IS~インフィニット・ストラトス~Resurrection   作:白姫彼方

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再会

「おはよ~。織斑君、今日2組に転入生が来るんだって~」

 

1組の教室に入った、一夏を見つけたクラスメイトがそう言う。

 

「へぇ~、どんな奴なんだ?」

「中国の代表候補生らしいよ? 織斑君なら勝てるよ!」

 

そう言ったクラスメイトは、凄く興奮した状態だった。それを見ていた一夏は苦笑しながら、思考をフル回転させる。

 

(この時期の転入生と言うと……鈴か、はてさて……どうしたものか)

「む……気になるのか?」

「まぁな……この時期に転入すると言うことは、最低でも国家代表候補生クラスだな。その目的は俺の専用機のデータ収集か、若しくは俺の暗殺か、或いはハニートラップの何れかだな」

「ふん……、今のお前にそんな余裕があるのか? あれだけの強さを持っていても、寝首をかかれるぞ」

 

箒は不機嫌そうに言い放つ、苦笑しながら一夏はそっと近くのドアを見ると、ピョコンと見覚えのある髪の毛が見えた。一夏はジェスチャーで静かにする様に頼むと、その髪の毛の持ち主に気付かれない様にドアの近くに隠れる。そして髪の毛の持ち主の顔が見えた瞬間

 

「わっ!」

「ひにゃぁぁぁぁぁっ!?」

 

一夏が大声を上げるとその持ち主は何やら可愛らしい悲鳴を上げて、尻餅をついた。

 

「い、一夏!?」

「よぉ、久し振りだな。鈴」

 

一夏が驚かした少女は(ファン)鈴音(リンイン)と言う名前で、身長は150cmほどの小柄な少女だ。

黒髪をツインテールにしている。

 

「なんてことしてくれたのよ!」

「それはまた後で聞くから、教室に戻ったほうがいいぞ」

「なんでよ!?」

「もう時間だからだ」

 

鈴音は一夏に言われた事を理解して立ち上がろうとするものの、立ち上がれなかった。

 

「こ、腰が抜けちゃった……」

「あ~……鈴すまん」

 

呆然としかけた鈴音に一夏は謝って、抱き抱え……所謂お姫様抱っこをした。そうすると、鈴音の顔が見る間に赤くなっていく。

 

「織斑先生、凰の腰が抜けちまったんでこのまま2組に送っていきますね」

「はぁ……何をやっているんだお前は」

 

呆れた様に千冬が言うと、一夏は苦笑する。

 

「まぁ、仕方ない。さっさと送って来い」

 

千冬の許可を貰った一夏は、歩いて鈴音を抱えながら送っていく。

 

「鈴、お昼は一緒に食おうか」

「えっ!? な、何よ急に……」

「久し振りに鈴と食いたいんだが……だめか?」

「……だめじゃないわよ」

 

ぶっきらぼうに返事をする鈴音だが、内心では天にも昇る嬉しさでいっぱいだった。どんな風だったかは、本人の名誉の為にあえて書かないとする。

そうこうしてる内に2組についたので鈴音を降ろすが、表情は少し残念そうだった。

 

 

                        ◆

 

 

時間は過ぎ、昼休み、一夏は2組に来ていた。

 

「すまん、凰鈴音さんはいるか?」

「きゃぁぁぁぁ! 織斑君よ~!」

 

一夏を見た2組の女子が、悲鳴気味に大声を上げると一斉に一夏に視線が集まり、まるで突貫する様に突撃する。

 

「織斑君どうして此処に!?」

「やっぱり近くで見るとかっこいい!!」

「織斑君! 私と付き合ってぇっ!!」

 

等々言われて、中々目的の鈴音に会えず、少し一夏は苛立つがもう一度声を上げる。

 

「すまないが! 凰鈴音さんはいるか!?」

「こっちにいるわよ! 一夏!」

 

一夏は声が聞こえた方に向くと、教室の後ろ側のドアから出てきた鈴音だった。慌てて鈴音の方に行く一夏だったが、それを見ていた鈴音は苦笑をしていた。

 

「相変わらずモテるわねぇ、一夏」

「単に物珍しいだけだろ……はぁ……っと、それじゃ、飯を食いに行こうか」

「えぇ、そうね」

 

一夏の言葉に鈴音が了承の意で答えると、そのまま2人で歩いていくが、その後ろに1組と2組の女子生徒がくっついていく。ちなみにだが、その先頭は箒とセシリアだった。

食堂に着いた2人は券売機で食券を買うと、列に並ぶ。一夏は半炒飯半ラーメン、鈴音はラーメンセットだ。

注文した定食を受け取った2人はカウンター席に座った。

 

「それにしても久し振りだな。鈴」

「そりゃそうよ、一夏も元気そうで何よりだわ。たまには怪我や病気になりなさいよ」

「どういう希望だよ……」

 

一夏は鈴音の言葉を溜息交じりに返しながらデコピンをする。

 

「あたっ! なにすんのよ!」

「バカな事を言ってるからだ」

「全くもう……あっ! 一夏! 訓練みてあげよっか?」

「そうだな……な「隣良いか?」……箒か、どうした」

「どうしたもなにも、一緒に昼餉をとろうと思ってたのに居なかったからな、探したぞ」

「それはすまなかったな、既に約束があったからな」

「……そこの女か」

 

箒はそう言って、じっと鈴音を見つめる。

 

「あぁ、紹介するよ彼女は凰鈴音。箒とは入れ替わりで転入してきた子だ」

「凰鈴音よ、2組のクラス代表だから、宜しくね」

「それで、鈴、こっちが前に話した篠ノ之箒だ」

「……篠ノ之箒だ。よろしく頼む」

 

一夏に紹介された箒はぶすっとした表情で名乗る。だが、その内心で不満をぶちまけていた。

 

(何故私より、その小娘を優先する!? 私達は幼馴染みなのだろう!?)

 

箒が内心そう思っているうちに、一夏と鈴音の話が続いていく。ときたま、一夏が話を振るも、箒はそっけなく答えるだけだった。

 

「ところで、一夏さっきの話の続きだけど、放課後の訓練見てあげよっか?」

「あぁ、それなら大丈夫だ。というより、今の時期は流石に他クラスとの訓練は不味いだろ」

「ど、どうしてよ!?」

「もうじきクラス対抗戦があるだろ? それがあるから、今回は悪いが……」

「それなら仕方ないわね……なら! 訓練が終わってからの予定を空けておきなさいよ! じゃあまたあとで!」

 

鈴音はそう言って、食べ終わった器を持って器を返しに行った。一夏は相変わらずだなと思いながら食べるのを再開する。

その間の箒は不機嫌なまま食べ続けるのだった。

 

 

                        ◆

 

 

時間は過ぎ放課後、訓練を終えた一夏がピットの近くにあるロッカールームに戻ると、そこにはスポーツドリンクとタオルを持った鈴音がいた。

 

「はいっ! 一夏、ぬるめのスポドリとタオル」

「悪いな、鈴……ありがとうな」

 

お礼を言って鈴音から受け取り、汗を拭きながらスポーツドリンクを一気に飲み干す。

 

「……ふぅ、それで、態々待っていたんだ。用件があるんだろ?」

「まぁね……、そ、それで私が居なくなって寂しかった?」

「そりゃそうだ。鈴が居ないだけで火が消えたような静けさだったぞ」

「あー……うん、間違ってはいないんだけどねぇ……」

「まぁ、確実に言えるのは、俺は鈴がいなくてとても寂しかったと言う事だな」

「そっ、そう? なら、これからは寂しくならないわね。私がもうここにいるんだから!」

 

鈴音はそう言って胸を張る。一夏はそれをみて、苦笑する。

 

「さてと、そろそろ戻るとするか、あいつももうシャワーを終わらせてるだろうし」

「……どういうことよ? 一夏っ!」

 

いきなり鈴音が怒鳴り、一夏は驚いた顔をする。

 

「あぁ、政府からの命令で即日入寮をしたのはいいけど、部屋の調整が出来てなくて今は仕方なくルームシェアをしてるんだよ」

「そ、そうなんだ……」

「あ、部屋を替われって言っても寮監が千冬姉だから、無理だと思うぞ?」

「うぅ~……仕方ないかぁ……ねぇ、一夏。あの約束……覚えてる?」

「あぁ、覚えてる。忘れるわけがない……だけど、その返事はもう少し待ってくれないか?」

「どういうことよ……?」

 

一夏の言葉を聞いた、鈴音は不安そうに聞き返した。

 

「今の俺の立場じゃあまだ不安定なんだ。だからしっかりとした立場になんなきゃならねぇ、めんどくさいけどな? 仮に今鈴と付き合ったとしても、中国のお上さんや他の有象無象の国々が黙ってねぇだろな。

この日本も例外じゃねぇ、今の俺は『ラインアーク』所属だが、あの委員会(老害共)が黙ってる訳ねぇしな。だから早い内に確固たる立場を手に入れた時に返事をするよ」

「仕方ないわね……お互い面倒な立場になっちゃったものね」

「違いねぇ……あぁ、違いねぇな」

 

一夏がそう言って笑うと、鈴音も笑い始める。暫く2人で笑っていると、鈴音の口が開く。

 

「そうだ! 一夏、今度のクラス対抗戦で勝った方が一つ言う事を聞くってのはどう?」

「ほぉ……面白そうだ。その賭けに乗った!」

 

一夏と鈴音の賭けが決まると、鈴音は手を振ってロッカールームから出て行った。見送った一夏も着替えて、ロッカールームから出て行ったのだった。

鈴音との賭けが決まってから暫く経ち、クラス対抗戦がやってきた。一夏は対戦表を見てにやりと笑ったのだった。

その対戦相手は

 

『1年1組織斑一夏対1年2組凰鈴音』

 

一夏はピットへと小走りで向かうのだった。




如何でしたでしょうか?
また次回♪
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