IS~インフィニット・ストラトス~Resurrection   作:白姫彼方

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模擬戦開始

アリーナに躍り出た一夏を迎えたのは、青いフィンアーマーを装備したISを纏うオルコットだった。

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

「逃げる? 何でお前如きに逃げる必要がある? えぇ?」

 

オルコットの言葉に一夏は嘲い、あえて見下す。そうすることで相手は冷静さを欠くのが目的だが、熟練された軍隊等には効果がないが、オルコットはそう言った経験がないのか顔が赤くなり、怒りに満ちていく。

 

「まぁいいですわ、貴方にチャンスを与えますわ」

「はぁ? 寝言は寝てから言えよ、さっさと来いよ三流」

「ならもういいですわ! 墜ちなさい!」

 

オルコットは『スターライトmkⅢ』を構え、即時に撃つが、その時には既に一夏の姿はなく、それに気付いたオルコットは直後に横に吹き飛ばされ、体勢を立て直しみると、そこには物理ブレードを持った一夏が居た。

 

「イ、瞬時加速(イグニッション・ブースト)!? どうして貴方が!」

(機体の反応速度が遅すぎる。とりあえずビットだけは壊しておくか)

「行きなさい! 『ブルー・ティアーズ』!」

 

無視をされたオルコットは、自身のIS『ブルー・ティアーズ』と同じ名称のビット兵器『ブルー・ティアーズ』を射出、一夏はビットから軽く離れて様子見をしレーザーを避け、撃ち終わったビットを物理ブレードで切り裂き、爆散させる。

エネルギーが切れたビットを戻し、補給させている間にオルコットは『スターライトmkⅢ』で一夏に向けてレーザーを放つも、軽く避けられる。

最初の『瞬時加速』と回避、ビットを一つ墜とした時以外全く動かない一夏にオルコットが叫ぶ。

 

「ふざけてますの!? 何故攻撃をしませんの!!」

「死に急ぐなよ新兵(ルーキー)? 俺には俺の都合がある。まだお前を墜さねぇ、さぁ早く来いよ」

 

一夏はそう言って、右腕で招く仕草をする。それに怒ったオルコットは再度『ブルー・ティアーズ』を射出、一夏に向かわせ11時の方向からレーザーを放つが、それも直ぐに回避され、5時と7時の方向から別の『ブルー・ティアーズ』で攻撃を仕掛けるがそれも避けられ、一夏の姿が消えるとほぼ同時に11時の方向にあった『ブルー・ティアーズ』が破壊される。

また一機『ブルー・ティアーズ』が墜とされたオルコットは更に動揺するが、残った2機で一夏に攻撃を仕掛けるも、それすらも回避され、破壊された。それと同時に狂乱したかの様にオルコットは声を上げる。

 

「何なんですの! 何なんですの貴方はぁぁぁ!!」

 

ヒステリック気味に叫びながらオルコットは『スターライトmkⅢ』で一夏を撃つが、手に持つ物理ブレードで弾かれる。そして一夏は不敵に笑った。

 

 

                       ◆

 

 

「織斑先生! 本当に織斑君は初心者なんですか!?」

 

そう声を荒げて言うのは山田教諭だった。一夏の機動はそれほどまでに異常だからだ。

 

「その筈だ。だが……あの機動と的確な攻撃を見る限り国家代表を軽く凌駕する次元だぞ……」

 

一夏から話を聞いていた千冬でさえ、その予想を遥かに超えた起動と攻撃に動揺を隠せなかった……否、隠せるはずもなかった。

と言うより、一夏の話でさえ半信半疑でもあったのだ。一夏の話は妄想なのだと何処かしらで思っていた千冬は一夏の試合を見てそれは本当なのだと思い知った。

 

「これからどうするのでしょうか……織斑君は」

「今の状況を見る限り、初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)が終わるのを待っているのでしょう、その証拠に織斑はオルコット自身に対して一度だけしか攻撃せずに、後はビットにしか攻撃していない。

そう考えるしかない」

「やっぱりそうですか……この後が大変ですね……」

「えぇ、まぁやるしかないでしょう」

 

二人はそう言って、苦笑しあった。

そして場面は変わり、Aピットに居るクロエは束と通信をしていた。

 

『うんうん♪ じゃあ、いっくんの試合が終わったら纏めたデータを見せてね♪』

「はい、解りました。束様」

『あ、それとね今のいっくんはどんな感じかな? くーちゃんが見た感じで良いから言ってみて♪』

 

クロエは束に言われてから再度一夏の様子を見る。

 

「織斑様の機動と攻撃に関してですが、初心者の域を逸脱しております。それこそ何十年と戦い続けた、熟練者の様な効率的で隙のないと言っても過言ではないほどです。あの……束様。本当に織斑様はISを動かしてそう日が経っていないのでしょうか? 私としては、ありえないと思うのですが」

『えぇ!? それほんとうなの!? くーちゃん! でもちーちゃんはいっくんをISに関わらない様にしてたけど……なんでだろうね?』

 

クロエの報告に束は心の底から驚き、疑問を持つ。束が知る限りでは、千冬が一夏をISに関わらせない様に動いていたのは知っていたからだ。

だからこそ束には、一夏がそんな初心者のする機動以上の高度な機動や攻撃ができるとは到底思えなかった。

 

『うんわかった、くーちゃん。もう少しそこに居てデータ収集をお願いね』

「はい、束様……あ、『白式』の『一次形態移行(ファースト・シフト)』が終わり……え?」

『ん~? くーちゃんどうしたの? 『白式』の『一次形態移行(ファースト・シフト)が終わったんだよね? どんな形になったのかな?』

 

束がクロエに聞くも、クロエは返事が出来なかった。何故かと言うと『白式』の形態移行後の形が予想よりも異なり過ぎていたからだった。

 

 

                       ◆

 

 

試合が開始してから20分が経っていた。その間にオルコットは『スターライトmkⅢ』を撃つも、どれもが掠りもせずに避けられる。

 

「どうした新人(ルーキー)? 照準がずれて来てるぞ? もっとよく狙えよ」

「五月蝿いですわッッッ! 貴方に言われなくても!」

 

一夏はオルコットをおちょくりながらその時を待っていた。

 

――――『一次形態移行(ファースト・シフト)』を開始……エラー、エラー、エラー外部からの干渉……

――――……

――――……ター!

――――……か!

――――マ……ター!

――――い……か!

――――マスター!

――――一夏!

――――『一次形態移行(ファースト・シフト)』をキャンセル、『変異形態移行(ヴァリエイション・シフト)』を開始します。

 

懐かしい声が頭に響くと同時に、『白式』と一夏は光に包まれる。

そして光が消えると、先程までの『白式』とは全く違った姿になっていた。

頭部はギアレシーバー型のハイパーセンサーが付き、胸部は四角推型の装甲が付き、背部は機械翼と2基の連結型ブースターがあり、腰部には折り畳まれた大型砲と臀部辺りにもブースターが付いている。

腕部には細いアームガード型の装甲が付いているが、3つの射出口と細長い射出口が付き、脚部にはレッグガード型の装甲と脹脛の部分には装甲の他にブースターが付いていた。

そして装甲は白く、関節部分は白灰で、武装と思われる部分は白銀になっていた。

 

「ファ、一次移行(ファースト・シフト)!? あ、貴方今まで初期設定だけの機体で戦っていたって言うの!?」

――――漸く見つけましたよ!! 我が主(マイ・マスター)

――――本当だよ! 一夏! でも無事……と言って良いのかな? 随分と若返ってるけど

「話は後だ、ユキアネサ、美緒。今はこの試合を終わらせるぞ」

「何をごちゃごちゃと!!」

 

オルコットは言い終わった直後に、一夏は突然距離をとる。

 

「終わりにしようか、オルコット。いけっ! 『ツヌグイ』!」

 

一夏が言葉言い終わる直前に、機械翼が広がり、翼の部分から30基のビット『ツヌグイ』が射出される。

 

「BT兵器!? そんなわけがありませんわ!!」

「なら確かめてみろよ?」

 

『ツヌグイ』を動かしながら一夏は両腕に大型ビームブレード『月光零式改』を展開、それと同時に『ツヌグイ』の通常弾であるレーザーを撃ちながら、瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い一瞬にしてオルコットの懐に飛び込む。気付いた時に既に懐に踏み込んだ一夏を見て、恐怖に顔を歪める。

 

「こ、このぉ!」

 

『ブルー・ティアーズ』の腰部にミサイルユニットが出現して、ミサイルビットを射出する。一夏は後退瞬時加速(バック・イグニッション)で直ぐに後退して腰部にある折り畳み式大型レールカノン『ブレイズ』を展開してミサイルビットを撃ち落し、それと同時に『ツヌグイ』のレーザーがオルコットに何発か直撃してシールド・エネルギーがゼロになった。

 

勝者(ウィナー)! 織斑一夏!』

 

アナウンスが響くと同時に『ブルー・ティアーズ』が解除され、オルコットの身体が空中に放り出される。だが一夏は直ぐにオルコットの身体を受け止め、Aピットに戻ったのだった。




如何でしたでしょうか?
また次回♪
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