IS~インフィニット・ストラトス~Resurrection 作:白姫彼方
3作目もよろしくお願いいたします♪
再誕
暗い昏い空間にその男はいた、上下左右360度見渡しても何もなく、自身の身体すらも見えない正に虚無と言える空間にその男は漂っていた。
(ここは……どこだ? 俺は一体……)
男はそう考え、その直前にあったことを思い出す。
(そうか……俺は……墜とされたのか、そうなると俺は死んだのか)
自身の死を他人事の様に落ち着いた様子で理解をするが、どうやってこの空間に来たのかが判らなかったが、ここは死後の世界と自身で納得させる。
(あれは……成功したのだろうか……今となっては判らない……か、それでも成功したと、思いたい)
男はそう思い苦笑していると、視線の遥か先に一つの光の様な点が現れる。それを見つけた男が疑問に思う直前にその光の点が急速に膨れ上がり、視界を覆うと同時に男の意識が途絶えた。
◆
「ここ……は……?」
男が意識を取り戻すと、そこは何処かの家の一室であった。そしてその男は辺りを見渡すとその一室は妙に見覚えがあった。一般的なシングルベッド、参考書や漫画類等を収納している本棚、クローゼットのすぐ近くに見覚えのある制服が掛けてあった。
「この制服は……IS学園の制服か!? もしかして!」
男は急いでクローゼットを開け、姿見の鏡を見て確信する。
「若返ってる……嘘だろ……?」
男は自身が若返っている事に驚くも、直ぐにその日の日付を見るとIS学園の入学式前日という事に気付き、即日入寮する事を思い出し簡単に荷物を纏め姉が取り来て直ぐに判る様にする。それが終わると、今度はデスクトップ型のPCの電源を入れ、とある家を検索し始める。
だが、結果は芳しくなく見つからなかった。それでもと、一般人でも知らないアングラなルートを使うも、そこでも見つからなかった。そこで確信した、俺が生きてきた世界と似て非なる世界なんだと……男はPCを落とし、今の肉体がどれぐらい動かせるかどうかを試す。
この肉体になる前に続けていた武術を始め、ありとあらゆる動作を確認し尽くすとやることがなくなるが、ちょうどお昼時なので、1階に降りリビングを通り、台所に行き冷蔵庫を開けると、そこにある程度の食料があるのを確認して昼食を作るとさっさと食べ、後片付けをして終わるとまた2階の自室に戻り一応IS学園に入るのだからと思い参考書を探す。直ぐに見つけたその男は昔の自分は間違えて捨てたなと苦笑をしてざっと眼を通すと直ぐに閉じる。
今この自宅でやらなければいけないことを全て終えたので中庭に行き、トレーニングを始める。腕立てから始まり、腹筋、背筋を鍛え、その後にスクワットを行う。トレーニングを終えて空を見ると既に夕方になっていて、そこから入浴し、トレーニングの疲れを癒した後、夕飯を作るが、残った食材を全て使った為、その量が多かった物の、直ぐに食べ終えてしまい、後片付けも早々に終わらせてTVを見て、夜の10時頃に床に着いて眠った。
そして男が居た世界では英雄と呼ばれ、この世界では世界唯一のIS男性装着者となった織斑一夏の最初の日は終わったのだった。
◆
そして翌日、一夏は自身が所属クラス1年1組の一つの席で懐かしそうに辺りを見渡した。
(あぁ……懐かしいな、あの時と一緒だな……
一夏が言うあいつとは一夏の幼馴染みであり、初恋の女の子だった子だ。その子を思い出した一夏は苦笑しながら左胸を握り締めると、教室のドアが開き、そこから一人の女性が入ってくる。
「全員揃ってますね~。 それでは
入ってきた女性は言いながら、にっこりと微笑む。その女性を見た一夏は、不意に懐かしさが込上げて来て涙が出そうになるのを堪える。
(山田先生か……あっちでも思ったけど、本当に俺より年上なのかと疑問に思うよなぁ……)
一夏はそう思いつつ、苦笑していると、自己紹介の順番が回ってくる。
「織斑一夏だ、趣味は鍛錬とスポーツ、特技は家事全般だ。世界初事例の男性IS装着者と呼ばれているが、皆と何一つとは言わないけど、ほぼ変わらない人間だ。気軽に接してくれると助かる。1年間宜しく頼むな」
一夏がそう言って座ろうとするが、周りはまだ何か言って欲しそうだったので、しょうがないかと思い、姿勢を直して続ける。
「そうだな……っとそこで待ってる織斑先生、自己紹介とは少し関係ない話になりますがよろしいですか?」
一夏がそう言いながらドアを見ると、そこには、一夏の姉であり、第一回モンド・グロッソで初代ブリュンヒルデ
となった織斑千冬がいた。
「……何時から気付いてた? 織斑」
「自己紹介が始まったあたりから……と言って置いたほうが良いでしょうか? 織斑先生、気配の消し方が素人丸出しでしたよ。 それで、宜しいでしょうか?」
「ふん……まぁいい、常識の範囲内であるなら構わん。但し、5分を限度とする」
千冬の言葉を聴いた一夏は、一度お辞儀をしてクラスメイトの方に向き直った瞬間、殺気を撒き散らす。敏感なクラスメイトは短くも小さな悲鳴を上げ、目を見開き、怯えた顔をし、千冬は眉をピクリと動かし一夏を見る。
「さて……リクエストに答えた訳だが、ISの現状の立場を話をしようと思う。現在ISはスポーツとして認知はされているのは皆も判っていると思っている。だが、その実、本来ならISは篠ノ之束博士が以前言った通り宇宙開発に使われるべきであった。
では、何故現在に至るまで兵器及びスポーツになっているかだが」
一夏が一度言葉を止める、それに疑問を思ったクラスメイトは大半居たが、極少数のクラスメイトは気付いていなかった。
「ほう……? 俺の言葉で何が面白かったんだ?」
指摘されて気付いたクラスメイトは可笑しいのか、笑いながら立つ。
「だって、織斑君、それはありえないよ? アラスカ条約で軍事利用は禁止されているから、兵器にならないよ?」
そのクラスメイトの言葉を皮切りにその意見に賛同する声が上がるが、一夏はその意見が可笑しそうに嗤った。
「くくっ、現実を見ていない意見をありがとう、はっきりといえばどの国でもISは兵器転用されているぞ、中東なんかでは既に実戦投入されている、当然だが非公式だがな。抑止力と言う名の下にどの国でも最新鋭の兵器として開発し、より発展させている。
現状で言えばはっきり言ってISは兵器だ。例え篠ノ之束博士が宇宙開発用に作り出したとしてもだ。
ISはファッションなんかではないし、自分を際立たせる小道具でもない、人を殺せる兵器だと認識してくれ。
俺からは以上だ。聞いてくれてありがとう」
一夏はそう言って、席に座った。
「時間内か、織斑が言った通り諸君がこれから使うISは兵器だ。基本動作は半月で身体に染み込ませろ、いいなら返事をしろ。不満があってもだ、いいな」
千冬がそう言って、自己紹介を締め括ったのだった。
如何でしたでしょうか?
また次回♪