Side ソーナ
去っていく彼を見送っていると、隣から話しかけられた。
「本当に心配しました。
あまり大きな怪我も無さそうでよかったです。」
私の女王である真羅 椿姫が安堵の表情でほっとしている。
周りにいる子達も同様だ。
心配をかけたみたいだ。
「ごめんなさい、心配をかけてしまったわね。」
「そうですよ、ソーナ様。
何時になっても帰ってこられないし、連絡も通じないし、しまいにはあんな何処の馬の骨とも知れない奴にお、お姫様抱っこされて戻ってくるし・・・。」
「そ、それは言わないでください。
仕方なかったんですから!!!」
あんな恥ずかしい事を2回もされたなんて・・・。
う、嬉しいとか思っていませんよ(汗)
「それにしてもあの方はどなたですか?
普通の人間にしか見えませんでしたけど・・・。」
「ごめんなさい・・・その事については何も言えないわ。」
「どういう事ですか?」
「言葉通りよ・・・。」
それ以降は拒絶の意味を込めて口を紡ぐ。
私はあまり隠し事をしないので皆首を傾げている。
そこに、
「ソーナ!!!
無事だったのね・・・心配したのよ。」
こちらに向かって走り寄って来る人がいた。
幼馴染であるリアス・グレモリーと、その女王である姫島 朱乃だ。
なぜ今回の事を知っているのかわからず椿姫に顔を向けると、
「すみません・・・連絡が取れなくなったので、ソーナ様を探すのに協力してもらいました。」
「・・・そうでしたか。」
リアスは私の肩に手を置き、
「そんなに大きな怪我じゃなさそうね。
でも心配したのよ。
いったい何があったの。」
慌てた様子で矢継ぎ早に聞いてくるリアス。
そんな彼女を宥めながら此方を見て安心している朱乃。
彼女達にも迷惑をかけてしまったみたいだ。
「大丈夫よ。
今日あった事はちゃんと話すから。」
「・・・わかったわ。
それじゃあ部室に行きましょう。
学校の方はもう閉まっているでしょうから。」
そう促され椿姫の肩を借りながら移動を始めた。
部室に着くとそこにはリアスの騎士と戦車がいて、私の顔を見るとホッとした表情をしていた。
私はソファーに座らされ、朱乃に傷の具合を確かめてもらいながら今日あった事を話した。
「それじゃあ、その人間に助けられて傷も手当てしてもらったっていうの。」
「その通りよ。
そこで少し話していたら連絡するのが遅くなってしまったの。
心配かけてごめんね。」
「本当よ。
でも無事でよかったわ。
・・・・でもその人間何者なの?
A級はぐれ悪魔を倒したのでしょう。
・・・ただ者じゃないわね。」
「ごめんなさい・・・聞こうと思ったのだけれど、うまくはぐらかされてしまって。」
「別に攻めてるわけじゃないのよ。
でも・・・興味があるわね。
それなりに強いみたいだだし、眷属に誘えないかしらね。」
そんなリアスのつぶやきに口が勝手に反応してしまった。
「ダメよ!!!」
突然大きな声を上げた私に皆びっくりしてしまった。
「・・・ど、どうしたのソーナ。
そんな大声を出して。
あなたらしくもない・・・。」
「ご、ごめんなさい。」
「ダメですよ部長。
その彼と最初に接触したのは会長なんですから。
ここは譲ってあげないと。」
そう朱乃に指摘され顔が赤くなるのがわかる。
ホント彼の事を考えるとすぐに顔が赤くなってしまう。
そんな私を見てリアスは、
「ああ、そう言う事。
ごめんなさいね、ソーナ。」
全てわかったかのようにそう言われますます顔が熱くなってくる。
リアスと朱乃以外は珍しい物を見るように私を見てくる。
そのうちの一人は怒りに震えているみたいだけど・・・。
「・・・それにしてもあのソーナがねぇ・・・。
その人そんなにかっこよかったのかしら?
どうなの椿姫?」
「なっ!!!」
「はぁ・・・確かに今思い返してみるととてもかっこよかったように思います。」
椿姫以外も同じように肯定する。
それを聞いて余計に笑みを浮かべるリアス。
「き、今日は心配かけて悪かったわね。
私も疲れたし失礼させてもらうわ。」
そう言って急いで部室を後にして逃げ出すのだった。
後ろから待ってと声を掛けられたが気にせず逃げる。
その時だけは足の痛みが気にならなかった。
・・・・・あぁ、恥ずかしい。
次の日の朝。
目覚めは突然にやってきた。
「ソーナちゃん!!!
大丈夫だった?
怪我は無い?
ごめんねお姉ちゃんのせいで危険な目にあわせちゃって!!!」
突然大きな音をたてて入ってきたかと思うと、まだ眠っている私に抱き着きそう捲し立てる。
その人物がどうしてここにいるのかわからない。
ここに居てはいけないはずの人。
そうこの人は、
「・・・どうしてここにいるのですか・・お姉さま。」
いきなり起こされた私は少し不機嫌にそう告げる。
そんな私にお構いなしに、
「昨日の夜、ソーナちゃんの眷属の子達からはぐれ悪魔のレジオを討伐したって報告があったから、確認を取ったら、ソーナちゃんが罠にかけられて襲われたって!!!
そしたらいてもたってもいられなくて、心配で様子を見に来たんだ!!!」
何て言ってくるこの姉。
いつものように魔法少女のコスプレをしているこの人こそ、新たに魔王の一人になった私の姉、セラフォルー・レヴィアタンその人だ。
普段仕事をしている姿なら尊敬しているのだが・・・如何せんこのコスプレ好きとシスコンぶりが台無しにしているのだ。
こんな恰好をしているから他の悪魔に甘くみられるのだ。
「大丈夫、大丈夫ですから・・・少し離れてください。
怪我の方も心配ありません。
少し危なかったですけど、ある方に助けていただきましたから。」
「そっかそっか、でも本当に良かったよ!!!
あっ、そうだ、その助けてくれた人にもお礼を言わないとね!!!」
「えっ!!!」
突然何を言い出すんだこの姉は!!!
「だってソーナちゃんを助けてくれたんでしょ?
だったらお礼しなきゃ。
よし!!そうと決まったらお礼の品を用意しなくっちゃ!!!」
何やらすごく勢い込んでいるお姉さま。
「い、いや、ち、ちょっと。」
「それじゃああまり無理しちゃだめだよ。
放課後になったら迎えに来るからねぇ~~~。」
そう言って帰ってしまった。
ど、どうしよう・・・
Side 昴
ピンポーン!!
悪魔達のいる世界のチャイムが鳴る。
今はすでに17時を回り、日も暮れ始めている。
こんな時間に誰だろう?
エリカさん達が動く気配がないし、アンナさんも夕食の準備で忙しそうなので僕が出る事にした。
そして扉を開けたそこには、バツの悪そうな顔をした昨日助けたソーナさんと、もう一人どこかの魔法少女の格好をした小学生ぐらいの女の子が立っていた。
「あなたがソーナちゃんを助けてくれた人?
あっ、私はソーナちゃんのお姉ちゃんのセラフォルー・レヴィアタンだよ!!!
今日は助けてくれたお礼をしに来たんだ!!!
少しお話もしたいし上がらせてもらってもいいかな?」
「は、はい、ど、どうぞ。」
あまりの勢いに家に上げてしまった。
姉についていくソーナさんはすれ違いに、
「すみません・・・本当にすみません。」
と申し訳なさそうに呟いていた。
そんな対照的な二人を部屋に案内してから、急いでエリカさん達に状況を説明しに行く。
「レヴィアタンって確か四大魔王の一人じゃなかったかしら。」
「そ、そうにゃ。」
エリカさんが確認するように黒歌さんに聞くと、少し震えながら頷く。
「という事は昨日の彼女は魔王の妹だったって事ね。」
「ど、どうしましょう?」
「・・・待たせても不信がられるから行きましょう。
それに・・・。」
エリカさんは不安そうにしている黒歌さんを見つめながら、
「・・・もしかして上手くいったらだけど、黒歌の件が片付くかもしれないわ。」
「えっ??」
わかっていない黒歌さんを無視して、エリカさんは僕の方に向き直る。
「彼女達・・・信用できる?」
「・・・大丈夫です。」
しっかり目を見て答える。
エリカさんは頷くとソーナさん達のいる部屋へと向かう。
僕は、
「黒歌さんは待っていてください。」
そう言い置き、馨さんと一緒にエリカさんを追った。
道すがらエリカさんの考えを聞く。
その事を頭で考えている内に部屋に着いた。
「ごめんなさい。
お待たせしてしまったかしら?」
「そんな事ないよ!!
こちらこそ突然押しかけてごめんね!!!」
ソーナさんのお姉さんわかっていたけど、とってもフランクだ。
顔つきは似ているのに、性格は全然似ていない。
僕達はソーナさん達の向かいに腰掛けた。
「今回はどういったご用件で・・・。」
「そうそう、ソーナちゃんがお世話になったみたいだからお礼をしに来たんだ。
はい、これ!!!」
そう言って差し出されたのはよく見る菓子折りだ。
セラフォルーさんは笑顔で、
「冥界で人気のお菓子なんだ!!!
よかったら食べて!!!」
「・・・ありがたく頂くわ。
それよりも・・・支取さん?
これはどういう事かしら?」
びくっと肩を震わせるソーナさん。
「すみません・・・魔王である姉に隠し事が出来なくて・・・。」
すまなそうに謝るソーナさん。
契約を破ってしまった事を申し訳なく思っているのだろう。
エリカさんは一つため息をつく。
それを見たセラフォルーさんは、
「許してあげて!!!
私が強引に聞いて契約を破らせちゃったんだから。
代わりに私が一つ願いをかなえちゃうよ。」
来た!!!
何とも簡単に事が進む。
エリカさん達と目配せして頷きあう。
そして僕は口を開く。
「でしたらひとつお願いがあります。」
「うんうん、何かな?」
「一人話を聞いてほしい人がいます。」
「????」
「馨さん。」
「わかった。
今連れて来るよ。」
そう言って馨さんは部屋を出て行く。
そしてすぐ戻ってくると、来客である2人が驚きの声を上げる。
「なっ!!!!」
「・・・どうしてここに彼女がいるのかな?」
雰囲気を変えて僕達を見つめるセラフォルーさん。
そんな彼女に、
「落ち着いてください。
それはこれから話しますから。」
「・・・いいよ。
話を聞こう。
そう言ったのは私だからね。」
「お、お姉さま、いいのですか?」
「大丈夫だよソーナちゃん。
逃げる様子もないし・・・そうでしょ、SS級はぐれ悪魔の黒歌。」
僕達は黒歌さんも席に着かせ、黒歌さんと会った経緯を説明している。
「ふーん、そうなんだ。
それで彼女の話っていうのは?」
未だに警戒しているセラフォルーさん。
「黒歌さん。」
「・・・わかったにゃ。」
そうして黒歌さんは話し出す。
自分が悪魔になった経緯を、自分の主を殺したのは妹を守るためだった事を。
全てを話し終え、その場に静寂が訪れる。
黙って聞いていた二人に警戒の色は消えている。
「・・・それが本当でしたら・・・お姉さま!!」
「そうだね・・・。
ごめんね黒歌さん・・・それが本当ならはぐれ認定を消さなくちゃ。
・・・でも今の話だけじゃ無理だよ。」
そう言われて黒歌さんはわかっていたのか静かに頷く。
「その話の信憑性は高い。
確かに黒歌が殺した悪魔には悪い噂が沢山あったから。
でもそれだけじゃ・・・ね。」
「わかってるにゃ・・・。」
僕達もわかっていた。
黒歌さんの話だけではぐれ認定を解除できるなんて思っていなかった。
けどこうして話をさせてあげる機会を作ってあげたかった。
「私はずっと逃げ続けて来たにゃ。
でも、もう疲れたにゃ。
ごめんにゃ、昴。」
そんな俯く黒歌さんの頭を優しく撫でる。
「セラフォルーさん。
今回破られた契約を再び結ぶので、黒歌さんの事もう一度調べてくれませんか?」
「??どういう事かな??」
「今回ソーナさんと結んだ契約は把握していますか?」
「うん。
確か、君達の事を言わない事を約束にソーナちゃんを助けてくれるってやつだったよね。」
「はい、その通りです。
ですから今回黒歌さん事の再調査を契約内容に加えて、再びソーナさんに何かあればいつでも助ける契約を結びませんか?」
「・・・・バカにしてるのかな?
そんなの契約に釣り合わないよ。
ソーナちゃんを助けてくれた人を悪く言うのは嫌だけど、たかが人間が何言ってるのかな?」
そう言って睨みつけてくるセラフォルーさん。
そんな彼女からソーナさんへ視線を移す。
「僕は1つソーナさんに謝らなくてはいけない事があります。」
「??黒歌さんの事ですか??」
「いいえ・・・僕の正体の事です。」
「・・・どう言う事ですか。」
「今から話す事は嘘偽りない真実です。」
僕は話す。
自分の世界の事を。
自分がどういう存在かを。
この世界での目的を。
「これが僕の全てです。」
「「・・・・・。」」
僕の話についていけてないのか未だ黙っている2人。
そしてやっとセラフォルーさんが口を開いた。
「・・・ちょっと信じられないかな。
異世界から来たなんて。
それに神殺しだっけ?
嘘をつくならもっとまともな嘘をついた方がいいと思うよ。」
「・・・でしたら証拠を見せましょう。」
Side ソーナ
彼の話を聞いたけれど、全てが現実離れしすぎていて本当の事とは思えなかった。
お姉さまも同じようで、少し怒っています。
そんな私達を見て神藤さんは、
「・・・でしたら証拠を見せましょう。」
と言って立ち上がり私達に付いて来る様に言って歩き出した。
場所は玄関。
神藤さんは玄関の扉の前に立ち止まると、目を閉じ何かを呟きだした。
「ここに開きしは世界への扉。
時を絶ち、空間を裂く。
ここに創りしは世界への扉。
時の安寧と、空間の創造。
我ここに世界への扉を開く。」
言葉を紡ぐほどに昴さんから魔力があふれ出てくる。
その大きさは最上級悪魔にも匹敵するほどだ。
信じられなかった。
これほどの力を持つ人間がいるなんて。
程無くして神藤さんから出る魔力は全て玄関の扉へ向かって行く。
そして玄関が光り出す。
すぐに光は消えて、そこには先程と変わらない玄関の扉。
「行きましょう。」
神藤さんはこちらを向いてそう一言言って扉に手を掛けた。
意味が分からなかったがエリカさん達も彼に続くので私達も付いて行く。
するとそこは信じられない光景が広がっていた。
「・・・うそ。」
お姉様もこの光景が信じられないみたいだ。
私も言葉が出ない。
扉の先には、先程家に入った時とは違う光景があった。
そこは執務室のようで奥の机には一人の壮年の男性が座って作業をしている。
彼はこちらに気付き驚いた顔をして声を掛けてくる。
「昴君じゃないか!!!
今日来るという報告は聞いていないがどうしたんだ?」
「突然すいませんパオロさん。」
「別にいいが・・・何かあったのか?」
「いえ、そういう訳では。」
「だったらいいが・・・んっ??
そちらの女性達は??」
男性は私達に気付いたみたいだ。
「以前話したもう一つの世界の方達です。」
神藤さんがそう言うと男性は納得したのか頷いている。
「そうか・・・という事は。」
「はい、少し修練場をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「構わないよ。
今の時間は誰も使ってないだろうから好きに使うといい。
・・・くれぐれも慎重に頼むよ。」
「わかっていますよ。
行きましょう。」
神藤さんはすぐに扉を出て行く。
その扉の先もまた違う景色になっていた。
ここまでくればさっきの話を信じるしかない。
どんどん先に進む神藤さんに黙って付いて行く。
暫く歩いていると広場のような場所に出た。
広さ的には学校のグラウンドくらいあるだろうか。
ここがさっき言っていた修練場だろう。
エリカさん達が私達を入り口辺りで止める。
そんな私達を置いて神藤さんはどんどん進んでいく。
「・・・こ、ここで何をするの?」
お姉様がエリカさんに聞く。
その声は少し上ずっている。
魔王であり、普段とてもあれなお姉様がである。
「さっき言っていたでしょう。
昴の実力を見せるのよ。」
神藤さんは真ん中辺りまで行くと立ち止まり此方を振り向く。
「ちゃんと見ていてください。
僕の力がソーナさんを守るに値するか。」
思わず顔を赤くしてしまった。
しかしそんな物吹き飛ばすかのように力の奔流が駆け巡った。
その中心にいたのは神藤さん。
さっき家の玄関で感じていた物がほんの石ころのような力だった事がわかる。
そんな力を目の当たりにして私は崩れ落ちてしまった。
隣でお姉様と黒歌さんも同様に膝をついている。
暫くすると辺りに吹き荒れていた魔力は無くなる。
全て神藤さんの中に戻って行っているように見える。
それを呆然と見ている事しかできなかった。
「す、すみません。
調子に乗りすぎました。
だ、大丈夫ですか?」
いつのまにか神藤さんが目の前にいた。
我に返ったら驚いて突き飛ばしてしまって。
「ご、ごめんなさい。」
慌てて駆け寄る。
大した事ないと言いながら神藤さんは素早く立ち上がる。
そしてそのまま未だ呆けているお姉様の所に向かう。
お姉様は神藤さんに気付くとびくっと肩を震わせた。
そんなお姉様に神藤さんは優しく微笑みかける。
「あなたにも無理をさせちゃったみたいですね。
すみません。」
あれだけの力を持ちながら頭を下げている神藤さん。
彼に見入っていると、
「彼の凄い所はね、あれだけの力を手に入れたのに、その事から目を背けず、力に溺れず、誰かのためにその力を使える事よ。」
エリカさんが話しかけてきた。
神藤さんの事を話す彼女はとても誇らしげだった。
「だから彼を知る誰もが彼に付いて行こうとするんだ。
もちろん僕達もね。」
その反対からエリカさんと同じ表情をした馨さんも来た。
馨さんの後ろでは、
「す、すごいにゃ。」
と言いながら打ち震えている黒歌さん。
そういう私も立ち上がる事は出来たけど手の震えが止まらない。
お姉様も何とかといった感じで立ち上がり神藤さんに向き直る。
「だ、大丈夫。
そ、それよりもごめんなさい。
ソーナちゃんの恩人さんなのに信じなくて。」
「気にしてませんよ。
あんな話すぐに信じろって言う方が無理です。
だからこそこの方法をとったんです。
少し刺激が強かったみたいですね。
やりすぎました。」
「そ、そんな事ないよ。
少しびっくりはしたけど、でもおかげで神藤さんの話信じる事が出来た。」
そう言ったお姉様に神藤さんは嬉しそうな笑顔を向ける。
「ありがとうございます!!!
それじゃあ契約の方も・・・。」
「うん!!
こっちからお願いするよ!!
黒歌の事調べるし、可能な限り協力するし、神藤さんの事話さないから、ソーナちゃんの事お願いします。」
「契約成立ですね。」
そう言っていた神藤さんの笑顔に私は見惚れているのだった。
Side 昴
契約を取り付けた僕達はパオロさんに一言挨拶してから家に戻った。
その間に女性陣は随分と仲良くなったようで、ずっとおしゃべりをしていた。
家に帰りまず一番にアンナさんに怒られた。
出かけるなら一言言ってくれと、せっかく用意した夕食が覚めてしまったと。
・・・怖かった。
ソーナさん達の事は伝えてあったので彼女達の食事も用意してくれていたみたいだ。
彼女達にそう伝えるとセラフォルーさんは嬉しそうに、ソーナさんは申し訳なさそうに席についてくれた。
食事の間もみんな仲良く過ごせた。
黒歌さんの話を改めて聞いて憤ったり、僕の話に興奮したり、ソーナさんが何やら小声でからかわれていたり。
そして帰り間際、
「あっ、そうだ。
ソーナさん、セラフォルーさん。」
「「何でしょう(かな)??」」
声を合わせて聞いてくる2人。
こう言う処は姉妹だと思う。
「悪魔勢力自体の味方をする事はできません。」
その言葉に明らかに落ち込む2人。
「ですが、あなた達個人のお願いであればいつでも手伝います。
僕で力になれる事があったら言ってください。
協力します、もちろん契約何て無しでね。」
途端に嬉しそうにする2人。
ちょっと面白い。
「ホントに!!
ありがとう!!
じゃあじゃあまた遊びに来てもいい!!」
「ええ、構いませんよ。」
「やったーーー!!
暇を見つけて遊びに来るね!!」
「待っていますよ。」
「それじゃあまたね!!」
そう言うとセラフォルーさんの足元に魔方陣が展開され消えた。
恐らくあれが転移魔法と呼ばれる物だろう。
残ったソーナさんは、
「あ、あの、神藤さん。」
「ソーナさん昴でいいよ?」
「・・・じゃ、じゃあ、す、すす、昴さん。
メールアドレスを教えて頂けませんか。」
そう言って顔を真っ赤にしながら携帯を突き出す。
後ろでエリカさん達が何かやっている気がする。
まああまり気にしないでおこう。
「そんな事なら別にいいですよ。
それにソーナさんもいつでも遊びに来てください。」
「あ、ありがとうございます。
そ、それでは、わ、私も失礼します。」
彼女も自分で魔方陣を展開させて帰って行った。
そして僕はエリカさん達に振り返る。
「何とかいきましたね。」
「お疲れ様、昴。」
「ちょっとやりすぎな気もしたけどね。」
「す、すみません。」
すると突然黒歌さんが抱き着いてきた。
慌てて体に力を入れて抱き留める。
「どうしました?」
「・・・・ありがとうにゃ。
本当にありがとうにゃ。
全部昴のおかげだにゃ。」
そう言ってさらに力を込める黒歌さんを優しく撫でながら告げる。
「僕達は家族なんですから。
これくらい当たり前ですよ。
それに・・・・妹さん元気にしてるみたいでよかったですね。」
そうなのだ。
ソーナさんが教えてくれた。
黒歌さんの妹白音さんは駒王学園に所属しているもう一人の上級悪魔リアス・グレモリーの所で名前を変えて眷属をしている。
その名前は塔城 小猫。
悪魔になっていた事は驚いたけど、グレモリー家というのは代々情愛深い事で有名で今は元気に過ごしているらしい。
それを聞いた黒歌は泣き崩れてしまった。
「今はまだ会いに行く事は出来ませんが、いつかきっと笑いあえる日が来ます。」
「うん・・うん!!」
「それまで一緒にがんばりましょうね。」
そう言ってもう一度頭を優しく撫でてあげるのだった。