――――――出発日、機動六課隊舎ロビー
「じゃあ八神部隊長。
あんまり向こうではしゃいで、ハラオウン隊長や高町隊長に迷惑掛けては駄目ですよ?」
「はーい。分かりました―――ってなんでやねんッ!?
ここでは私が一番偉いねんで!?それやのになんなんこの扱いッ!?」
「は、ははは。
なんか妙に馴染んでるね?あちらさん。」
「にゃははは。
はやてちゃんの扱いが手慣れてるの。」
「モンディアル君やルシエちゃんも、ちゃんと八神二佐が変な事しないか見てて下さいね?」
「り、了解です!!」
「は、はいッ!!」
「――――――ッ!?!?
あちらさんのアホ~~~!!
海鳴のお土産なんか買って来てあげへんねんからなぁ―――!!」
「はいはい。気を付けて行って来てくださいねー。
じゃ、いってらっしゃーい。」
「・・・うわーんッ!
そこはかとなく馬鹿にされてるー!!
ヴィータぁああ!!!あちらさんがぁ―――!!」
「よしよし。はやて。
毎度毎度よくやるよなぁ・・・。」
▼その人は何処にいった?
「後篇/ラン・オン・ザ・エッジ」
動画を盾に脅され期日までにしっかりと書類を処理したはやては、他の隊長陣とフォワードメンバーと共に故郷である第97管理外世界へと旅立って行った。
正式な管理局のロストロギア回収ミッションである筈なのに、もうすでにノリが遠足とそう変わらないのはさすが六課と言うべきか。
ノリがあくまで軽い。
まぁ標的は歴史的な価値は高くとも、危険度はそう高くなくないのでそれも仕方ないと言えば仕方ない。
今回フルメンバーで事に当たるのは明らかな過剰戦力だ。
本人は『万が一を考えて』とか言っていたが、本音は軽い休暇のつもりだろう。
ま、こっちは待機任務が終われば休みなので文句は無いが。これでアグスタホテルでのユーノの講演会に行けるだろう。
・・・その時はここに私を配属させた理由でもたっぷり聞かせてもらおう。
ふふふ
あはははははは
あっはっはっはっはっはッ!!
微妙にテンションが上がって来たのか、三段嗤いを披露するあちら。
あれから泣き付くはやてにつき合って夜遅くまで書類を処理していたため、あちらも寝不足でテンションがハイになっている。
周囲の人間もあちらがぶちぶち文句を言いながらも、はやてにつき合っていたのを知っているため、あちらを見る視線が妙に生温かい。
そのためか、今日あちらがするべき仕事がいつもより少ない。
ロングアーチメンバーが少しずつ処理するべき書類を分担し合っているためだ。
気づかいに感謝しつつ、その好意に甘えて、あちらは午後にはあらかたの仕事を終わらせた。
さて、これからどうしようか?
このまま隊舎の部屋に戻るのも勿体無い気がするし、少し足を伸ばして外でお茶でもしようか。
―――うん。そうしよう。
ついでにロングアーチにクッキーでもお土産で買って帰ろう。
思い立ったが吉日とばかりに足を隊舎のロビーに向けるあちら。
仕事から解放された解放感からか、珍しく軽い鼻歌まで歌っている。
だが、そこはあちらクオリティーか。
彼に限ってそうそう何事も無く物事は運ばないのだ。
――――コツ。
そんな時、背後からパンプスが床を鳴らす小さな音が聞こえた。
普段ならそんな些細な事など気にも留めないが、何故かその時に限ってあちらは後ろを振り返った。
そこに立っていたのは陸士隊の制服に身を包んだ一人の女性。
撫子の花の髪色をした美しい、妖艶な雰囲気を纏った女性が立っていた。
背中まである艶のある髪がさらりと流れる。
―――早くこの場を離れるべきだ。
何故かそう直感したあちらは、すぐさま踵を返してこの場を離れようとする。
「失礼。迷子あちらさんでいらっしゃいますか?」
だが残念。回り込まれてしまった。
あちらは聞こえない様にこっそり溜息を吐きつつ後ろを振り返った。
「そうですが、どちら様でしょうか?
生憎と貴女の様な美女に知り合いは居ないのですが。
・・・人違いでは?」
「ふふふ。口の御上手な方ですね。
さっき小さく溜息をついていたくせ。」
聞こえて―ら。
「何のことやら。
さて、私に何か御用ですか?」
「ふふ、まぁ誤魔化されてあげましょう。
まずは自己紹介を。
私はミッドチルダ中央地上本部所属でオーリス・ゲイズの副官を務めております、グラディス・ジェニップと申します。
親しい人間はグラディスと呼びますわ。
以後、お見知りおきの程を。」
――――――なんだって?
おーけー落ち着け私。
別に彼女が地上本部所属である事はいい。普通だ。ここはクラナガンなのだから。
かのレジアス・ゲイズ中将の娘であるオーリス三佐の副官である事も、余り良くない事だけどまぁ良い。
佐官が副官を持つのは別に珍しい事じゃない。
けれどその副官が機動六課に居るとなれば話は別だ。
今の状況は
「・・・これはご丁寧に。
ご存じとは思いますが、古代遺物管理部機動六課ロングアーチ所属の迷子あちらです。
どうぞよろしく。」
まずいまずい。
今話しているのは人通りのある隊舎のロビーだ。
当然、美女と二人で話して居れば人目につく。
傍から見れば、美女と楽しく談笑しているように見えるだろうがとんでもない。
”六課の主要メンバーが不在時に、外部からの出向員が地上本部所属の人間と二人で会う”
六課内にあらぬ疑惑と不和を呼びかねない。
そして彼女はその効果と与える影響を理解した上で、六課で己の素性を開かしたのだ。
幸い、周囲に人はおらず聞いている人は居なかったが、何時人が来るか分からない。
なるべく早くここを移動する必要がある。それが彼女の目論見道理なのが業腹だが。
そんな考えなど微塵も表に出さず、グラディスはにっこりと男なら誰もが目を奪われる様な、艶然な笑顔を浮かべながらあちらに問い掛けた。
「それで迷子さん?
近くに紅茶が評判のカフェがあるんですが、ご一緒にいかがですか?」
「是非に。
分かっていても誘いに乗るしか無く。
せめて名前で呼ばない事が、あちらのささやかな抵抗だった。
そこは寂れた雰囲気の喫茶店だった。
場所は人通りで賑わう大通りから外れた所にあり、喧騒は掠れてしか聞こえてこない。
扉をくぐると、店内には誰一人客は無く、店長らしき男性がカウンターでショットグラスを磨いている。
どうも夜には軽い酒も飲ませるタイプのカフェの様だ。
寂れた雰囲気とは裏腹に、よく見れば店内には塵一つ落ちている様子は全く無い。
さらに板張りの床は軋むものの、ぴかぴかに磨き抜けれていて、店内はとても清潔に保たれていた。
二人が席につき、注文して出されたスコーンと紅茶は芳しい薫りを漂わせている。
・・・どうも隠れた名店のようだ。完全に立地で損している。
ここまで沈黙を保っていた二人は、紅茶にひと口口を付けると本題に入った。
口火をあちらが切る。
「それでご用件は?
わざわざ一介の事務員とお茶を飲むために六課までやって来た訳ではないでしょう?」
「さぁ?どうでしょうね?」
くすくすくす
鈴の転がる様な笑い声を上げながらあちらの様子を窺うグラディス。
顔は笑顔ながらも、その瞳に灯る光りはあちらを推し測ろうと油断無く輝いている。
・・・仕方ない。
こちらも舐められっ放しは面白くない。
そもそも何が目的なのかもわからないのだ。精々御期待に答えるとしよう。
「―――いや。折角、美しい方と美味しいお茶を飲むのに、この様な質問は不粋ですね。
今はこの栄誉を賜れた事を喜びましょう。」
「本当に貴方は口が御上手な方なのね。
今までにも何人か褒めてくださる殿方は居ましたが、ここまで情熱的に口説かれたのは初めてですね。」
「おやおや。別に口説いているつもりは無いのですが。
ただ思った事を言っているだけですよ。」
「機動六課にも美しい方が多いですが、その調子でやっておられるんですか?」
「はは、まさか。
八神部隊長は楽しい方ですがね。いや、面白い、ですかね。
よく悪ふざけするので駄目ですねぇ。」
はやて本人が聞けば大いに反論がありそうだが、その当の本人は遥か彼方の異世界だ。
あちらはある事無い事無い事、そして話しても問題が全く無い事。
または地上本部上層部(グラディス)が探っているであろう六課の粗(あら)に関して、それっぽい真っ赤な嘘や確かめようがない事実をぺらぺら話していく。
傍から見れば、美女とのお茶に舞い上がって口数が多くなった青年位に映るのだろうが、実際はそうではない。
こうしておけば、『地上部隊の人間と密会』というよりも『ナンパに舞い上がっている』というインパクトが強くなるため、もし六課内で疑惑が上がっても対処しやすい。
・・・まぁあちらの人間性を知る人からすれば、あちらがナンパなどそっちの方が怪しいのだが。
おまけにここで聞いた事を根拠に証拠を集めようにも、嘘なので集まる訳も無く検証のしようが無い。
しかし少しでも公開意見陳述会にむけて、六課や本局の弱みを掴みたい地上本部は、それらを調べない訳にも行かず、多大な無駄な労力を費やすだろう。
それが機動六課の本当に知られたくない弱みに到達するまでの十分な時間稼ぎになる。
グラディスはあちらの意図に気がつき、あちらへの認識を改める。
ここから先は小細工は効かなさそうだし、そもそも事前の調べで実弾(カネ)や蜜罠の効果は薄そうだ。
・・・しかたない。
今回は予定通り、焦らずに挨拶程度でいいだろう。
ジャブ程度になれば万々歳だ。
あちらの話が一段落し、あちらがカップを取るタイミングを見計らって、グラディスは切り出した。
「―――迷子さん。
元の部署に戻りたくは無いですか?」
グラディスはあちらのカップが僅かに揺れるのを確認して話を続ける。
「先日のリニアレール襲撃事件についての報告書を読みました。
無論、地上本部に提出された報告書と六課内部の報告書の二つです。
奇妙な事にある事柄に関して、二つの内容が食い違っているようでした。」
「―――へぇ、変な事もあるものですねぇ。」
あちらは構わずに紅茶を口に含む。
「私の
昔も、そして今も、無茶な人事や恣意的な部隊運営を是とする、現在の制度を是正しようと日夜粉骨砕身しておられます。
―――これは例え話ですが・・・。
もし。もし、その局員が理不尽な理由で”就業の自由”を拘束されている場合、地上守護を旨とする中央本部としては人権保護の観点からその人に協力を惜しまないでしょう。」
「―――ふふふ、あははは。
いいですね。人権守護の観点から、ですか。素晴らしい。」
くすくすくす
小さく笑いを溢しながらカップをテーブルの上に戻すあちら。
「対価は機動六課、又は八神はやて以下主要メンバーの内部情報ですか。」
「対価とはまた随分な言い方ですね。捜査情報と言って下さい。
実際、本局の一部派閥のごり押しで作られた実験部隊です。きな臭い噂が絶えませんし、
「ほう。教会ですか・・・。」
それは初耳だ。
少なくとも八神二佐から受けた説明には―――いや、言っていた後見人とはこの事か?
八神二佐は古代ベルカの担い手だし十分考えられる。おまけにデバイスはユニゾンデバイスだ。
ちらっとグラディスを見やると、彼女はすました顔でスコーンをかじっている。
「
お望みとあれば報奨金を加えた退職金と新たな職場となる民間企業への斡旋を。
―――如何です?」
グラディスは手に付いた粉を払い、あちらへと問い掛けてきた。
その瞳には未だ計算高い光が灯っている。
その光はあちらの心情や考えを読み取ろうと煌めき。
あちらは自身の考えを述べる。
それは答えであり、答えでは無い。
そもそも話の内容を何の事か、誰も理解できないだろう。
世界で唯一人。
ユーノ・スクライアを除いて。
「―――私には一つだけ自分に定めた”決まり”があるんですよ。」
「・・・決まり?」
「そう”決まり”。
それは
その決まりと言うのはね、『自身の行動に責任を持つ』という事です。
私はいざとなれば何でもできる。いや、それは言い過ぎだが出来ない事の方が少ない。
なに。
気に入らない事・失敗してしまった事があれば、
・・・だが、駄目だ。
それは私は行わない。」
「―――――――――。」
グラディスには何の事かさっぱりだろう。当然だ。
しかし、それは聞かなければならないと、なぜかグラディスは思った。
それは自分にとっても大切な事だと。
「自分の気に入らない事を切り取って。犯した間違いを無かった事にして。
それで私は
無限とも思える千那由他の彼方への旅路の途中で。
精神が肉体を凌駕する中、私は胸を張って『私は生きている』『私は迷子あちらだ』と言えるか?
―――否だ。
酸いも甘いも人生だ。
この永い永い旅が終わった時、私は真っ白で綺麗な、汚れの無い地図を掲げたくない。
汚くて、泥だらけで、擦り切れて、それでも間違いなく今までの旅路を標した地図を誇りにしたい。」
そしてあちらはグラディスの瞳を覗きこんだ。
何故か分からない。
何故か分からないが、この時グラディスは感じる事の無い時間の重みを感じた気がした。
この、さほど齢のかわらない筈の、一人の青年から。
「ま。あまりそれに固執しすぎて、大切な物を無くしたら本末転倒なんで、あくまで
軽く肩を竦めて紅茶で喉を潤すあちら。
ごくりと喉が鳴り、初めてグラディスは自分が今まで息を止めていた事に気がついた。
一度、深く深呼吸をする。
頭に酸素が回り、思考が明瞭になって来た。
自分も紅茶を一口含み、それで漸く落ち着く事が出来た。
「なのでジェニップさん。」
「―――ええ。分かりました。
貴方は『自己の行動に責任を持つ』、つまり過失によって六課に配属された事も自己責任だと。」
「Exactly(そのとおり).」
「自分に態と枷を付けるなんて・・・貴方、そういう趣味なのかしら。
―――
それにしても―――ふふ。本局の連中も下手を打ったものね。
案外、貴方なら下手な小細工はせず素直に
「―――かも、知れませんね?
確かに六課に配属された事は文句は無いですが、そこに他人の打算や思惑を絡めようとするなら話は別です。
まぁ一応、話は聞くつもりですが・・・。」
「なら予言してあげるわ。
―――”今度の講演会でホテル・アグスタへ行くと碌な事にならない”。」
その言葉にあちらは苦笑いを浮かべる。
「―――はぁ、そこまで知っているなんて。
個人情報が筒抜けですね。あなた達本当に治安組織ですか?」
「・・・さぁ?」
あちらの疑問に艶然と微笑んで小首を傾げるグラディス。
普通の男なら頬を赤らめるものだが、あちらにその様子は全く無く、いたって自然体のまま。
グラディスにはそれが可笑しくて、くすくすと笑い声をさらに上げた。
「ねぇ?さっきから気になってたんだけど、私ってそんなに魅力無い?
これでも聖王教会の司祭から愛を囁かれた事もあるんだけど?」
「いえ?ジェニップさんは美人な方だと思いますよ?」
「そ、そうなの。
そう。―――ねぇ、私の事はグラディスで良いわよ。
私はこの名前余り好きじゃ無いけど、姓で呼ばれるのも馴れてなくて好きになれないの。」
「珍しいですね?姓で呼ばれるのに慣れてないなんて。
いいですよ、グラディスさん。私の事もあちらと呼んでください。」
「そうさせてもらうわ。あちら。」
今度グラディスが浮かべた笑顔は、大人の色気があるような微笑では無く、誰もが浮かべる普通の明るい笑顔だった。
「今日は有意義だったわ。
初めは軽い挨拶程度のつもりだったのに・・・。
見事にご破算になったけどね。ふふふ。」
「いいんですか?」
「いいのよ別に。上手く籠絡出来れば儲けモノ程度だったし。
あちらの人となりが確認できただけで十分よ。仮に籠絡しても、アグスタで話を聞けば結局無駄な事だしね。」
そう言って席を立ち上がるグラディス。
机に置かれていた伝票を手に取ろうとすると、それを素早くあちらが取り上げた。
「ここで美女に払わせては笑われますよ。ここは私が。」
「そう、悪いわね。私が誘ったのに。」
「そこは美人は得だ程度に考えてください。
悪いと思うのなら次に会った時にでも奢ってください。」
「――――――。ええ、次ね。
じゃ、あちら。また逢いましょう。」
「ええ、また。グラディスさん。」
そう言ってグラディスは撫子色の髪を靡かせながら、颯爽と去って行った。
静謐が訪れる店内に茶器が擦れる音だけが響く。
その中であちらは静かに紅茶を楽しんでいた。
ここのクッキーでもロングアーチのお土産に買って帰ろう。
スコーンも香ばしく美味しかった事だし、クッキーにも期待できるだろう。
注文の為に店員を呼ぶあちら。
そして”まったく音を立てず”に注文を取りに来る店員。
「・・・すこし良いですか?」
「はい。ご注文の方は?」
「いえ、注文もするのですが。その前にお伺いしたい事ができました。」
「はぁ・・・。なんでしょう?」
「ここの板張りの床・・・。今、軋みませんでしたよね?」
「・・・はぁ?ま、まぁそうですね?
こんなナリの店ですから、店内の衛生管理には気を使っております。
床の板もつい先日張り替えたばかりですし、
・・・で、ご注文は?」
先程、グラディスさんが席を立つ時は何も荷物を持っていなかった。
来ていた服は標準的な陸士部隊の制服で、そのような重たいモノを入れとける様なスペースは無い。
グラディスさん自身もモデルの様なプロポーションで、体重は恐らく店主や私よりも確実に軽いだろう。
なのに彼女が店を訪れた時と出て行く時。
軋まない筈の店の床が軋んでいた。
―――まるで
「―――はぁ~~~。」
深い、深い溜息をつく。
何かは分からないが、周囲に自身とは関係のない思惑が蠢いているのは間違いなさそうだ。
そして恐らく、自分でも気づかない内に後戻りできない所まで浸かっている。
でなければ、いくら地上本部が六課の弱みを握りたいからと言って一介の事務員に揺さぶりを掛けようとはしないはずだ。
グラディスさんの話を聞く限り、個人情報は結構漏れている様だ。しかも恐らく本局経由で漏れている。
でなければユーノとの関係を知るはずが無い。六課でそれを知るのは隊長陣のみで、彼女らがそれを態々人に話すとも思えない。
つまり中央地上本部だけでなく、ホームであるはずの本局内にも六課に友好的でない人々がいるという事だ。
・・・ともかく情報が足りない。
・・・それも圧倒的に。
これはますますユーノに話を聞かなければいけなくなった。
今はまるで目隠しされて車を運転している様な物だ。
そのうち本当に
「―――はぁ~~~。」
「ご注文は?」
忘れてた。
とりあえず・・・
「とりあえずお土産用のクッキーを包んでください。
――――――あぁあと、そこのバカルディを。勿論ボトルで。」