驚きそのまま飴を飲み込んだcornerです。
初体験だったので正直怖かったです。
「あ、あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況のことを言うに違いないのデス。
参加してない人は未だにきょろきょろしてますし」
そういわれて、悠は、黒ウサギに視線を向けて、
「向こうのほうも見に行きたいんだけど」
「その前に、黒ウサギを助けてください!!
そうしたら見に行けたかもしれなかったですのに!!」
「む、それはすまなかった」
「わかっていただけてうれしいですヨ」
「もう終わったから行っていいな」
「黒ウサギを助けて下さる優しいお方はいないのですか・・・」
「いいからさっさと進めろ」
ズーンという音が聞こえそうなぐらい落胆している黒ウサギに十六夜は話を進行させる。
「それではいいですか、皆様。定例文で言いますよ?ようこそ、”箱庭の世界”へ!我々は皆様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召喚いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「そうです。既に気づいていらしゃるでしょうが皆様は、普通の人間ではありません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその”恩恵”を用いて競い合う為のゲーム。そしてこの箱庭の世界には強力な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」
「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う”我々”とは貴女を含めた誰かなの?」
「YES!異世界に呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多ある”コミュニティ”に必ず属していただきます♪」
「嫌だね」
「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの”主催者《ホスト》”が提示した商品をゲットできるというシンプルな構造になっております」
「………”主催者”って誰?」
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試す為の試練を称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示する為に独自開催するグループもあります。」
「結構俗物ね。………チップには何を?」
「それも様々ですね。金品、土地、利権、名誉、人間……そしてギフトを賭けあう事も可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑むこともできるでしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然──ご自身の才能を失われるのであしからず」
「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期間内に登録していただけたらOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」
「……つまり『ギフトゲーム』はこの世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」
お?と驚く黒ウサギ。
「ふふん?中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違いです。『ギフトゲーム』の本質は一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。」
「そう。中々野蛮ね」
「ごもっとも。しかし主催者は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めてからゲームに参加しなけばいいだけの話でございます」
さて、と黒ウサギは話の流れを区切る様に言って、
「話した所で分からないことも多いでしょうから、ここで黒ウサギと一つゲームをしませんか?」
「「ゲーム?」」
そう言って、黒ウサギは虚空からテーブルを出した。
今まで沈黙を保っていた十六夜と、何かと話を聞いていた悠はピクリと片眉を上げた。
「ルールは至ってシンプル。ジョーカーを含めた53枚のトランプの中から絵札を1枚選んでとっていただきます。カードに触れるのは一人一回までとさせていただきます♪商品は、そうですねぇ……黒ウサギに何でも一つ命令できるということにしましょうか♪」
「ほう?……何でも、ねぇ………」
「勿論性的なことはダメですヨ!!??」
「冗談だ。」
そう言って、十六夜は黒ウサギの豊かな胸部をまじまじと見、黒ウサギは自慢のウサ耳まで赤くし、他の女性陣は、ゴミを見る目で十六夜を見た。(暁を含む)
「チップには・・・貴女のいうギフトを賭けるのかしら」
僅かに竦んだ様に飛鳥は尋ねた。黒ウサギはそれを感づき、
「最初のギフトゲームということでチップはなしとさせていただきます。強いて言うなら皆さんのプライドを掛けるといった所ですか」
挑発が下手くそなやつだ、と悠は思った。
「それではゲームを開始したいと・・」
「ちょっとまった。始める前にカードにおかしな点がないかチェックさせてくれ」
「 ? かまいませんよ」
その間、悠は大人しくしていた。
そうして、カードを黒ウサギに返した。
十六夜は一番手を名乗り上げ、テーブルのカードをざっと見て
「さっきは粋な挑発をありがとよ」
「き、気に入ってくれて何よりデス・・・」
「これはその礼だ!!」
十六夜は突然テーブルを平手で叩きつけた。黒ウサギは突然のことに驚き、耀と飛鳥は表になった絵札のカードを取っていった。
「な、何をやっているんですか!?」
「一人一回、絵札のカードを選んでとる。ルールに抵触してない筈だろ?」
「うう、箱庭の中枢から正当であるとの判断が下されました。し、しかし、十六夜さんと七花さんがまだですよ!!」
どうやら十六夜は黒ウサギを憤慨させてしまった様だが、十六夜は
「俺を誰だと思っているんだ?ほらよ」
手のひらを返すと、そこにはちゃんとクラブのキングがあった。それを見て黒ウサギは目を丸くした。
「一体どうやって!?」
「憶えた」
「は?」
「だから53枚のカードの並びを憶えたんだよ。」
なんでもなさそうに言う十六夜に、黒ウサギは再び目を丸くした。
「さあ、あんたの番だぜ?」
「おっ、やっとか。じゃあ」
悠はテーブルの上のカードを見回し。
「表になってる絵札がない!!!」
五人がずっこけた。
「な、なにやってんのよ。だったら他の人みたいにイカサマすればよかったのに!」
「一枚ぐらい表になっててもおかしくないだろ!!」
叫ぶ暁、頭を抱える悠、けらけら笑う十六夜、
「はあ、じゃあこれな」
悠の取ったカードはスペードのジャック
飛鳥、耀、黒ウサギは唖然として
暁はほっとした様子で
十六夜は、悠を見ていた。
(こいつ、一瞬、俺が見たカードを選びやがった。たまたまか?それとも・・・)
「でもまあ、これで全員クリアだな」
「おっとそうだった。じゃあ、俺の命令を聞いてもらおうか。
俺が聞きたいのはただ一つ
・・・・・この世界は、面白いか?」
そう聞かれて黒ウサギは満面の笑みを浮かべ、答えた。
「Yes。『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白い、と黒ウサギは保証いたします♪」
最後のほうめちゃくちゃだな・・・
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