双子の転生者 作:戯言
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side彩空
「わかりました。……じゃあサラからする?」
「勿論!お願いします!」
そういって構えた。
「別に2人がかりでもよいのじゃが……さぁ、来るが良い」
言われた瞬間、カリン様の真正面から突っ込んだ。
カリン様が飛んで逃げたのでしっぽを掴んで引き寄せた。
そのまま、壺を取ろうとしたら杖の先から宙に放り投げられた。
それを追っていると、頭に トンと衝撃を受けた。
「う、痛いです」
どうやらカリン様が杖で頭を叩いたらしい。
そのまま宙返りして空中からおり、放った壺を再び杖の先にぶら下げた。
「お主、とんでもないスピードじゃの。驚いたわい。しかし、そのスピードをコントロール出来ておらんようじゃな」
確かにカリン様のいう通り、身の内にある莫大の力をうまくコントロール出来ていない。
亀仙流の修行でマシにはなったがまだまだ荒削りなところが多い。
それは、空牙にも当てはまることなのか、空牙も熱心に聞いていた。
「さ、修行は始まったばかりじゃ。どんどん来るがいい」
今度は直線的とはいかず、高速で周りを回りだした。
その速さはまさに目にも止まらない速さ出会った。
私がカリン様に突っ込んだ際に杖を出し転べさせた。
しかし、転がるままに勢いをつけ腕の反動で空中にとびそのままカリン様に向かう。
「それでは先ほどと同じだぞ」
そう言って、壺を私から遠ざけ撃退のために、足蹴をしてきた。
残像を残しその蹴りを避け、同時に多くの残像を作りカリン様を惑わせた。
しかし、空気の薄いところで動くことに慣れていない私は呼吸が乱れ、動きが慢性化してきた。
なので目的の物を手に入れようと近づくと、
「ほれ」
先ほどと同じく叩かれた。
体力が限界だったため、その場に倒れた。
side空牙
「はぁ、はぁ、はぁ。つ、疲れました」
「それはそうじゃ。こんな高所でそんな無茶な動きをしたらそうなる。ここは地上より空気が薄いのじゃ。そもそもお主の動きには無駄がありすぎる」
しかし、カリン様は冷や汗をかいていた。
慣れてもいないのにあれだけ動けたのが凄いのだろう。
「まだ、まだ行きます」
「お主は見てるだけでよいのか?」
「大丈夫です。サラを見ていて思ったことがあるのでそれを試して見ときたいと思います」
「ほう、そうか。では、始めるかの」
「はい!!カリン様!!」
その場で正座して目を閉じる。
そして、気配を感じようとする。
気配とは、生きているものがすべて持っている生命エネルギー、気のこと。
どう感じる。まず、自分の気を感じる。
荒々しい気、このままでは外に目を向けることなど出来ない。自分の気を平静に抑えていく。
俺は、溶け込むように自然と一体化していく。
そうすると今まで見えなかったものが見えてきた。
正面で動き回っている俺よりも荒々しいサラの気(気配)と対称的なカリン様の気。下にいるヤンジロベー。
更に感覚を広げると、カリン塔を登ってきている大きな気が4人、さらに広げると地上に2人。
そして、カリン塔の宮殿よりもさらに上空に意識しなければ気づかない程度に小さい2つの気と強大な気を感じた。
わかる。一度も会ったことはないが、この気が父さんだ!!孫悟空の気だ!!今の俺たちよりも更に強大な気だ!!わかる、気の本質が何か。どうコントロールすればいいか。
父さんの気の大きさがわかって、テンションがあがってが下でヤンジロベーが、俺たちのご飯を食べているようだったので止めにいくことにした。
「ヤンジロベー。ほどほどにしとけよ」
「うっ、ゲホ、ゲホ、ゲホ。く、空牙か、脅かすでねぇだ」
「勝手に人のご飯を食べるのが悪い。それに言えばもっと食べれたのに」
「ほんとか!?」
「本当だが、昼ごはんまでちゃんと待っていたら、の話なんだけど……」
「待つ、待つ。だから食わせるだぞ!」
「わかった。なら、上で待ちましょう。下にいたらカリン様の備蓄を平らげてしましそうですし」
そういって上に上がった。
「はぁ、はぁ、はぁ。まだまだ!」
「ほれ、サラどうした。このままでは一向に――」
「サラ、交代だ。少し休憩していろ」
不満そうなサラと驚くカリン様。
「……わかった。交代する」
「お主、今気配を消しておらんかったか」
「流石、カリン様、よくお分かりで。早速、始めたいのですが、よろしいですか?」
「……いいだろう。見せてみよ、お主の力」
無言でカリン様と向き合い、気配を消してカリン様の背後に回り、壺を取った。
「み、見事じゃ。1回目でわしから壺を取ったのはお主が初めてじゃ」
「……空牙、今のどうやったの?」
「それは、教えれないな。でも、ヒントとして、『敵を知りたければ己を知れ』と言っておくよ」
「意味わかんない」
「まぁ、すぐに出来るようになるさ」
サラに励ましをしてカリン様と向き合った。
「カリン様。ありがとうございました」
「……過去上がってきたなかでお主ほど、凄いやつはおらん。他人の修行から、ここまで導けるとは。あのピッコロ大魔王を倒した孫悟空ですら、3日もかかったというのに」
「孫悟空さん……」
「サラ、今は自分の修行に集中しろ。じゃないと、追い付けるものも追い付けないぞ」
「わかってるよ」
上空では、父さんの気がどんどん膨れ上がっていっていた。
「1つお聞きしたいのですが、この上には何があるのですか?」
「天界じゃ。ついでに言っておくとそこで悟空は神様に教えを受けておる」
「天界!?神様!?」
予想以上が答えに驚いた。
そんなところで修行を受けている父さんを羨ましく思いながら聞いていた。
「いつ頃会えますか?」
「悟空は、3年後に開催される天下一武道会に向けて修行をしておる。そこでなら会えるじゃろう」
「だってさ、サラ。今は我慢して修行しろよ」
「よし!カリン様、よろしくお願いします!」
「もしや、お主らが戦いたい相手とは悟空のことなのか?」
「はい、そうですけど……」
その言葉の後に修行が再開された。
それから二時間ほどノーストップで続けた。
その間、暇だったのでカリン様の許可を得て料理を作っておいた。
「はぁ、はぁ。タフなやつじゃ。わしがこれほど息を乱すとは」
「全くよくやるだきゃ~」
俺の作った炒飯をほうばりながら、ヤンジロベーが呆れたようにいう。
サラは、生まれたての小鹿のようにぷるぷる震えながら続けようとしていた。
「サラ、そろそろご飯にしよう。このままでは修行効率は上がらない」
「そうじゃ。休むことも修行の内じゃ」
そう言ってサラを説得し、下に降りた。
そこにはテーブルがあり、俺の作った料理がところ狭しと置いてあった。
約束通り、ヤンジロベーは食べていいと言ったもの以外手をつけていなかった。
「これまた、豪華じゃのう。お主が作ったのか?」
「はい。あっ、カリン様はこの焼き魚と漬け物も召し上がって下さい」
「うむ、ありがたくいただくとしよう」
「空牙!もう食べていいだよな!」
「どうぞ、皆さん召し上がって下さい」
サラは、なるべく行儀よくかつ早いスピードで、ヤンジロベーは、見ていて気持ちいいほど豪快に食べ、カリン様は、味をしっかり味わいながら食べていた。
俺は、おかわりを作りながら食べていた。
side彩空
昼食後、ヤンジロベーさんは、久々に料理で満腹になったらしくイビキをかきながら寝ていた。
空牙とカリン様は、何か料理について話していた。
私は、その間に今までのカリン様の動き、そして私の動きを頭の中でトレースした。
そこから無駄な動きを削っていき、ゴールまでの道筋を立てた。
その時、空牙が言った『敵を知りたければ己を知れ』という言葉を思い出した。
あれは、どうゆう意味なのだろう?
自分を知らなければ、敵を知ることが出来ない?
敵より先に自分のことをもっと知れということ?
迷走に入りかけた時、空牙が話しかけてきた。
「サラ、深く考えるな。お前には、鋭い感性があるのだから悟空よりも早く答えを見つけれるよ」
「どうゆうこと?」
「サラが深く考えても意味がないだけだ。真相はもっと浅い場所にあるのだから」
そう言ってカリン様に続いて上に上がっていった。
side空牙
サラに最後のアドバイス?をしてからカリン様に続いて上に上がった。
「お主よ、してサラに何とアドバイスしたのだ?」
「秘密です。もうそろそろ上がってきますよ」
荒々しかった気が平静になったのを感じ、カリン様にそう言った。
暫くするとサラが、階段を上がってきた。
「お待たせしました、カリン様。続きをやりましょう」
「いいじゃろう。見せてみよ、お主が掴んだ感覚を」
お互いに無言になり、サラが気配を極力消してカリン様の後ろに回り込んだ。そして、杖の先にあった壺を手に持っていた。
「み、見事じゃ。今までコントロール出来てなかった力もコントロール出来とる」
「ありがとうございます」
「ここで修行は終わりじゃ。正直、お主らの力になったかどうかは」
「いえ、ここでの修行がなければここまで至らなかったでしょう。感謝します、カリン様」
そう言って頭を下げる俺とサラ。
「うむ、では後は下界で力をつけるがよい。出るんじゃろ、天下一武道会」
「はい!悟空さんと戦うために!」
「ですが、もう暫くここで修行してもよろしいですか?」
「なぜじゃ?」
「今カリン塔を大きさ気を持った人が4人上がって来ています。俺は、塔を下るのに飛びたくありません。せっかく鍛えるチャンスなのだから」
「なるほどの。なら、暫くの間いるといい」
自分を成長させるべき道筋が見えた。
それはサラもだろう。
後はここを伸ばすだけ。
sideカリン
暫くすると4人がこの宮殿に着いたようだ。
「では、お世話になりました。ヤンジロベーさんにもよろしく言っといて下さい」
「またお会いに来ます」
ヤンジロベーに気を使ったようだが、不要じゃろう。
「達者でな」
わしに背を向けて立ち去ろうとしたときに思い出した。
こやつらの名前を聞いとらんかった。
「そういえば、名を聞いとらんかったの」
「あっ!申し訳ありません!!ここまでお世話していただいたのに名前を語らないとは」
そこまで慌てなくても良かろうに……。
「して、名は?」
「俺は空牙。孫空牙」
「私は彩空……孫彩空と言います」
『それでは!!』
そのまま飛び降りた。
それを驚愕の表情で見た。
飛び降りたことに驚愕したわけではない。
「孫、孫空牙に孫彩空……まさかな」
孫悟空の倅か、何か。
考えているといつの間にかやってきた4人がいた。
その中で頭がつるつるで額に目がある男が
「あなたが仙人様ですね。我々に超聖水を下さい」
「……先程までいたものに比べると見劣りするのぉ」
つい、そう呟いてしまった。
すると、亀印の胴着を着たハンサム風の男が、
「先程まで?ここに来るまで下でイビキをかいて寝ているやつはみたがそれ以外は見ていないぞ」
「それはそうじゃろうな。今飛び降りたからの」
「飛び降りた!?この高さから!?」
つるつる頭で同じ胴着を着た男が驚いていたが、そばにいたちっちゃい男が
「舞空術が使えれば、可笑しくない」
と言ったが
「いや、あやつらは多分出来ん」
と答える。
「なら、早くしないと死んでしまうじゃないか!仙人様は何でそんなのんびりしてるんですか!」
「死にゃしないだろうし、それにあやつらの心配してもむだじゃ。それよりお主らは、何故このカリン塔を登ってきたのじゃ?この世はピッコロ大魔王が死んで平和になった。それなのに何故力を求めるのじゃ」
そう聞き返した。
3つ目男は、「孫に負けないため」
ハンサム風の男は、「悟空に今度こそ勝つため」
つるつる頭のチビ男も、「悟空に勝つため」
ちっちゃい男は、「強くなりたいから」
と、言った。
見劣りするが、及第点で修行をつけることになった。
ヤンジロベーが3分後に起き、空牙がいないことに激怒していた。
読んでいただきありがとうございました。