Side ソーナ
コカビエルの騒動も落ち着いた頃、突如凄まじい魔力が私達に襲い掛かった。
私を含めた全員がその場に膝をついてしまう程の魔力。
それは一瞬の事だったが私にはとても長く感じた。
私にはその魔力に心当たりがあった。
一度だけ肌で感じた事があるあの感覚。
椿姫達を落ち着かせ私は電話を手に部屋を出た。
こんな事が出来る人を私は1人しか知らない。
急ぎ彼の下に電話を掛ける。
暫くして電話に出たのは彼ではなくお姉様だった。
彼の・・・昴さんの電話にお姉様が出た事に驚いたが、今回起こった事を教えて貰えた。
堕天使総督のアザゼル来訪に契約。
契約前に昴さんの実力を知りたかったのは分かるが・・・。
昴さんは何を考えているのだろうか・・・頭が痛くなってくる。
今自分がどういった立場に居るのか理解している筈なのに騒ぎを起こすなんて・・・。
唯一の救いはあの魔力を昴さんが出したと知っている者が私達以外にいない事だろう。
お姉様との電話を終え、昴さんに一言言いに行く事を心に決める。
生徒会室に戻るとリアスが朱乃を連れて待っていた。
昴さんの魔力を感じてどうするか相談に来たらしい。
あれ程の魔力だ・・・不安になるのも仕方ないだろう。
私はお姉様への報告を済まし、お姉様から「こちらで調査をする」と言われたと伝えた。
リアスもそれに安心した様で自分もサーゼクス様に報告しておくと言って生徒会室を後にした。
次の日昴さんの所に行くと出て来たのは憔悴しきった昴さんだった。
そんな彼の姿は初めて見た為当初の目的も忘れ心配してしまった。
その後理由を聞くと自業自得だと思ってしまったが、弱っている彼に追い打ちを掛ける訳にも行かず、私は彼を慰めてあげたのだった。
それから数日後、今日は駒王学園の授業参観日だ。
午後からの一時間が割り当てられている。
私は家族にこの事を連絡していない。
理由は両親が忙しい事を知っているから・・・そしてお姉様に来て欲しくないから。
お姉様が来たらどういう事態になるか容易に想像できる。
教室に着くとリアスの沈んだ表情が目に付いた。
何となく想像はつくが声を掛ける。
「どうしたの、リアス??」
「あぁ、ソーナ。
大した事では無いわ・・・ただ今日の授業参観が憂鬱なだけよ。」
リアスは今日の事を想像したのかさらに表情が暗くなってしまった。
彼女の表情から恐らくサーゼクス様がいらっしゃるのだろう。
彼も私の姉同様にシスコンなのだから・・・リアスの気持ちもわかる。
その日リアスの表情が優れる事無く授業参観の時間になった。
授業が始まるとすぐ多くの保護者の方が教室内に入ってくる。
そしてもちろんその中にはサーゼクス様とグレモリー卿の姿もあった。
サーゼクス様の紅髪に端正な顔立ち、常人とは違いその身に纏うオーラが見る人すべてを魅了していく。
ただし・・・教室に入ってすぐカメラの用意を始めなければ。
その様子にクラス中が唖然として授業が止まってしまった。
彼はカメラのセットを終えると自分を見て顔を真っ赤にしているリアスに向けて手を振る。
「頑張って、リーアたん!!」
その瞬間クラス中の視線がリアスに突き刺さった。
リアスは羞恥で体を震わせながら顔を俯かせてしまった。
ここからでも耳が赤い事が分かる。
あぁ、可哀想に・・・。
サーゼクス様の所為で授業が止まってしまったがその後は何事もなく授業を終えた。
終始サーゼクス様の応援にリアスの顔が真っ赤だったがそれには全員苦笑いだった。
授業が終わると同時にリアスは立ち上がり教室を出て行く。
もう恥ずかしさに耐えられなくなったのだろう。
朱乃もそれに着いて行く様に教室を後にし、サーゼクス様とグレモリー卿もそれを笑顔で追う。
私もご挨拶をしようと準備を終え追い掛け様とした時に思わず動きを止めてしまった。
すでにクラスメイトの姿も疎らになった教室内。
・・・どうしてあなたが此処にいるんですか!!
そう大声に出さなかった自分を褒めて欲しい。
だってそこには笑顔で私に手を振る昴さんの姿があったのだから・・・。
Side 昴
アザゼルさんとの契約を交わした悪夢の日から数日。
いつも通り仕事を熟していると突然来客がやって来た。
駆け込む様に僕の所に来たのはセラフォルーさん。
最近は忙しいと言っていたが何かあったんだろうか??
「大変だよ、昴さん!!」
「どうしたんですか??」
「明日ソーナちゃんの学校で授業参観があるんだって!!」
「・・・はい??」
詳しい話を聞くと授業参観の話をサーゼクスさんから聞いたらしい。
彼は三大勢力会談の会場が駒王学園という事もあって視察を兼ねて参加。
セラフォルーさんも行きたいのだが・・・。
「今凄く忙しくて・・・私も行きたいんだけど眷属の子達に駄目だって言われたの!!
お父さん達も授業参観の事聞いてなかったみたいで・・・明日は無理だって言うし・・・。
だからね・・・昴さん代わりに行って来てくれないかな!!」
「ぼ、僕がですか!!」
「誰も来ないなんてソーナちゃんが可哀想だし・・・それに昴さんだったらソーナちゃんも喜ぶと思うから!!」
そうは言ってもなぁ・・・。
僕だった仕事があるし、急にそんな事言われても・・・。
僕が悩んでいると思わぬ所から声が掛けられた。
「わ、私も白音の授業参観に行きたいにゃ!!」
黒歌さんが僕達の会話に入って来てそんな事を言ったのだ。
黒歌さんの気持ちが分からない訳ではない。
今迄離れ離れで白音さんも授業参観で誰かが来てくれた事は無いだろう。
でもはぐれ認定が取れてない黒歌さんが駒王学園に行くのは要らぬ疑いを掛けられるかもしれない。
僕が黒歌さんを宥めていると何やら考え込んでいたセラフォルーさんが突然声を上げた。
「よし、わかった!!」
「せ、セラフォルーさん??」
「私が黒歌ちゃんも授業参観に行ける様に手配してあげるよ!!」
「ほ、本当かにゃ!!」
「このレヴィアたんに任せなさい!!」
胸を張って黒歌さんに宣言するセラフォルーさん。
黒歌さんも大喜びで彼女に抱き着いている。
僕はそんな2人を見ながらセラフォルーさんに問い掛ける。
「大丈夫なんですか??」
「大丈夫、大丈夫!!
もう黒歌ちゃんの判決はすでに出ているし、サーゼクスちゃんもその事はすでに把握している。
お人好しなサーゼクスちゃんの事だから話を通せば許可してくれると思うよ。」
セラフォルーさんはそこまで話すと時計を見て慌て始めた。
何でもかなり無理をして此処に来たらしい。
もう戻らないと怒られてしまうと言って玄関へと向かう。
・・・だったら電話でもよかったんじゃないかなぁ。
「今夜も詳しい事を連絡するね!!」
そう最後に言い残して帰って行った。
夜セラフォルーさんから連絡があり、サーゼクスさんから許可を貰ったと伝えられた。
ただし条件として監視を1人付けるとの事。
「まぁ、これは仕方ないよね。」
「そうですね・・・その辺りは黒歌さんも納得してくれると思います。」
「それじゃあ、明日はよろしくね!!」
・・・僕が参加する事は決定事項なのか。
黒歌さんも一人で行かせる訳にはいかないから参加するけれども!!
黒歌さんにこの事を伝えると大喜びしていた。
次の日授業参観に参加する為駒王学園に向かっていた。
黒歌さんは余程楽しみなのか今日はずっと笑顔だ。
彼女の普段の服装は授業参観に相応しくないとエリカさん達によって整えられている。
着崩されていた着物は本来あるべき姿へと戻り、何処かの御令嬢と見間違うほど美しかった。
・・・本人は着苦しそうにしているけど。
学校に到着すると玄関にメイド服を着た女性が立っていた。
彼女は僕達に気付くと僕達の方へ歩み寄ってくる。
「あなた方が神藤 昴様・・・そしてはぐれ悪魔の黒歌ですね。」
「あなたが今回黒歌さんを監視する・・・。」
僕の問いに彼女は丁寧に頭を下げる。
「私はグレモリー家にメイドとして仕えているグレイフィアと申します。
この度サーゼクス様の指示ではぐれ悪魔黒歌の監視を仰せつかりました。」
うん・・・この人強いな。
セラフォルーさんと互角なんじゃないかな。
確かにこの人なら黒歌さんが何かしても簡単に止められるだろう。
そんな事起こらないけど・・・。
「神藤 昴です。
今日は黒歌さんの事よろしくお願いします。」
「よ、よろしくお願いします。」
2人揃って彼女に頭を下げる。
その間彼女からの視線を受けていたが気にしない様に努める。
僕の立場もこの間のO・HA・NA・SHIで十分理解した・・・これも仕方が無い事だ。
「神藤様にはセラフォルー様からの要望もあり監視が付きません。
しかし・・・リアス様を始め誰かに何かあれば・・・。」
その言葉と共に凄まじい殺気を送ってくる。
さっきの見立てに間違いないな・・・かなり強い。
だけど僕にとってはこの程度大した事は無い。
僕は黒歌さんを庇う為に前に進み出る。
「ご心配なく・・・僕も黒歌さんも授業参観に来たんです、そんな事はしませんよ。」
グレイフィアさんは自身の殺気を意にも留めない僕を見て少し驚いていたがすぐに表情を戻す。
「申し訳ありませんでした。
もう授業が始まりますので、ご案内いたします。」
「わかりました・・・でも中に入る前に黒歌さん。」
僕は後ろで顔色を悪くしていた黒歌さんに声を掛ける。
「何かあればすぐに駆けつけますから安心してください。」
「わ、わかったにゃ。」
「後ははしゃぎ過ぎない事と言葉遣いにも気を付けてください。
・・・白音さんに嫌われてしまいますよ。」
「き、気を付けるにゃ。」
頷く黒歌さんの頭を撫で、グレイフィアさんに向き直る。
その時の僕達を見る表情は何処か温かさがあった。
「お待たせしました。」
「いえ、それでは行きましょう。」
歩き出したグレイフィアさんの後ろを2人で着いて行く。
学園の中に入ると黒歌さんはグレイフィアさんと一緒に白音さんの居る教室へ。
僕は場所を聞いて1人でソーナさんの教室へ移動した。
ソーナさんの教室に辿り着くと既に授業が始まっていた。
教室内では多くの保護者が授業の様子を見守っている。
覗いた時にまず目に付いたのは紅髪の青年・・・サーゼクス・ルシファーだ。
その隣に立っている品のある男性(恐らくグレモリー卿)と共に一際目立っていた。
彼に目が付いた理由がもう1つ。
・・・カメラを持参でグレモリーさんの事を応援していたから。
グレモリーさん顔が真っ赤だ・・・可哀想に。
生徒の方に目を向けると見知った顔を数人見つけた。
顔が真っ赤なグレモリーさんとそんな彼女を笑顔で見ている姫島さん。
そしてグレモリーさんに憐みの視線を向けているソーナさん。
後はソーナさんの眷属の子も1人見つける事が出来た。
僕は授業の邪魔にならない様に気配を消してこっそり教室に入る。
授業中サーゼクスさんの声援が止む事は無かったが、それを除けば何事もなく授業は消化された。
授業が終わった瞬間グレモリーさんは逃げる様に教室を飛び出した。
・・・よく授業が終わるまで我慢したなぁ。
姫島さんもそれを追う様に教室を後にし、サーゼクスさん達もそれに続いた。
僕はソーナさんに一言挨拶してから帰ろうと思っていた。
・・・驚いた顔が見たかったというのもあるが。
教室内も人数が少なくなってきた頃にソーナさんが僕に気付いた。
信じられなかったのか思いっきり2度見された。
僕は固まってしまった彼女に手を振りながら近付く。
「驚かせてしまったみたいですね、すみません。」
僕の声に我に返ったソーナさんだったが次第に顔が赤く染まって行く。
うん、これが見られただけで来た甲斐があったという物だ。
「ど、どうして昴さんが此処にいるんですか!!」
「セラフォルーさんに頼まれたんですよ。
自分が行けないから代わりに行って来てくれないかって。」
「なっ!!お姉様が!!」
ソーナさんの大きな声にクラスに残っていた生徒達が僕達に注目し始めた。
教卓の所で何やら作業をしていたソーナさんの眷属の子も僕の事に気付いたのか此方に向かって来ている。
「会長、どうかなさいましたか??」
「・・・椿姫。」
椿姫と呼ばれた彼女は僕の事を少し警戒していた。
契約者だとは聞いているだろうが、こんな所にまで来るのだ・・・警戒して当然か。
彼女は僕の警戒を緩めず周りを見渡すとソーナさん小声で話しかけた。
「会長、ここで話すのは・・・。」
「えっ!!」
椿姫さんの言葉にソーナさんも周囲を見渡す。
彼女も自分が注目を集めている事に気付いたみたいだ。
ひそひそと僕達の話題で盛り上がっている。
「あの人かっこいいよね!!」
「支取さんと親しそうだけど、兄妹かな??」
「でも・・・似てないよね。」
「もしかしたら彼氏だったりして!!」
等々僕の耳にも届いてくる。
ソ-ナさんにも聞こえたみたいでその顔がさらに赤くなる。
我慢出来なくなった彼女は僕の手を取った。
「昴さん、ここでは何ですので場所を変えましょう。
椿姫、行くわよ!!」
「えっ・・・ちょっと・・・。」「はい!!」
僕が答える前にソーナさんは歩き出す。
僕もそれに引っ張られる形で付いて行く事になる。
その後ろから椿姫さんも続く。
生徒会長であるソーナさんが顔を赤くして僕と手を繋いでいる様に見えるからか、廊下で擦れ違う人達からも注目を浴びながら歩き続ける。
辿り着いたのは生徒会室。
中に入るとそこには既に他の役員の子達がいた。
様子の可笑しいソーナさんと彼女と手を繋いでいる僕、その後ろで苦笑いの椿姫さん。
そんな僕達を見て困惑している子達が多い中、唯一の男子生徒が僕を睨みつけながら迫って来た。
「おい、てめぇ!!
何で会長と手なんか繋いでんだよ!!
早く会長から離れやがれ!!」
そんな事を言われても手を握っているのはソーナさんの方・・・。
僕が強引に手を振り払うのも気が引けるし如何したものかとソーナさんに目をやると彼女と目が合った。
手を繋いでいる事もあって顔が近い。
こうして近くで見ると改めて思うけど・・・ソーナさんって綺麗だよなぁ。
肩で切り揃えられた黒髪。
透き通る様な肌に、顔立ちも整っている。
現在見詰め合っている瞳も吸い込まれそうな紫色をしている。
何でだろう・・・顔が熱くなって来た。
・・・こんな事エリカさん達以外だと初めてだ。
ソーナさんの赤かった顔色も真っ赤に変わる。
2人で暫く見詰め合っていると痺れを切らした先程の男子生徒が叫んだ。
「会長から離れろって言ってんだろ!!」
彼の声に我に返った僕達は慌てて距離を取る。
あぁ~~これはまずいなぁ。
自分の気持ちに気付いてしまった僕はソーナさんの様子を窺いながらそんな事を考えていた。
ソーナさんもちらちら僕の方を見ている。
そんな僕達を見て男子生徒は人目を憚らず泣き始めた。
「こんな・・・こんな奴に・・・。」
泣き崩れる彼を他の生徒会役員が慰め始める。
この空気を変え様と思っていたのか、いつの間にかお茶の用意をしていた椿姫さんが声を掛けて来た。
「会長、いつまでもそんな調子では困ります。
・・・神藤 昴さんでしたか・・・お茶を入れましたのでこちらにどうぞ。」
僕は言われたままにソファに座り、目の前に置かれたカップに手を伸ばす。
紅茶の優しい香りが鼻を擽り、口に含めばその香りが口いっぱいに広がり心を落ち着かせてくれた。
その御蔭もあってか僕達は落ち着きを取り戻した。
ソーナさんも僕の正面に座り紅茶を口にしている。
・・・ただ一人あの男子生徒だけが部屋の隅で蹲っている。
「それで・・・昴さんがどうして学校にいるんですか??」
落ち着いたソーナさんが改めて今回の事に付いて聞いてきた。
「教室でも言いましたが、セラフォルーさんに頼まれたからですよ。
自分が行けないから代わりに行ってくれって。」
「・・・はぁ。」
ソーナさんが深く溜息を吐いた。
他の眷属の子は魔王の名前が出た事に驚いている。
「もしこの事がサーゼクス様に知れたら・・・。」
「その事なら心配いりませんよ。
事前にセラフォルーさんが話を通してくれていますから。
もう一つ言えば白音・・・小猫さんの所には黒歌さんが行っています。」
「なっ!!それはさすがに・・・。」
「そちらも監視を付ける事を条件に許可を貰いました。
玄関でグレイフィアという方が黒歌さんに付いて行かれました。」
「・・・グレイフィア様まで。」
ソーナさんは僕の話を聞いて呆れているみたいだ。
気持ちが分からない訳では無い。
黒歌さんははぐれが正式に取れた訳ではないし、僕も要注意人物である事に変わりは無いのだから・・・。
「ご迷惑を掛けたみたいで・・・すみません。」
「昴さんは何も悪くありませんよ・・・来てくれた事は嬉しかったですし。」
途中から声が小さくなって聞こえなかったが怒ってはいないみたいだ・・・よかった。
その後生徒会役員であり、ソーナさんの眷属でもある子達を改めて紹介してもらった。
教室から一緒だった女王の真羅 椿姫さん。
戦車の由良 翼紗さん。
騎士の巡 巴柄さん。
僧侶の花戒 桃さん。
同じく僧侶の草下 憐那さん。
最近悪魔になったばかりで兵士の匙 元士郎君。
同じく兵士の仁村 留流子さん。
以上がこの学校に通っているソーナさんの眷属らしい。
この学校以外にも後数人眷属がいると教えてくれた。
僕の事も簡単にだけど伝えておいた。
何時までも自分の王と親しくしている人間の事を知らない何て不安だろうから・・・。
僕の事に付いては一応納得してくれたみたいだ。
・・・約1名を除いて。
彼・・・匙 元士郎君は初対面の時から僕の事を睨みつけているんだよなぁ。
部屋の隅から復活した彼は今も僕の事を睨んでいるし・・・。
匙君以外のメンバーと寛いでいた時、僕の電話が鳴り響いた。
電話の相手は黒歌さん。
白音さんと和解した事もあって、いつでも連絡を取り合える様にと彼女にも携帯電話を買ってあげていた。
一緒に帰ろうと事前に約束をしていた・・・今はまだ黒歌さんにとって外は危険だしね。
ソーナさん達に断りを入れて電話に出る。
「もしもし。」
『もしもし、昴??
今白音に誘われてリアスの所でお茶してるにゃ!!』
「そうですか・・・もう少しゆっくりしていきますか??」
『そのつもりにゃ!!
・・・もし良かったら昴も来てくれないかにゃ??』
「どうかしたんですか??」
『実は白音が昴に会いたいって言っているにゃ。』
あぁ、そう言う事か。
ここ最近彼女とタイミングが悪くて会えていない。
可愛い妹の頼みだ・・・ここで断る訳にはいかないなぁ。
「わかりました。
今からそちらに向かいますね。」
『昴!!ありがとにゃ!!』
それを最後に電話は切れた。
電話の内容をソーナさんに教えると彼女が案内してくれる事になった。
「まだサーゼクス様にご挨拶をしていませんでしたから。」
そう言うと彼女は席を立つ。
次にまだお茶を飲んでいる眷属達に声を掛ける。
「皆さん、少し遅くなりましたが今日の仕事を始めましょう。
私もサーゼクス様への挨拶が終わればすぐに戻ってきます。
椿姫、私が戻るまでよろしくお願いしますね。」
「わかりました。」
ソーナさんの言葉に全員が頭を切り替えそれぞれが動き始めた。
・・・みんな優秀なんだなぁ。
感心しているとソーナさんに呼び掛けられた。
「では、私達は行きましょう。」
僕は黒歌さんと合流すべくソーナさんに続いて生徒会室を後にした。