「ちょ、ちょっと待ってください!出会って早々戦おうとするなんてどれほどの問題児さんなのですかー!」
なんと飛び出してきたのは1人のウサ耳少女だった。
「ん、お前はさっきから草むらの影に隠れてたやつか。やっと姿を現したか」
どうやら十六夜は初めから気づいていたらしい。
「え、気づいていらっしゃったんですか?」
一応気配を消していたその少女は十六夜のその発言にとても驚いた。しかも。
「いや、多分俺だけじゃないぜ。他の奴らも気づいてると思うぞ。なあ麦わら」
「ああ、何か強そうなやつがいる気配はしてたぞ」
どうやらルフィも気づいていたようだ。
「そこのお嬢さん方も気づいてたんじゃないのか?」
「私の名前は久遠飛鳥よ。まあ当然よね」
「春日部耀。風上に立たれたら嫌でもわかる」
「へえ、お前面白いな」
どうやらその場にいた問題児たちは皆気づいていたようだ。そして、そんな問題児たちは理不尽な召集を受けた腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線をウサ耳少女に向ける。ウサ耳少女はやや怯んだ。
「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは1つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「あっは、取りつくシマもないですね」
バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。しかしその眼は冷静に問題児たちを値踏みしていた。
(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。まあ、扱いにくいのは難点ですけども。…て、あれ?3人?さっきまでもう1人いた気が?)
黒ウサギはおどけつつも、3人にどう接するべきか冷静に考えを張り巡らせながら、1人足りないことに気が付いた。すると突如何者かにウサ耳を触られそのまま。
「えい」
「フギャ!」
力いっぱい引っ張られた。
「あれ、やっぱりお前のこの耳本物だな!お前面白いやつだな!オレの仲間にならないか?」
どうやら犯人はルフィだったようだ。
「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」
「え、別になんだっていいだろ。それよりお前、オレの仲間にならないか?」
大事なことなので2回繰り返したルフィ。
「なりません!いいから、とりあえず私の話を聞いてください!」
「へえ?このウサ耳って本物なのか?」
今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。
「……じゃあ私も」
「私も気になってた」
「ちょ、ちょっと待ーーー!」
今度は飛鳥と耀が左から。左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴をあげ、その絶叫は近隣に木霊した。
原作では耀が初めに黒ウサギの素敵耳を引っ張るんですけどね。やっぱり何事においてもトラブルの大本はルフィって感じがしますから今回はルフィにその役目を任せてみました(笑)