IS~インフィニット・ストラトス~Resurrection 作:白姫彼方
金と銀の転校生
クラス対抗戦から時間が経ち6月初め、一夏は前の世界からの友人である
余談だが、箒は学年別トーナメントまでの懲罰房での謹慎と600枚の反省文を言い渡されている。
今2人は大人気格闘ゲームである『
「それにしてもお前さぁ」
「なんだよ? 弾」
「急に変わったよな、こう……大人びたと言うか……別人になったというかさ」
それを言われた一夏は表情こそ出してはいなかったが内心納得していた。普段の……前の世界からの態度を変えていなかったと思い出し、それでもこんな短い期間で気付かれるとは思いもしなかった。
「まぁ、俺にも色々とあったんだよ。それで考え方とかを変えただけだ」
「そっか……ったく急に変わったから驚いたぞ」
「悪い悪い」
一夏と弾が話していると、突然大きな音を立ててドアが開くとそこには弾の一つ年下の妹である
「お
蘭は一夏の姿を見るなり、一瞬硬直するが、直ぐに挨拶をする
「い、一夏さん。お久し振りです!」
「おう、久し振りだな蘭ちゃん。お邪魔してるよ」
一夏は苦笑しながらそう言うと、蘭の顔が熟れたトマトの様に真っ赤になった後、擬音が付きそうな位に目を鋭くして兄である弾を睨みつける。
「……何で言わなかったのよ、お兄……」
「い、言ってなかったか悪い……ハハハ……」
蘭の問いかけにまるで壊れたラジオの様にどもりながら弾は言い訳をする。
「……」
そんな弾を蘭は死に
「……よ、良かったら一夏さんもお昼をどうぞ。まだ、でしたよね?」
「あ……あぁ、頂くよ。ありがとうな」
「い、いぇ……」
ぱたん、とドアは閉じられた直後に一夏は溜息をついた。
「未だに尻に敷かれてるんだな、弾」
「うるせぇ!」
一夏の問いかけに弾は半ば諦めた表情で言い返したのだった。
◆
そして時は少し過ぎて一夏、弾、蘭の3人は食堂へと降りて一緒に昼食を摂っていたが、蘭がIS学園を受験すると言うと弾は騒ぎ始めた。
「な、なあ一夏! あそこって実技あるよな!?」
「ん? あぁ、あるぞIS起動試験ってのと教師を相手取ってやる実技試験だな。なぁ、蘭ちゃん」
「は、はいっ!」
「俺としては……IS学園を受験する事にお勧めはしないぞ」
一夏の言葉に蘭は驚きを隠せなかった。
「なぁ、蘭ちゃん。ISは何が目的で造られたんだと思う?」
「そ、それは宇宙開発の為に篠ノ之束博士が作ったって……」
「そうだね、本来ISは宇宙開発用として造られた。じゃあ、現状ISはどんな扱いになってるのかな?」
「そ、それはスポーツとしてとしか……」
「あぁ、アラスカ条約によってそうなってるけど、それは表向き……つまり建前としてそうはなってる。けれど、現実は違う。今ISは兵器として使われてるんだ」
一夏はそう言って、水を一口飲む。
「特に中東の紛争、内戦地域ではそれが顕著だ。非公式ではあるものの実戦投入されて、敵勢力を壊滅させている。ISが投入された戦争や内戦地の後は悲惨だぞ? そこら中に人だった物の残骸が散らばり、戦車や戦闘機の撃破された後の血生臭い臭いや蛋白質が燃えた臭いが漂っている。それに、ISが実戦投入されるのは負けが赦されない状況下だ。
勿論、この世界で世界大戦が起これば必ず駆り出されて敵を殲滅する任務を言い渡されるだろうな。
なぁ、蘭ちゃん。それでも蘭ちゃんは殺し、殺されて怨みを買って血反吐を吐きながら殺した奴等の血の臭いを撒き散らす覚悟はあるのかい? 無いのならやめた方が良い。
蘭ちゃんはそんな世界に来たいのかい?」
「そ、それは……」
「まぁ、今のうちに良く考えてみるといいよ。蘭ちゃんが俺に好意を寄せてくれてるのは嬉しいけど、それを抜きにして考えてみてね」
一夏は蘭にそう言って席を立つと、弾に謝りながら帰ったのだった。
◆
そして翌日の月曜日になり、1年1組の教室はわいわいと活気に溢れていた。
「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」
「え~、ハヅキ社製のって見た目だけって感じするけど?」
「そのデザインがいいのっ!」
「私は性能的に見てミューレイのスムーズモデルかな」
「ミューレイ社製のってモノは良いけど高いよね~」
「あっ! 織斑君。織斑君のISスーツって何処の会社のなの?」
「あぁ、俺のはラインアーク社製のシルエットモデルベースのフルカスタムだな」
一夏の言葉の後に山田教諭がISスーツの説明をした後に、山田教諭の
「諸君、おはよう」
『おはようございます!』
「今日からは訓練機だが実機を使用した実戦訓練を行う。各人気を引き締めて行う様にしろ、その際にISスーツを忘れずにな。忘れたら学園指定の水着で受けてもらう。忘れた者は校庭10周の上取りに行ってもらういいな?」
千冬がそう言うと、クラスメイト全員が返事をする。
「では山田先生、ホームルームを」
「はいっ、今日は転校生を紹介します! しかも2名です!」
山田教諭の言葉に教室内がざわつくが、一夏はやはりかと思った。
(この時期は……シャルロットとラウラか……)
一夏は懐かしそうな
◆
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。まだ不慣れですが、よろしくお願いします」
金髪碧眼の男子(?)シャルル・デュノアが自己紹介を終えると悲鳴とも言える大声が発せられる。一夏とは違うイケメン(?)だからか、クラスメイト(一部を除く)が興奮して様々な事を言うが、千冬が止めさせる。
「まだ自己紹介が終わってませんから、静かにしてくださいね」
「………」
「挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
千冬に呼ばれたラウラはドイツ式の敬礼をする。千冬は頭が痛そうに頭を抱えた。
「ここは軍隊ではないし既に教官ではない。お前は一般生徒だ。私の事は織斑先生と呼べ」
「了解しました」
ラウラは佇まいを直す。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「あ、あの……い、以上ですか?」
「以上だ」
泣きそうな山田教諭に言い返したラウラは視線を彷徨わせ、一夏を見ると僅かながらに表情を歪ませる。
「! 貴様が――――」
つかつかと一夏に近付き、平手打ちをしようとした瞬間、一夏はラウラに足払いを掛けて転ばせた後に両腕を捻り拘束した。
「!? 何をする! 離せ!」
「黙れよ、軍人。よくもまぁ一般人にしょっぱなから平手打ちをしようとしたな。これも織斑先生の教えか?」
「五月蝿い黙れ! 貴様があの人の弟など私は認めんぞ!!」
「あぁ、お前は織斑千冬の信者か、くだらねぇ私情を持ち込んでんじゃねぇよ! 三流が!」
一夏はそう言ってラウラを持ち上げ、千冬に投げ渡す。千冬は驚きつつもラウラを受け止める。
「織斑先生……いや、千冬姉、公共の……それも一応一般人に対する暴行未遂をさせるなんてどういう教育をしたんだよ? 俺じゃなかったら確実に怪我をしていたぞ、そこんとこもう一度再教育しろよ」
一夏はそう言って溜息をついた後にチャイムが鳴り、1限目が実習なのを山田教諭が言い、それに続いた千冬が一夏にシャルルの面倒を見る様に言ってラウラを降ろした後に教室から出て行った。
千冬が出て行った後、一夏は支度をしてシャルルの席に向かう。
「君が織斑君? 初めまして――――」
「今は時間が無いから急いで向かうぞ」
一夏はそう言ってシャルルから離れると、シャルルは慌てて一夏を追いかける。
「ちょっと待ってよ! 織斑君!!」
「今は急がないと織斑教諭の遅刻ペナルティを受けることになるぞ!」
シャルルの言葉をそう返しながら一夏は走る寸前の駆け足で進んで階段は飛び降りていく。
何故かと言うと、もう一人の男子生徒(?)シャルルの情報を得ようとする
「いた! こっちよ!」
「者ども、出会え出会えい!」
何時ここは武家屋敷になったんだと一夏は思うが、ちらりとシャルルを見ると疑問に思いながら走り続けるシャルルが見えた。
「な、なに? 何で皆追いかけてくるの?」
「そりゃ、
「………?」
一夏は不思議そうに聞き返すシャルルに、内心溜息を付きながら更衣室に向かっていったのだった。
◆
時間は過ぎてお昼休み。更衣室に着いた一夏は特に問題が……、無かった訳ではないが強いて言うなら山田教諭が墜落したことだけであった。
そんな事があったが特に一夏が気になる事があった訳ではないので省略する。
そして今一夏が居るのは屋上で、周りには鈴音、セシリア、シャルルがいる。
「まぁ、一応俺らは1学年の専用機持ちだ。その交流も兼ねてはいるから遠慮無く食べてくれ」
一夏はそう言って重箱を広げると、色とりどりのおかずやおにぎりなどが顔を見せる。
「一夏って、料理が得意なんだね」
「まぁ、千冬姉と二人暮らしだったからな。基本的に俺は家事全般やってきたんだ」
「相変わらず料理上手よね。一夏」
「俺の特技の一つだからな。そう簡単に腕が鈍る訳じゃないさ」
シャルルと鈴音の言葉に一夏は平然と答える。
「
「セシリアってイギリス貴族って言ってたな、なら料理をしてたのは使用人の人なのか?」
「えぇ、メイドであり幼馴染みのチェルシーや、オルコット家に仕えている使用人の方々ですわ」
4人は和気藹々とした空気の中で一夏の料理に舌鼓を撃ちながら過ごしていったのであった。
如何でしたでしょうか?
それではまた次回♪