正義の魔王 inハイスクールD×D   作:しらこつの

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第13話 合宿終了

Side 昴

 

「もっとよく見て、体の力全部を拳に乗せるんです。」

「は、はい。」

 

今僕は兵藤君を相手に手合せ中。

戦闘訓練をはじめて早二日。

呑み込みが早くすでに白音さんに届こうとしている。

 

「集中力を切らさない。」

 

今は僕が避け、相手が攻める。

けど気を抜いていたりしたら偶に攻撃する。

 

「うおッ!!」

 

反射もよくなってきた。

始めはすぐに殴られて昏倒していたからなぁ。

 

「くそっ!!」

 

お返しにと蹴りを放ってくる兵藤君。

その時、

 

「・・・時間です。」

 

と白音さんの声が響く。

これは攻守が交代する合図。

せめてばかりでは勝つ事はできない。

時間を設定して攻守交替で手合せしている。

 

すでに蹴りを放って片足地面から離れている兵藤君の顔は青ざめる。

 

「神藤さん、ち、ちょっと待って。」

「待ちません。」

 

すぐさま攻撃に転じる。

蹴りを避け逆に兵藤君の顔目掛けて蹴りを送る。

その時機械音が鳴り響く。

 

『BOOST』

 

兵藤君の赤龍帝の篭手だ。

避ける時は倍化が溜まる時間稼ぎの意味を持つ。

その為五回分の倍加、五十秒耐えてもう一度攻守交代となる。

 

僕はもちろん手加減して攻撃している。

相手のギリギリ避けられるレベルの攻撃をしているつもりだ。

日に日に兵藤君のレベルが上がっているので毎日少しずつ難易度は上がっている。

 

僕の蹴りを転がりながら避け、いったん距離をとる。

その後も必死に避け続ける兵藤君。

避けられない時はわざと当たり吹き飛ばされながら距離を取ろうとしたりもする。

この辺りは素人ながらも考えて行動している事がわかる。

 

『BOOST』

 

四回目の倍加。

ここでもう一つギアを上げる。

 

「後十秒です。」

「くっ!!」

 

四十秒の間に溜まったダメージも有り、さらにダメージを受けるがそれでも我慢して避け続ける。

そして、

 

『BOOST』

 

五回目の倍加の合図。

兵藤君の表情が和らぐ。

 

「やっと終わった。

 行きます。」

 

『explosion』

 

の掛け声と共に溜めた力を開放する。

纏う気迫も段違いに跳ね上がる。

迫ってくるスピード、放ってくる拳の速さ。

全てが桁外れだ。

まぁ、僕にとってはまだまだだけどね。

 

「力に振り回されていますよ。

 さっきやっていた事を思い出して。

 そんなんじゃあ倍加した力が意味ありませんよ。」

 

攻撃の速さと強さはすごいがそれだけ。

たかだか数日鍛えたくらいの子供に遅れは取らない。

 

「闇雲に打ったって駄目です。

 今はまだ一つ一つ丁寧に。」

 

焦ってきた兵藤君に指示を飛ばす。

倍化には時間制限がある。

そのため焦ってしまうのが兵藤君の悪い癖だ。

 

そろそろ時間だな。

暫くしたら倍加の効果が切れ今回の手合せが終了する。

終わると同時にその場に座り込む兵藤君。

倍加の時間も日に日に長くなってきている。

 

「また良くなりましたね。

 さあ次は休憩がてら魔力コントロールの特訓です。」

「は、はい~~。」

 

 

兵藤君は魔力が極端に少ない。

元は一般人だったのだから仕方ないけど、悪魔としては最低レベルらしい。

その為魔力のコントロールに大変苦戦している。

初めてやった時なんて全然できなかった。

懇切丁寧に教えてやっとピンポン玉位の大きさの魔力を出す事が出来た。

そんな喜びに打ち震えている兵藤君に白音さんが一言。

 

「・・・しょぼ。」

 

無慈悲な一言に再び肩を落とす兵藤君は哀れでした。

そんな兵藤君も今ではある程度のコントロールは出来る様になっている。

しかも毎日やり続けた結果魔力量も増えている。

これも彼の努力の賜物です。

 

「今日は体中の魔力を右の拳に集めてください。

 魔力として放出せず、ただ右手に集めてください。」

「??わかりました??」

 

不思議そうだったが早速やり始める。

僕は白音さんと手合せしながらその様子を窺っていた。

兵藤君は留める事が出来ず、魔力が拡散してしまう事に顔を顰めている。

魔力は量が増えるほどそこに留める事が難しくなる。

それには更なる魔力コントロールが必要になってくる。

 

と一旦兵藤君の事は置いておいて、今は白音さんだ。

白音さんもまたかなり上達した。

強化された身体能力を駆使し、正確な攻撃を繰り出してくる。

まだ高レベルの人達と戦う事は難しいが、今なら中級悪魔程度なら楽に倒せるだろう。

 

仙術の扱いもうまくなっている。

黒歌さんの初めの頃よりも扱いが上手いらしい。

自分の事のように自慢してきた黒歌さんが微笑ましかった。

黒歌さんとの仲も良好で、今では堕天使であるミッテルトさんとも仲良くなっている。

 

そろそろ時間になるので白音さんの目の前に拳を寸止めして終わりにする。

やっている事のレベルが上がっているので今でも終わったら倒れそうになる。

そんな白音さんを支えながら兵藤君の所へと向かう。

 

「どうですか?」

「難しいです、でも少しなら出来る様になりました。」

「上々です、初めてでそこまで出来る様になったならもう少しでできますよ。」

「これってどういう意味があるんですか?」

「そうですね・・・これは兵藤君にとって一つの必殺技になるかもしれない技術ですね。」

「ひ、必殺技ですか?」

「もちろんそれを完璧に熟せる事が出来ればの話です。」

「・・・それが出来る様になったら勝てますか?」

「それは僕にはわかりません。

 ですが状況を一変する威力はあると保証します。」

「っ!!

 俺頑張ってもっと練習します!!」

「その意気です。

 その練習は寝る前とかでもできますから、時間を見つけてやるといいですよ。」

「はい!!」

 

 

 

午後。

兵藤君と白音さんを送り出した後僕はある人を訪ねた。

 

「おや?

 珍しいね、今日はどうしたんだい?」

 

僕に気付いた馨さんからの言葉。

そんな彼女に気付いた三人も此方を向く。

 

「神藤さん?

 今日はどうしたの?

 もしかしてイッセー達に何かあったの?」

「そういう訳ではありませんよ。

 兵藤君達は今も必死に自分を鍛えています。」

「それではどうしてここにいるのですか?」

「アルジェントさんに話がありまして。」

「私ですか?」

「少しいいですか?」

 

アルジェントさんはグレンリーさん達の方へ確認を取る。

 

「いいわよ。

 アーシアは私達に中じゃ一番優秀だもの。

 少しくらい構わないわ。」

「そ、それじゃあ行ってきますね。」

「では行きましょう。」

 

アルジェントさんを連れて別荘へ戻り、食堂へと向かう。

椅子に座らせ話を切り出す。

 

「アルジェントさんが悪魔となった切っ掛けはソーナさんにお聞きしました。」

「は、はい。」

「堕天使の人達に命を奪われたという事も知っています。」

「・・・・・。」

 

僕が何を言いたいのか分からず困惑している。

彼女はとても心優しい子だ。

そんな彼女だからこそ僕はこの話をしようと決めた。

 

「・・・・・ミッテルトさんに会って頂けませんか?」

「えっ??」

 

さらに困惑の色を深める。

その中に悲しみの色も見える。

 

「・・・どうして彼女の事を?

 それにミッテルトさんはリアス部長が殺してしまったって。」

 

言っていて泣きそうになっている。

 

「・・・・会いたくないですか?」

「・・・・・・・・会いたいです。

 ミッテルトさんは私の大切な友達です!!

 でももうこの世には・・・。」

「生きていますよ。」

「えっ!!」

「重症だった彼女を僕達が保護しました。」

「そ、そんな・・・う・そ・・・。」

「本当です。

 ミッテルトさんもあなたに謝りたいそうです。

 もし良かったら会って頂けませんか?」

「本当にミッテルトさんにもう一度会えるんですか?」

 

先程とは違い喜びの涙。

僕は黙って頷く。

 

「・・・会いたいです。

 ・・・・・会ってまたお話ししたいです。」

「だそうですよ、こっちに来てください。」

 

厨房の方に声を掛け、アンナさんが一人の女の子を連れて出てくる。

片腕の少女、ミッテルトさんだ。

 

「・・・アーシア。」

「・・・ミッテルトさん。」

 

2人は同時に駆け出し、抱き締めあう。

 

「ごめんっす、あの時助けてあげられなくて、ずっと後悔してたっす。」

「そんな事ありません。

 あそこでミッテルトさんだけが私によくしてくださいました。

 そして何より私のお友達になってくれました。

 その事が何よりも嬉しかったんです。」

「アーシアぁ。」

「ミッテルトさんっ。」

 

いい雰囲気だ。

邪魔しちゃ悪いかな。

後の事はアンナさんに任せて僕はその場を離れるのだった。

 

 

 

その後二人はまた友人としての付き合いを始めるらしい。

ミッテルトさんは自分の事はグレモリーさん達には内緒にしてほしいと頼んだ。

僕の事を考えてくれたんだろう。

友達を自信を持って紹介できない事がアルジェントさんは悲しそうだった。

それでも種族が違う事もあり、黙っていると約束してくれた。

 

 

 

数日後。

今日で合宿は終わり。

そのため合宿の成果をグレモリーさんが確認する事になった。

 

今、兵藤君と木場君が戦っている。

先制は騎士である木場君。

自慢の速さを活かして兵藤君に襲い掛かる。

それを兵藤君は落ち着いて避ける。

その事に木場君は驚くも動きは止まらず攻撃を続ける。

 

「イッセー凄いわね。」

「本当ですね。

 まだ倍加していないのに、木場君の動きに付いて行っています。」

 

素直に驚き感心しているグレモリーさんと姫島さん。

そんな二人に白音さんが言う。

 

「・・・今の先輩ならあれ位は出来ますよ。

 倍加している時ですけど、あれ以上の速さで攻撃されていましたから。」

「今はまだ攻撃に移る事は出来ませんけど、いずれはあの速さにも倍加無しで対抗する事が出来ると思います。」

「それは楽しみね。」

 

話をしている間に二回の機械音が聞こえていた。

それをまだ兵藤君は開放していない。

表情には出さないが動きに焦りが見える木場君。

そして・・・。

 

『BOOST』

 

三度目の倍加の合図。

それを聞いた瞬間兵藤君が動いた。

 

「行くぞ、木場ぁ!!」

 

その叫び声と共に兵藤君から力が解放される。

残りの合宿中にさらに鍛えられた体と魔力。

あの時よりも強い力が兵藤君から放たれる。

 

その迫力に木場君の足が止まる。

一瞬の隙を見逃さない兵藤君。

木場君ほどの速さではないが、それでも今迄よりもかなりの速さで迫る。

あわや木場君に攻撃が当たるかと思った時、兵藤君の拳の前に2本の剣が出現しその拳を阻む。

それは一瞬で砕け散ったがその一瞬で十分だった。

次の瞬間木場君は離脱していた。

 

木場君は剣の使い方が上手になった。

自分の手に持って使うだけでなく、空中に創りだし防御に使った。

恐らくまだ出していない手札があるだろう。

 

「2人とも今日はここまでにしましょう。

 あなた達の成長は十分に確認できたわ。

明日が本番なのだから、今怪我でもしたら本末転倒でしょ。

幾らアーシアがいるといってもね。」

 

グレモリーさんの言葉に二人は戦闘態勢を解く。

 

「一誠君ずいぶん強くなったね。

 僕ももっと頑張らないとあっという間に置いて行かれちゃうよ。」

「やっぱり木場は強いな、俺ももっと頑張らないと。」

 

二人同時に称賛の声を送る。

そんな彼らを見て僕達は笑ってしまった。

 

「ふふふ、二人ともすごく強くなったわね。

 主として鼻が高いわ。

 明日も期待しているわね。」

 

兵藤君達はグレモリーさんに向き直り、

 

「「期待に応えて見せます!!」」

 

と宣言するのだった。

グレモリーさんはところでと僕の方を見る。

 

「イッセーはどれだけ倍加に耐えられるようになったのかしら?」

「後先考えずに倍加すれば十回でしょうか。

 ですがその体を十分に自分の物にしていませんから、戦闘だと5回から8回辺りが妥当だと思います。」

「今後に期待ね。」

 

満足そうに頷くグレモリーさん。

でもこれで終わりじゃない。

 

「兵藤君、例のあれも見せましょう。」

「は、はい。」

 

緊張しながら返事を返し準備を始める。

篭手を出し、力を溜めていく。

 

「次は何をするの?」

「見てからのお楽しみです。

 兵藤君、今回は5回で結構です。」

「わ、わかりました。」

 

兵藤君は準備が終わり此方を窺う。

 

「グレモリーさん、あちらの山は?」

 

そう言って後ろに聳え立つ山を指さす。

怪訝そうにしながらも、

 

「グレモリー家の所有している山だけど?」

「なら大丈夫ですね。

 兵藤君あの山を狙ってください。」

 

緊張している兵藤君は黙って頷いた。

その様子を黙って見守る面々。

変化はすぐに起きた。

彼の右手に凄まじい力が集まって来たのだ。

全員がその圧力に息をのむ。

 

「行きます!!

 はああぁぁぁぁーーー。」

 

さらにその力が膨れ上がり、そして・・・。

 

「ドラゴンショットぉぉぉぉぉ!!!」

 

彼の叫びと共に巨大な魔力の塊が目標の山に向かって行った。

轟音と共に飛んでいくそれは近くに居たら吹き飛んでしまいそうなほどだ。

そして大きな音と共に爆発。

山は木っ端微塵に消し飛んだ。

放たれた魔力は勢いそのまま空の彼方へ消えて行った。

 

「「「「「「「・・・・・・・・・・。」」」」」」」

 

やった本人ですら放心状態。

想像以上の威力で誰もが驚いている。

 

「す、すごいじゃない。」

「ほ、本当ですね。」

「・・・凄過ぎだね。」

「・・・・・やり過ぎです。」

「さすがイッセーさんです。」

 

みんな口々に兵藤君を褒める。

その本人は未だ放心している。

 

「何でやった本人が驚いているの?」

 

気になったのかエリカさんが聞いてきた。

 

「あぁ、それは倍加してやったのは初めてだからですよ。」

「そう言う事ね。」

「昴君はこれほどの威力だと予想していたのかい?」

「もちろんですよ。

 だから今初めてやらせたんですし。」

 

兵藤君がやっと我に返った。

改めて自分のやった事を確認し僕の方を向いてくる。

 

「し、し、し、神藤さん?

 こんな事になるなんて聞いていませんよ!!」

「ちゃんと言いましたよ?

 状況を一偏できる威力はあるって。」

「こんな威力だなんて思わないですよ!!!」

 

何がそんなに不満だろう?

 

「こう言う処はカンピオーネね。」

「本当だね。」

 

後ろでエリカさん達が何か話している。

声が小さくて聞き取れないな。

兵藤君はグレモリーさんに泣き付いていた。

 

「ぶ、部長~~。」

「何そんな情けない声を出しているの。

 あなたの力があればライザーに勝てるかもしれないのよ。」

「そうだよ、一誠君。

 あれにはそれだけの威力があったよ。」

「明日のゲーム、期待しているわよ。」

 

頭を撫でられ顔を赤くしている兵藤君。

というより鼻の下が伸びてないか?

 

次に木場君と白音さんが戦った。

始めは木場君が速さで圧倒していたが、白音さんが仙術を使いだして状況が変わる。

次第に押し返していき、最後に足を滑らした木場君に一撃入れて白音さんが勝利した。

そして・・・。

 

「今日まで本当にありがとう。

 あなた達がいなかったら、ここまでの成長は望めなかったわ。」

「期待に応えられたのならよかったです。」

「期待以上よ。

 これならライザーに勝てるかもしれない。」

「僕達もグレモリー眷属の勝利を信じています。」

「えぇ、必ず勝って見せるわ。」

「勝利の報告か聞ける事を楽しみに待っていますね。」

 

僕が代表としてグレモリーさんと挨拶している時木場君がエリカさんに挨拶をしていた。

 

「今日までありがとうございました。」

「頼まれたからやった事よ。」

「それでもです、部長の力になれますから。」

「・・・そう。

 あなたの実力はまだまだよ、これからも鍛錬を続けなさい、そうしないとあっという間に置いて行かれるわよ。」

「・・・そうですね、これからも頑張ります。

 僕にも目的がありますから・・・。」

 

そちらに気を取られていると、服が引っ張られる感覚があった。

下を向くと白音さんが服を引っ張っていた。

 

「どうかしましたか?」

「・・・・・また伺ってもいいですか?」

 

小さな声で聴いてくる。

 

「またいつでも来てください。」

 

そう言って優しく頭を撫でてあげた。

撫でられている白音さんはとても気持ちよさそうだった。

グレモリーさんのそろそろ帰るという呼びかけ。

それを聞いた白音さんは名残惜しそうに離れた。

 

僕達の前にグレモリー眷属全員が並ぶ。

 

「それじゃあ私達は帰るわ、あなた達はどうする?」

「ご心配なく、自分達で帰れますから。」

「・・・・・そう。

 ならここでお別れね・・・・・最後にいいかしら?」

「何でしょう?」

「・・・あなた達何者なの。」

 

僕は何も答えず黙って笑顔を崩さなかった。

そんな僕に何も答えてはくれないとわかったのか、深く息をつく。

 

「・・・いいえ、何でもないわ、さっきの質問は忘れて頂戴。

 それじゃあ、機会があればまた会いましょう。」

 

そう言うとグレモリーさんは魔方陣を展開、転移魔法を使って帰って行った。

彼女達が帰ったのを確認して一息つく。

 

「これで今仕事も終わりですね。」

「そうね、とても充実した合宿だったわ。」

「悪魔の力も拝めたしね。」

「それにいろいろ解決しましたし。」

 

黒歌さんやミッテルトさんの事もいい方向に進んだ。

さらに悪魔や神器の事も知る事が出来た。

とてもいい時間を過ごせた。

 

「それじゃあ僕達も帰りましょうか。」

 

僕達は鍵のかかった別荘へ向かい、ちょろっと鍵を開けさせてもらう。

そして僕の使っていた部屋から自分の家への扉を開ける。

 

「おかえりなのにゃ。」

 

黒歌さんが抱き着いてくる。

白音さんと和解してからさらに元気になった。

そんな彼女を宥めつつ扉を閉める。

グレモリー家の別荘への扉はもう使わないだろう。

そこへ繋がる扉を消去してエリカさん達の後を追うのだった。

 

 

 

 

Side リアス

 

レーティングゲーム直前。

戦術面での最終確認のため生徒会室でソーナと話していた。

 

「忙しい時間にごめんなさいね。」

「別にかまいませんよ、幼馴染なのですから。

 それに今回の事、私もよく思っていませんから。」

 

ソーナには今回とてもお世話になった。

神藤さん達を紹介してくれた。

毎日夜になったら一緒にレーティングゲームの勉強をしてくれた。

感謝してもしきれない。

 

ただ一つだけ疑問かある。

彼らはいったい何者だろうか。

とても気になる。

ソーナが信用しているし、私達にも危害を加えるようには見えなかったが。

悪魔を相手に軽く圧倒できる戦闘能力。

恐らく最上級悪魔でないと相手にならない。

普通ならそんな人間放って置くわけにはいかない。

 

しかし・・・彼らに手を出す事はソーナが許さないだろう。

何やら契約を結んでいるみたいだ。

悪魔は契約を破らない。

無理に聞いても教えてはくれない、ソーナはそういう子だ。

 

「・・・さてと、もうこれ位でいいのではないかしら?」

 

考え事をしている間に確認作業も終わっていたみたいだ。

ちゃんと集中しなくちゃ。

自分の・・・そして可愛い下僕達の将来がかかっているのだから。

 

「最後までありがとう、ソーナ。

 これで準備は完璧よ。」

「・・・今回のゲーム特別に観戦が許可されたわ、みっともない試合はしないでね。」

「ご心配には及ばないわ、完璧な勝利をご覧にいれるわ。」

 

2人で見詰め合い、そして笑みを零す。

 

「それじゃあ行くわね。」

「えぇ。」

 

短い挨拶を残し部屋を出る。

幼馴染であり親友でありライバルである彼女にあそこまで言ってしまった。

これでかっこ悪い所なんて見せたら、一生の恥だ。

 

気合を入れ直しみんなの待つ部室へと向かうのであった。

 

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