君はヴァンガード   作:風寺ミドリ

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050 デリート・ユア・ドリーム

神沢コハクが手にしたデッキは“根絶者”…

 

絆を断ち切り、愛を虚無へ帰す導き手。

 

「デッキとの絆を失った(デリートした)僕には…ぴったりだろう?」

 

自分でそう言うと、彼は笑い出す。

 

 

「ふふっ……はははっ…とんだ自虐だ」

 

「わかってて言ってるんすか……」

 

 

僕は呆れてため息をつく…

 

 

「何……元スクルドとして、君をがっかりはさせないよ…舞原ジュリアン君」

 

「……望むところっすね」

 

戦いは……始まる。

 

 

「嘲笑する根絶者 グヰム(7000)にライド!ヰゴールを後列に置いてターンエンド!!」

 

「星輝兵 ボルトライン(7000)にライドっす、後列に下げたブレイブファングのブーストを受けアタック!!(12000)」

 

「ノーガード!!」

 

僕はドライブチェックでヴァイス・ゾルダート…クリティカルトリガーを捲り、神沢コハクのダメージにヱビル、ドロートリガーのヰド…と落としていく。

 

僕の星輝兵と神沢コハクの根絶者…どちらも同じクラン、リンクジョーカーに属している。

 

最も……その見た目は大きく違うっすけどね。

 

「貪り喰う根絶者 ジュヱル(9000)にライド…鳴り響く根絶者 プロヰーグ(9000)をコール」

 

無機質で機械的なユニットが多かった“星輝兵”…今までのリンクジョーカーと異なり、その見た目は骸骨の様…いやそれよりも禍々しく…生々しい物だった。

 

「プロヰーグでアタック(9000)」

 

「ノーガード…」

 

ダメージにはガーネットスター・ドラゴンが落ちる。

 

「ヰゴールとジュヱルでアタック(14000)」

 

「ノーガードっす…」

 

「ドライブチェック……嬉しいねぇ、ドロートリガーだ」

 

そう言って神沢コハクが見せたのは搾取する根絶者 ヰド……

 

僕のダメージゾーンに今度はアストロリーパーが落とされた。

 

「さぁ……君のターンだ」

 

「……何でファイトする気になったんすか?」

 

それは僕がずっと気になっていたことだ。

 

以前、海で出会った時…神沢コハクからは戦う意思という物が無かった。

 

「君がファイトしろって言ったんじゃないか」

 

それは僕が確かに海で彼に言った事だったが……

 

「………それだけとは思えないっすね」

 

「…………『他人のための勝利に意味は無い』…君の持論だっけ?」

 

「…………」

 

「ラシンが自分のために戦うようになったんだ…」

「……へぇ」

 

ずっと兄の強さに拘っていた神沢ラシンが自分のために勝利を求め始めた……か。

 

「戦わない理由が……無くなっちゃってね」

 

「簡単っすね……」

 

「そうでもないよ……ま、ラシンの想い人にヴァンガードを教えてたらやりたくなった…ってのもあるけどね」

 

「何すかそれ」

 

「はははっ……いいじゃないか…見たかった、戦いたかったんだろ?……本気の…“今の”僕と」

 

思わず僕も笑顔になって答える。

 

「もちろん!!!」

 

こうしてカードを握っていると、自分がどれだけこのカードゲームに入れ込んでいるのか、勝利を欲しているのかが分かる。

 

今、隣で戦っている二人も、僕も…勝つためにここにいるだけじゃない……戦いたいからここにいる。

 

「こうして戦うことが、“僕の夢への礎”となるっす!」

 

最強のヴァンガードファイター…神様も膝を尽かせるほどの強運と知能を持った存在に僕はなりたい。

 

だから……

 

「そして僕は勝つ!!伴星の星輝兵 フォトン(9000)にライド!!」

「だったら教えてあげなきゃな……君がどれだけ足掻こうと僕には勝てないということを」

 

「その言葉……是非覚えておいて欲しいっすね…後で後悔するように!!星輝兵 アストロリーパー(9000)をコール!!そしてVにアタック!!(9000)」

 

「ノーガードだ……ダメージはメヰズ…クリティカルトリガー、効果はヴァンガードに」

 

「ヒット時スキル発動っす!!SB1でデッキトップ5枚から、Vと同じユニット……伴星の星輝兵 フォトンを手札に!!」

 

僕は強力なグレード2……フォトンを手にいれる。

 

「ブレイブファングのブーストしたフォトンでヴァンガードにアタック!!(14000)」

 

「ヲルグでガード(完全ガード)」

 

ドライブチェックで極微の星輝兵 マヨロンを手札に加えた僕はターンエンドを口にする。

 

ここまで僕と神沢コハクのダメージは2vs3…こちらが有利と言いたいが、互いにデッキの本領が発揮されるのはこれからだった。

 

「僕のターン……スタンド、ドロー……そろそろ御披露目かな…虚無の化身…根絶者の力を」

 

「………」

 

神沢コハクが妖しく笑う。

 

「穢れし愚者の魂を乗せて、出でよ!!威圧する根絶者 ヲクシズ(11000)!!!」

 

禍々しい姿と、彼らの星ブラントが僕の目の前に現れる。

 

「ヰドをコール…ヲクシズのスキル発動…CB3、ヰドをソウルへ自身にパワー+10000…そして」

 

神沢コハクはその細く綺麗な指で僕のフォトンを指さし、言った。

 

 

「虚空に散れ……“デリート”」

 

フォトンは裏向きにされる。

 

今、僕のヴァンガードは伴星の星輝兵 フォトンという名前を持ったパワー0のユニットになった…スキルも持っていない。

 

最早パワーも能力も失ったヴァンガードは…憐れだ。

 

これがデリート…根絶者だけが持つリンクジョーカーの新たなる力、自身の攻撃を有利にし、ブレイクライドを完全に封じる術。

 

呪縛と同じように自分のターンのエンドフェイズ時に解ける他に、ライドをすることでも解除できる…が、ヲクシズはスキルによって手札を捨てることを要求してくる。

 

「“デリート”時にプロヰーグにパワー+2000…ヰゴールをソウルに入れダメージを1枚表にし、1枚ドロー、そして並列する根絶者 ゲヰール(9000)をコール…星輝兵 アストロリーパーを呪縛……」

 

僕の前列に裏のカードが並ぶ。

 

「絶望の旋律を刻め……ヲクシズでアタック(21000)」

 

「……っ、ノーガードっす」

 

デリートされ、自身のパワーを失うことで相手からのシールドの要求値も跳ね上がる、そしてフリーズレイ・ドラゴンやカスミローグといったユニットが持つ“ガード系”のスキルも使用不可にすることができる。

 

これがデリートの強み…一見ただ妨害をするだけのデリートは極めて攻撃的なスキルだった。

 

「ツインドライブ……ガノヱク……そしてメヰズ、クリティカルゲットだ」

 

クリティカルはVに、パワーはゲヰールに与えられた。

 

「ダメージチェック……コールドデス・ドラゴン…そして……っ!!回想の星輝兵 テルル!ヒールトリガーっす!!」

ダメージがヒールトリガーに癒される……これでダメージは同点……っすけど。

 

「プロヰーグでアタック!!(11000)」

ヒールトリガーが乗ったとはいえ、今のフォトンのパワーは5000……あまりに脆すぎる。

 

「ノーガード……っす、ダメージはヌル・カメレヲン…クリティカルっす、効果は全てヴァンガードに」

 

「ゲヰールでアタック!!(14000)」

 

「コールドデス・ドラゴンでガード!」

 

 

神沢コハクのターンは終わる……だが、このデリートは終わらない。

 

「僕のターンっす!!スタンド、ドロー……」

 

「ヲクシズのスキルで…」

 

「分かってるっすよ!!ライド時に手札をドロップ!…ガーネットスターをドロップゾーンへ!そして!!」

 

僕はデリートされたフォトンの上に新たなヴァンガードを置く。

 

「悪夢の先に狂気あり!叫べ呪縛竜!!ライド…星輝兵 ガーネットスター・ドラゴン(11000)!!」

 

ダメージは僕の方が多いっす……けど!ここで巻き返させて貰うっすよ!!

 

「シークメイト!双闘!!伴星の星輝兵 フォトン!スキル発動!!ゲヰールを呪縛っす!!ついでにリアガードにフォトンをコールしてプロヰーグも呪縛っすよ!」

 

これで神沢コハクはヴァンガード以外でアタック出来なくなった。

 

「ふむぅ……これがリンクジョーカー…か」

 

「あんたも今、使ってるクランっすよ!」

 

「ふっ……そうだったね」

 

神沢コハクのファイト経験は一応、ブレイクライドが登場する前までの物だ……一応…故にその後に登場したリンクジョーカーとのファイト経験は少ない筈。

 

とはいえ、僕も根絶者とは初めてのファイトではあるんすけどね。

 

「呪縛を怖がってちゃ、ファイトは出来ないっす!沈黙の星輝兵 ディラトン(9000)!極微の星輝兵 マヨロン(7000)をコール!!」

 

僕はディラトンのスキルで“切り札”を手札に加える。

 

「ガーネットスター達でアタックっす!!(27000)」

 

「ゲヰールをドロップ…ヱビルで完全ガードだ」

 

アタックは防がれたものの、ヒールトリガーとドロートリガーの二枚をドライブトリガーとして引けたため、僕は少しほっとしたっす。

 

「マヨロンのブーストしたディラトンでヴァンガードにアタック!!(26000)」

 

「ノーガード…だね」

 

ダメージゾーンに速攻する根絶者 ガタリヲが落とされる。

 

これでダメージは逆転した。

 

「ターンエンドっす」

 

「僕のターンか……スタンド、ドロー……」

 

元スクルド…彼を倒すことが出来れば…僕の最強への道がついに始まる。

 

僕の悲願、夢、目標……生きる、理由がそこにはあった。

 

「もしかして安心してるのかい?」

 

「……根絶者はまだまだ勉強不足っすけど…今のヲクシズを見るに……“デリート”の連発は難しいんじゃないっすか?ルルヱルルとかいうのは使いづらそうっすし…」

 

ヲクシズはスキルの発動にかなりのカウンターブラストを要求した…しかもご丁寧に“エスペシャル”だ、根絶者以外では使えないようになっている。

 

「ま、ヲクシズなら今、デリートは出来ないしルルヱルルは不確定要素が強い…が、忘れてないかい?ブースター“ネオンメサイア”のRRRの内の1体を」

 

「…………っ!!、でもそんな…都合よく手札に有るわけが…」

 

「あるんだなぁ……それが」

 

神沢コハクはそのカードを僕の前に出す。

 

 

「ライド……虚空へ消えた魂を喰らう魔獣…並列する根絶者 ゼヰール(11000)」

 

 

デリートを行えるユニットはうろ覚えっすけど3体いた筈っす……

 

ヲクシズは高パワーとライド制限を持つユニット。

 

ルルヱルルは…ドライブチェックとリアガードにグレード3を要求して…

 

ゼヰールは……

 

神沢コハクは略奪する根絶者 ガノヱクをコール、SB2を使い、ドローする。

 

「そして…シークメイト…双闘!!」

 

ゼヰールの隣に並ぶのはゲヰールと呼ばれていたユニット。

 

ジャクスターポーズ・デリーターと呼ばれるユニット達が、ガーネットスターの前に立った。

 

「レギオンスキル……“デリート”」

 

「…………っ!」

 

CB2と手札のカードのドロップによって、僕のヴァンガードは再び……消えた。

 

 

「残念だが…僕を倒すという君の夢は叶わない」

 

 

「……」

 

「デリート・ユア・ドリーム……これが僕が君に用意した“デリート・エンド”だ」

 

 

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 

 

「ライサでブーストしたルースでアタック!!(12000)」

 

「ノーガード」

 

青葉ユウトと神沢マリのファイトも始まったばかりだった。

 

「ドライブチェック…胡蝶蘭の銃士 キルスティ」

 

トリガーは無し、俺のダメージにブレイクダウン・ドラゴンが落ちる。

 

「俺のターン…ドロー……煉獄竜 ワールウインド・ドラゴン(9000)にライド…さらにワールウインドとドラゴニック・ガイアース(6000)をコールする」

 

今回はきちんと事故らずにライドできた…俺はひとまず安心した。

 

「ペタルフレアでブーストしてワールウインドでヴァンガードに…パワー14000でアタック!!」

 

俺はヴァンガードによる攻撃を行った。

 

「ノーガードだよ」

 

「ドライブチェック……バスターレイン・ドラゴンだ!!クリティカルトリガー!!クリティカルはヴァンガード、パワーはリアガードのワールウインドに与える!」

 

早速クリティカルトリガーとは幸先いいな。

 

「ダメージチェック…シルヴィアとサウル…トリガー無し」

 

「よっし次だ!ガイアースのスキルでワールウインドにクリティカルを与えアタック!!(17000☆2)」

 

「調子に乗らないでね!エルンストとハンナでガード!!」

俺の攻撃はトリガー2枚に阻まれ、ターンが終わる。

 

「私のターン…スタンド、ドロー…ライド!パンジーの銃士 シルヴィア(7000)!スキルでデッキトップから…シルヴィアをスペリオルコール!さらに…鈴蘭の銃士 レベッカ(7000)をスペリオルコール!レベッカのスキル!CB1…シルヴィアを退却…トップ4枚からリコリスの銃士 サウル(9000)をスッペリオルコール♪」

 

「???」

 

よく分からない内にどんどんリアガードが現れる。

 

「…今のは…?」

 

取り合えず…いつの間にかリアガードが2体増え、ドロップゾーンのカードも増えた。

「ライサでブーストしたシルヴィアでアタック!(12000)」

 

「あ、ノーガード!」

 

「ドライブチェック…牡丹の銃士 トゥーレ、トリガー無し!」

 

ダメージはワールウインド・ドラゴンだった。

 

「レベッカでブーストしたサウルのアタック!!(16000)」

 

「……ノーガード」

 

俺にターンが回り、ダメージは3vs2…ダメージを多く食らってるのは俺の方だった。

 

 

「スタンド、ドロー……目覚めろ!穢れを知らぬ水竜よ!!ライド!ドラゴニック・ウォーターフォウル(10000)!!」

 

 

「ど…ドラゴニック・ウォーターフォウル…!?」

 

若干…呆れたような声だった気がするが……

 

「こいつは俺の大事なユニットだ」

「う…うん……」

 

俺はリアガードを新たにコールすることなく、アタックフェイズに入った。

 

「ウォーターフォウルとペタルフレアでアタック!!ウォーターフォウルのスキル……ブレイクダウン・ドラゴンをドロップしてパワー+10000!合計28000でアタックだ!!」

 

「……クインテットウォール…CB1、おいで…ハンナ!ヴェラ!サウル!ダニエル!スザンナ!!合計30000シールド!2枚貫通でガード!!」

 

2枚貫通……か。

 

「ツインドライブ……煉獄の踊り子 アガフィア…ヒールトリガー!!、ダメージを回復して……」

 

2枚貫通……このトリガーをウォーターフォウルに乗せてもう一枚トリガーを引けば……

 

「…………パワーはワールウインドに、セカンドチェック、煉獄闘士 マレイコウ…トリガー無しだ」

 

ウォーターフォウルに乗せなくて正解だったな。

 

俺は残ったワールウインドとガイアースを前のターンと同じように動かした。

 

「パワー17000クリティカル2でアタックだ!!」

 

「サウルでインターセプト、ダニエルでガード!」

 

「……ターンエンド」

 

このターン……俺はダメージを与えることはできなかった。

 

まぁヒールトリガーを引いたおかげでダメージは互いに2点…これは良かった。

 

 

「まだまだ余裕だって顔してる」

 

「ん……?そうか?」

 

「私、初心者さんには負けないよ」

 

それは聞き捨てならないな…確かに初心者だが、初めてもう4ヶ月にはなるぞ。

 

「……ウォーターフォウルのことか?」

 

何が俺を初心者風にしているのか少し考えて、聞いてみた……これが理由だったら俺は悲しいぞ。

 

「違う違う(ちょっと驚いたけど)…こうシャッフルの仕方とか……カードの持ち方とか……あ、オーラ?」

 

「オーラ……」

 

「隣の二人と比べると……ねぇ」

 

出来れば隣の二人とは比べないで欲しい…そりゃ確かに二人と比べれば俺はまだまだ未熟だが。

 

「ここまでの私のデッキで目が回ってるようじゃ…持たないよ?」

……バレてたか。

 

 

「スタンド、ドロー……ライド!!それは咲き乱れる情熱の花!!リコリスの銃士 ヴェラ(11000)!!」

 

 

ついに両者グレード3…戦いの激化は予想される。

 

 

「シークメイト…吹き荒れろ花の嵐!!ヴェラ、サウル……双闘!!…レギオンスキルで全ての銃士にパワー+3000!!」

 

 

一瞬耳を疑った……何て強力な……

 

「まだまだ!!牡丹の銃士 トゥーレ(9000)をコールするよ!!」

 

 

まただ、俺は直感した。

 

その予想通り、目が回るような連続コールが始まる。

 

「ライサを退却して、アネモネの銃士 スザンナをコール!!SB2でカウンターブラストを表に!」

 

前のターンで使われたコストが回復する。

 

「ドロップゾーンのライサのスキル!CB1で青薔薇の銃士 エルンストをスペリオルコール!ヴェラのスキルでエルンストを退却、サウルをコール!!」

1枚のカードが2枚に、そして3枚に…それがネオネクタールの“繁殖力”

 

「レギオンアタック!!パワー26000!!」

 

「くっ、完全ガードだ!!」

 

俺はゴジョーをコストにランパート・ドラゴンを使用する。

 

「ツインドライブ…ヴェラと…レベッカ、トリガー無しだよ……スザンナのブースト、サウルでアタックでスキル発動!!」

 

神沢マリは何やらドロップゾーンからカードを山札に戻していく。

 

「シャッフルして……1枚ドロー!!パワー20000でアタック!!」

 

「…ノーガード!」

 

前のターンに回復した筈のダメージゾーンに煉獄竜 メナスレーザー・ドラゴンが落とされる。

 

「レベッカでブーストしたトゥーレのアタック!!パワー22000!!」

 

「トリガーが乗ってたら危なかったな…アガフィアでガード!ワールウインドでインターセプト!!」

 

何とか守りきった…この攻撃が何ターンも続くとしたら……恐ろしいな。

 

「ターンエンドだよ」

 

「俺のターン……か」

 

俺はさっき彼女に言われた言葉を思い出す。

 

 

ーー私、初心者さんには負けないよ

 

確かに俺は初心者だ…だが、それを理由に戦いを諦める訳にはいかない。

 

戦いを任せてくれたリーダー、隣で今も戦っているヒカリやジュリアンがいる。

 

そんな仲間達のために俺は…勝利を掴まなきゃならないんだ!!

 

 

「スタンド…ドロー……」

 

ヒカリやジュリアン、リーダー達程の“経験値”は俺には無い。

 

だから、今!強くなっていくんだ!!!

 

 

「目覚めろ!穢れを打ち砕く煉獄竜よ!ライド!煉獄竜 ブレイクダウン・ドラゴン!!!」

 

 

全てを壊し、焼き払う!!

 

 

 

* * * * *

 

 

舞原ジュリアン、青葉ユウト…二人は全力でファイトを繰り広げている。

 

 

そして深見ヒカリは…

 

 

 

「これは……」

 

「これはエクスプロージョンブルー……この攻撃をあんたはグレード0でしかガード出来ない」

 

ヒカリとモルドレッドの前に立つのは、蒼く、青く輝くコスモドラゴン。

 

「これが青き炎…」

 

「ああ……青き炎の解放者 プロミネンス・グレア」

 

 

 

奇しくも……か。

 

 

モルドレッドにドラグルーラー、ファントム・ブラスター“Abyss”

 

パーシヴァルにプロミネンスコアそしてグレア

 

 

ヒカリとラシンのグレード3はそれぞれ同一人物…

 

竜と人…2つの姿を持つユニット達だった。

 

 

「神沢クン…これが……あなたの……」

 

「これが俺の……本気だ」

 

 

二人の“ノルン”そしてかつての守護竜と、その守護竜から力を貰った戦士が……その剣を交える。

 

 

 


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