IS~インフィニット・ストラトス~Resurrection   作:白姫彼方

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クラス対抗戦後

一夏が手を振り終わった頃に、教師が乗るISが到着すると、一夏から歩み寄った。歩み寄る一夏に教師達は驚くが、千冬が直ぐに一夏に歩み寄った。

 

「織斑、右腕以外に怪我はないか?」

「あぁ、腕以外は特にないな、ところで鈴……いや、凰さんに預けた腕を渡して欲しいんだが」

「一夏っ!」

 

一夏は声が聞こえた方を向くと、そこには切り落とされた腕を大切なものを守る様に抱いた鈴音がいた。

 

「一夏! あんた大丈夫なの!? ってその腕……!」

「丁度良かった。鈴その腕を渡してくれ」

 

一夏がそう言うが、鈴音は渡せずにいた。常識で考えるのであれば一夏に渡すのではなく、医師に渡した方が良いからだ。

だが、一夏は戸惑っている鈴音に頭に手を乗せ、少し撫でた後に自身の腕を鈴音から取り、切断面を確認して切断された二の腕に合わせた。

 

「ユキアネサ、頼む」

――――解りました。我が主(マイ・マスター)

「一夏、あんた何をやって!?」

 

一夏の奇行に鈴音が何か言おうとしたが合わせた部分が淡く光り、一夏が手を離すと鈴音が見た限りでは完全にくっついていた。

その後に一夏が腕を動かしている辺り完全についているのが伺えた。その後に一夏はISを解除するが、その直後に右頬を叩かれた。

 

「この馬鹿ぁっ!」

「り、鈴?」

 

鈴音に叩かれた事を認識した一夏は、視線を鈴音に向けるとそこには涙目で怒っている鈴音がいた。

 

「馬鹿っ! 心配したんだからね!? あんた一人で戦って! 素人の筈なのにあんなに強くて! でも、腕を切り落とされて! それなのにそのまま戦っちゃうし! この馬鹿ぁっ!」

 

鈴音はそう言いながら、一夏の胸の辺りを叩く、流石に手加減はしているようだ。

一夏はそんな鈴音をすまなさそうに見ながら、頭を撫でる。

 

「悪い……悪かったよ、鈴……」

 

一夏は鈴音が泣き止むまで、鈴音の頭を撫で続けていた。

暫く経って鈴音が泣き止み、精密検査を受け終わった一夏は生徒指導室に来ていた。対面にいるのは千冬と山田教諭だ。その近くには鈴音、箒、セシリアもいる。

 

「織斑、今回の事を説明してもらうぞ。何故一人で戦った?」

「あの時にも言いましたが、凰さんの『甲龍』には競技用リミッターが付けられていたのと、武装に損壊があった為です。あの状態での『実戦』いえ……『殺し合い(・・・・)』をさせるには機体も、本人の覚悟も何もかも足りないと判断して、故に俺1人で実戦行動をとりました」

「ほう……随分と言うじゃないか、ならば織斑、お前にはあるのか?」

 

千冬の質問の意図に気付いた一夏は苦笑しながら、千冬を真直ぐ見つめ口を開く。

 

「あぁ、あるさ……無ければ俺は……あいつらに散って逝った同胞に顔向けが出来ない。いや、覚悟がなきゃ俺はあの選択はしない、してはいけないんだ」

 

そう言った一夏は、テーブルの下で血が出るほどに拳を強く握った。

 

「だから俺にはある。目の前にいる敵は全て壊し、粉砕し、殺す覚悟が、同胞を束ねていた俺には……ある」

 

一夏が言う同胞の意味を現時点で把握しているのは本人の一夏を除けば千冬だけだった。

 

「もういいだろ? 次に行こうじゃないか」

「そうだな……次は篠ノ之、お前の処罰に対してだ」

 

千冬の言葉に驚いた表情をした箒は、何か言おうとするが千冬が続ける。

 

「何も処罰がないと思ったか馬鹿者め、放送室の無断占拠……忘れたとは言わせないぞ」

「更に言うと、お前があそこにいたおかげで腕を斬り飛ばされたからな? それも忘れるんじゃないぞ」

 

千冬と一夏に言われた箒は何も言えずに山田教諭に付き添われて管制室から出て行った。

 

「ねぇ、一夏」

「なんだ? 鈴」

「あんたさっき、あいつらとか同胞って言ってたけど何があったのよ?」

「今はいえない……そう、今はな」

 

一夏は鈴音にそう言って管制室を出て行き、寮にある自室には向かわず屋上に向かった。

屋上について周りを見渡すが見える限りでは誰も居ない……だが、気配だけはしたので懐からダガーを数本取り出してその気配に向かって投げつけると、そこから慌てた様に水色の髪をした女子生徒が現れる。

 

「あぶないわねぇ? おねーさんじゃなかったら怪我してるわよ?」

 

そう言った少女はぱんっ! と扇子を広げるとそこには『暴力反対!』と書かれていた。

 

「寝言は寝てから言えよ、IS学園現生徒会長兼対暗部用暗部更識17代目当主『更識楯無』?」

「あら、おねーさんのこと知ってたのね」

「裏を知ってる奴なら誰だって知ってるさ、知らないのはモグリか新参かそこらへんだろうよ」

 

一夏はそう言って、含み笑いを浮かべる。

 

「それで? 『更識』が態々出張ってくるってなると……俺が敵か味方か聞きに来たか

俺のIS『白い閃光(ホワイト・グリント)』の事を聞きたいんだろう?」

「解ってるなら、話は早いわ。おねーさん助かっちゃう♪」

 

楯無はそう言って笑みを浮かべながら扇子を一度閉じて開くとそこには『大正解!』と書かれていた。

 

「俺はIS学園、日本やIS委員会の老人共の味方でもないしテロ勢力……『亡国機業(ファントム・タスク)』や三流テロ組織の味方でもないといえば満足か?」

「おねーさんとしてはIS学園(こっち)側について欲しいな~って思っちゃうんだけど?」

 

更識楯無は一夏が裏の事を知っている事に内心驚きつつも、ポーカーフェイスで言った。

 

「はっ! 何言ってやがる。女尊男卑の思想に染まりきったIS委員会(老害共)の狗になれってか?

そんなのお断りだ。あんな糞共に尻尾を振るぐらいなら死んだほうがマシだ」

「辛辣ね~。そこまでIS委員会(あの人)を嫌うなんて……本当は良くないけど、置いておきましょ。

それでもう一つの用件で織斑君のISだけど、データを取らせて欲しいの」

「お断りだ。IS委員会(老害共)や政治屋共にIS(こいつ)のデータはやらねぇよ」

 

一夏はそう言って、屋上から出て行った。

 

 

                       ◆

 

 

時間は戻り、一夏が出て行った後の管制室、そこには鈴音と千冬がいた。

セシリアは一夏が出て行った後にすぐ管制室を出て行ったようだ。

 

「千冬さん。あいつに、一夏に何があったんですか!? 私が最後にあった時、あんな風に言う奴じゃなかった! あれじゃまるで……」

「私にも解らないんだ……織斑がいつの間にかあんな風に言う様になって、立ち居振る舞いが全部変わってしまったんだ。私が見てきた分にはそんな予兆すらも無かった。だが、現に織斑はああ言う言い方もした。本人が言うのを待つしかないだろうな……すまないな、凰。私ではどうしようもない」

 

千冬はそう言って管制室から出て行った。だが、千冬は全て……とは言えないが一部分を本人(一夏)から告げられてはいたが、自身が言うまで黙っていて欲しいと言われていた為、千冬は鈴音に言わなかった。

 

(全く……こういう役割はめんどうだ。一夏の奴にあとでつまみでも作ってもらおうか)

 

千冬は溜息をつきながらそう考えて、職員室に戻っていったのだった。




如何でしたでしょうか?
また次回♪
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