君はヴァンガード   作:風寺ミドリ

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前回の投稿から半年以上経ってしまい申し訳ありません……お久しぶりです始めまして。

なかなか現実が忙しく、話を文章にする時間がとれませんでした。

そして、たまにこの話を見返すと思うわけです。

「…うわ…長っ……」 と、



というわけで今回は総集編もとい振り返り回になります。




EX1 舞原ジュリアンのレポート(1)~総集編~

レポート1

 

 

 

6月…天台坂高校1年の深見ヒカリは友人、青葉ユウトの誘いに乗ってヴァンガードのデッキを手にした。

 

そして同高校の天乃原チアキと僕、舞原ジュリアンと共にヴァンガードチーム“シックザール”を結成しヴァンガードの大型大会“ヴァンガードファイターズグランプリ”通称“VFGP”への挑戦を決意した。

 

 

深見ヒカリはかつてネット上で話題となった3人のファイターのうちの一人……“ヴェルダンディ”を思わせる雰囲気を持っている。

また彼女は青葉ユウトに誘われる前からヴァンガードをプレイしていたことがあるようだ。

 

要観察対象と見なして良いだろう。

 

 

 

レポート2

 

 

 

深見ヒカリが本当に“ヴェルダンディ”なのか…その真偽は定かでは無く、彼女自身はそのように呼ばれているファイターの存在すら知らなかった。

 

だが彼女の前に幻のファイターのうちの一人…“スクルド”を名乗る少年が現れる。

 

スクルドは女性ファイターという噂があるため彼が本物である可能性は極めて低いだろう。

 

だがしかし、深見ヒカリは彼…神沢ラシンとのファイトの中で“力”を発動させた。

 

 

それは“ヴェルダンディ”が“ヴェルダンディ”と呼ばれる由縁となった“力”と全く同じものであった…これで彼女が“ヴェルダンディ”である可能性は高くなった。

 

 

 

レポート3

 

 

7月末…ここで僕はまるで白昼夢のような……奇妙な体験をする。

 

白い霧の中に包まれた僕はいつのまにかカードキャピタルの前に立っていた。

 

そして僕はそこであの先導アイチ、櫂トシキの二人と出会い…ファイトした。

 

その裏では深見ヒカリの消失に虚無の侵攻等、複数の事件が動いていたようだがいずれの事態も半日が経たない内に解決された。

 

 

また、この後深見ヒカリは“クレイの地に立った”と供述しているが……これが真実かどうかは判断できない。

 

 

 

レポート4

 

 

 

VFGP…僕達“シックザール”は決勝戦まで勝ち抜くことが出来た。決勝の相手はスクルドを名乗る少年…いやその後の出来事でスクルドの弟だということが判明した少年……神沢ラシンの率いるチーム“ゴルディオン”であった。

 

 

青葉ユウトは彼の妹“神沢マリ”と

 

僕は彼の兄にして本物のスクルド(スクルドは女装ファイターという変態だった)…“神沢コハク”と

 

そして深見ヒカリは神沢ラシンと戦う。

 

 

青葉ユウトが神沢マリに辛くも勝利し、深見ヒカリはあと一歩のところで神沢ラシンに敗北。チームの勝利は僕の手に委ねられた。

 

神沢コハクの使う“根絶者”は戦闘経験が少なかったことも相まってなかなかの強敵であったが……僕は勝利しチームも優勝を果たした。

 

 

今回の大会で注目すべき選手は

 

 

深見ヒカリ(シャドウパラディン)

 

神沢ラシン(ゴールドパラディン)

 

神沢コハク(リンクジョーカー)

 

天海レイナ(アクアフォース)

 

城戸イヨ(メガコロニー)

 

霧谷ミツル(ペイルムーン)

 

の以上6名……彼らにはファイトの腕とはまた別種の“強さ”があるように感じられる。そう、例えば“力”のような…………

 

 

 

レポート5

 

 

 

VFGPを優勝したチームシックザールは新型MFS“ギアース”の御披露目会に招待される。

 

そこで僕達の前に現れたのは幻のファイター最後の一人“ウルド”と名乗る女性だった。

 

 

ギアースを用いたファイトは全世界へ中継され、僕達はその中で彼女の“力”に完敗した。

 

彼女の力は相手を絶対的な絶望に陥れるもの…ライド事故を起こさせるものだった。

 

それこそ正に僕が欲した絶対的な力であると言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「………しかしまぁ…お嬢からの手紙によるとウルドもヒカリさんが倒してしまったとか…これもクランへの愛が成せる技……なんすかねぇ…」

 

 

日本から遠く離れたイギリスの地。

 

どことも知れないホテルの一室、舞原ジュリアンは天乃原チアキからの手紙を読んでいた。

 

季節は2月…日付は14日……丁度バレンタインデーの日であり、手紙と共にチョコレートが郵送されてきた。

 

……といっても市販の板チョコレートだったが。

 

 

手紙の前半部分はそのことに対する言い訳だった。

 

 

「ま、お嬢のことだから挑戦するだけはしたんだろうっすけど……」

 

ーーうるさいわねーー

 

 

手紙には僕の思考を読むかのように、そんな言葉が綴られていた。

 

僕は彼女の手紙を読みながら自流の“レポート”に文章を足していく。

 

 

 

レポート6

 

 

深見ヒカリは完全に“力”を覚醒させたといっていいだろう。

 

公にはされなかったギアースの暴走事故を解決し、あのウルドさえも倒してしまった。また神沢ラシンとの“力の共有”等という僕の想像を越えた技まで成し遂げてしまった。

 

迫るVCGPではかなりの強敵として僕の前に立つことになりそうだ。

 

 

 

 

 

「だが、彼女が強くなればなるほど…有名になればなるほど……それに勝利した時のアドバンテージは大きくなる」

 

 

 

ギアースシステムの圧倒的な普及により、ヴァンガードは誰もが一度は目にしたことがあるカードゲームになった。

 

そろそろ“頃合い”だろう。

 

 

 

「と、まあ……その前に解決しなきゃならない問題はありそうっすけどね……」

 

僕は楽しそうに微笑みながら新聞紙を開く……

 

 

そこにはこんな言葉が踊っていた。

 

 

“原因不明の失神”

“絶えない頭痛”

 

“カードショップ”

 

そして

 

 

“白銀の魔女”……

 

 

僕はホテルの窓から見える、美しい月を眺めながら呟いた……

 

 

 

「ゼラ……君は……………」

 

 

月はやがて、雲に隠れ見えなくなった。

 

 

 


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