パンツ脱いだら通報された   作:烈火1919

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A's39.シグナム先生のムフフな授業(前編)

 暗く寒いこの道はどこまでも果てしなく広がっている。どんなに叫んでも、どんなに泣いても世界は僕の方に目を向けることなく、地球は通常通りに回転する。このときほど、僕は自分を呪ったことがない。自分の弱さを恨んだことはない。自分の愚かさと醜さを妬んだことはない。僕がいなくても世界は廻る。だとしたら、僕の価値ってなんだろう。

 

「現状無価値だと思うよ」

 

 肌寒い廊下で全裸正座されていると、フェイトが屈んだままそういった。屈んでいるのだからもっと配慮してほしいものだが、どうも今回はそういうことはないらしく膝かけ持参の屈み体勢で話しかけてくる。

 

「まったくもう、なーんであんなことするかなぁ。覚悟が出来ていないとか、エースオブエースとして心が砕けそうになったとか、雰囲気というものを理解してほしいとか、なのはぶつぶつ独り言呟いてるよ。ヴィヴィオを抱きながら。もっとこう……雰囲気とかさ。やっぱあるでしょ?」

 

「しかし顔射というのはマーキングみたいなもの。これはもうセックスなのでは?」

 

 ボールペンで両目を貫かれた上に唾まで頂けた。これほどの褒美はもうないだろう。

 

「とりあえず今日一日そこで反省してね。それじゃ」

 

「え?トイレは?肛門からもマーキング活動することになるよ?それでもいいの?夫が肛門からマーキングすることになるけどそれでもいいの!?」

 

『大丈夫大丈夫。それくらいで私達は愛想尽かしたりしないから。そんな軽い女じゃないから私達』

 

「いやいや恰好いいしありがたいけど、そういう問題じゃないから!?俺の人としての尊厳が失われて──」

 

『それならもとからあってないようなものでしょー』

 

 にこにこと笑顔で手を振るフェイトは、そのまま部屋へと消えていく。一人寂しいこの廊下でまた一人になってしまったようだ。

 

 コツコツと靴を鳴らしながら近づくる女がいた。淫乱ピンクくっ殺騎士のシグナムだ。亀甲縛りのため体を動かせないので、小刻みにチンピクすることで挨拶した。

 

「おっすシグナム。浮かない顔してんな」

 

「話しかけるなクズ」

 どうやらシグナムの耳にも届いているらしい。女ばかりの情報網ほど怖いものはないな。もっぱら広報活動に勤しんでるのはアホ女ことスバティアだろうけど。

 

「スバルとティアナが嬉々としてお前の悪事を広めていたぞ。なのはを寝取るチャンスだといって」

「バカいうな。なのはにはフェイトがいるんだぞ。あの聖域を犯せるやつなど存在しない」

 

 なのフェイこそが理想郷。俺?隣でオナニーしてるからそれでいいよ。

 

「にしてもなんか元気ないな。オークにでも犯されたか。淫乱ピンクくっ殺騎士のシグナムよ。俺に相談してみるといい。オークのようにお前を犯してフラッシュバッ

クするような一生消えない心の傷をつけてやるから」

 

 爽やかな笑顔でシグナムの心に寄り添っていく。シグナムは少し考えたあと、一度飲み物を買ってくる言い残して去っていく。数分して戻ってきたシグナムの手にはホットココアとおしるこ。シグナムはチンピクしている俺の棒の支えになるようにホットココアを股の下にもぐらせる。

 

「あっつッ!?シグナムさん熱い!めっちゃ熱い!肉棒の止まり木みたいになってるから!?ココアの使い方間違ってるから!これ常に85°以上を維持しないと熱でとんでもないことになるって!いいのかお前!貴重な男の精子が死ぬんだぞ、それでいいのか!」

 

「どうせ生まれてきてから何十億と犠牲してきたんだろう。いまさらじゃないか」

 

 お前の場合、元を断とうというのが問題なんだよ。

 

 自身はおしるこを飲みながら、俺の隣に座るシグナム。こいつ絶対に犯す。亀甲縛りが解かれて俺がまだなのはに殺されていなければこいつを犯して孕ませてとんずらしてやる。それか調教して性奴隷にする。

 

 おしるこ入りのカップを傾けたシグナムは困惑した表情でぽつりとつぶやく。

 

「体育教師とは……どういうものなのだろうか。そう考えていた」

 

「それはお前おっぱい揺らしながらショタを誘惑する生き物だろう」

 

「お前にはもう相談しない」

 

「悪かった、俺が悪かったから棒をココアの中につけようとしないで!染み込まないから、何も染み込まないから!」

 

 必死の懇願に冷めた視線で応えるシグナムはどうにか俺の棒を解放してくれた。

 

 亀甲縛りが解かれたらこいつは穴という穴を犯したのちに調教して穴ガバガバになった状態で奴隷市場に売り飛ばしてやる。

 

「主はやてに快くやりますと言った手前、恥をかかせぬようにと思っているのだが……どうにもそういう体験をしたことがないのでわからない」

 

「お前らは学校生活ってやつをしたことがないもんな。体験してみれば少しは教師ってのがどんなものか理解できたかもしれないが」

 

「主はやてにかしてもらった教師もののアニメをみたが、どうにもしっくりこなくてな」

 

 そりゃアニメと現実は違いますから。

 

「期待に応えたい。完璧に仕上げたい。そう思えば思うほど、教師というものがどのような存在なのか分からなくなってきて困っている。そもそも教師って必要だと思うか?」

 

「お前それは迷宮に迷い込みすぎだろ。前提条件を消滅させてどうすんだ」

 

 真剣な表情で質問してくるシグナムに呆れ混じりの声をかける。こいつは頑張り屋だからな、どんどん沼にはまっていく。

 

「はやてに相談したらどうだ?この手のことにかけてはあいつの右に出るやつはいないだろう」

 

「それはダメだ。主はやてが困った顔で言ってきたのだ。『シグナム、あのな?いまからいうことは断っても大丈夫やからね?』主はやては優しいからあのようなことを言ってくれたが、立場と人間関係がある以上、私が断ることはできない。だから私は笑顔で力強く宣言したのだ」

 

 やり遂げてみせます。お任せください、我が主よ。

 

「私は決めている。主のためならどんなことでもやり遂げると。例えそれが難しいことだとしても、人類が立ちふさがっている高い壁だとしても。私は主はやてのために完璧に仕上げてこなしてみせる。それが──ヴォルケンリッターの騎士というものだ」

 

 教師という職業はべつに人類が直面している高い壁でもなんでもないのだが、まあいいたいことはよくわかる。

 

 こいつもこいつでなんというか……主が大好きなんだよな。こういうとき、こいつのことを素直に恰好いいと思える。尊敬できる。

 

「うッ……!」

 

 突如シグナムが腹をおさえる。

 

「おいおいどうした。拾ったパンでも食ったのか?」

 

「いや……緊張で腹痛が」

 

 ……お前何か月先のことだと思ってんだよ。

 

「トイレ行ってこい。ゲリベンリッターに名前が変わる前に」

 

「今度その名で呼んだら16分割にした上で人肉料理にするからな」

 

 戦艦クラスの眼光で威圧するシグナムに棒を上下に動かすことで降参する。シグナムは腹をおさえたままこの場を後にした。相変わらずの緊張っぷりだな。大丈夫なのかシグナム先生。

 

「っておいおいおい!?ココアどけてからいけよ!」

 

 湯気をたてるココアを残したまま去っていったシグナムの姿は見当たらず、ひょっとこは一人で身をくねらせてココアの呪縛から逃れようとする。

 

 そこにふよふよと空中を漂いながらこちらにやってくる幼女。ヴィヴィオが妖精と信じてやまないデバイス、リインだ。

 

「おいリイン、いいところにきた!ちょっと助けてくれ!」

 

「リインは妖精なので心が綺麗な人にしか見えませんよー」

 

「思いっきり会話してるじゃねえか!心が綺麗な人だろ?それはつまり俺のことじゃん!」

 

「ぺろぺろさんは黒曜石のように黒すぎてツヤがでてるタイプなので候補外です~」

 

 考慮する価値もないのか、ゆら~っとこの場を通り過ぎていくリイン。相手がデバイス幼女であるならば、この技を使わざるおえない。

 

「ヴィヴィオに添い寝できる権利を一回だけやろう!一回だけだぞ!それ以上はダメだからな!これでどうだ?これなら助けざるおえないだろう!」

 

「すでにリインとヴィヴィオちゃんはらぶらぶなので必要ないですー。それによく一緒に寝てますので」

 

「まてお父さんそんなこと許可してない!?いつの間に!?いつの間にそんな関係に!?」

 

 めんどくさそうにこちらをようやく振り返るリイン。話しかけないでくださいと顔にでていた。

 

「うるさいので声を出さないでください」

 

 レベルが多少上がっていた。

 

「リインはおこってるんです。なのはさんにあんなことして」

 

「あんなことってどんなこと?」

 

「だからその……あんなことです」

 

「もうちょっと詳しくいってくれないと分からないなぁ。なのはには色々としてきたから」

 

「えっと……」

 

「あ、もしかして白いあれを顔にかけたことかな?あ、でもそれってなんていうんだっけ?リイン覚えてる?」

 

「え?えっと、たしかはやてちゃんがいってました。が、がん──」

 

「やめろや変態ロリペド野郎」

 

 ひょっとこの顔が壁にめり込んだ。

 

「ヴィータちゃん!」

 

「リイン、こいつと話すと心が穢れていくから気を付けたほうがいいぞ」

 

 こっちこい。手招きするヴィータにリインは急いでヴィータの影に隠れる。

 

 つま先でひょっとこの顔面を突いたヴィータは書類片手にココアが入ったカップを手に持ち、躊躇なくひょっとこの棒に注いだ。

 

「熱い熱い熱いッ!?」

 

「リインをハメようとする罰だ」

 

「はっ!?リインはハメられようとしてたんですか!?」

 

「おう、気をつけろよ。こいつマジで見境ないからな」

 

「おっそうだな。ロヴィータちゃんも昔、俺にガンガン突かれてイッたもんな」

 

「いいかリイン。これが哀れな童貞の末路ってやつだ」

 

 処女のお前に言われたくないわ。

 

「ロヴィータちゃん、シグナム結構ぬかるみに入ってる感じがするぞ」

 

「……まぁ性格からしてな。そうなることはなんとなく予想できていた。どうしたものかなぁ」

 

 思案顔で腕を組むロヴィータ。

 

「あいつは真面目すぎるんだよな。教師なんて適当にしても大丈夫だろ。しかも体育教師だし」

 

「そうはいかないんだよ、シグナムとしてはな」

 

 それが魅力なんだけど。そういったロヴィータの顔はとても優しい笑みに満ちていた。

 

「あ、ところでもう全員帰るからそれを伝えにきたんだった。なのはが今日は顔を見たくないって言ってたからお前ここで一泊しろ」

 

「え?廊下で?こんな冷たい廊下で?」

 

「ほれ、これやるから。流石にトイレいけないと可哀想だからって。優しいあたしの主に感謝しろよ」

 

 おまるをそっとひょっとこの股間の下に設置するヴィータにひょっとこは真剣な顔で首をふった。

 

 ヴィータもそれにそっと首をふる。

 

 首をふるひょっとこ。

 

 首をふるヴィータ。

 

 あーうーと言いながらヴィータの顔のふりに合わせて遊び始めるリイン。

 

 首をふるひょっとこ。

 

 

 

 延髄に蹴りをいれて無理矢理縦に頷かせるヴィータ。

 

「ってことで後は頑張れよ」

 

 それじゃ、手を挙げながら立ち去るヴィータ。その背中に声をかけた。

 

「おいロヴィータ。ちょっとシグナムについて面白い遊びを考えたんだが、ちょっと乗らないか?」

 

 その言葉に死ぬほど嫌そうな顔をするヴィータに、ひょっとこはへらへらと笑った。

 

          ☆

 

「なーんであたしを巻き込むかなぁ。これあたしが始末書を書くことになるんだけど」

 

「まーまーいいじゃないか。メンバーも集まったことだし」

 

 目の前で腕を組むヴィータの肩を揉むひょっとこ。近くではティアナとスバルが準備運動でストレッチ中。驚くほどチンコが反応しないことにひょっとこは、やはりあいつらは女じゃないんだなと改めて認識する。

 

「そ れ に なんであたしまでブルマじゃないといけないんだ?殺すぞお前」

 

 

「いやー、やっぱ紺色ブルマって最高じゃん?」

 

「理由になってねえよ!」

 

 拳をひらりとかわすひょっとこに、アイゼンを取り出そうとするヴィータ。その二人にシグナムは声をかける。

 

「……いったいどういうことなんだ?何が起こっているのか説明してくれ」

 

 困惑するシグナム。自身は上下ジャージ姿で他の面々はブルマ装備。場所は訓練室で、設定は……きっと運動場だろうか。トラックがひかれているところをみるとなのは達が通っていた高校の運動場もこんな感じだった気がすると思いをはせる。

 

 自信満々にひょっとこは言ってのけた。

 

「いまからお前には体育教師として40分間授業をしてもらう。そして10分で纏めだ」

 

「まるで意味が分からんぞ」

 

 ヴィータに助けを乞うシグナム。ヴィータは頭を掻きながら、

 

「まぁなんだ。つまり模擬授業をいっぱいしておけば、シグナムも少しは自信がつくんじゃないかなって思ってさ。それで急遽、こいつとあたしで生徒役をしようって。あの二人はなのはの髪の毛一本を条件についてきた危ない女たちだ」

 

 何処の世界に髪の毛一本でついてくる女がいるだろうか。よっぽどアホだと思うのだが、きっとおそらくなんか楽しそうだから。そんな感想が先にきたに違いない。

 

 メンバーはざっとこんな感じだ。

 

 ひょっとこ・ヴィータ・ティアナ・スバル・ザフィーラ・救護人としてシャマルがそばで控えている。ちなみに全員ブルマ装備である。

 

「なぁひょっとこ。男のブルマほど危ないものはないと思うぞ」

 

「俺はメイド服とか着てるから慣れてる。それにザッフィーも意外に似合ってて可愛いぞ」

 

「……反応に困る」

 

 若干照れているザフィーラに身震いしながらもシグナムは頭を振った。

 

 時刻は深夜。すでに日付は変わっている時刻。明日もまだ仕事があるというのに、自分のために集まってくれたのか。

 

「……まったく。ほんとバカなことを考える」

 

「そりゃどーも。それより先生、さっさと授業を始めようぜ。俺はともかく皆は明日も仕事だろ」

 

「ん、あぁそうだったな。それじゃ授業というものをしてみよう。まずは体を動かすことだな」

 

 まずはストレッチをしよう。シグナムの掛け声にティアナとスバルが元気よく返事をする。デスクワークと勉強で体が動くのを求めていたのだろう。

 

 ヴィータとザフィーラは身長差をものともしない身体能力で軽々とストレッチをこなしていく。そしてひょっとこは当たり前のように余ったので、同じく余りものの

シグナムとストレッチをすることにした。

 

「すまんひょっとこ。私はシャマルとストレッチをするから独りでストレッチをしてくれ」

 

 先生の言葉は絶対だ。

 

 ひょっとこは泣く泣く独りでストレッチをするのだった。

 


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