正義の魔王 inハイスクールD×D   作:しらこつの

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同じ様な展開で面白くないかも知れませんがお付き合いください。


第07話 堕天使

Side 昴

 

あれから数日。

彼女達との関係も良好だ。

ソーナさんは時々顔を出してエリカさん達とおしゃべりしたりしている。

それにこの間はアンナさんを手伝って夕食をごちそうしてくれた。

高校生とは思えないほどの腕でとてもおいしかった。

 

セラフォルーさんは仕事終わりにふらっと来て、一緒にお酒を飲む中になった。

でもセラフォルーさんお酒がすごく弱い。

ものの数分で愚痴をこぼしだし、その数分後には泣きながら抱き着いてくる。

その愚痴の内容はいつも変わらない。

 

仕事が多すぎてソーナさんと会う時間が取れない。

 

という事らしい。

魔王にもなると仕事も多岐に渡って大変なのだろう。

そう思うのでいつも愚痴を聞いてあげている。

 

今日もソーナさんが遊びに来た。

最近は生徒会の仕事も、悪魔の仕事も少なくて時間があるらしい。

その時ふと思った事を聞いてみた。

 

「ソーナさん。

 最近この街の廃教会に人間でも悪魔でもない気配がいくつかあるんですけど何か知りませんか?」

「!!!それは本当ですか!!!」

 

いきなり立ち上がりながら迫ってくる。

後ずさりながら肯定する。

 

「は、はい。

 間違いないと思います。」

「・・・それが本当なら至急対処しなければいけません。

 昴さん今日の所はここで失礼させていただきます。」

「わ、わかりました。

 お気を付けて・・・。」

「まったく・・・リアスは何をしているのでしょうか。」

 

何てつぶやきが聞こえた気もしたが既にソーナさんは出て行った後だった。

 

「あれ?

 ソーナさんはもうお帰りになったんですか?」

 

こちらに合流したアンナさんが猫状態の黒歌を抱えながら不思議そうに聞いてくるのだった。

 

 

 

 

Side エリカ

 

今日の仕事も終わり馨さんと共に家に帰っている最中の事だった。

最近は情報収集が主だ。

この世界でも私達の事が浸透してきたのか、多くの企業が接触してくる。

私達がしているのはその企業の調査だ。

幾ら昴がいるといっても、何も調べずに大手企業と交渉なんてするべきじゃない。

 

そんな帰り道での事だった。

 

「何かあっちの方が騒がしくないかな?」

 

馨さんが異変に気付いたのだ。

私も辺りに気を配ってみる。

確かに魔力のぶつかり合いが聞こえる。

 

「あっちって確かこの間昴君が言ってた廃教会がある方角じゃあなかったかな?」

「確かにそうね。

 ・・・少し確認しに行ってみる?」

「そうだね。

 もう夜も遅いから、昴君達も寝てるだろうしね。」

「決まりね。」

 

私達はその教会に向かう。

この街の教会は丘の上に立っていて、正面の階段以外は斜面の厳しい崖に囲まれている。

私達は見つからないように裏から教会に向かっていた。

もうすぐ教会に着く時、近くで人の声がした。

 

「お前達が私の可愛い下僕を語るな!!」

 

その声には明らかな怒りが込められていた。

その直後禍々しい魔力を感じると、それは空高く消えて行った。

 

「・・・何だったのかしら?」

「・・・何か戦闘があった事と、教会の中ではまだ戦闘が続いているって事はわかるけどね。」

 

状況を確認する為さらに近づこうとした所で、何かが近くに落ちる音がした。

周りを見渡すと、左腕が肩から消し飛んでしまっている背中から右半分に黒い羽根を生やしている女の子を見つけた。

教会の方からは、

 

「一人完璧に消せなかったわね。」

「どうします?

 追いますか?」

「・・・いいわ。

 放っておきましょう。

 どうせその内消えるでしょうし、それに上層部に見放されているんだからはぐれになるしかない。

 どの内あいつの未来には破滅しかないわ。

 それよりもイッセーの方が気になるわ。

 行きましょう。」

 

という会話が聞こえた。

推測するに、昴が感じていた気配の正体は堕天使だろう。

この羽から見ても間違いない。

そして自分の管理している土地で勝手な行動をとっている事に激怒したリアス・グレモリーが自らの眷属を連れて殲滅しに来た。

そんな所だろう。

 

「・・・どうする?」

「・・・このまま彼女を放置できないわ。

 状態も酷いし応急処置だけして、家に運びましょう。

 後は昴と相談して決めましょう。」

 

止血だけして急いで彼女を運び出すのだった。

 

 

 

 

Side 昴

 

「ど、どうしたんですか!!」

 

寝ている所をエリカさんに叩き起こされリビングに行くと、小学生ぐらいの女の子が左腕を無くして倒れていた。

すぐにエリカさんが教会であった事を自らの推測と共に教えてくれる。

その間に治療は馨さんとアンナさんの手によって行われていて、すでに包帯が巻かれている。

 

「・・・この子は行く所が無いって事ですか。」

「多分だけどね。」

 

僕は今も苦しそうにしている彼女を見る。

僕の権能を使えば彼女の体を元通りにする事はできる。

けれどそれには激しい痛みが伴う。

今の状態ではさすがに体力が持たない。

その事も含めてこの子と相談してからでないと決められないな。

 

「・・・今日の所は休ませてあげましょう。

 もしかしたら症状が急変するかもしれませんから、順番に彼女の事を見ていましょう。」

 

突然やってきた騒がしい夜は更けて行った。

 

 

 

 

Side ミッテルト

 

目を開けるとそこは知らない天井だった。

体を起こそうとしても体が動かない。

ここがどこかの部屋でベッドの上って事もわかるけど、それ以外は全然わからない。

 

・・・あたしに何があったのだろう。

!!!思い出した!!!

そうだ・・・あたしは・・・。

 

 

あたしの名前はミッテルト。

堕天使だ。

と言っても力が弱くて下の下の地位しかない。

 

あたしはレイナーレという堕天使の部隊に所属している。

レイナーレ様自身まだそこまでの実力は無いけど、向上心は強いお方で、いつかアザゼル様の隣に立ちたいといつも言っていた。

そんな彼女の下で日々過ごしていると、駒王という人間界の地に強力な神器を持つ人間がいるから、保護をする為に行くと言うのでついて来いと言われた。

仕事なので私は急いで出かける準備をする。

 

この仕事に行くのはレイナーレ様とその腹心であるカラワーナとドーナシーク。

そしてあたしの4人と、現地で合流するというはぐれエクソシストが数人らしい。

この時点で気付くべきだった。

 

あたし達は捨てられた教会を根城に早速活動を始めた。

あたしの仕事は神器所有者を見つけてレイナーレ様に報告する事。

すぐに街に繰り出すと早速見つける事が出来た。

この近くの学生かな?

変わった髪型をした男だ。

近くで話を盗み聞きしていたら名前は兵藤一誠というらしい。

 

このことをすぐにレイナーレ様に報告。

良くやったと褒められ、頭を撫でられた。

次は教会を追い出されたシスターがここを訪ねてくるという事なので、教会でそれを迎えて欲しいという指示だった。

 

数日したらそのシスターちゃんが来た。

名前はアーシア・アルジェント。

金髪のよく似合う可愛らしい女の子だ。

あたしはしばらくこの子の面倒を見るらしい。

一緒にいる内に仲良くなった。

教会を追い出された理由も聞いた。

自分の持っている神器で悪魔を治してしまったらしい。

シスターからしたらダメかもしれないけど、人として間違ってないとあたしは思う。

・・・あたし堕天使だけど。

 

でもこの街に来てよかったらしい。

友達が二人も出来たから。

一人はこの街に来てすぐ助けてくれた男の子らしい。

もう一人はあたし。

・・・嬉しかったのは内緒だ。

 

アーシアもあたし達の仕事を手伝うらしく今日はいない。

隣にはレイナーレ様がいて何やら作業をしている。

何をしているのか聞いても、詳しく教えてくれない。

 

アーシアが仕事に出た次の日アーシアがいなくなったらしい。

心配だ。

レイナーレ様は怒った様にドーナシークに探して来る様に指示をだした。

その間もレイナーレ様は作業を続けている。

もう一度聞いてみたら、怒鳴られた。

怒鳴りながらも教えてくれた。

あたしはその言葉が信じられなかった。

何でも神器を人間の体から抜く儀式の準備らしい。

 

なんでと思った。

神器を抜かれるとその人は死んでしまうと聞いている。

誰に使うのだろう?

・・・もしかして・・アーシア?

レイナーレ様はそんな事をしないと、そんな考えを捨てその後は黙ってドーナシークが返って来るのを待っていた。

何時まで経っても帰ってこないので、痺れを切らしたレイナーレ様は自ら探しに行った。

 

暫くしたら二人とも帰って来た。

けど二人に連れられていたアーシアの表情はこわばっていた。

そんなアーシアを無視して、あたし達にここに悪魔が攻めてくるかもしれないから周囲の警戒をしろ、と命令をしてレイナーレ様はアーシアを連れて地下に入って行った。

聞きたい事はいくつもあったが、その時のレイナーレ様はとても怖かったので何も言わずに外に出た。

その時縋る様にこっちを見つめるアーシアの視線が頭から離れなかった。

 

あたし達が三人で教会の周りを警戒している時、悪魔の気配がした。

それは教会の中からと、すぐ近くからである。

 

現れたのは綺麗な赤い髪をした悪魔、現魔王の妹であるリアス・グレモリーだった。

あたしは訳が分からなかった。

さっき話を聞いた時も意味が分からなかったが、どうしてここに悪魔がいるのだ?

 

するとグレモリーに向かってドーナシーク達が、私が見つけた神器所有者である兵藤一誠の事を馬鹿にし出した。

その話も信じられなかった。

 

レイナーレ様に殺された?

神器所有者は保護するんじゃなかったのか?

それをどうして殺している?

 

あたしが混乱状況にある間も状況は進んでいた。

グレモリーから出た言葉がさらにあたしを混乱させた。

 

あたし達の独断の行動?

上層部から排除の許可が出ている?

 

どういう事だ。

これは正式な仕事では無かったのか。

 

その時いきなり禍々しい魔力を感じて我に戻る。

でもその時には遅かった。

すでに目の前には件の禍々しい魔力があったのだ。

とっさに避けたけど避けきれず、左腕と左の羽が消し飛んでしまった。

私は激しい痛みを感じてそのまま崖の下に落ちて意識を失った。

 

 

 

あの後の記憶はない。

という事は誰かが助けてくれた?

でもいったい誰が・・・。

 

その時部屋の扉が開く音が聞こえた。

首は動くから扉の砲に顔を向けると、そこには見た事の無い人間の男が立っていた。

 

 

 

 

Side 昴

 

彼女の眠っている部屋に入ると、音に反応してこちらを向いた。

目を覚ましたみたいだ。

その眼には警戒の色が強いかな?

 

「目が覚めたみたいだね。

 体の調子はどう?」

「・・・動かないっす。

 後ここは何処であんたは誰っすか。」

「まだ麻酔が効いてるのかな?

 僕は神藤 昴。

 ここは僕の家だよ。

 君の名前を教えてくれるかな?」

「・・・ミッテルトっす。

 何でうちはここにいるっすか?」

「自分に何があったか覚えてる?」

「・・・覚えてるっす。」

「そうか・・・教会で戦闘があった事に気付いた僕の連れが様子を見に行った所、重体の君を発見して治療の為君をここに連れて来たんだよ。」

「・・・・そうだったっすか。」

 

少し話したけど、まだ無理をさせちゃいけないな。

僕は安心させるように彼女を優しく撫でる。

 

「僕達に君を傷つける意思はないよ。

 だからもう一度お休み。」

 

気持ち良かったのか彼女はすぐに目を閉じると寝息を立て始めた。

それを確認した僕は、この事をエリカさん達に報告する為部屋を後にするのだった。

 

 

 

次の日今回堕天使を保護した事をソーナさんに連絡した。

そしたらすぐに飛んできた。

 

「ど、どう言う事ですか。

 堕天使を保護したって。」

「落ち着いてください。

 ちゃんと説明しますから。」

 

迫力をもって迫ってきたソーナさんを落ち着かせ、昨日エリカさんに聞いた事と一度目を覚ましたミッテルトさんの事を話した。

 

「・・・そうですか。

 確かに昴さん達は悪魔側という訳ではないですから今回の事をとやかく言う事はしませんけど・・・。

 どうして私に報告したんですか?」

「えっ??」

 

普通するよね。

多分だけど勝手にソーナさん達が管理している土地に来てる敵勢力の事なんだから。

何を言ってるんですか?的な顔をしていると、

 

「ソーナ、彼はそういう人よ。

 そろそろ慣れなさい。」

「・・・そうでした。」

 

エリカさんとの会話で落ち着いていた。

・・・何か腑に落ちない。

 

「・・・これからどうするんですか?」

「とりあえず彼女の話を聞こうと思っているんですけど、その前に今回の事についてソーナさんから情報をもらえないかなと思って。」

「そう言う事ですか。

 ・・・いいですよ。

 ですが今回の件に私は直接かかわっていません。

 リアスに聞いただけですけどいいですか。」

「構いません。

 お願いします。」

 

 

話を聞いたところ、事の発端は駒王学園に通う兵藤一誠という少年が堕天使に襲われた事。

その子は神器を所持していてそれで狙われた。

兵藤君はその時死んでしまったらしいけど、偶然召喚されたグレモリーさんに彼女の眷属として悪魔に転生してもらって死なずに済んだ。

その数日後、アーシア・アルジェントというシスターがこの街に赴任してきた。

偶然知り合った兵藤君は仲良くなったが、アルジェントさんは堕天使に騙されてこの街に来ていた。

それもそうだ。

この街に教会はすでに廃教会になっているのだから。

再びアルジェントさんと出会った兵藤君は、その時以前自分を殺したレイナーレという堕天使に再会した。

その時アルジェントさんを呼んだ本当の理由を聞かされた。

その目的は彼女の神器。

彼女の神器は怪我を治す物らしい。

それは人だけでなく悪魔にも効果があるほど強力な物だった。

それを自分の物とする為、アルジェントさんを呼んだ。

しかし神器をその持ち主から抜き取ってしまうと神器の持ち主は死んでしまう。

それを阻止する為兵藤君はグレモリーさんの助けを借りてアルジェントさんを奪還。

ミッテルトさんはレイナーレ以外を排除しに行ったグレモリーさんが倒し損ねた一人だ。

結局アルジェントさんを助ける事が出来なかったが、グレモリーさんがアルジェントさんを悪魔に転生させ今後は悪魔として生きていく事になった。

 

これが今回の騒動の全てだった。

 

「リアスも私が神藤さんから聞いた事を伝えてやっと動いてくれました。」

「・・・彼女は本当にここの管理者なんですか?」

「・・・・・・すみません。」

 

ま、まあ彼女の事はとりあえず置いておこう。

ソーナさんの話を聞き終えた所でアンナさんがミッテルトさんが目を覚ましたと呼びに来た。

僕達は彼女の話を聞くため部屋に向かった。

 

 

部屋に入ると先に部屋に来ていたエリカさんに支えられて体を起こしているミッテルトさんの姿があった。

彼女は左腕が無い事に今気づいたみたいでショックを受けているみたいだ。

 

「・・・ミッテルトさん。

 大丈夫ですか?」

 

声を掛けられて始めて僕達が入ってきた事に気付いたようで反応を示す。

 

「だ、大丈夫っす。

 ・・・・・どうしてここに悪魔がいるっすか?」

 

さすがに気付いた。

警戒しているというより怖がっているミッテルトさん。

僕はベッドに腰掛け昨日と同じように頭を撫でてあげた。

 

「落ち着いて。

 彼女はソーナ・シトリーさん。

 この地を管理している悪魔の一人です。

 ですけど、あなたを傷つけたりしませんよ。」

「・・・信じられないっす。」

 

それでもまだ震えている。

それを見たソーナさんは、

 

「私はあなたの話を聞きに来ただけです。

 その後どうするかはあなたの話を聞いた後で決めますが・・・今はあなたをどうこうするつもりはありませんよ。」

「そう言う事です。

 それに彼女とは違い僕はあなたの話を聞いても攻撃したりしません。

 というよりソーナさんから守ってあげますよ。」

 

なんて冗談めかして言うと、後ろでソーナさんが頬を膨らませて怒っていた。

そんな僕達を見て落ち着いたのかミッテルトさんの震えが止まる。

 

「・・・ほんとっすか。」

「はい。

 だからあなたの事を話してくれませんか?」

「・・・・わかったっす。」

 

ミッテルトさんは話してくれた。自分がこの街に来た目的。

兵藤の事をレイナーレに教えたのは自分だという事。

アーシアと仲良くなって友達になった事。

そしてレイナーレの本当の目的を知らなかったこと。

最後にアーシアを見殺しにしてしまったと泣いていた。

 

「・・・大変でしたね。」

「・・・・・昴さん。」

 

泣いている彼女をあやしている僕にソーナさんが視線を向けてくる。

彼女が本当の事を話しているのか聞きたいのだろう。

僕は力強く頷く。

 

「彼女は嘘を言っていませんよ。」

「・・・そうですか。」

 

ソーナさんはつぶやくと僕の隣に来てミッテルトさんと目を合わせる。

泣いて目の赤いミッテルトさんは恐々としながらも目を話さない。

 

「・・・堕天使ミッテルト。」

「・・・はい。」

「あなたは昨夜の教会でリアス・グレモリーに消された。

 ・・・・だからこれからは自由に生きなさい。」

 

目を見開き驚いているミッテルトさん。

 

「とは言っても堕天使側も今回の事はレイナーレたちが独断でやったと正式に発表しました。

 あなたに帰る所はありません。

 それに・・・・そんな体になってしまいましたしね。

 そんなあなたをわざわざ消す必要はありませんから。」

 

続けられたソーナさんの言葉に明らかに落ち込むミッテルトさん。

僕はエリカさんに確認するように目を向ける。

エリカさんは仕方ないというように頷いた。

 

「ミッテルトさん。」

「・・・・何っすか。」

 

心ここに非ず。

 

「ここで一緒に暮らしませんか?」

「・・・・・・・・えっ。」

 

名が今の後確認するように僕の顔を見る。

 

「行く所がないならここで一緒に暮らしましょう。

 あの話を聞いてあなたを見捨てるなんて事出来ません。

 少々特殊な家ですけど、きっと楽しいですよ。」

「・・・・いいんですか。」

「もちろんです!!!

 まぁ、返事は今じゃなくてもいいですよ。

 先に怪我を治す事の方が大事ですしね。」

 

そう言って彼女の体を優しくベッドに横たえさせる。

 

「長く話をさせてすいませんでした。

 何か用があったら呼んでください。」

 

僕達が部屋を出ようとした時小さい声で、

 

「・・・・ありがとうっす。」

 

と言っていたのが聞こえた。

その声はどこか涙ぐんでいるように聞こえた。

 

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