正義の魔王 inハイスクールD×D   作:しらこつの

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旧校舎のディアボロス
第01話 異世界へ


Side エリカ

 

「はあああああああ!!!!」

 

声を張り上げながら相手に最後の一撃を叩き込む。

長かった戦いもようやく終わりを迎えた。

そして相手を倒した昴は力なくその場に倒れてしまった。

 

「「昴(君)!!!!」」

 

私たちは急いで彼のそばに駆け寄る。

私達も今回は一緒に戦っていたから多少怪我をしているものの、彼の体はそれ以上にボロボロである。

 

「・・・ここまで深手を負ったのはあの時以来ね。」

「・・・そうだね。

 それに今回の神・・・僕はあんな神知らなかったよ。」

「それは私もよ。

 いったいあれは誰だったのかしら・・・。」

「とりあえず心配はいらないだろうけど、一応病院に運ぼう。」

「ええ、そうね。」

 

私達は協力して昴を支えてその場を後にした。

 

 

 

 

Side 昴

 

「愛しい息子、昴よ。

 今回は激戦だったみたいだね。」

「お母さん・・・ってことはここは。」

「そう『生と不死の境界』だよ。

 久しぶりだね、スバル。」

 

ここは何もない、灰色の世界。

目の前には僕の義理の母親であるパンドラ様。

ここでしか会えないお母さん。

 

「今日はどうしたんですか?

 最近は戦闘の後も会いに来たりしてなかったのに。」

「ああ、それはね、何十年たっても素直で可愛らしい息子に忠告と頼み事をね。」

「????」

 

いつもと違い真剣な表情で話し始めるお母さん。

僕も姿勢を正して話を聞く体制を作る。

 

「まず今回話すことは目を覚ましても覚えておくように私の方で調整してるよ。

 でも他の子達には教えないでね。」

「わかりました。」

「・・・それじゃあまずは忠告の方から。

 今回戦った神いつもと違わなかった?」

「はい・・・何というか現代的でした。」

「・・・彼はね・・・最近になって現れた神の一人なんだ。」

「最近現れた神様ってことですか?

 いったいどうやって・・・。」

「君達の世界にはインターネットと呼ばれるものがあるでしょう。」

「・・・まさか!!!!」

「スバルが思っている通りだよ。

 彼らはネットの世界で生まれた新たな神話の神なんだ。」

「それならあの言動と容姿にも納得できます。」

 

だってスーツ着てたし。

 

「最近そんな神話のせいで神の世界もてんやわんやしててね。

 それに彼ら・・・現代で作られただけあって、何て言うんだっけ?

 確か・・・そう!!君達の世界でチートって呼ばれる能力を持ってたりして厄介この上ないんだよ。」

「・・・確かに。」

 

今回戦った神様ホント『チート』だった。

だって空間を切り開いて攻撃してくるんだもん。

今考えてみるとよく勝てたな僕。

 

「そんな事があって今こっちの世界が不安定なんだよ。」

「忠告っていうのは・・・。」

「そう、最近そういった神が増えるかもしれないから気を付けてってこと。」

「わかりました。

 お母さん、わざわざありがとう。」

「気にしなくてもいいよ。

 それで頼み事の方なんだけど・・・。

 ちょっと異世界まで行ってそこに現れるまつろわぬ神を倒してきてくれないかな。」

「・・・はい?」

「そうだよね、訳が分からないよね。

 大丈夫、ちゃんと説明するから。」

 

お母さんは話し出す。

 

「さっきも言ったように新たな神達は今までにない力を持っているんだ。

 そんな彼らが自分の力を示すためにつなげてしまうんだよ。

 異世界に、扉を。」

「まさか・・・そんな事が?」

「私もびっくりしちゃって。

 けどそれが事実なんだよ。

 そしてその扉を通って昴達とも違う異世界に迷い込んで暴れまわるまつろわぬ神が出てきているんだよ。

 この間少しのぞいてみたんだけど、ひどい有様だった。」

 

それはそうだろう。

まつろわぬ神と戦える人なんてそう簡単に表れない。

 

「その世界ではいくつかの文明が無くなったよ。

 君達の世界で起こった事なら別にいいんだけどね。

さすがに別世界にまで被害が出たら何を言われるのかわかったもんじゃない。

そこでだ!!!!

 今回スバルが倒した神から簒奪した権能を少しいじらせてもらった。」

「いじる?」

「そう。

 本来だったら戦闘系の力だったのを、移動に特化した物に代えさせてもらった。」

「その力を使って異世界でまつろわぬ神を倒してほしいって事?」

「その通り。

 もちろん勝手に異世界へ行かれても困っちゃうから、移動する際には私が指定させてもらうよ。

 まあ、実際は昴が手に入れた権能だけじゃ異世界なんていけないけどね。」

 

この頼みをなんで僕だけにしたのかわかった。

他の人に頼んだら大変の事になるって思ったからだろうな。

 

「わかった、お母さん。

 僕に任せておいて。」

「ありがとう、スバルよ。

 この話は他の神殺しに伝えなかったら、君の信頼できる人に限っては話してもいいよ。

 急に居なくなっても困るだろうからね。」

「うん、わかったよ。」

「それじゃあ、この話はここまでだ。

 またね、愛しの息子。」

 

お母さんがそう言うと意識がどこかに持っていかれた。

 

 

 

目を覚ましたらそこは病院だった。

 

「目を覚ましたみたいね。

 気分はどう?」

 

隣にはエリカさんが座っていた。

 

「はい、もう大丈夫です。

 それよりも大切な話があります。

 馨さんは何処ですか?」

「・・・わかったわ。

 昴ももう完治しているみたいだし、行きましょう。」

 

 

その後すぐに病院を出て家に帰った。

 

「おかえり、昴君。

 もう体は大丈夫なのかい。」

「はい、ご心配をおかけしました。

 それよりも大切な話がありますから、少しいいですか?」

 

リビングに移動して席に促す。

僕の真剣な雰囲気に気付いているのか、二人はすぐに席に座る。

 

「それで、話っていう名は?」

「それなんですが・・・。」

 

僕はさっき母から聞いた話を二人にしていく。

それを聞いた二人は複雑な顔をしていた。

 

「・・・そう、パンドラ様の頼み事。

 それにしても異世界ね・・・。」

「確かにあのまつろわぬ神の能力からしたら不可能じゃないだろうけど・・・。

 些か現実離れしすぎてるね。」

「・・・でも本当なんでしょ?」

「・・・はい。」

 

僕の返事に諦めたかのように息を吐く二人。

 

「だったらしょうがないわね。」

「そうだね。

 急いで方々に連絡をして準備をしないと。」

 

そして僕達は動きだした。

まずした事はもう一度母にコンタクトを取ってさらに詳しい話を聞く事。

これには成功した。

これによってわかった事は、

 

1.母が指定した世界以外はいけない。

2.一度繋げてしまえばいつでも権能を使えば行き来できる。

3.権能の使い方は自分で確認しなくてはいけない。

4.異世界では現れるまつろわぬ神を倒す事以外にも何をしてもかまわない。

5.現れるまつろわぬ神の数はそこまで多くは無いとの事。

6.神々の世界で開いた扉はそのうち閉まるらしい。

7.よって開いている間は警戒していてほしい。

 

簡単に言えばこんなところだった。

次にパオロさんや沙耶宮家の方々に今回の事情を説明、これからより一層忙しくなる事を伝えた。

驚いてはいたが皆協力を約束してくれた。

カンピオーネの方々に注意喚起もしておいた。

まともに聞いてくれたのは先輩だけだったけど・・・。

 

そして・・・・・。

 

「・・・いよいよね。」

「そうですね。」

 

全ての準備が整い異世界への扉を開くこととなった。

場所は僕の家の玄関。

ここには僕とエリカさんと馨さんの三人だけ。

 

「・・・それじゃあ始めますね。」

 

僕は目をつぶり、聖句を紡ぐ。

 

「ここに開きしは世界への扉。

 時を絶ち、空間を裂く。

 ここに創りしは世界への扉。

 時の安寧と、空間の創造。

 我ここに世界への扉を開く。」

 

僕の氣が膨れ上がり辺りを支配する。

その力が徐々に玄関の扉に干渉していく。

僕の中にあった氣が半分以上持って行かれた時、辺りを光が包み込んだ。

 

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