パンツ脱いだら通報された   作:烈火1919

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59.ロリ

「昨日さ、ロリビッチものの同人誌読んでて思ったことなんだけど。 そもそも何故、男はロリ系に弱いかって話なんだよな。 まず挙げられることとしては、背徳感、罪悪感、征服感があると思うからなんだ。 法律的にはロリ、いわゆる小学生に手を出した時点でアウトだろ? その法律があるからこそ、背徳感でいっぱいになり手を出したりするのかもしれない。 次に罪悪感。 これは小学生を犯すことと、その後にくる『やってはいけないこと』をしてしまった自分に酔いたいのだと思う。 例えば、悪ぶった高校生が飲酒や喫煙するじゃん? あれは『そんなことやってる俺カッケー』というもと、『こんなことしちゃダメだけど』という良心のはざまで起こる行為だと考えている。 次に征服感。 これは簡単だよな。 小学生を犯すことで自分の心を満たしたいってだけなんだよ。 つまり自分が上位に立ちたいってことなのさ。 だからこそ、生物で一番弱い存在である小さな女の子を狙う。 あとは単純に好きだからって理由もあるよな。 けど、そのロリが好きって感情はさ、父性の歪んだ愛情からくるものだと考えている。 本来なら守るべき対象であるロリを何を間違ったのか犯す対象に変わってしまった。 そんな奴の成れの果てがロリコンとして逮捕される奴だと思うんだ。 ──で、ここでロリビッチの話に戻るんだけど。 いま結構ブームじゃんロリビッチ。 それじゃ、なんでロリビッチがブームなのかについて考察してみたんだ。 そもそも、ロリという単語で頭に思い浮かべるのは『可愛い』 『天使』 『清純』 といった単語だと思う。 そしてここで問題なのは『清純』という単語だよな。 人間ってのはよくできていて事前に聞いたこと・調べたことが本当のことだと思うことが多々あるんだよな。 いわばイメージが先行してしまうのさ。 だからこそ、『小学生は清純』 という風潮が出来上がった。 そこでロリビッチの話に戻るんだけど、これはいわばギャップを狙った発想だよね。 『小学生は清純で、エッチなことなんてしない』というイメージを壊すんだ。 このイメージを壊すことによってそれまでの凝り固まったイメージが崩れ、結果、ロリの新たな道としてロリビッチという道が生まれる。 そうすると、ロリには二つの道ができるわけだ。 清純系か小悪魔系か。 けどね、同人誌とかで大切なものって結局の所、『いかにエロくヌける本を描くか』にあるわけだよ。 その点、清純系だと厄介だよな。 なんせアグレッシブなこともできない上にストーリーにページを割かないといけないのだから。 ところがロリビッチだとそんなことないうえにエロに力を注げてしまう。 こうなると、俄然ロリビッチのほうが有利になるわけよ。 そして、ここで問題に戻るわけだが。 ロリは背徳感と征服感と罪悪感でできていると思っている。 しかしながら、ロリビッチではそんなものを出すことができるのだろうか。 なんというかさ──ロリビッチってロリ成分が薄まるよな?」

 

「知らんわボケェェェェェエエェェェッ!!!」

 

 はやてがひょっとこの頭を鷲掴みにし、自分のデスクに渾身の力を込めて叩きつける。

 

 ドゴンッ!!

 

「人がアンタのことを我慢してるっちゅうのに、当のお前はのうのうとロリビッチものの同人誌読んでその考察をだらだら考えたってか!!? お前の背骨引っこ抜いてロリと同じ身長まで縮めるぞ! あぁん!?」

 

 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

 

 叩きつけては持ち上げ、叩きつけては持ち上げを繰り返すはやて。 その顔、悪鬼羅刹の修羅である。

 

「はやて、ソレそろそろ死ぬぞ?」

 

「あん?」

 

「ひゅー……ごほっ……はやてさん……ごめんなさい……許してください……がはっ……」

 

 顔面を血みどろにしながら、危ない息の吸い方をしながらも、なんとかはやてに許しを乞うひょっとこ。 なんか涙と血が混じって気持ち悪いことになっている。

 

「あ、ほんとや。 シャマル、治してあげたって。 第2ラウンドもするから」

 

「……ちょっ……まじで無理だって……」

 

 困り顔のシャマルに治してもらいながら、よろよろの状態で助けを求める。

 

 なのは&フェイト・・・ヴィヴィオとエリオとキャロを背中に隠しながらガン無視

 

 スバルとティア・・・どさくさらに紛れてなのはの髪を盗む。 なお、ひょっとこはガン無視

 

 

 

 シグナム・・・伸ばしてきたひょっとこの手を蹴り飛ばす

 

 シャマル・・・困った笑みを浮かべたまま、一定の距離を取る

 ヴィータ・・・ひょっとこがきても動かない

 

「ロヴィータよ……お前だけだったよ。 やっぱりロヴィータは良心だな……」

 

「仕事の邪魔だ、ゴミ虫」

 

「げふぅっ!?」

 

 ひょっとこの腹を思いっきり蹴り、本部に送るための書類をファックスで送信する。

 

「くそっ……! 六課の皆は薄情ものだ、絶対こいつらの血はミドリ色に決まってる」

 

「俊くん、いまの話聞いて俊くんを支持する六課の面々はいないと思うよ?」

 

「10年前は管理局のロリ代表だったのに、いまじゃコスプレ女で痛々しいだけのなのはさんは黙ってて!」

 

「ちょっと表でろ」

 なのはが立ち上がり、ひょっとこをネコのように持ち上げる。 そしてそのまま、廊下へと出る。

 

『や、あの……はい、すいません。 僕ですか? 勿論なのはさんのバリアジャケット大好きです。 はい、もう愛してるといっても問題ないほどです。 あ、はい、すいません。 でもやっぱりここは期待に応えないといけないと思って……。 あ、いえいえそんな滅相もございません。 はい、もう。はい。 なんかすいません、僕みたいな奴が中心で。 はい、もう僕はスミのスミのほうでいいです、はい。 はい、もう僕は高町なのはの奴隷です、絶対服従を誓います、はい。 ……え? 焼きそばパン買ってこいですか? でも僕お金もってないし……。 あ、お金はくれるんですね。 それじゃ行ってきます』

 

 そんな会話が聞こえた後、一人が走り去る音が聞こえてきて、代わりになのはが部屋の中に戻ってくる。

 

 そして、いつもと変わらぬ可愛らしい笑顔でこう告げた

 

「みんなー! 俊くんが自主的に焼きそばパン買ってくるんだってー! 3時の休憩にしよー!」

 

 いつもと変わらぬ笑顔を振りまくなのは。 そんななのはをみて、六課にいる面々は思った。

 

『(なのはさんに逆らったら殺される……!)』

 

 高町なのは、その力、その脅威、いまだ健在である。

 

 

           ☆

 

 

「で、そもそもなんできたん? なんか用があるからわざわざ来たのやろ? それともアレか、本当にくだらん考察をするためだけにきたんか。 だとしたらビンタするで」

 

「既にビンタ以上のものを喰らったけどな。 まあ落ち着けはやえもん。 来週の月曜から日曜までの一週間、俺となのはさんとフェイトとヴィヴィオは高町家に帰るんだけど、どうせだったら八神ファミリーも一緒に行こうぜ! というお誘いでやってきたのさ」

 

「あー、なるほど。 勿論いくで。 それにしても来週か、もう少しだけ早く言ってほしかったかも」

 

「え? なんで?」

 

「ほら……そのー……水着とか」

 

「何言ってんだよ、お前の胸全然成長してないじゃん」

 

 ビンタが飛んできた

 

「……はやての胸成長してるな」

 

 なんだろう……この理不尽な想いが胸を駆け巡る感覚は。

 

 現在、大きなテーブルに場所を移し皆で席に座っているのだが。 向かい正面ははやて、右がなのは、左がフェイト。 一番遠いところにキャロとヴィヴィオがくるよ

うに配置されていた。 お前らどんだけ俺を信用してないんだ。 そして全員、俺以外の面々は焼きそばパンを頬張っていた。 ……俺も欲しい。

 

「俊、とっても焼きそばパンを欲しそうにしてるね」

 

「うん、ちょーうまそう」

 

「食べる?」

 

「食べる!」

 

「それじゃ、はい」

 

 フェイトから焼きそばパン──の上にのっている紅ショウガを渡された。

 

「……いただきます……」

 

「あ、俊くん紅ショウガ好きなんだ! それじゃわたしのもどうぞー」

 

「あ、私のもいいですよー」

 

『しょうがないなー、まったく』

 

 手には紅ショウガだけが積まれていく。 久しぶりに味わう、なのはとフェイトのドS攻撃。 そしてそれによる波状攻撃。 すいません、僕の精神はそこまで強くないのですが。

 

 けど大丈夫。 だってヴィヴィオがいるんだもん、俺の唯一の味方のヴィヴィオちゃんなら俺を助けてくれるはず……!

 

 チラッ

 

「むにゃむにゃ……」

 

 寝てるーーー!? ヴィヴィオちゃんお腹が満腹になったから寝ちゃってるよ!? やっぱりこういったところが5歳児だね! ガーくんがしっかりヴィヴィオが落ちな

いように支えてるし。

 

「ところでひょっとこさん、それは私達も行けるんでしょうか?」

 

「勿論、というか既にエリオとキャロは強制参加になってるから。 スバルと嬢ちゃんもくるよな?」

 

「「勿論行きますよ! なのはさんの水着が見れるんですから!!」」

 

 あいかわらず自分の欲望に素直な二人である。

 

「ということは、これで六課のほうは大丈夫……と。 あとはスカさんとおっさんだな」

 

 おっさんが来れるかどうか微妙な所だよな。 真面目だから『俺が休んでる間にミッドでなにかあるかもしれない。 悪いが、それを考えるといけそうにない』 みたいなこと言う可能性が無きにしも非ずなわけで。

 

 腕を組んで考えていると、ファックスからなにかの資料を受け取ったロヴィータちゃんが俺に聞いてきた。

 

「そういえばひょっとこ。 お前って、あの人のことをおっさんおっさん言うけどさ、あの人の本名はなんなんだ?」

 

「あ、それわたしも聞きたかった。 俊くんが言わないから、一向に本名がわからないんだよね」

 

 ロヴィータの問いになのはが同意する形で割り込む。

 

「いや……べつにしらないけど? 初めて会ったときからおっさんと呼んでるし」

 

『相変わらず非常識な奴だな』

 

「いやいや、俺とおっさんはこんな関係でいいんだよ。 なんせあっちも俺の本名を呼んだことなんて一度もないんだし」

 

「言われてみればそうかも。 男の友情みたいな感じ?」

 

「いやいや、どっちかというと犬猿の仲だろ。 俺が何度おっさんにボコられて、俺が何度おっさんにやり返したか」

 

 目を閉じれば思い出す。 エアガンで発砲したり、ナイフ投げの的にしたり、こっそりロリのエロ本を制服の中に入れ地位を貶めたり。

 

 色々やったな~。

 

「それでもひょっとこさんと、あの人の関係が続いてるってのが凄いですよね」

 

「それはスバルン、アレだよ。 俺とおっさんはトムとジェリーのようなもんなのさ」

 

 なんだかんだで縁切れないしな。

 

「……ホモ?」

 

「何故そうなる!?」

「俊くん、そんなの絶対ダメだからね! 小さい女の子も男の人も選択肢にいれちゃダメだから!」

 

「いれたら本気で軽蔑するよ?」

 

「いやいやいや少しは自分たちの幼馴染を信用しようぜ!?」

 

「まぁ……信用した結果、いまのなのはとフェイトがいるんだけどな」

 

「ヴィータ、それは言っちゃあかんよ」

 

 俺は絶対信じない。 もし信用してくれるのであれば、俺の寝室となのはとフェイトの寝室が一緒じゃないとおかしいもん。 これは明らかに信用してない証拠だよ。

 

「っと、ちょいとトイレいってくる」

 

 急に尿意がきたので、皆をどかしてトイレへとダッシュする。

 

 

           ☆

 

 

「まったく……小さい女の子のエッチな本は全部処分決定だね」

 

「うん、そうだね。 ただでさえ人として終わってる俊がこれ以上堕ちていくのは幼馴染としてほっとくわけにもいかないしね」

 

「ひょっとこさんのエロ本って定期的にお二人が捨ててるんですか?」

 

 ひょっとこを見送ったあと、なのはとフェイトがしきりに頷きながらひょっとこの宝物を処分することに決定していると、横からスバルがそう聞いてきた。

 

「そうだね、わたし達がチェックして捨ててるね。 そのたびに俊くんは抗議するけど」

 

「まあ、魔法で拘束するしね」

 

『四人の力関係が一発でわかるな』

 

 その場にいた全員が頷きながら、軽くひょっとこに同情する。 きっとひょっとこは家族の中では力が一番弱いのだろう。

 

「それにしても水着か~。 いまから新しい水着買いに行く?」

 

「う~ん、そうだね。 そうしよっか。 皆もどう?」

 

 問うフェイトに、六課の面々は一つ返事でOKしていく。 そして身支度を済ませたら、ひょっとこの帰りを待つことなく仕事場から出て行った。 自由奔放にもほどがある職場である。

 

 六課の面々が出て行ってから2分後、ひょっとこが戻ってきたときにはヴィータだけが自分のデスクの上で作業していた。

 

「あれ? 他のハーレム要因は?」

 

「お前をおいて水着買いにいったぞ。 というか、ハーレムも何もお前にデレてる奴なんかいたか?」

「……ヴィヴィオ?」

 

「それはお前の幻想だ」

 

「その幻想をぶち壊す」

 

 そういいながら、ひょっとこはヴィータの隣に腰掛ける。 若干ながらヴィータがひょっとことの間合いを取る。

 

「……あの……なんで避けた?」

 

「ロリコン野郎に犯されるかもしれないしな」

 

「残念ながら、お前の腔じゃ俺の肉棒は入らないだろ。 騎乗位なら入るかもしれないけどさ」

 

「そもそもお前とヤりたくないけどな。 性病になりそう」

 

「プログラムも性病になるのか?」

 

「さあ?」

 

 ヴィータはひょっとこの方など見ずに、淡々とした口調で会話を進めていく。

 

「あんま根詰めすぎるなよ、ほい」

 

「ん、お前にしては気がきくじゃねえか」

 

「どうせ、あいつらは水着買いに行くと思ってたからな。 あいつらの行動なんて手にとるようにわかる。 そしていつ生理がくるのかも手に取るようにわかる」

 

 ひょっとこから渡された缶ジュースを飲みながら、ヴィータがすまし顔で答える。

 

「そんなことだから、いつまで経っても付き合えないんだよ」

 

「そもそも脈あるのかな?」

 

「さぁ?」

 

「適当なことばっか言いやがって」

 

「人生を適当に生きてるお前に言われたくねえよ」

 

「適当じゃねえよ、人生の渡り方を心得ているだけさ」

 

 ヴィータから渡された缶ジュースを飲みながら、おどけたように答えるひょっとこ。

 

「それにしても、何してんだ?」

 

 ヴィータが先程からしている作業が気になったのか、ひょっとこが覗き込む形で見てくる。 そこには、新人一人一人の行動パターンをデータにとり、いまの新人の力

がどれほどなのか? といったグラフが書いてあった。

 

「本部の友達に連絡入れてな、新人たちのデータをグラフにしてもらったんだよ。 そしてあとは私が新人一人一人の直すべき所と、伸ばすべき所、褒める所を書いて新人たちに渡していく。 なのはは日記という形で新人たちとコミュニケーションを取ってるし、私は私のやり方で新人たちを教育しようと思ってな」

 

「ふ~ん、いつからはじめてんの?」

 

「4月から」

 

「六課が出来たあたりからか。 頑張るな、お前」

 

 ひょっとこは紙を一枚拝借し、眺めてみる。 そこにはティアのデータが載っていた。 律儀に、先月より成長したと思われるところには赤線が引いてあり、可愛らしい文字で『good』と書いてある。

 

「ティアナはもともと、スバルのような馬力もないし、キャロのような使役もできない、エリオのように将来有望かどうかもわからない。 だから、もしかしたら自分の成長が判らなくて無理な訓練をやってしまうかもしれない。 そしたらなのはをはじめ、皆が悲しむだろ? あたしはそういうの嫌なんだ」

 

「確かに、嬢ちゃんはティーダの葬式のときになのはと会わなかったら、対立してかもしれないな。 天才には凡人のことなんかわからない。 天才の奴が凡人の奴に何

をいっても嫌味に聞こえてしまうし、凡人が天才に言ったところで、それは負け犬の遠吠えになってしまう。 天才は天才同士でつるむしかなく、凡人は凡人同士でつるむしかない」

 

「それでも、全てがそういうわけじゃない。 六課をみればわかるだろ?」

 

「まあな。 それにしても、教導担当のなのはがやらないで、なんでお前がやってんだろうな」

 

「あたしも教導担当だよ。 それに、なのははあのままでいいんじゃないか。 あれはあれで新人たちのことをよく考えてるよ。 日記にしたって、自分のわかる範囲で答えるし、他の隊長陣にも意見を求めたりしている。 まあ、うまく回っているのさ」

 

 それに、とヴィータは続ける。 ちょっとだけ顔をほころばせながら、笑顔で続ける。

 

「嬉しいんだ。 プログラムのあたしは成長しないけど、新人達は一日一日、日々成長している。 それを見るのが楽しくて、そんなあいつらの頑張りをみるのが嬉しいんだ。 まぁ……あまり訓練しないことは問題だけど。 自主練もあまりしてないみたいだし」

 

「それは問題だな。 まあ、六課はそれでいいと思うけどさ」

 

 なんせ管理局の萌え担当なんだから。 そう言うひょっとこに、ヴィータはクスリと笑う。

 

「かもしれないな。 それでいいのかも」

 

 ひょっとこから受け取った缶ジュースを一気に呷り、ゴミ箱へと持っていく。 そんなヴィータの背中にひょっとこから声がかかった。

 

「確かに、お前ら守護騎士は身体的な成長なんてしないかもしれないけど、魔力的に成長なんてしないかもしれないけど、べつにいいんじゃないかな?」

 

「知ってるさ。 べつにプログラムを否定しようなんて思ってないし」

 

 首を振るヴィータに、

 

「あ、あれ? 俺の言葉が悪かったかな?」

 

 と、ひょっとこは首をひねる。

 

「いったい、お前は何を言いたいんだ?」

 

 席に戻りながら、問うヴィータにひょっとこは、

 

「だからさ、移りゆく世界で、変わらずそのままの形であり続けるものがあってもいいんじゃないかな? 例えば、ヴィータとかさ」

 

 世界は日々、成長し、進化し、衰退し、滅びていく。

 

 そんな世界で、いつまでも変わらずにそのままの姿であり続ける存在があってもいいのではないか? そう言外に含ませながら、

 

「いつまでも、そのままの姿でいてくれよ、ヴィータ。 ヴィヴィオもキャロもじきに大人になってロリ枠はお前しかいなくなるんだから」

 

 と、ニヤニヤと笑いながらいった。

 

 そんなひょっとこの言葉に、ハッと笑い

 

「なにくさいセリフで気取ってんだ。 まぁ、お前が年老いたら肩たたきくらいはしてやるさ」

 と、じつに愉快に面白そうな表情で言った。

 

 そうして席に戻り、自分の作業をはじめるヴィータ。

 

 その横で肩肘つきながら、見ているひょっとこ。

 

 なのは達が帰ってくるまでの間、二人だけの時間はゆっくりとまったりと過ぎていった。

 




欲望のサブタイトル

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