まともな晴れがねえぞと思うcornerです。
そりゃもう毎日
「あ、あのう十六夜さんに悠さん。かなり強烈なダブル攻撃でしたが、蛇神様は生きてますか?」
ハッと意識を取り戻した黒ウサギは二人に問いかけた。
「俺は命まではとらねえよ。戦うのは楽しいけど、殺すのは面白くない」
「それを面白がってちゃマジでやばい奴になるぞ」
「そういう、お前はどうなんだよ」
「心配すんな、ちゃんと生きてるよ。まあ、しばらく動けないと思うが」
「ならギフトだけでも戴いておきましょう。何はともあれ、お二人は勝者なのですから」
うきうきした足取りで蛇神に歩み寄る。
しかし、十六夜は不機嫌な顔で黒ウサギを見る。
そして、苗みたいなものをもってピョンピョン飛び回っている黒ウサギに問うた。
「なあ黒ウサギ。俺らになんか隠し事してるだろ」
ガチンと黒ウサギが一瞬固まる。そしてすぐに冷静さを保った。
「な、何のことです? たしかに箱庭のことなら至らぬ点はたくさんありますが・・・」
「そういうことじゃなくてだな、黒ウサギ」
今まで黙っていた悠が言う。
「十六夜が言いたいのは一つ、俺は二つだが一つ目は一緒だろう。
なぜ俺たちをここに呼び出す必要があったかだ」
黒ウサギは苦々しい顔を必死に隠し、平然を装いごまかそうとする。
「そ、それは・・・皆様にオモシロオカシク過ごしてもらおうと」
「それは違うな」
黒ウサギの言い訳を十六夜に制される。
十六夜の表情は険しさを増していた。
「まあ、たしかに最初は本当のことなんだろうと思っていた。なんせ俺は大絶賛‟暇”を大安売りしていたしな。だが、今のお前は必要以上に必死に見える」
黒ウサギの瞳は揺らぐ、そして十六夜は追い打ちをかけるように言葉を続けた。
「これは俺の勘だが・・・・黒ウサギのコミュニティは弱小のチームか、もしくは訳あって衰退しているチームか何かじゃねえのか? だから俺達は組織を強化するために呼び出された。そう考えれば今の行動や、俺がコミュニティに入ることを拒否した時に本気で怒ったことも合点がいく──どうだ? 100点満点だろ?」
黒ウサギは内心とても焦っていた
この時点でそれを知られてしまうのは手痛い
苦労の末呼び出した超戦力、手放すことは絶対に避けたい。
「・・・・・」
黒ウサギは黙り込む。
「この沈黙は肯定を示すぞ?」
「ちなみに俺たちは黒ウサギのコミュニティに入ってるわけじゃないから
他のコミュニティに入る権利はあるってことだな?」
「・・・・」
「だんまりか」
「まあいいさ。それなら俺は他のコニュミティにいくまでだ」
「え? だ、駄目です。待ってください!」
足を進めている十六夜を、黒ウサギは慌てて呼び止める
足を止め、十六夜は振り返ると共に促した。
「なら、包み隠さず全て話せ。それを聞くまでは、俺がお前達のコミュニティに入ることは絶対にないぜ?」
悩みに悩んだ末
「・・・・話したら、協力していただけますか?」
「ああ、面白ければな」
ケラケラと笑ってはいるがその眼は笑っていない。
黒ウサギは、覚悟を決めた
「分かりました。それなら我々のコミュニティの惨状を語らせていただきます」
黒ウサギはコホンと咳払いをすると、自分たちの境遇を語り始めた。
「まず、私達の組織には名乗るべき“名”がありません。よって呼ばれる時は名前の無いその他大勢、“ノーネーム”と言う蔑称で称されます」
「へえ・・・・その他大勢扱い、ね。それで?」
「次に私達にはコミュニティの誇りである旗印もありません。この旗印というのはコミュニティのテリトリーを示す大事な役割も担っています」
「なるほどな。まさに無い無い尽づくしって訳か」
「YES。そして“名”と“旗印”に続いて止とどめに、中核を成す仲間達は一人も残っていません。もっとぶっちゃけてしまえば、ゲームに参加出来るだけのギフトを持っているのは百二十二人中、黒ウサギとジン坊ちゃんだけで、後は十歳以下の子供ばかりなのですヨ!」
「もう崖っぷちだな!」
「ホントですねー♪」
十六夜の無慈悲な言葉にウフフと笑う黒ウサギは、ガクリと膝をついてうなだれる。
自分のコニュミティが末期だということが改めて思い知らされた。
そこに悠が疑問を持つ。
「なあ、どうしてそんなに子供だらけなんだ? しかも100人以上も銭稼ぎに保育園でもしてるのか?」
黒ウサギは沈鬱そうにうなずく
「彼らの親は、“名”や“旗印”と同じく奪われたのです。箱庭を襲う最大の天災──“魔王”によって」
「ま、・・・・マオウ!?」
十六夜はまるで新しいおもちゃを見つけたような子供のように瞳を輝かしている
我慢がならない様子で興奮気味に問いかけた。
「魔王! なんだそれ、魔王、超カッコいいじゃねえか! 箱庭にはそんな素敵ネーミングで呼ばれる奴がいるのか?」
「え、ええ。十六夜さんが思い描いている魔王とは違うかと・・・」
「そうなのか?けどそれは倒したり、無効化したりしたらものすごく感謝されたりするような存在なんだろ?」
こいつ全力でぶちのめしたいと思ってるパターンだな。と心の中で思う。
十六夜の疑問に黒ウサギは答える。
「はい。また、倒せば条件次第で隷属させることも可能です。」
「ふーん」
「魔王は“主催者権限”という箱庭における特権階級を持つ修羅神仏で、彼らにギフトゲームを挑まれたが最後、誰も断ることが出来ません。私達は“主催者権限”を持つ魔王のゲームに強制参加させられ、コミュニティは・・・・コミュニティとして活動していく為に必要な全てを奪われてしまいました」
比喩ではない。言葉の通り彼女らのコニュミティはすべて奪われたのだ。
だが、十六夜は少しも同情する素振りもなく、疑問を投げる。
「ふーん、名も旗印もないのは不便だな。新しく作ったら駄目なのか?」
「そ、それは・・・可能です。ですが、それはコミュニティの完全な解散を意味します。私たちは守りたいのです。いつか帰ってくる仲間の場所を!」
茨の道だな。と悠は思っていた。
たとえ心に誓っていても現実はそう甘くない。
だから、俺たちを召喚するという最終手段に出たのだろう。
「お願いします。私たちはもう御二人のような強大な力を持つプレイヤーに頼るほかありません。どうかその力を、我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか!?」
深々と頭を下げて懇願する黒ウサギ
「・・・魔王から誇りと仲間をねえ」
(もしここで断られたら・・・私達のコミュニティはもう・・・・!)
「いいな、それ」
「・・・・・は?」
「HA?じゃねえよ黒ウサギ。協力するって言ったんだからもっと喜べ」
「え?・・・・あれ?今ってそういう流れでございました?」
「そんな流れだったぜ。というわけで俺はお前たちのコミュニティに入ってやる!せいぜい感謝しやがれ」
十六夜は黒ウサギのコニュニティに入ることを決めた。
「あ、あの悠さんは・・・?」
恐る恐る聞いた。悠も入るとは限らないから。
「ん~そうだな・・・入るよ」
「ほんとですか!?ありがとうございます!」
黒ウサギは喜びを露わにした。
悠は一度真剣な表情に戻り、言った
「おれの二つ目の質問だ」
「な、なんでございましょう」
じっくりと黒ウサギをにらみ、そして顔をくしゃくしゃにしながら
「もっと別の召喚の仕方はなかったのかよォォー!」
両手で地面をたたきながら言った。
そんな様子をポカンとして見ていた黒ウサギが慌てて、
「す、すいません!召喚する方法は黒ウサギは責任外なのですヨ・・・」
正直、困惑している。あんな様子を見せなかったから
もっとクールで大人しい奴かと思った。
十六夜は腹を抱えて笑い、暁はやれやれと言ったような様子で
「あーーそういえば悠って高所恐怖症だったわね」
「お前、違う意味でもおもしろいわ!」
そうして俺たちの箱庭生活が始まった。
文章って難しい
日本語って難しい
と、思い知らされる毎日です。
アドバイスなどお願いします。