リプリケーション演繰者が異世界に来たようですよ   作:月球儀

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ふっくらした白ごはんって素晴らしいですね。

おかずが要らない♪
(↑ただ作るのが面倒なcornerです。)


第三話  世界の果てで

箱庭の世界についての説明を聞き終えた悠達は、黒ウサギの案内を元に外門と呼ばれる場所を目指していた。

しばらく歩み続けると、前方に目的地が見えてくる。

黒ウサギは大きく手を振り、

 

「ジン坊ちゃーン! 新しい方たちを連れてきましたよー!」

 

 ジンと呼ばれた少年は、ダボダボのローブに跳ねた髪の毛が特徴的な人物。

 黒ウサギ達に気づいた彼は、居住まいを正して彼女達を迎える。

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人が?」

 

「はい! こちらの御四人様が――」

 

クルリ、と物凄い勢いで振り向き、ガチン、と固まる黒ウサギ。

 

「あ、あれ? 記憶違いでしょうか。もう御二人いませんでしたっけ? ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から“俺問題児!”ってオーラを放っている殿方と子供みたいにきょろきょろ観察してた御方が」

 

と、黒ウサギは残っている飛鳥と耀に問いかけた

 

「ああ、十六夜君なら『ちょっと世界の果てに行ってくるぜ!』と言って駆け出して行ったわ」

 

そういって彼方を指をさす飛鳥

 

「な、なぜ黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「『黒ウサギには内緒な』と言われたから」

 

「うそです。単に面倒だったからでしょう!?」

 

「「うん」」

 

「それで悠さんはどうしたのですか?」

 

「十六夜君に拉致られてったわ」

 

ガクリ、とウサ耳をへにょらせて前のめりになる黒ウサギ。

新たな人材に胸を膨らませていた数時間前の自分が妬ましい。

そんな黒ウサギとは対照的に、ジンは顔を蒼白にして叫ぶ。

 

「たたた、大変です! “世界の果て”にはギフトゲームのため野放しにされている幻獣が!」

 

「幻獣?」

 

「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に“世界の果て”の付近には強力なギフトを持った者も多くいます。出くわせば最後、人間ではとても太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。ということは、彼らはもうゲームオーバーってこと?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー? 斬新?」

 

「冗談を言っている場合じゃありません!」

 

 ジンは必死に事の重大さを訴えるが、当の二人は叱られても肩を竦すくめるだけである。

 そんなやり取りを横目で見つつ、黒ウサギは大きくため息を吐いて立ち上がった。

 

「はあ……ジン坊ちゃん。大変申し訳ありませんが、御二人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「え? あ、うん。黒ウサギはどうする?」

 

「問題児様方を捕まえに参ります。ことのついでに──“箱庭の貴族”と謳うたわれるこの黒ウサギを馬鹿にしたことを、骨の髄まで後悔させてやりますッ!!!」

 

怒りのオーラを全身から噴出させ、長い青髪を淡い緋色へと染め

 

「一刻ほどで戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフをご堪能くださいませ!」

 

と、いうと彼女は空中高く飛び上がり、駆け出して行った。

巻き上がる風から髪を押さえていた飛鳥は、あきれたように

 

 

「・・・・・箱庭の兎は随分ずいぶんと速く跳べるのね。素直に感心するわ」

 

「兎達は箱庭の創設者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが・・・・」

 

 ジンの心配を余所に、飛鳥は「そう・・・」と空返事をする。

 

「なら黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、お言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」

 

「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。御二人の御名前は?」

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えているのが」

 

「春日部耀」

 

 ジンが礼儀正しく自己紹介すると、飛鳥と耀も彼に倣ならって一礼する。

 

「さ、それじゃあ箱庭に入りましょう。まずは、そうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」

 

 飛鳥はジンの手を取ると、胸を躍らせるような笑顔で箱庭の門をくぐるのだった。

 

 

 

 

                      ◆

 

 

「どうして俺はこうなってんだ?」

 

「そりゃ・・・どうしてかしら?」

 

俺たち(悠と暁)は、今、絶賛高速移動中である。

なぜかって? 十六夜に引っ張られているからだ。つかあり得ねぇだろこの速さ・・・

 

 

「なに、おまえが面白そうだったから連れてきた」

 

「それが理由か!?」

 

「俺にはそれ以外の理由はない!!」

 

 

もう、あきらめた。なるがままになろう。

そうしてそのままなるがままになっていると、森を抜け、目の前に飛び込んできた光景を前に

 

 

「・・・・すげぇ」

 

「綺麗・・・」

 

「ヤハハ、来てよかっただろ?」

 

「ああ、止まったらまず、文句を言ってやろうと思ってたんだが

そんな気すら吹っ飛んでいった」

 

 

二人は滝壺付近までやってきた瞬間、水面がうねり、間欠泉のように

巨大な水柱が立ち上った。

姿を現したのは、純白に輝く鱗を纏っている巨躯の大蛇だった。

蛇神はギロリと二人の姿を見ると

 

 

『人間よ、試練を選ぶがいい』

 

「「試練?」」

 

『そうだ。“力”“知恵”“勇気”そのいずれかを我に示すことが出来たのならば、貴様らに恩恵を与えてやろう』

 

「オーケーオーケー、じゃあ、その前にお前が俺たちを試せる持ち主か確かめさせてくれ」

 

「俺たちじゃなくて 俺だろ?おれを巻き込むな」

 

「まあ、いいじゃないか」

 

『いいだろう、後悔するなよ。小僧どもォ!』

 

「俺まで標的になってるーー」

 

「情けない声出してんじゃないわよ。」

 

 

そんな二人を前に蛇神の周囲に竜巻く水柱が立ち上る。

そして、開戦とばかりに咆哮を上げた。

 

 

『いくぞ小僧どもォ!神格たる我の力、その身に受けるがいい!』

 

 

竜巻く水柱が迫りくる。

それを十六夜が拳一振りで爆散させると、すぐさま十六夜が大地を砕く勢いで跳躍し、

蛇神の目の前に行った。

 

 

『なっ!?』

 

「おいおいこんなもんかよ。期待外れもいいとこだぜ!」

 

 

吐き捨てながら、蛇神の眉間に山河を打ち砕く拳をくりだした。

あまりの威力に蛇神は吹っ飛んでいき、水中に沈んでいく。

 

 

「容赦ねえな。お前が怖くなったわ」

 

「心配すんな、一応手加減はしといたし、すぐ出てくるだろう」

 

「十六夜さん!、悠さん!」

 

 

聞き覚えのある声が飛び込んできた。

振り返るとそこには淡い緋色に染めた黒ウサギが立っていた。

 

 

「あれ?黒ウサギ?」

 

「どうしたんだその髪」

 

 

駆け付けた黒ウサギは二人の無事にほっと安堵するが、それ以上に沸き立つ憤慨に怒髪天を衝くようにして問い詰める。

 

 

「どうしたもこうしたもありませんよ! 御二人共、一体どこまで来てるんですか!」

 

「“世界の果て”まで来てるんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」

 

「これが怒らずにいられますか!」

 

 

猫のようにウサ耳を逆立てる黒ウサギをなだめる悠

そこに十六夜は素直な感想を言った。

 

 

「しかしいい脚だな。遊んでいたとはいえ、こんな短時間で俺に追いつけるとは思わなかった」

 

「むっ、当然です。黒ウサギは“箱庭の貴族”と謳うたわれる優秀な貴種です。その黒ウサギが──」

 

 あれ? と黒ウサギは小首を傾げる。

 

(この黒ウサギが半刻以上もの時間、追いつけなかった……?)

 

 兎は箱庭の世界、創設者の眷属である。

 彼らの駆ける姿は疾風より速く、その力は生半可な修羅神仏では手が出せない程だ。

 そんな彼女に気づかれることなく姿を消したことや、追いつけなかったことも、思い返してみれば人間とは思えない身体能力だった。

 

「ま、まあ、ともかく!十六夜さんも悠さんも、御無事で良かったデス。

御二人が水神のギフトゲームに挑んだかと思いヒヤヒヤしてましたよ」

 

「水神? ―――ああ、アレ(・・)のことか?」

 

へ?と黒ウサギは硬直する。

指さしたものは、川面に浮かぶ白くてながいものだ

黒ウサギが理解する前に巨体をうねなし立ち上がった。

 

 

『まだ・・・・まだ終わってないぞ、小僧ォ!!』

 

 

十六夜によってぶちのめさせられた蛇神が復活した。

 

 

「蛇神・・・・!ってどうやったらこんなに怒らせられるんですか!?」

 

「ちなみに俺はなにもやってないぞ!叱るなら十六夜だけにしてくれ」

 

 

十六夜はケラケラ笑って事を黒ウサギに話す。

 

 

「いや、偉そうに『試練を選べ』とか上から目線な素敵なことを言ってくれたから

俺を試せるかどうか試させてもらったのさ。残念な奴だったが」

 

 

そんな十六夜の言葉を尻目に、蛇神は怒りに震えた声で

 

 

『貴様ら……思い上がるなよ人間! 我がこの程度の事で倒れるか!』

 

 

するとまたも周囲に先ほどよりも大きな水柱が立ち上った。

 

 

「御二人とも、下がってください!」

 

 

黒ウサギは咄嗟とっさに二人を庇おうとするが、十六夜の鋭い視線がそれを阻はばむ。

 

「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺と悠が売って、ヤツが買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

「だから俺を巻き込むなぁ!」

 

 

十六夜の言葉に、蛇神は息を荒くして答えた。

 

 

『いい心意気だ。それに免じ、この一撃をしのげば貴様らの勝利を認めてやる』

 

「寝言は寝て言え。決闘は敗者を決めて終わるんだよ」

 

『フン!その戯言が貴様らの最後だ!』

 

 

巻き上がる水柱は更に水を吸い上げ、蛇のようにうねり、襲いかかる。

 

 

「はっ! しゃらくせぇぇぇ!!」

 

 

迫りくる水柱を殴りつけた。

瞬間、嵐のような水柱は、薙ぎ払われた。

 

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

驚愕する声。それは人智をはるかに超越した力である。

そして、すぐさま蛇神の懐に入り、

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

蹴りつけた。それは悠のほうに飛んでくる。

 

「悠さん!」

 

黒ウサギが叫び、向かうが間に合わない。

すると、悠は落ち着いた声で

 

「暁」

 

「あいあいさー」

 

二人が意志疎通しあい、刹那、悠の背中から、いや正確には

悠の後ろに伸びている影から巨大な機械が出現した。

その機械は後ろに大きく腕を振りかぶり、蛇神を殴り飛ばした。

それは十六夜にも劣らない。

 

 

「おいこら十六夜、さっきのは絶対にわざとだろ」

 

「ヤハハ、そんなもの隠してるほうが悪いんだよ。

それにさっきぶっ飛んでった勢いでまた濡れちまった。

クリーニング代くらいは出るんだろうな黒ウサギ」

 

「へっ 罰があたったんだ。ざまあみろ」

 

冗談めかして言う十六夜に、無邪気な笑みでからかう悠

しかし黒ウサギの心はそれどころではなかった

 

 

(人間が、神格を倒した!? それもただの腕力で!? それにあの機械も

そんなでたらめなギフトが――――)

 

 

ハッと黒ウサギは思い出す。

彼らを召喚するギフトを与えた‟主催者”の言葉を。

 

 

『彼らは間違いなく――――人類最高クラスのギフト保持者よ、黒ウサギ』

 

 

 




4000文字オーバー

これからこんなことがあるのでしょうか

相変わらず下手くそだ
うまくいかねえ
これからも頑張ります。


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