その日の夕方は、行方不明の女児の死体が発見されたニュースで持ちきりだった。
しかし、発見した露伴はそれをホテルの部屋で見つめていた。
ヘブンズ・ドアーで、縁の通報によりやってきた警官たちに「自分たちが発見した」と書き込んでその間に退散してきたのだ。
かほりは、ベッドにぐったりと横たわっていた。
やはり、刺激が強すぎたようだ。
「…先生。」
「うん?」
ベッドに横たわったまま、かほりが声をかける。
それに応えながら、露伴はテレビから視線をかほりに向ける。
「…あの子、最後…ありがとうって。」
「…ああ。」
「本当に…探してほしかったんですね…。」
かほりのその声には答えず、露伴は立ち上がると視線を窓の外へ移した。
もう夕日が西の山の稜線に沈んでいく。
死んでいた彼女も、この光景を再び見たかったのだろうか。
そう思うと、露伴の胸には思わずこみ上げるのを感じた。
「…これも縁だろうからな。」
「ええ…。」
そんな彼の背中を、目を細めてかほりはただ見つめていた。
■■■
そのころ、雪魅のとある場所で、縁の夢に現れていたあの金髪の少女が日傘をくるくる回しながら歩いていた。
白い日傘が回ると、足元に落ちる影もくるくると踊るように回る。
「あーあ…ダークネス……もう見つかっちゃった…。」
そういいながら、携帯テレビで梨佳の死体が見つかったというニュースを見ながら呟く。
とてもつまらなそうに呟いたが、彼女の口元にはやはり笑みが浮かんでいた。
少女の背後には、黒い姿のスタンドがたたずんでいた。
そのスタンドを一瞥すると、にっこりと甘い笑顔を少女は浮かべ、そしてもっと面白いことがあるというように呟く。
「そろそろ、私も会いに行こうかな…靖子ちゃんに♪」
くすくす笑いながら少女は、スキップして歩いていく。
明るい金髪は、夕日の照り返しを浴びて美しく輝いている。
その頭に結ばれた大きな水色のリボンが少し肌寒く感じる夕風にさわさわと揺れている。
しかし、その笑い声には何処かぞっとさせるような響きが含まれていた。
無邪気さゆえの、残酷さが…。
―ダークネス・完―
ダークネス
本体:江口梨佳
ステータス:破壊力:E/ スピード:C/ 持続力:無限/ 射程距離:無限/ 精密動作性:無限/ 成長性:E
能力:本体の死後、テレビの電波を伝って、波長があった相手に本体の最期のメッセージを伝える。メッセージは本体から離れれば離れるほど短くなる。
元ネタ:pop'n music【ダークネス/電気人形】