正義の魔王 inハイスクールD×D   作:しらこつの

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月光校庭のエクスカリバー
第14話 異変


Side ソーナ

 

リアスの結婚話は無くなった。

周囲の予想を裏切ってリアス達がライザーを破ったのだ。

最初から最後までリアス達が優勢。

最後はライザー対グレモリー眷属となった。

全員が兵藤君の為に時間を稼ぎ、一人また一人と減っていく中、最後は兵藤君のステージを半壊させるほどの威力がある一撃で決着がついた。

その一撃をまともに受けたライザーは、後一歩転送が遅れていたら死んでいた。

フェニックスを殺しうる、それほどの一撃だった。

 

私はグレイフィアと一緒に見ていたがとても驚いていた。

その後挨拶に行ったサーゼクス様とグレモリー卿・フェニックス卿も同様だ。

勝利の報告に来たリアス達に詳しい話を聞いていた。

どうやってあそこまで強くなったのかと。

昴さん達の事は黙っていてくれと頼んだのではぐらかしてくれた。

サーゼクス様はリアスが何か隠している事に気付いただろうが、妹の勝利が嬉しかったのか詳しくは聞いていなかった。

 

その後こっそり昴さん達にお礼を伝えたいと言われた。

何となく彼に会わせるのが嫌だったので、今は忙しいから私から伝えておくと言っておいた。

 

これで一つの悩みが無くなったわけだが、日々の生活は忙しく続いて行く。

リアスの件が終わってすぐ球技大会という学園行事があるのだ。

部活毎の対抗戦となっていて、私達生徒会も出場する事になっている。

その為準備と練習で忙しい毎日を送っている。

忙しい合間を縫って昴さん達の所へ行くのが唯一の心休まる場所となっている。

・・・偶にお姉様がいて台無しになるけど。

 

そんな日々もついに終わり球技大会当日。

何というか兵藤君がひどい事になっている。

どの競技に出ても、集中的に狙われボロボロだ。

しかも心配したアルジェントさんが怪我をするたびに回復するからそれが延々と続いている。

恐らく意識してやっている事ではないだろうが・・・なんという鬼畜の所業だろうか。

それにはリアス達も苦笑していた。

 

大成功に終わった球技大会。

その片付けの最中に椿姫が心配そうに私に報告してきた事があった。

 

「木場君の様子がおかしかった?」

「はい・・・そうなんです。

 どこか上の空というか・・・何かあったのでしょうか?」

 

今思い返してみれば彼らしくない場面が多々あった。

それをカバーして兵藤君がさらに傷ついていたような気もする。

 

「リアスも気付いているでしょうし、そこまで心配する事はないですよ。」

「ですが・・・。」

「他眷属の事には口出ししないのが基本です

・・・まぁ、前回は我慢できずいろいろやってしまいましたが。

 そんなに心配なら友人として個人的に話を聞いてあげればよいのでは?」

 

そこで話を切り作業に戻った。

私の提案に顔を赤くしながら悩んでいる椿姫は可愛らしかった。

 

・・・木場君の様子がおかしかった・・か。

また何やら起りそうな予感がしますね。

何かあればリアスの方から言って来るでしょうし、その時対応しましょう。

 

 

 

 

 

Side 昴

 

合宿後に行われたレーティングゲーム翌日、ソーナさんからグレモリー眷属が勝利したと報告があった。

それを皮切りに黒歌さんと僕の所に白音さんから、ミッテルトさんの所にはアルジェントさんから報告があった。

 

お相手はあまり良く無い人だったらしいから本当に安心した。

グレモリーさんがそいつと結婚したとなると、眷属である白音さんとアルジェントさんにも手を出される恐れがある。

そうなったら黒歌さん達が悲しむので黙って見ている訳にはいかなくなる。

・・・このタイミングで悪魔と戦争なんてやりたくなかったからなぁ・・安心した。

 

 

それから偶にだが白音さんとアルジェントさんが遊びに来るようになった。

もちろんそれぞれ別々にだ。

白音さんによるとアルジェントさんとは休みの日が違うらしい。

悪魔の仕事もアルバイトみたいにシフトを組んでいるのかなぁ?

 

アルジェントさんは純粋にミッテルトさんに会いに。

白音さんは黒歌さんに会いにと、仙術の稽古の続きをする為だ。

あの時は時間が無かった為、色々と端折って教えていたらしい。

 

それであのクオリティかぁ・・・すごい才能だな。

 

今回はもう一度基礎から教えている。

時間もあるしゆっくりとでも成長していって欲しい。

 

 

 

そんなある日。

今日はエリカさんと仕事で外回りをしていた。

日も落ちてからやっと仕事が終わり、二人で家路についていた。

 

「昴の交渉も板についてきたわよね、もう私の補助もいらないかしら。」

「そんな事ないですよ。

 今回だって危うく相手に有利にされそうな所をエリカさんが防いでくれたんですから。

 僕にはまだまだエリカさんが必要です。」

「そう言ってくれると嬉しいわ。

 久しぶりに今日は一緒にお風呂でも入りましょうか。」

「ふぇ!!

 き、急に変な事言わないでくださいよ!!

 そう言うのは家に帰ってから・・・。」

 

急なお誘いに狼狽えている所に魔力の反応を感じた。

これは戦闘中だ・・・それに!!

 

「エリカさん、近くで誰かが戦っています。」

「どっち?」

「こっちです・・・それに戦っているのは・・木場君です。」

「!!急ぎましょう!!」

 

そう言って二人で駆け出す。

魔力を感じたのは住宅街の一角・・・なぜそんな所で戦う事になっているのか。

疑問を感じながら走り抜ける。

 

到着したそこでは木場君と神父の格好をした男が戦っていた。

実力的には木場君の方が上のはずだが、目の前では木場君が押されていた。

理由は明白。

我を忘れて彼本来の戦いが出来ていないから。

力任せに振られている剣。

騎士としての特性である速さを全く生かしていない戦い方。

エリカさんが教えていた筈の基礎が全く出来ていなかった。

 

その様子を見てエリカさんは苛立っていた。

それもそうだろう。

エリカさんは彼を教え始めた時に、努力も出来て才能もあるとても教えがいのある子だと称賛していたのだ。

そんな彼が目の前で不甲斐無い戦いを見せている、苛立たない訳が無い

 

見兼ねたエリカさんがその戦闘に飛び込んだ。

突然の乱入で二人の動きが止まった所にエリカさんが愛剣を手に切りかかる・・2人にだ。

鋭い攻撃を何とか躱す2人。

距離を取り乱入者を確認すると一人は驚き、一人は笑った。

 

「ブランデッリさん・・・どうしてここに。」

「何ですか何ですか!!

 せっかくのお楽しみの時間を邪魔してくれちゃったあんたはぁぁー。」

 

すぐさま切り掛ろうとした神父だったがエリカさんに隙一つない事がわかって動きを止める。

すると白けたのか、

 

「あんたなかなかやりますねぇ。

 本当はこの聖剣の切れ味をそこの悪魔で試したかったんですけどねぇ。

 まぁ、いいですよ。

 それにそろそろ帰らないと依頼主に怒られちゃいますからねぇ。」

 

そう言って手に持つ剣をしまいその場から走り去っていった。

 

「まてっ!!」

 

それを追おうとする木場君、その表情は激しい怒りであった。

そこにエリカさんが剣を向けて立塞がる。

 

「・・・退いて下さい。」

 

怒りは収まる事無くエリカさんにも向けられている。

エリカさんはそれを気にする様子もなく、逆にそれ以上の怒気を木場君に向け問いかける。

 

「・・・今の戦いは何?」

「あなたには関係ないっ。」

 

暫し睨み合う2人。

先に逸らしたのはエリカさんだった。

・・・未だその怒気は収まっていなかったが。

 

「昴、帰りましょう。」

「・・・はい。」

 

そんな僕達を余所に木場君はまださっきの奴を追うつもりみたいだ。

 

「くそっ!!

 まだ遠くへは行っていないはずだ!!」

 

そう言うと剣をしまい走り去ってしまった。

そんな彼を見送る僕達。

エリカさんも怒気が収まり、今は悲しそうな表情で彼の走り去った後を見つめている。

 

「・・・よかったんですか?」

「だってしょうがないじゃない。

 あの子の目は復讐で支配さえていた。

 私ではどうしようもないわ。」

「・・・そうでしたか。」

 

僕は薄々気づいていた、彼が復讐者だという事に。

多くの戦いを経験してそういった事に囚われている人も沢山見てきた。

その人達は揃って氣に乱れと暗い部分があった。

始めて彼に会い、手合せした時体の奥深くにそう言った物を見つけた。

あの時は深い所にあったからそこまで心配はしていなかったけど、ここ最近でそれを刺激する事があったのだろう。

 

元気を無くしたエリカさん。

何とかしてあげたいけど、今の僕にはどうしようもない。

それでもエリカさんだけでも元気にしたくて行動に移す。

 

隣を歩いていたエリカさんを抱き寄せた。

優しく包むように、それでいて元気を分け与えられるように力強く。

 

「急にどうしたの?」

「・・・エリカさん・・今日は一緒に寝ましょうか。」

「昴から誘ってくるなんて珍しいわね。」

 

からかう様に笑っているが、その笑顔も無理しているように見えた。

 

「エリカさんの為ですから、今夜は僕がエリカさんを元気にしてあげますよ。」

 

キザッたらしく言い放ちエリカさんの顔を寄せる。

積極的な僕に驚いていたがすぐに嬉しそうに眼を閉じる。

 

「んちゅ・・・・・んっ・・・。」

 

優しく啄ばむ様に口づけを交わす。

外という事もあってすぐに離したが、それでもエリカさんは嬉しそうだった。

 

「・・・ありがとう・・昴。」

「さぁ、帰りましょう。」

 

そうして2人寄り添い帰宅するのだった。

 

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