パンツ脱いだら通報された   作:烈火1919

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24.それでも俺はやってない。 というのは嘘だ

 ヴィヴィオに色々な服を着せて遊んでいたら我が家のお姫様二人が帰宅する時間が近づいてきたので、すぐ隣で楽しそうにお絵かきしているヴィヴィオに確認を取ることに。 なんの確認かというと、これから行動する予定の確認である。

 

「ヴィヴィオー、さっき言った通りにするんだぞー」

 

「うん! えっと、きんぱつのおねえちゃんのところにかけよればいいんだよね!」

 

「そうそう。 決して栗色の髪のお姉ちゃんには近づくなよ。 触れた瞬間溶けるからな」

 

「あぅ……ヴィヴィオきをつける……」

 

 ヴィヴィオの中ではすでになのはが、空を飛び街を破壊し目と目が合った者を虐殺していくクリーチャーへと変貌していた。 幼馴染の俺としては小さな子どもにこんな恐ろしい誤解などしてほしくないのだが……しょうがないよな。 俺もたまに殺されそうになるし。

 

 ヴィヴィオが俺のズボンを掴んだところで携帯からメールを受信する音が聞こえてきた。

 

『もうすぐかえるよー! あと3分くらいかな』

 

「よーし、それじゃヴィヴィオは先に玄関先で待機しておいてくれ。 俺は着替えてくるから」

 

「はーい!」

 

 手をあげて元気よく駆け出すヴィヴィオ。 やっぱ幼女はかわいいな~。

 

 そんなヴィヴィオを見送りながら俺は衣装部屋へと移動して、金髪長髪のカツラに青色のカラコンをつけ黒と白のフリルつきミニスカートを履き、黒ニーソで絶対領域をつくる。

 

 ちなみにカラコンは目を悪くするので長時間つけることはオススメしないからな。

 

 次に軽くファンデーションを塗り、口紅で可愛さを増していく。 つけまつげで目を大きく魅せて、最後にゴムでツインテールにする。 よくツインテールにすれば“ロリ”なんて言い方をしているが俺は絶対に認めないからな。 おまえらだよ、18禁ビデオの出演者たち。

 

 さてさてそれは置いといて、俺も準備ができたので玄関に向かうことに。

 

「じゃーん! どうだ、ヴィヴィオ!」

 

「うん! すっごくきもちわるい!」

 

 ですよねー。 若干ながら俺も思ってました。 だってべつに女顔でもなんでもないからね。 イケメンだって何しても似合うわけじゃないもんねー。

 

 ニコニコ笑顔で言葉の暴力を飛ばしてくるヴィヴィオに、冷静になりながら返事を返す。 あかん、股間に変な汗かいてきた。

 

 その時、グッドタイミングなのかバッドタイミングなのか分からないが、玄関の向こう側から二人の話し声が聞こえてくる。 とても楽しそうな声だ。 その声を聞いただけで俺の心は温まってくる。

 

 ドアノブが回る音がして二人の女性が顔を出した。 一人は可憐な光翼、フェイト・T・ハラオウン。 六課のアイドル担当だ。 そしてもう一人は恐怖の権化、高町なのは。 六課のオチ担当だ。

 

「わ~~~い! おかえり~~~!」

 

「えッ!? な、なに!? なんなのいきなりッ!?」

 

「わ~い! あいたかったよ~!」

 

「えぇッ!?」

 

 フェイトが見えた瞬間に駆け出し飛びつくヴィヴィオ。 フェイトはヴィヴィオをしっかりと柔らかく受け止めながらも盛大にテンパっていた。

 

「ママー! ママー!」

 

「えっ!? ちょっ!? ど、どうなってるのっ!?」

 

 テンパりながら回りをわたわたと見回すフェイトは、そのまま待機していた俺と目があった。 俺はそれを確認して、目に涙を浮かべなが『よよよ……』と泣き崩れる。

 

「かなしいわっ、フェイト。 私達の隠し子を忘れるなんて……私とともに過ごした情熱でイスカンダルな一夜を忘れたというの!」

 

「な、なのはっ!? どうすればいいのかなっ! も、もしかして迷子とかっ!?」

 

「う~ん……迷子なのかな~。 でもこの娘、フェイトちゃんに懐いてるみたいだけど」

 

「あなたは私の大切な初めてを奪ったのよっ! その罪、償ってもらうしかないのよっ!」

 

「ちょっと、まってよなのはっ! ほんとうに私はこんなの知らなくて……」

 

「う~ん……ねぇ、もしかしてママとパパとはぐれちゃったのかな?」

 

「ひぃっ!? さわったら、ヴィヴィオとけちゃう! たすけて!」

 

「………………そこのバカ、いったい何をこの娘に吹き込んだのかな?」

 

「シカトされたあげく、いきなり俺が犯人扱いされるの!?」

 

 渾身の演技を全て無視されたあげく、勝手にヴィヴィオに吹き込んだ犯人にされてしまった。 まったく……なのはも仕事で疲れてるんだな。

 

 フェイトに飛びつき抱きついたヴィヴィオはフェイトの足に引っ付いて離れず『ママ! ママ!』そう連呼し、フェイトはフェイトでそんなヴィヴィオに対して慌てふためくだけであった。 そんなフェイトをみてなのはは助け舟を出したわけだが差し伸べた手を触れるどころか避けられて怒りの矛先がこちらにきている。

 

「まぁ落ち着け。 俺とお前の仲じゃないか。 可愛い可愛いひょっとこちゃんからのラブコールなんだから笑って済ませるくらいの度量を調子こいてすいませんでした! お願いですからバインドで磔にするのは勘弁してくださいっ!?」

 

 外国人のようにスマイル満点で足を踏み出した瞬間になのはのバインドによって両手を左右に広げ足を投げ出してように広げられた状態のバインドにかかった。

 

「……フェイトちゃん。 その娘と一緒にリビングに行っててくれるかな? 私はお話しするからさ」

 

「ああ、うん。 わかったよ。 え~っと、とりあえず行こうか?」

 

「うん!」

 

「おいちょっとまてよ! お前のその肯定で一人の市民の命が風前の灯になってるんだぞ!? それでいいのか管理局! それでいいのかマシュマロおっぱい! あ、ごめ

ん謝るから! マシュマロおっぱい謝るからいかないでえええええええええええええ!」

 

 バインドで縛られている状態なので顔だけでも必死にフェイトと距離を詰めようと努力するひょっとこに対して、フェイトは無視を決め込みヴィヴィオを伴ってリビングへと入っていった。

 

 必死に弁明してる彼の声をBGMにしながら私はこの女の子に話を聞くことにした。

 

「え~っと、私はフェイト・T・ハラオウンです。 あなたのお名前は?」

 

「ヴィヴィオ!」

 

「そう、可愛い名前だね。 それで、どうしてここにいるのかな?」

 

「え~っと……おにいさんにつれてこられたの!」

 

「なのは! 俊を完膚なきまでに叩きのめして!」

 

 ヴィヴィオからおおよそ聞きたくない内容を聞きだしてしまった私は、ここからなのはに聞こえるほどの音量でそう頼んでしまった。

 

『それ絶対に誤解だから!? 内容とかまったく聞いてないけど1000%誤解だって断言できるから!』

 

 既に犯罪者の言葉など私の耳には届かない。 俊ならいつかやあると思っていた……。 だからこそ、なのはと二人でそれを止めようとしていたのに……最低な人間だよ、俊は!

 

『ちょっ!? なのは先生、往復ビンタめっちゃ痛いから、アンパンマン並みに顔面腫れあがるから! ごめんなさいっ! もうしません!』

 

 ここまで聞こえてくるなのはのビンタと俊の絶叫。

 

『てめぇ! 俺だってこの痛みを快感に変換する術をもってるんだぞ! それを使用すればお前のビンタを変換して俺の股間のデバイスからホワイトブレイカーを撃つこ

とだって可能だ! 下着もズボンも突破して貴様にかけるぞ、この一撃!』

 

 痛みのあまり彼がへんなことを口にしはじめた。

 

「ねぇねぇ、ホワイトブレイカーってな~に~?」

 

「う~ん、もうちょっと大人になったら教えてあげるからね~」

 

 よしよしと頭を撫でると、猫のように気持ちよさそうに目を細める。

 

『はっはっはっはっはっ、流石のお前も女の子、これで近づくことができなくなっただろう……! ……ちょっとまって、タイムアウト! この距離からの魔力弾は洒落にならないって。 ただでさえ、魔力弾がトラウマになりそうなんだから。 マジゴメン。 なのはちゃん世界一可愛いから許して! いたいいたいっ!? これ以上食らっ

たら俺の中の何かが天元突破しちゃうううううううううううううううううううううううううううううううううううう!』

 

「ねぇねぇ、てんげんとっぱってな~に~?」

 

「使い方が正しいと銀河を守るほどの力と恰好よさがあるんだよ~。 アレは完全に使用例が間違ってるから、マネしちゃダメだよ?」

 

「うん!」

 

 ヴィヴィオが可愛く元気に頷く。

 

 そんなヴィヴィオを片手であやしながら、この娘が何故家にいるのか後で問いただそうと思う私であった。

 

 


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