夜間飛行   作:おわる美砂

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夜間飛行~予感・その4~

「…うん…あんまり、詳しいことはわかんなかったわ…。」

『ま、承太郎さんも調べてんだから大丈夫だろ。』

 

帰宅後、自分と羽月の調べたことを仗助に報告した縁。

しかし、縁も羽月が調べたようなことしか分からず、結局詳しいことは分からなかった。

 

「とりあえず、仗助はいくんでしょ?雪魅町に。」

『まーな…承太郎さんもそのうち来るらしいけどな。』

「そっか…んー、私も行きたいけどまだ時間取れないしなー…。」

『あ?なんで縁まで…。』

「仗助が心配だから?」

『あのな…。』

 

電話越しにそう会話をしていると、縁のところへ「メモリー」が戻ってきた。

「メモリー」は電話をしている縁を見ると、縁の背中を這い上がり、頭の上の定位置へ移動した。

 

「あー…メモリーが帰ってきたわ。」

『ん?…じゃあ、そろそろ寝るのか?』

「もしかしたら、何か持ってきたのかもしれないから…うん、そろそろ寝ようかな。」

『ま、とりあえず雪魅に行くときは連絡するわ。』

「わかった、おやすみー。」

『お休み。』

 

■■■

 

「!?」

 

夜中、縁は目を覚ました。

悪い夢を見たようで、汗が肌に纏わりつき、シーツもぬらしていた。

縁は起き上がると、ふらふらと浴室へと歩いていく。

頭の中には、今しがた見たばかりの夢の内容がぐるぐると回っていた。

 

-夢の中、縁は上空からそれを見つめていた。

見知らぬ少女…今朝見た少女とはまた違う、他の少女を見つめていた。

明るい金の髪をした少女…顔は見えないが、笑っている…そう感じた。

少女が、誰かの影を踏むと、その影は彼女によって奪われていく。

奪われた人間は、半狂乱で影を探すが、夕暮れ時が過ぎ、完全に夜が来ると、その人間は動かなくなった。

夢の中で、無邪気な笑い声が木霊していた-…

 

「…これも、何か関係があるの…?」

 

ぬるいシャワーを浴び、汗を洗い流した縁は小さく呟く。

先ほどの夢の中で聞いた笑い声を思い出し、縁は身震いをした。

体を拭いて寝室へ戻ると、ケータイのランプが点滅していた。

ベッドに腰掛け、ケータイを開く。

仗助からのメールが一通届いていた。

 

《今週中には雪魅に行くことになった》

 

短く、用件だけのメール。

いつもなら、仗助らしいと苦笑し、特に返信しない縁だが、そのときはすぐに返信した。

 

《私も行くわ》

 

すぐに返信が来る。

 

《起きてたのか?っていうか、大丈夫なのか?》

 

大丈夫かといえば、大丈夫ではないかもしれない。

しかし、縁はどうしても雪魅にいかなければならない気がしていた。

先ほどの夢が、縁をそうさせていた。

 

《大丈夫。どうしても、着いていきたいの》

 

今度は、少し返信が来るまでの間が開いた。

承太郎に、確認を取っているのかもしれない。

縁はそう思いながら、ケータイがメールを受信するのを待った。

15分ほどして、仗助からの返信が届く。

 

《分かった。詳しい日程は後で連絡する》

 

その返信に、縁は「ありがとう、お休み」とだけ返信すると、ベッドにもぐりこんだ。

興奮して眠れそうに無かったが、無理やり目を閉じる。

 

(…あれが本当に起こっている事なら、確かにスタンドが関係してる…。)

 

先ほどの光景が頭に浮かぶ。

背筋を這い上がるような悪寒に、縁はまた身震いした。

 

(…例え、調べてる子がジョースターとかDIOとかと関係なくても…スタンドで殺人が行われているなら…調べる必要があるよね…。)

 

頭の中でぐるぐる回る思いを考えているうちに、急激な眠気が襲ってきた。

縁はその眠気に身を任せ、眠りにつく。

その後、再び仗助からメールが来ているのにも気づかぬほどに、縁は深い眠りに落ちていった…。

 

―予感・完




次から雪魅に舞台が移ります。
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