

 

理「佳奈多さんも一緒…に……」朋「智代、一緒にやら……」

 

男達が私達を誘いにやってきた。

 

その目に映るのはポッキ○を咥え、恥ずかしさから頬を赤らめている私達。

 

あ、―

 

折れる音が虚しく響いた。

 

それと同時に理樹と岡崎さんが走り出した。

 

理&朋「「僕(俺)の彼女が浮気したあぁぁぁ!!」」

 

佳&智「「ちょ!?」」

 

私達はすぐに立ち上がり、走って行った彼氏達を追いかけた。

 

誤解が解けたのは日付が変わる頃だった。




鷹「まったく何やってるんだよお前は」

河「いやーあたしも驚いてるよ、ほんとに面白いことになったから」

鷹「は?」

河「ここ来る途中にさ来ヶ谷先輩に会ったんだよ。そしたらこれでゲームしたら面白いことになるからってくれたんだ」

男「…………」

鷹「なぁ、兄ちゃん達」

恭「なんだ」

鷹「姉御って何者なの?」

恭「……分からん」
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