IS~インフィニット・ストラトス~Resurrection 作:白姫彼方
お昼の交流会から時間が経ち夕方、一夏とシャルルは自室にいた。
「一応俺は通路側で寝てるから、シャルルは窓側に頼む」
「うん。わかったよ一夏」
シャルルはそう返事をして荷物の整理を行っている間に、一夏はお茶を用意しながら、情報収集を行う。
(美緒。シャルル・デュノアについての情報収集を頼む)
――――解ったよ、一夏
――――了解です。
(しっかし、今思えば当事の俺はなんで不審に思わなかったのかねぇ……まぁ今更か)
――――当事は本当に高校1年の15歳だったのですから、仕方が無いですよ
(まぁなぁ……今回は『IS戦争』が起こる前に、
――――そうだね。兎に角、シャルル・デュノアの情報収集は任せてね
――――美緒がシャルル・デュノアの情報を収集するのであれば、私は
(あぁ、頼んだぞ。美緒、ユキアネサ)
――――私達にお任せあれ♪
――――了解しました。
美緒とユキアネサに頼んだ後に、お茶の用意が出来て一夏はテーブルに乗せる。
「シャルル、お茶の用意が出来たから一服にしようぜ」
「あ、うん。有り難うね、一夏」
シャルルは一夏にお礼を言うと、椅子に座ってお茶を一口飲む。
「ほぅ……紅茶と違う苦味があるけど、落ち着く味だね」
「同じ茶葉でも工程の違いだけで、これだけ味が変わるのも驚きだけどな」
「だね……あ、一夏は抹茶を入れる事が出来るの?」
「抹茶は立てるって言うんだ。で、その答えは略式なら立てる事が出来るぞ」
「へぇ~、今度飲んでみたいな」
「あぁ、機会があればな」
一夏がそう言うと、シャルルはクスリと笑って御礼を言った後に雑談へと移って過ごしていくのであった。
◆
シャルルが転入してから時が過ぎ5日後の土曜日、一夏とシャルルは模擬戦をしていた。
一夏は『ツヌグイ』、『グングニル』、『アイギスMkⅡ』、機械翼に取り付けられている武装プラットフォーム、『グレイズ』、『月光零式』を封印し、出力も3割にまで落として行っている。
「そこだよっ!」
シャルルは左腕に持つ五五口径アサルトライフル『ヴェント』を一夏に放ちながら、右腕に持つ六二口径連装ショットガン『レイン・オブ・サタディ』で面攻撃を行う。だが、一夏は
シャルルは誘爆する前に二つを捨て、右腕に五九口径重機関銃『デザート・フォックス』、左腕に六一口径アサルトカノン『ガルム』を展開した瞬間に、一夏は
それに驚いたシャルルは直ぐに後退をするが、両腕の『ブレイズ』で撃ち抜かれてシールド・エネルギーが0になり模擬戦が終わった。
模擬戦が終わり、ISを解除した2人はというよりシャルルは一夏に詰め寄っていた。
「一夏って本当に初心者なの!? 機動とか攻撃のタイミングとか初心者の感じがしないんだけど!」
「あぁ、その事かぁ……まぁ色々とあったんだよ。だから聞かないでくれると助かる」
そうはぐらかす一夏にシャルルは観念した様に溜息をついた。
「でも本当に凄いよ。国家代表を超えるんじゃないかな?」
「いやいや、そこまでの腕じゃないさ」
(まぁ、今の国家代表程度なら既に倒してるけどな)
初日に調べた結果、今の国家代表はIS戦争時代と変わりが無かった。今の愛機『
だが、一夏は慢心は駄目だと内心でその考えは振り払いシャルルの質問に答えれるだけ答えていると、アリーナ内が騒がしくなる。
「ねぇ、ちょっとアレ……」
「ドイツの第三世代型だ。まだトライアル段階って噂で聞いたけど……」
その声を聞いて、一夏はハイパーセンサーでその方向を見ると、そこにはもう一人の転入生、ラウラがそこにいた。
「おい」
「……何か用か? 三流軍人」
一夏の返答にラウラは怒り狂いそうだが、腐っても軍人なのか直ぐに冷静になる。
「貴様も専用機持ちだそうだな? ならば話が早い。私と戦え」
ラウラの言葉に一夏は溜息をついて呆れる。
「馬鹿かお前は、状況を良く見ろ。周りに生徒がかなりいるじゃないか、そんな中で模擬戦でもしたらどんな被害が出るか解ったもんじゃない。そんぐらいもわからねぇのかよ?」
「そんなもの知ったことではない。避けれない奴が悪い。所詮ISをファッションか何かと勘違いしてる奴らなどどうでもいい、だから私と戦え! 織斑一夏!」
「はぁ……まぁISをファッションか何かと勘違いしてる奴は多いだろうさ、そうなる様に政府が意識誘導をしているからな。だがよ? ラウラ・ボーデヴィッヒ、お前も同じ穴の狢だぞ」
「……なんだと?」
「解んないのかよ? 現に今お前は私情でISを動かしてるじゃないか、お前の今の行動はISをアクセサリーの類としか思ってない証拠だ。それに、お前の今の行動は軍人として最低なのは解ってるのかよ?」
「……貴様が! 貴様が居なければ教官は大会二連覇の偉業をなしえた事は容易に想像できる。だから、私は貴様の存在を認めない!」
「話を聞いてないし……これだからガキは困る。えぇ?『
一夏の言葉にラウラは酷く動揺した表情になった。
「貴様! 何故それを知っている!」
「お前は知らなくていいことだ。じゃあな」
一夏がラウラに背を向けて歩き出す。
「戦わざるを得ない様にしてやる!」
ラウラがそう言ってレールカノンを一夏に向けた瞬間、レールカノンが爆発した。突然な事にラウラは体勢を崩したが、直ぐに立て直して一夏を見る。そこには既に『
「敵対行動を確認、排除開始」
機械的に呟き終えた一夏は、瞬時に出力リミッターを解除し、
「がはっ!?」
叩きつけられた衝撃でラウラは肺にあった空気を吐き出す。だが、一夏は既に『グングニル』と『ツヌグイ』を展開し終え、両腕の『グングニル』に至ってはチャージを終えていて直ぐに放てる状態にあった。
それに気付いていないラウラは、頭上を見上げて目を見開いた瞬間に、無慈悲にも『グングニル』、『ツヌグイ』から荷電粒子砲が放たれ、直撃した。
それによって土煙が起こり、ラウラと『シュヴァルツェア・レーゲン』を覆い隠す。
(私が……負けた? 何も出来ずにか……!?)
その事にラウラは怒りや憎しみよりも驚愕が勝っていた。IS学園に転入するまでに読んだ資料では、ISに関わっていなかったと書いてあったが、本人に会うとその資料は使い物にならなくなっていた。
それは先程のシャルルとの模擬戦を見て強者だと確信していたが、自分よりも遥かに強く何も出来ずに一方的に墜とされた。
(ふざけるな! 教官の汚点如きがそんな事あっていいはずが無い!)
――――ならば、汝は願うか? 自らの変革を……より強い力を欲するか?
何処からか声が聞こえた。ラウラはその声に願う、あの教官の汚点よりも強い力をよこせと……そう願った。
――――Damage Level……D.
――――Mind Condition……Uplift.
――――Certification……Clear.
《Valkyrie Trace System》……boot.
願った直後にラウラの絶叫がアリーナに響き渡ったのだった。
如何でしたでしょうか?
ではまた次回♪