正義の魔王 inハイスクールD×D   作:しらこつの

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第17話 戦闘

Side 昴

 

駒王学園に到着した所でソーナさんを降ろす。

落ち着いたのかその表情はすでに真剣な物だ。

そしてエリカさん達と頷きあうと戦闘が行われているグラウンドの方へと急いだ。

グラウンドでは黒歌さんが白音さんを庇うように立ち、空を飛ぶ堕天使・・恐らくあれがコカビエルだろう・・を睨んでいる。

ここに到着した時に聞こえた大きな音と黒歌さんの腕がボロボロな事・・・恐らく白音さんと庇った事による怪我だろう。

そしてコカビエル以外の全員がもうすでに満身創痍である。

戦う気力を失い、膝をついてしまっている者も多い。

 

ゆっくりと歩みを進める。

黒歌さんは僕達が追いついた事に気が付いたのか此方を振り向く。

それにつられて他の人達も。

コカビエルは訝しげに、グレモリーさん達は驚いている。

 

「遅いにゃ・・・昴。」

 

黒歌さんの言葉に言い返したのはエリカさん。

 

「何を言っているの?

 私達を置いて先に行ったのはあなたじゃない。」

「うぅぅ~~ごめんにゃ~~、でも白音が心配だったのにゃ~~。」

「はぁ・・・もういいわ。

 それよりも腕の怪我は大丈夫?」

「これ位大丈夫にゃ、それに・・・。」

 

そう言うと黒歌さんは僕の方を見てにっこりと笑う。

 

「昴が来たから・・・もう私の仕事は終わりだにゃ。」

 

心から信頼している安心しきった笑顔。

それは隣にいる白音さんからも伝わってくる。

 

「・・・待っていました。」

「遅くなってすみません、後は任せて後ろに下がっていてください。」

「・・・はい!!」

 

そう言うとすんなりと後ろに下がる白音さんとそれに付きそう黒歌さん。

他のグレモリー眷属の人達は未だ呆然としている。

 

「エリカさん、馨さん、彼女達の事はよろしくお願いします。」

「ええ、任せておいて。」

「あれ位の相手ならサポートもいらなそうだしね。」

 

僕の言葉にエリカさん達もその場に留まりグレモリーさん達の介抱を始める。

そして今まで黙っていたコカビエルがほざく。

 

「何だ貴様は!!ただの人間がなぜこんな所にいる!!

 まさかただの人間である貴様がこの私を倒そうなどと考えている訳ではあるまいな!!」

「・・・・・。」

 

僕は何も口にせず戦闘準備を進めていく。

スーツを脱ぎ捨て、ネクタイを緩め、シャツの腕を捲くる。

その時エリカさん達の介抱により我に返ったのかグレモリーさん達の声が聞こえた。

 

「ど、どうしてあなたがここに!!早く逃げて!!」

「そうだぞ人間、今逃げ出すのであれば命だけは助けてやらん事も無い。」

 

コカビエルは無視しグレモリーさんに振り返り、そして笑顔で告げる。

 

「大丈夫です。

 今までよく頑張りましたね、後は僕に任せておいてください。」

 

もう後ろは振り返らない。

何が起ころうともエリカさん達が完璧に彼女達を守ってくれるから。

今まで抑えていた殺気を全てコカビエルへと贈る。

それを感じた瞬間奴は後ろへ後ずさった。

 

僕はそれを見た瞬間悟った。

ここにいる聖書にも出てくる悪魔や堕天使、天使達には僕達の世界程の力はないと。

この世界にいる神と呼ばれる存在もそこまでの力があるか怪しくなった。

まぁ、相手がどんな奴であれ、僕の家族を傷つけたんだ。

 

・・・叩き潰す。

 

そして僕は聖句を紡ぐ。

 

「百重千重と重なりて、走れよ稲妻。

来たれ、巨神と滅ぼす燃え立つ雷。」

 

その瞬間膨大な魔力と共に凄まじい稲妻が辺りを駆け巡った。

その稲妻は後ろに下がった皆さんの所にまで届く。

だが大丈夫・・・ちゃんとエリカさん達が防いでくれる。

 

放たれていた稲妻は僕に纏わり付き、その激しい電気により髪が逆立っている。

この権能は電気によって身体能力、思考速度を飛躍的にあげる事が出来る。

もちろん稲妻を放つ事も拳に纏わす事も出来る。

 

改めてコカビエルを見る・・・その顔は恐怖に引き攣っている。

それもそうだろう。

恐らくこの世界で最強レベルの力をその実一身に受けているんだから。

・・・まぁ、許しはしないが。

 

「・・お、お前・・・いったい・何・者だ。」

「・・・・・あなたを殲滅する者・・・です。」

 

その問いにそう呟くと一瞬でコカビエルの頭上へ飛び上がる。

奴は全く反応できていない。

突然いなくなって辺りを見渡している。

まぁ、コカビエルだけでなくその他の全員が・・だろうけど・・。

 

僕はその場に留まりながら拳に雷を纏う。

最初は小さくぱちぱちと言っていたが、次第に大きくなりバチバチ爆音を鳴らし出す。

そこでようやくコカビエルが僕の事に気付く。

 

「なっ!!貴様何時の間に!!」

「遅い・・・・・雷拳。」

 

拳を振り下ろす。

それはまさに稲妻が迸るかの様。

凄まじい落雷がコカビエルを襲う。

コカビエルは声を上げる事も出来ず地面に叩き付けられた。

土煙が辺りを覆い視界を遮る。

 

その間に僕はエリカさん達の所へと着地している。

土煙が晴れた先にはコカビエルが全身黒焦げで横たわっていた。

よく見てみると手足の先だけがぴくぴく動いているのが確認できるので死んではいないだろう・・・少し手加減してあげたから。

自分達が手も足も出なかった相手がこうも圧倒的にやられて驚愕の表情を浮かべるグレモリー眷属とその他一部。

 

僕はもう大丈夫だろうと警戒を解こうとした時誰かの気配を感じ視線を上げた。

それに釣られ他の者も視線を上げる。

そこには白い鎧を纏って悠然と降りて来る者がいた。

恐らく僕のせいでソーナさんの眷属が張っていた結界が壊れてしまったから簡単に入って来られたのだろう。

突然の来訪者にグレモリーさんが代表して問い掛ける。

 

「・・・あなた・・いったい何者。」

 

その男はコカビエルの横に降りると彼を一瞥し問い掛けに答える。

 

「俺は『神の子が見張る者(グレゴリ)』の使いでこいつを止めに来たんだ。

 まぁ、それも必要なかったけどな。」

 

その時の視線は僕に釘づけにされていた。

どこか獲物を見つめる目のように感じられる。

すぐに逸らされ次に兵藤君を見つめる。

だが落胆したかの様にため息をついた。

 

「な、なんだよ、お前は。」

「いや・・・俺のライバルがどれ程の者か楽しみにしていたのだが・・・期待外れだったみたいだ。」

「なっ!!どういう意味だ!!」

「まだ気付かないのか?」

 

彼は宣言する。

 

「俺は二天龍の片割れアルビオンの神器を持つお前の運命のライバル・・・今代の白龍皇ヴァーリだ。」

 

その言葉に僕達以外が全員驚愕する・・・特に兵藤君が一番驚いている。

それもそうか・・・確か多くの犠牲を出して封印したのが二天龍だったはず、それがこの場にそろっているのだから驚くのも無理はない。

 

とは言っても兵藤君もだけど、このヴァーリ君も大した事ないな。

兵藤君より実力は上だけど、それでもコカビエルより少し強い程度だ。

今はこちらに敵意はないみたいだし・・・。

 

「今ここで決着をつけてもいいんだが・・・そんな事をしたらアザゼルがうるさいからな。

 それに大して強くも無い今のお前を倒しても面白くもなんともない。」

「なっ!!」

「それに俺はこいつとそこに転がっているバルパーの回収が任務なんでな、連れ帰らせてもらう。」

 

そう言うとコカビエルとその近くに転がっていた神父を担ぎ上げる。

 

「てめぇ!!何を勝手に!!」

「やめなさいイッセー!!」

「・・・ぶ、部長。」

「コカビエルの発言から恐らく今回の事はコカビエルの独断よ。

 グレゴリがそれを止めに来たというのもあながち嘘じゃないと思うわ。」

 

グレモリーさんの説得により兵藤君は大人しく下がる。

そんな彼にヴァーリ君が声を掛ける。

 

「・・・次会う時はもうちょっとマシになっておくんだなぁ・・・そうじゃないと張り合いが無い。」

 

それに・・・と続け僕を見る。

 

「・・・あんたにも興味がある。

 人間にしか見えないが・・・あんたいったい何者だ。」

 

先程と同じ獲物をみ付けたかの様な視線。

答える必要を感じなかったので無言を通す。

そんな僕に諦めたのか・・・。

 

「・・・まぁいい。」

 

そう言って去ろうとした時、それに待ったをかける声がした。

 

『無視か、白いの。』

 

聞いた事の無い声。

兵藤君の篭手からしているみたいだ。

 

『起きていたのか、赤いの。』

 

それに答えたのはヴァーリ君の神器。

恐らくだけどこの声の主が封印された二天龍だろう。

・・・しゃべる神器もあるんだなぁ。

 

『・・・あまり此方への敵意が感じられないな。』

『それはお互い様だろう。』

『今の所有者はもっと他の事に興味があるようだからな。』

『・・・それは俺の相棒も同じだ。』

 

神器を通しての二天龍の会話。

・・・恐らくすごい事に遭遇しているんだろうな。

 

「アルビオンそれ位にしろ。」

『ああ、悪かった。

 じゃあな、赤いの。』

 

ヴァーリ君はグレモリーさんが止める間もなく飛び去って行った。

 

 

 

僕の事も含め急に色々な事が起きて呆然としている面々。

そんな中でも平常運転の僕達。

 

「お疲れ様。」

「いえ、そこまで強くなかったので。」

「確かにあれなら僕達でも倒せたんじゃないかな?」

「生死を問わずならエリカさん達でも十分に対応できたと思いますよ。」

「まつろわぬ神に比べたら随分弱かったものね。

 聖書にも出てくる大物だったからどれだけの力だと思っていたけど。」

「これも世界が違うからだろうね。

 後はこの世界の神がどれだけの力を持つかだね。」

「この調子ならそっちも大した事なさそうね。」

 

僕達の会話を聞いていたソーナさん、黒歌さん、白音さんの三人は、

 

「この人達に付いて行こうと思ったら・・・大変です。」

「・・・規格外だにゃ。」

「・・・・・実際あっけなく終わりました。」

 

と呆気にとられながら言われた。

そこでふと思い出しソーナさん達の方を向く。

 

「ソーナさん、セラフォルーさんに連絡をした方がいいですよ。」

「・・・そ、それもそうですね。

 はぁ・・・リアス、あなたもサーゼクス様に報告しなさい。」

 

ソーナさんの声に我に返ったグレモリーさん。

 

「わ、わかったわ。」

 

そう言って二人は電話を取り出した。

コカビエルを倒した事により街にあった変な術式は消えている。

今となってはどんな効果があったかわからないけど・・・ソーナさんに聞いたらわかるかな?

 

ソーナさん達が電話をしている間に黒歌さんの腕の具合を見る。

コカビエルの攻撃を受け止めた為に負った怪我。

その衝撃で腕には罅が入っていて、聖なる光の槍を受け止めたせいか腕の表面にも多くの裂傷が残っている。

だが・・・そこまで深くはない、数日もすれば完治するだろう。

 

「黒歌さん・・・幾ら白音さんが心配だからと無理をしたらいけませんよ。」

「ご、ごめんにゃ~~。」

 

反省はしているけど後悔はしていないって感じかな。

・・・まぁ、反省してくれているならいいか。

 

黒歌さんとお話ししている間にソーナさん達の電話が終わったみたいだ。

電話を切った瞬間、僕達の目の前に魔方陣が展開された。

そこから2人の人物が飛び出してきた。

 

「ソォ~ナちゃぁぁぁ~~~ん。」

「きゃあっ!!」

 

1人はソーナさんに飛びつき、もう一人も・・・。

 

「リーアたん!!

 怪我は無いかい?

僕がもっとしっかりしていればこんな事にはならなかったのに!!

でも無事で安心したよ!!」

「お、お兄様、落ち着いてください。」

 

グレモリーさんに迫り怪我の様子などを確認している。

 

ソーナさんに飛びついたのは言わずと知れたセラフォルーさん。

グレモリーさんの方が話に聞いていた彼女の兄にしてルシファーの名を継ぐ魔王『サーゼクス・ルシファー』その人だろう。

その様子に周りのみんなも呆然としてしまっている。

唯一笑っているのは姫島さんだけだ・・・日常的な事なのかな?。

 

「どれにしてもどうしてこんなに早くここへ来られたのですか?」

「あぁ、それはね、グレゴリの総督アザゼルが僕達の所に連絡をくれたんだよ。

 コカビエルがリアス達を殺して戦争を起こす事を企んでいるって。」

「そうだったんですか・・・。」

「それでセラフォルーに連絡を取って、二人でいつ連絡が来てもいいように準備していたんだ。

 ・・・結局コカビエルに一杯食わされたけどね。」

 

グレモリーさんとサーゼクスさんの話に聞き耳を立てていると・・・。

 

「もう、いい加減にしてください!!」

 

とソーナさんの怒鳴り声が聞こえた。

そちらに目をやり納得する。

まだ出て来て飛びついたままの格好でいた。

セラフォルーさんを引き剥がそうとするソーナさん。

 

「やだぁぁぁ~~、もうちょっとだけぇぇぇ~~。」

 

そう言ってさらに腕に力を入れるセラフォルーさん。

そろそろソーナさんが可愛そうになって来たので助け舟を出す事にした。

 

「セラフォルーさん、そろそろ離してあげて下さい。」

 

僕の言葉に渋々といった感じでようやく離れたセラフォルーさん。

僕はソーナさんが立ち上がるのに手を貸す。

 

「あ、ありがとうございます。」

「どういたしまして。」

 

僕の手を取って立ち上がってソーナさんの顔は少し赤くなっていた。

それを戦闘が終わったのを感じて集まったソーナさんの眷属の女性陣は微笑ましそうに、匙君だけは僕を射殺さんばかりの視線を向けていた。

セラフォルーさんも僕達を嬉しそうに見ていた。

 

「でもでも、ソーナちゃんが無事でよかったよ。

 もしソーナちゃんに何かあったら堕天使連中皆殺しにしている所だったよ!!」

「そんな事をすれば戦争になるのでやめて下さい!!」

 

・・・これじゃあどっちが姉かわからないな。

ソーナさんの叫びを流してセラフォルーさんは僕に振り向く。

 

「ソーナちゃんを助けてくれてありがとう昴さん。」

「お礼を言われる様な事は何もしていませんよ、それが契約ですから。

 それに・・・ソーナさんの大事です、助けるのが当たり前ですよ。」

「そっかそっか・・・。」

 

僕の言葉にとてもいい笑顔でソーナさんを見るセラフォルーさん。

僕も釣られて見るとソーナさんの顔が真っ赤になっていた。

 

「よかったねソーナちゃん!!」

「も、もう、お姉様!!」

 

 

そんなやり取りをしている姉妹を見ていると声を掛けられた。

 

「少しいいかな、セラフォルー。」

 

声のした方を向くとサーゼクスさんとグレモリーさん、その後ろにグレモリー眷属の人達が並んでいた。

いつの間にか白音さんもそちらに移動している。

 

「今回の件、解決してくれたのがそちらの方だと聞いてね。

 よかったら紹介してくれないかな?」

 

彼の申し出を聞いてセラフォルーさんは僕に目を向けてくる。

それに僕は頷き返す。

 

「詳しい事は契約だから言えないけど、この人は私達の契約者、名前は神藤 昴さん。

 で、契約に則って今回ソーナちゃんを助けてくれたの。」

 

契約という言葉に顔を顰めたが、それも一瞬の事。

すぐに笑顔に戻り僕にお礼を言ってくる。

 

「そうだったのか。

 ありがとう、僕の妹とその眷属達を助けてくれて。」

「お気になさらずに・・・僕達は依頼を熟しただけですから。」

 

当たり障りのない返事をしておく。

 

「お兄様、彼に助けられたのは今回だけではないのですよ」

 

隣にいたグレモリーさんが前に進み出る。

 

「如何いう事だい、リアス。」

「実はライザーとのゲームの時、ハンデでもらった十日間の間ソーナの紹介で彼らに鍛えてもらったんです。」

「そうだったのかい!!」

 

驚きの表情で僕を見てくる。

 

「でも今回は驚いたわ。

 助けに来てくれたのもだけど、コカビエルを一瞬で倒してしまうんですもの。

 本当にあなたって何者なの?」

 

以前もした質問をまた、今度は苦笑交じりで聞いて来るグレモリーさん。

 

「それは僕も気になるな。」

 

乗ってくるサーゼクスさん。

そこにセラフォルーさんが助け舟を出してくれた。

 

「まあまあ落ち着いて2人共。

 今日はみんな疲れているし、また後日でもいいんじゃないかな?」

「それもそうだね。

 すまなかったね神藤さん。」

「いえ・・・では僕達はこれで失礼します。」

 

このまま帰れそうだったのでそうしようとしたら、

 

「ああ、最後に一ついいかな。」

 

呼び止められた。

 

「・・・SSはぐれ悪魔の黒歌はどうして一緒にいるのかな?」

 

少しばかりの殺気と共に問い掛けられた時、黒歌さんの肩が震えた。

 

「場合によっては排除しなくちゃいけないんだよね。」

 

その言葉に待ったをかけたのが二人。

 

「待って下さい!!」「お待ちください!!」

 

白音さんとソーナさんだ。

 

「その様子から見るに・・・君達は彼女の事を知っていたみたいだね。」

「「・・・はい。」」

「しかも塔城さんは彼女の事を怖がっていた筈だ。

 ソーナちゃんもこれがどういう事かわかっているはずだ。」

「その事なら私が説明するよ。」

 

サーゼクスさんの問い詰めに待ったをかけたのはセラフォルーさん。

 

「君もか、セラフォルー。」

「彼女の事は昴さんとの契約の一部なんだ。」

「契約の?」

「うん・・・昴さん、話してもいいよね?」

「・・・仕方ありません。」

 

黒歌さんの事は聞かれると思っていたからね。

それに契約内容位だったら問題ない。

 

「黒歌ちゃんの話によるとあの事件は理由があったからなんだって。

 それを聞いた昴さんがソーナちゃんの周辺警護を条件にあの事件の再調査を頼んだの。

だから調査が終わるまでの間昴さんの所で監視、ソーナちゃんも私もたまに様子を見に行っていたしね。」

 

セラフォルーさんの言葉を聞いて観察するように僕をじっと見つめるサーゼクスさん。

その間にグレモリーさんが白音さんに聞く。

 

「小猫・・・あなたはいつ黒歌の事を知ったの?」

「・・・・・合宿の時です。

 初日にお姉様の事を昴お兄様に聞きました。

 あの夜お姉様と直接お話しして真実を知る事が出来ました。

 ・・・黙っていて、すみませんでした。」

「いいのよ・・・よかったわね。」

「・・・はい!!」

 

優しい笑みから一転、真剣な表情に変わりセラフォルーさんに問い掛ける。

 

「セラフォルー様・・・再調査の方はどうなったのでしょうか?」

 

再び白音さんが悲しむ事が無いか心配なのだろう。

・・・グレモリーさんは本当に優しい子だ。

セラフォルーさんはにっこり笑って言う

 

「心配いらないよ。

 もうすでに調査はほとんど終わっている。

 黒歌ちゃんの言っていた事が本当だという確認も取れたし。

 これならたとえ主殺しでも情状酌量の余地があるから、条件付きではぐれも解除になるよ。」

 

それを聞いて安心した様子のグレモリーさん。

後ろで聞いていた白音さんも喜んでいた。

そしてもう一人・・・。

 

「ほ、本当かにゃ。」

「報告が遅くなってごめんね。

 本当だよ・・・もう少しの辛抱で外を自由に歩けるようになるよ。」

 

信じられないのか辺りをきょろきょろしていたが、僕と視線が合うと・・・。

 

「す、昴~~。」

「今まで頑張って生きてよかったですね。」

 

抱き着いたので優しく頭を撫でてあげた。

これで黒歌さんが自由になるまでもうちょっとだ。

 

そんな様子を見ていた兵藤君が鼻の下を伸ばしながら・・・。

 

「う、羨ましい~~~。」

 

と言っているのが聞こえた。

 

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